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■ LD(学習障害)ニュース #342 2002/03/10 発行 登録読者(配信)数 3,505 ■
■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会 2回議事要旨 ■
■ 奈良県立教育研究所「LD−理解・啓発ガイドブック−」 2002/03/04 ■
■ 成田市 第7回 福祉講演会 講 師:五十嵐めぐみ さん 2002/03/26 ■
■ 第308回平田市議会定例会議事録平成14年度施政方針 2002/03/01 ■
■ 【雑誌】精神科治療学 第17巻2号 特集 注意欠陥/多動性障害 2002/02 ■
■ 滋賀県青少年関係機関 学習障害(LD)に関する相談 電077-588-2311 ■
■ 山梨大、教師向け相談窓口開設 卒業生に限らず開放 電055-220-8316 ■
■ 青森県 学習障害児支援へ研究会議発足 Web東奥日報 2002年2月28日 ■
■ 平成13年度岩手県障害児就学指導委員会 議事録(抄) 2002/02/08 ■
□ 編集後記 ------------------------------------ 10:47 2002/03/10 □
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会 2回議事要旨 ■
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http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/gijiroku/003/020301.htm
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特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第2回)議事要旨
1. 日時 平成14年1月24日(木)10:00〜13:00
2. 場所 文部科学省仮設会議室 A11
3. 出席者
(協力者) 緒方、河端、斎藤、西條、細村、三浦、宮崎、望月、森原、山本
の各氏
(意見発表者) A県立第二教育センター中田指導研究部長
(文部科学省) 池原特別支援教育課長、安藤企画官、古川調査官ほか関係官
4. 議事内容
(1) 事務局より前回欠席の緒方委員、山本委員の紹介があった。
(2) 事務局より意見発表者の中田指導研究部長の紹介があった。
(3) 事務局より配付資料の説明があった。
(4) 中田部長より資料に基づき「A県における盲・聾・養護学校における
センター的機能の取り組みについて」説明の後、委員から意見、質問
等があった。主な意見、質問等は以下の通り。
○A県第二教育センターでは、スクールサイコロジスト養成講座は期間は3年間
で、1、2年目は10日間づつ行い、3年目はフォローアップの為の情報交換
という形で、年4回行っている。毎年20名程度受講しており、現在で7年目
なので140名程度養成した。スクールサイコロジスト養成講座を修了した方
は実質的に力が付いているので、多くの方が学校心理士の資格を取っている。
スクールサイコロジスト養成講座は学年主任ぐらいの若くて熱心な教員の希望
を学校長に集計してもらって、学校長の推薦で受講者を選んでいただいている。
○教育相談コーディネーター養成講座は期間は1年間で、年9日間行っている。
教育相談コーディネーター養成講座は始めた所だが、毎年50名程度受講する
こととしている。教育相談コーディネーター養成講座は各市町村でこれから中
心になってくるような人を推薦してもらって受講していただいている。
○スクールサイコロジスト養成講座と教育相談コーディネーター養成講座は、7
〜8の地区に分かれて行い、スクールサイコロジスト養成講座と教育相談コー
ディネーター養成講座はある時間帯を一緒に講座を行い、受講生同士顔見知り
になってもらっている。
○養護学校の子どもは一般の子どもと地域生活の中で離れているが、地域での生
活の問題はどのように取り組んでいるか。
○モデル校となっている養護学校では学校開放・ボランティア部があり、夏休み
の学校施設開放等、障害児者の使いやすい施設として学校を機能させていこう
という動きを始めている。
○盲・聾・養護学校の子どもは日常的に早く帰宅するし、4月から完全学校週5
日制にもなるが、盲・聾・養護学校の子どもの地域での生活の取り組みについ
てA県で良い例があるか。
○土曜、日曜に障害のある子どもが余暇を過ごす為に、地域の公民館の生涯教育
の人とネットワークを結んで、障害のある子どもが行事への参加を助けるボラ
ンティアの人を研修して、障害のある子どもの行事への参加を促す事業を行っ
ている。
○モデル校となっている養護学校の支援推進部の教員は専属で行っているのか。
○支援推進部では教育相談を行う、ほぼ専属的な教員が2〜3名いる。
○ある国立大学では平成13年4月から大学院に、教育相談支援総合センターを
設置し、臨床心理士の養成や、教員を対象とした教育相談を行っている。来年
度からは特殊教育センターや教育委員会、盲・聾・養護学校と連携し、教育相
談機能を高めることを予定している。
(5) 宮崎委員より資料に基づき「地域の特殊教育のセンターとしての盲・聾
・養護学校について」説明の後、フリートーキングが行われた。主な意
見は以下のとおり。
○センター的機能がクローズアップされてきた背景は、平成14年度から全面実
施される盲・聾・養護学校の新学習指導要領に「盲・聾・養護学校は地域の教
育相談のセンターとしての役割を果たす」ことが規定がされたことと、「21
世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」において「盲・聾・養護学校
は地域の特殊教育のセンターとしての機能を充実することが望ましい」という
提言がされたことがある。
○今後養護学校が地域の小中学校へどれだけ支援できるかも重要である。
○幼児期の教育相談については、養護学校の持っている教育的資源を活用すると
いっても、養護学校の場合、幼稚部があまり設置されていないので、そもそも
教育的資源があるのかという問題がある。また、一般のスクールカウンセラー
は子ども自身の相談を受け持つが、障害のある子どもの親に対する相談支援を
どうするのかも問題だ。
○盲・聾のように障害がはきっきりしている場合は教育相談もうまくいくが、知
的障害の場合、養護学校への就学に反発する保護者もいる。
○幼稚園と保育園が別に相談を受ける必要があるのか疑問。子どもが少なくなっ
ているから相談する場が多くても行かない。現在はパソコンでメールを使った
相談も可能になっている。
○数十年前は障害のある子どもは就学前の教育を行わずに養護学校に就学する事
が多かったが、現在は障害のある子どもも幼児期の教育が重要になっており、
幼児期の教育を行う教員に対する、特殊教育の研修が重要になってきている。
○盲・聾学校は児童生徒数が少ないので、今の標準法では教育相談の教員の加配
があまりなく、幼稚部については国庫負担の対象となっていない。このため、
出産直後からの対応についてなんらかの公的な条件整備が必要。盲・聾学校と
養護学校では教職員定数が別計算で流用が出来ないのが問題。
○盲・聾・養護学校の校内組織を整備していくためには、地域の社会資源の実情
や地域住民の関心、ニーズを把握した上で、学校ごとに違った組織を整備して
いく必要がある。
○「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」で示された「教育、福
祉、医療、労働等の関係者で構成する特別の相談支援チームのような組織」に
おいて盲・聾・養護学校はどのような役割をするのか、なにが出来るのかを検
討しなければならない。
○異なる障害種の人同士が交流することは、お互いに障害のある人を支援する立
場を体験することになり、相互理解に役立つと考える。
○障害のある子どもの親に将来に向けた人生設計を考えてもらうよう支援するこ
とが必要。
(初等中等教育局特別支援教育課)
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■ 奈良県立教育研究所「LD−理解・啓発ガイドブック−」 2002/03/04 ■
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http://www.kenkyu.tawaramoto.nara.jp/hp/ld-guide.htm
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「特別な教育的支援を必要としている子どもたちLD(学習障害)
−理解・啓発ガイドブック−」を発行しました
以下に、その内容の一部を紹介します
はじめに
みなさんは、「LD」又は「学習障害」という言葉を聞かれたことはあるでし
ょうか。LD(Learning Disabilities)という教育用語は、アメリカの教育心
理学者であるカーク(Kirk,1963)が提唱したと言われています。
具体的には、知的な遅れはないのに、次のような傾向があると言われています。
・ 集団の中では、話を聞き取れず、理解することができない。
・ 人が聞いて分かるように話をすることができない。
・ たどたどしい読み方をしたり、行をとばして読んだりする。
・ バランスが悪くて、ほとんど読めない文字を書く。
・ 筆算の桁をずらして計算する。
・ 計算はできるのに、文章題が解けない。
・ 友達の感情や気持ちを考えずに、自分のペースで行動する。
・ 身体の動きがぎこちない。
最近、このような特徴をもつ子どもたちを「LD児」又は「学習障害児」と呼ん
で、テレビや新聞でも大きく取りあげられています。
しかし、このような特徴をもっているからといって、すぐにLDと判断すること
はできません。子どもがLDかどうかの判断は非常に難しいので、学識経験者な
どの専門家の判断が必要になります。
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■ 成田市 第7回 福祉講演会 講 師:五十嵐めぐみ さん 2002/03/26 ■
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http://www.city.narita.chiba.jp/topics/fukusi/index.html
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ありのままで 〜夫のガン死をこえLDの息子とともに〜
LD=学習障害について、みなさんご存知ですか? 100人に2〜3人はいるとも
言われるLD児の教育について、そして家族のあり方について、五十嵐さんが自
身の体験を通して語ってくれます。
親しみやすいトークショー形式の講演会です。どうぞ気軽にお越しください。
◆期日=3月26日(火)
◆時間=午後2時30分〜4時
◆会場=市役所6階大会議室
◆参加費=無料
※参加希望者は直接会場へお越しください。託児室(3〜6歳)もありますので、
希望する人はあらかじめ保健福祉計画課へ、電話、FAXまたはEメール(下
記)にてお申し出ください。また、当日は手話通訳もつきます。
(問)成田市役所保健福祉計画課
T E L 0476 (20) 1535
F A X 0476 (24) 2367
Email mailto:fukukei@city.narita.chiba.jp
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■ 第308回平田市議会定例会議事録平成14年度施政方針 2002/03/01 ■
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http://www.city.hirata.shimane.jp/04/2002/0305/index.html
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第308回平田市議会定例会の開会にあたって、平成14年度の施政方針を申し
述べ、議員の皆様方ならびに広く市民の皆様方のご理解を仰ぎたいと存じます。
--- 中略 ---
今日の教育の現場に渦巻くさまざまな問題は、その背景に、家族関係の変化を
はじめとして、子供たちを包む社会的環境の全体的な変化があるだけに、もはや
一人の教師、一つの学校、一つの家庭の努力だけでは解決しえない面があります。
これらの問題に対処をしていくためには、地域全体の力を集めた教育サポート
システムの必要性を痛感しておりますが、今年度は、その端緒として市立教育研
究所の体制強化を図ったところであります。
引き続き新年度には、県から専門教員の出向を受け、ADHD(注意欠陥多動
性障害)、LD(学習障害)等を対象とした適応支援教育や、障害児療育への実
践的な取り組みを中心に、その他、学校現場から提出された教育上の諸課題につ
いても、教職員との共同組織を立ち上げ、精力的な調査・研究活動を進めていく
ことにしております。
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■ 【雑誌】精神科治療学 第17巻2号 特集 注意欠陥/多動性障害 2002/02 ■
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http://www.seiwa-pb.co.jp/bo/bo0102u.htm
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精神科治療学 第17巻2号 2002年2月 2,880円
【特集】注意欠陥/多動性障害(AD/HD) II
AD/HDとトゥレット症候群 金生由紀子
AD/HDと高機能PDD 栗田 広 立森 久照 長田 洋和
AD/HDと学習障害(LD) 原 仁
AD/HDと気分障害 齊藤万比古
AD/HDと反抗挑戦性障害・行為障害 原田 謙
AD/HDの薬物療法:課題 山崎 晃資
AD/HDの心理社会的治療:教育との連携,教師への支援
清水 康夫 本田 秀夫 日戸 由刈
論文抄録及び添付図版が下記サイトで閲覧可能です。
http://www.seiwa-pb.co.jp/bo/bo01s/02/17/02.htm
http://www.seiwa-pb.co.jp/bo/bo01s/02/17/02_1.htm
精神科治療学 第17巻1号 2002年1月 の抄録は下記サイトで。
http://www.seiwa-pb.co.jp/bo/bo01s/02/17/01.htm
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■ 滋賀県青少年関係機関 学習障害(LD)に関する相談 電077-588-2311 ■
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http://www2.longlife.pref.shiga.jp/sanpo/link/adviceroom.html
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学習障害(LD)に関する相談
滋賀県総合教育センター 077-588-2311 (障害児教育係学習障害相談担当者)
・ 学校を通して申し込むことを原則としますが保護者からの直接の申し込みも
できます。
・ 学習障害等で教育相談を希望する子どもや保護者に対して相談窓口を開設。
必要に応じて医療機関等専門機関を紹介。
(相談日は休日でない火・木・金 8:30〜17:15)
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■ 山梨大、教師向け相談窓口開設 卒業生に限らず開放 電055-220-8316 ■
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http://www.asahi.com/edu/lifelong/K2002030600406.html
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山梨大教育人間科学部がこのほど、幼稚園から高校までの教師を対象にした相談
窓口を開設した。「不登校児」の増加や「学級崩壊」、さらには今春の学習指導
要領改訂などで現場の苦労は増えるばかり。同学部の教授ら36人が専門分野に
応じ、無料で悩みの相談に乗る。
山梨大はこれまで、教育フォーラムや指導教官が教え子の相談に乗る形で、教師
の悩みを受け止めてきた。同大教育実践総合センター長の金子修一教授(中国古
代史)のもとにも「授業の組み立て方や学習障害について学びたいという相談が
あった」という。
相談窓口 電話055-220-8316 ホームページ http://www.kjb.yamanashi.ac.jp
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■ 青森県 学習障害児支援へ研究会議発足 Web東奥日報 2002年2月28日 ■
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http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0228/nto0228_16.html
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県内の小中学校の通常学級にも一クラス一人の割合でいるとされている学習障
害(LD)児童生徒を支援するための「調査研究運営会議」が設立され、二十八
日、青森市の県総合学校教育センターで第一回会議が開かれた。学校、医療、福
祉関係者や大学教授、親の会代表など四十八人で組織された。二〇〇二年度は東
青学区をモデル地区に指定し、LDの実態把握を進めながら、青森市の四小中学
校の協力を得て実践的な支援を行う。
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■ 平成13年度岩手県障害児就学指導委員会 議事録(抄) 2002/02/08 ■
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http://www.pref.iwate.jp/~hp0902/gaiyo/kekka_14_2_8.html
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1 日 時
平成14年2月8日(金)10:00〜12:00
2 場 所
岩手県庁舎 12階特別会議室
3 出席者(敬称略)
(1) 委 員
伊東宗行 山家均 村井盛子 山口淑子 鎌田文聰 菅原正和 石田豊 中
村仁子 小野寺洽夫 野中雄太郎 高橋榮幸 大澤和江 八重樫勝 細田重
憲 赤羽卓朗 穂積惠祥 田澤睦夫
(2) 事務局
田口淳一 伊藤学司 岩船敏行 鈴木文雄 千田光久 高橋勉 東信之 佐
藤文円 及川求
4 議 事
(1) 報 告
ア 本県の特殊教育の現状について
イ 平成13年度障害児就学指導事業の実施状況について
ウ 平成12年度市町村就学指導委員会の状況について
エ 平成13年度当初盲学校・聾学校・養護学校への就学・転入学の学校指定
状況について
オ 就学指導の在り方、就学事務手続きの見直しに係る国の動向について
以上のことについて、会議資料に基づき事務局から報告がなされた。
(2) 協 議
ア 報告についての質疑
(大澤委員)
・ 情緒障害(小・中学校)学級はどこに増設されたのか。
・ 障害のある(情緒障害)児童の保護者が通常学級を希望することが、多くな
ってきている。そこで、個に応ずるためにも教員の加配ができないものか。
・ 比較的障害の軽い児童生徒に通級ができる学級ができないものか。
・ 情緒障害に関して専門的な情報をお聞きしたい。
(事務局)
・ 情緒障害児学級の増加は、小学校で4学級、一関市立山目小学校への増設、
前沢町前沢小学校、花泉町永井小学校、種市町中野小学校への新設である。
中学校では、胆沢町小山中学校、一関市桜町中学校、大船渡市第一中学校の
3校への新設である。
(山家委員)
・ 「情緒障害」という用語自体がそもそも合っていない。この点を改正してほ
しい。「自閉症は自閉症」「発達障害は発達障害」である。明確な名称を使
っていただきたい。
・ 確かに情緒障害学級は増えてきているが、指導力、指導内容については、各
学級間で相当ばらつきがあるのではないか。教育と医療の、よりいっそうの
連携が必要であると感じている。
・ 学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等は通常学級で
は指導の困難性を抱えているが、低学年段階での診断については極めて微妙
な問題を含んでいる。医学的なレベルの診断と教育的なレベルの診断では、
一致するのにまだちょっと距離がありそうだという印象を持っている。
・ 通常学級の先生方すべてが自閉症やLDについてどこまで理解するかにかか
っていると思う。また一方では、知的障害はないが生活上の問題があると特
殊学級や養護学校を勧めるという動きがあるが、排除の論理ではなく、理解
がなされなければいけないと思う。
・ ところで、「特殊学級」という用語はなくなるのか。
・ また、前沢養護学校への職員の配置はどのようになっているのか。在籍数の
状況から見ると前沢養護にもう少し教員を配置しても良いのではないか。ま
たは、県南地域への養護学校の新設、養護学校の再編を進める必要があるの
ではないか。
(事務局)
・ 情緒障害児指導のための教員の加配については県では行っていない。あくま
でも市町村の教育委員会の判断で行っている。
・ 情緒障害学級児の通級指導は制度上は可能であるが、本県では実施していな
い。
・ 通級について、本県では国から通級要員ということで加配されているが、枠
の中で対応(他県も同じ)しており、通級については「ことば」と「きこえ」
の学級で行っている。来年度、特別支援教育に係わるプランを作成する検討
の中で、岩手の望ましい通級指導の在り方を検討していきたい。
・ 各学校間の連携、教育と医療の連携については、前沢養護学校において自閉
症の指導について研究したが、その際、山家委員はじめ、福祉関係、近隣の
小中学校の先生方とネットワークを取りつつ研究をすすめていくことができ
た。このような形でより良い教育を作り上げていきたい。
・ 加配については、教職員課と連携と取りながら対応していきたい。現状の対
応では、緊急雇用対策やT・Tの加配等で、できる範囲で行っている。
・ 「特殊学級」「特殊学校」の用語については、文部科学省が検討事項として
いる。岩手県教育委員会では昨年4月の事務局再編に伴って特殊教育班を
「特別支援教育班」の名称に変更した。
・ 前沢養護学校の職員の配置については、本務採用職員のほかに期限付き臨時
教員も含めて手厚い人事配置を進めている。
(菅原委員)
・ 児童生徒数が増えているが、山家委員、伊東委員に専門的(医療的)観点か
ら、要因についてお聞きしたい。
(山家委員)
・ ある時期、子ども達を差別しないようにという親の意向が大都市圏中心にあ
り、養護学校や特殊学級に在籍することをあまり望ましい方向でないように
とらえていた。
一方では、小さい頃から子どもを現実的に理解し、どういう教育が子どもに
一番ふさわしいか考え、通常学級に在籍させても何も変わらずにこぼれてし
まうことを想定し、前向きな姿勢で考えている保護者がいると考えている。
・ 教育が閉鎖的にならず、もう少し様々な連携をしていくことが鍵を握ってき
ていると思う。
(伊東委員)
・ 「みちのく療育園」という岩手県では民間で、初めての重度・重複障害児施
設ができた。昨年から盛岡養護学校の訪問教育を行ってもらっている。年度
の途中であったが配慮いただき、毎日5〜6名の教員が指導に来ている。
・ 国立療養所内の重症心身障害児施設が病院型であるとすれば、「みちのく療
育園」は生活福祉型の施設であり、教育の必要な方が多く入所している。
(平均年齢は20歳を切っており、県内の他の施設入所者の平均と比べて1
5歳以上若い。)平成14年度は小学生も数名入る予定になっている。教育
との関わりが多くなると思う。
・ 御質問の特殊教育の対象児の件であるが、情緒障害児の数は確かに増えてい
る、知的障害児は横ばい、肢体不自由は減少傾向にある。数の上ではそうな
っているが、発生頻度(有病率)は、ほとんど変わっていない。
・ 病弱については、長期入院が不必要な子どもが多くなり、減る傾向にある。
逆に重度・重複障害の方に対する高等部までの教育のニーズが高まる傾向に
ある。
・ 単一の障害が少なくなり、重複障害が多くなってきている。こういう状況に
対して学校の施設等の在り方、あるいは先生方の専門性はどうなっているの
か。重複障害の方々に対しての学校設置を検討してもらいたい。
(事務局)
・ 養護学校の在り方については、文科科学省では京都市に研究指定をし、知的
障害と肢体不自由を併せ持った子どもを対象にした知肢併設の養護学校につ
いて研究を進めている。その取組み等を参考にしながら、岩手県の養護学校
の編成を見直していきたい。
・ 教職員の専門性については、現在は盲、聾、養護学校免許状の中で対応して
いるが、国では「総合免許制」について審議され、特殊教育免許状保有率を
高めることが検討されている。現職教員については各研修機関等で研修を深
めている。
(穂積委員)
・ 巡回相談に養護学校等の教員を依頼することができないか。
・ 教育相談に市町村の指導主事が同席するなど、就学後にもつながるように充
実させてほしい。
(事務局)
・ 障害児巡回教育相談については、各地域で養護学校等の教員の参加を得なが
ら実施するよう、今後も努力していく。
・ 就学後の教育相談の充実については、必要性を十分に認識しており、障害児
就学指導地方研究協議会等の場でもお願いしている。今後、指導主事等の会
議の場でも徹底していきたい。
イ 市町村及び盲学校・聾学校・養護学校から障害の程度が判別困難として依
頼のあった児童生徒の審査について
○ 審査及び質疑なし。
ウ 平成14年度入学予定児童に関する市町村教育委員会の就学指導状況につ
いて
○ 質疑なし。
エ その他
(田澤委員)
・ 訪問教育の高等部受験資格について、現在では、中学部で訪問教育を受けて
いなければ高等部で訪問教育が受けられないようになっているが、このこと
について対策を講じてほしい。また、過年度卒の訪問教育中学部卒業生の場
合はどうか。
・ 普通学校に入り、障害が原因で登校拒否になったケースがあるが、早い時期
から就学指導を行ってほしい。
(事務局)
・ 平成10年度から高等部の訪問教育を行っているが、指摘のとおりである。ど
のぐらいニーズがあるのか具体的に把握し、対応を検討していきたい。
・ 障害児の実態調査等に現れてこない障害のある児童生徒の把握についても努
力し、学校に入った後に十分な対応がなされるよう、各学校に働きかけてい
きたい。
(細田委員)
・ 卒業後の進路選択の状況について、施設に入所した者については、当初から
の希望によるものなのか。
(事務局)
・ 施設入所者については、就職ができないから施設を選ぶということではない
ものと把握している。入所・通所とも、希望しても入れず、施設が空くのを
待っている状況の生徒も数多い。
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□ 編集後記 ------------------------------------ 10:47 2002/03/10 □
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ソルトレイク・パラリンピックが開会しました。
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★ LDニュースへ講演会等のイベント情報掲載を希望される方へ・・・
★ 詳しくは下記サイトをご覧下さい。原稿は編集する場合もあります。
★ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html
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▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員になってください! ▼
▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲
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■ LDニュースの記載内容に関する質問にはお答え出来ない場合があります ■
■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■
親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999.03.12 更新]
ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998.07.31 更新]
i-mode 版 URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/i/ [2000.05.10 更新]
LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい
LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000.08.17 更新]
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