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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #288 2001/08/02 発行 登録読者(配信)数 3,269 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都議会 平成13年3月 定例議会 厚生委員会 議事録 2001/03/22 ■ ■ 東京都議会 平成13年3月定例議会予算特別委員会 議事録 2001/03/16 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 07:23 2001/08/02 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都議会 平成13年3月 定例議会 厚生委員会 議事録 2001/03/22 ■ ------------------------------------------------------------------------ ◯和田委員 初めにADHD対策であります。  これは、横文字は私余り使いたくないのですが、本を読むとみんなこうなって いますし、表現の仕方がないので許していただきますが、ADHDというのは頭 文字でありまして、アテンション・デファシット・ハイパラクティビィティー・ ディソーダー、こういう、そのAとDとHとDをつけてADHD、こういってい ます。これを訳してみますと、注意欠陥多動性障害、注意を払えなくて動き回っ ちゃうという、そういう病気の名前ですね。  これは最近書店などにも本が並べられるようになりまして、私も、これは梅ケ 丘病院の佐藤院長と市川副院長が訳したものを、調査に行ったときにサイン入り でいただいて、じっくり読んでにわか勉強させていただいたわけでありますが、 ようやく読んでこの中身を今知っているところでございます。  さて、それではADHDとはどういう病気であって、それはどの程度の頻度で 子どもたちに発症するものなのか、まずお伺いいたします。 ◯上間健康推進部長 ADHDとは注意欠陥多動性障害のことで、注意力障害と、 それから多動、衝動性を特徴とする行動の障害のことで、精神発達障害の一つで ございます。  具体的な症状としましては、注意が持続できないとか注意がそれやすいとかな どの注意力障害、それから、手足をそわそわ動かすとかじっとしていない等の多 動性、さらには、質問が終わっていないのに答えてしまう(笑声)順番を待つこ とが苦手等の衝動性、こういうようなことが少なくとも六カ月以上持続し、そし てこれらが二カ所以上、例えば学校と家庭とかの場で見られる、こういうような ことで、日常生活に支障を来すなどの状態のことをいうといわれております。  それから発症頻度のことでございますが、現在のところ、日本では実態は把握 されておりませんが、アメリカなどの調査によりますと、小児の三%前後と専門 家は推定しております。 ◯和田委員 この病気が病気として世に誕生したのは、知れたのは、一九〇二年 のイギリスの精神医学会で初めて報告をされています。百年前に発見されたもの です。私は、よく落ちつきのない子どもとか、せわしないお子さんですねなんて いう、そういう日常的な会話で表現をしている子どもさんの多くは、このADH Dの可能性があるのではないかと思っています。なぜならば、今部長ご答弁のと おり、三%という数字が発症率の一つの基準になっています。これは、WHOだ とかあるいはアメリカの精神医学会によって診断項目はそれぞれ違うのでありま すが、基準はともかくとして、一定の項目を複数継続的に繰り返すというような 子どもにADHDという病名が冠されるということになっているわけであります。  そこで、三%という数字を東京都の現実の数字に当てはめてみますと、今東京 都の幼稚園児が十七万います。それから小学生が五十六万、合わせて七十五万人、 幼小の子どもたちがいるわけであります。これに〇・〇三を掛けますと、二万四 千人のADHDの子どもたちがいるというふうに今の部長答弁の発症頻度から想 像がされます。  そのうち、後でお示ししますが、幼稚園よりも子どもの方に発症率が高いわけ でありますけれども、この五十六万に〇・〇三を掛けますと一千八百人、四十人 クラスとすると、これが四十五クラスぐらいになりますか、クラス全部ADHD の子どもたちを集めると、四十五クラス形成するということになるわけでありま す。  私は、このように、発症頻度が高くて、なおかつ余りADHDというのは巷間 口に上らない、この都議会においても、ADHDをテーマにした質疑というのは これが初めてだというふうに聞いておりますから、一九〇二年にイギリスで出た 病気が、百年たってもまだ日本の都議会の中でも取り上げられなかった、なおか つ、三%の発症率であるというにもかかわらず取り上げていないということに、 このADHDの理解をもっと我々はしていく必要があるということを申し上げた いと思うわけであります。  特に多動性の、どういう状況かを表現しますと、教室で席につかなければなら ないときに座らず、たとえ座っても、しばらくすると席を立ってしまうような児 童の多くはADHDだ、また、絶えずおしゃべりをしたり大声を出したりする子 ども、ほかの子どもにちょっかいを出し、いつも人の邪魔をしているような子ど ももADHDの可能性がある、これが多動性の一つの日常的な表現をされた態度 です。  それから、衝動性はどんなものかといいますと、衝動的な反応を抑える能力の 欠如だ、こういっています。例えば、ADHD児の多くは、普通ならば一人でも 大丈夫という年ごろになっても、同伴者なしで歩道を歩かせるわけにはいかない。 気になる人がいたり興味を引くものがあった場合には、車が行き交っているにも 構わず道路に飛び出していってしまうというような衝動性を持っているわけであ ります。  こういう子どもたちが、今私どもも、私の北区には発達協会という場所があり ますが、そこのクリニックを視察したり、子どもたちがトレーニングを受けてい るところを視察してまいりましたけれども、大変父母も本人も悩んだ形でこのA DHDと闘っているところであります。  さて、それでは、原因と治療法というのは部長はどのように今お考えになって いるんでしょうか。 ◯上間健康推進部長 文献等によりますと、このADHDの原因については、何 らかの遺伝的な素因があるといわれております。そして、その他の要因としまし ては、妊娠中における胎児の脳損傷や、心理、社会的要因等も考えられておりま すが、直接的な原因については現在のところ不明でございます。  それから、治療についてでございますけれども、現在、厚生労働省におきまし ては、ADHDの診断と治療のガイドライン作成の研究を行っている段階でござ いまして、治療法については確立されたものはございませんが、現在行われてい る主な治療法としましては、自己の衝動性などに気づいて相手の感情に気遣うな ど自己コントロール力の強化とか、保護者など周囲からの助言や指導、それから 中枢神経興奮剤とか抗てんかん薬などを使用した薬物療法などであると思います。  各医療機関におきましては、これらのいろいろな、それぞれの症状に応じまし て、これらの三つを組み合わせて行っており、適切な刺激を与えることで症状を 改善することができるというふうに考えております。 ◯和田委員 その発達協会というところから出しているこの雑誌の中に、私が私 淑を受けた湯汲英史さんという人が書いているんですが、ここ数十年もの間、A DHDの原因は食べ物にあるという説が主張されてきました。特に食品添加物や 砂糖、またアレルギーを引き起こす食品などが影響しているといわれてきた。し かし、最近では食品が直接の原因ではないことがわかってきて、今部長の答弁の とおり、遺伝の問題、脳の発育過程での遺伝形質の影響が大きいだろうというふ うに説が変わってきます。  しかし、ここに書いてあるとおり、数十年もの間、原因がわからないものだか ら、これは食べ物だよ、食べ物だよというふうに、医学界の中でもそういう先入 観を持って子どもたちと接触をしてきた、こういうおくれた感覚の中でADHD は今日まであるわけであります。  さて、私は、日を選んで都立梅ケ丘病院に行ってまいりました。調査をいたし ました。そこで市川副院長と一時間近く勉強させていただいたわけでありますが、 都立の梅ケ丘病院の佐藤院長はこのレポートを私にくださったわけです。その中 で、梅ケ丘病院のADHDの患者の推移というのを八年間にわたって示していま す。例えば、平成四年のときにはADHD患者というのは五十五人しかいません でした。しかし、五年度は七十七、翌年百六、翌年百十三、翌年百十六、翌年百 七十、翌年二百六十九、そして平成十一年度は、実にその人数たるや三百十二人、 平成四年度から実に六倍の多きに増加をしているという数字が梅ケ丘病院の院長 報告に載っているわけです。  さらに詳しく見ますと、小学校の一年から六年、六歳から十二歳までの間で二 千百九十六人の総計患者がいたわけでありますけれども、多動性の障害というの は実にトップで六百三十九人もいました。二位は自閉症で二百七十九人、要する に、小学校のときに多く発症してくる病気であるということであります。  ちなみに、中学生の十二歳から十五歳になると何が一番トップかというと、二 千百十六人の子どもの患者のうち、適応障害が四百十一人、精神分裂症が二百六 十三、神経症、不登校というのが百五十八、そして四番目に多動性障害が百五十 八という形で出てくるわけです。  ここから読み取れるとおり、小学校の一年から六年の間にADHDは都立病院 のこの報告の中でもはっきり読み取ることができるわけでありますから、小学校 時あるいは就学前の父兄なり子どもたちにいかにADHDの理解をさせていくか ということが大事だということを私は申し上げたいわけでございます。  そこで、点検組織というか、そういうものはありとあらゆるところに張ってお くべきだと思うんですが、児童相談所ですとか保健所ですとかあるいは保育所、 そういう子どもが大人と接触できる、あるいは保育の、あるいは教育の現場で、 多少知識がある方が見ればすぐわかるような、こういう診断基準のようなものを どのように今運用しながら、東京都は、市区町村も含めて子どもに対応している んでしょうか。 ◯上間健康推進部長 現在、区市町村が実施しております乳幼児健康診査等にお きまして、これらADHDなどの疾病の早期発見に努めております。また、必要 に応じましては、小児神経専門医による乳幼児発達健康診査を行っており、さら に、専門医療機関における精密検査の受診を勧奨したり、専門の療育機関の紹介 を行っております。 ◯和田委員 さきに申し上げたとおり、申し上げた報告書があったんですが、高 校生以上になるとほとんどないんですね。小学校で集中して、中学校でちょっと 残っても、高校生はなくなる、そういう年齢的な大変特徴がある病気であります から、小学校あるいは就学前のところでどのように、公的機関も含め、教育機関、 福祉機関がこれを捕捉するかという問題がかぎを握るだろうと思うんです。  これは違った先生からのお話ですけれども、有名な、我々がテレビでよく見る タレントのAさん、あるいは何かインタビューなどで話題の高い女性、それから スポーツの有名な監督、これはみんなADHDの気があるというふうにある先生 がいっていました。それは悪いことじゃなくて、その気を生かしていけば立派に 社会生活ができるよという意味でその先生は私に教えてくださったわけでありま すが、具体的名前は差し控えますけれども、そういうふうにいわれてみると、な るほど、ADHDの人が大人になればああなるのかなというような人が随分いま す。ですから、私はこれを変な意味で取り上げているわけじゃありませんで、行 政がしっかり医療行為の中でつかまえていくべきだということを申し上げている わけでございます。  問題は、このADHDの今申し上げたようなことを、保護者も含め、あるいは 教育機関、保健所、保育所というようなところにしっかり教える必要があるだろ うと。そのためには、ビデオを撮るとか、あるいはインターネットも含めて、こ ういうものはこういうふうに処すれば決して怖い病気ではありませんよというふ うに理解を深めるようなこれからPRなどしていく必要があると思うのでありま すが、何かお考えですか。 ◯上間健康推進部長 ADHD児への対応は、保護者など周囲の人々がADHD をより深く理解し、その人に合った対応を心がけることが大切であると考えてお ります。このため、ADHDに関する正しい知識の普及が図られるよう、保健所 や保育所職員等に対する研修や情報の提供を実施するなど、地域における支援体 制の整備に努めてまいります。 ◯和田委員 病気が衛生局のところでわかっても、病気がそのまま存在するわけ じゃありませんで、病気にかかった子どもが教育現場にいるわけですね、小学校 に限っていいますと。その子どもたちに、あるいは父兄に、学校に、衛生局の知 識なり常識をいかに正確に伝えて、怖い病気じゃないんですよ、だからこういう 治療とこういう周囲の注意があれば子どもは立派に育ちますよということを誤解 のないように伝える必要があると思うんですね。  したがって、今の部長は、確かに衛生局のサイドではわかりました。では、そ れをどのように教育現場や保育現場に伝えようというふうに努力をされているん ですか。 ◯上間健康推進部長 現在東京都では、LD児やADHD児などに関する関係四 局の共通理解を深めるために、平成十二年九月に、教育庁を中心としまして、学 習障害等に関する連絡会を設置して、情報交換や連絡調整などを行っております。 ◯和田委員 それも、私が聞いたところでは、去年の九月にできて、一回程度し か開いてないんでしょう。だから、私が調べたりしてみると、三%が、実に四十 五クラス丸々がADHDだというふうになるくらいに深刻な状態だというのを当 局は受けとめていないように見えちゃうわけですよ、九月につくって一回しかや っていないわけだから。まして、ADHDだけじゃなくて、ほかの学習障害もや っているわけですから、ADHD専門じゃないわけです。  ですから、もう少し関心を衛生局が持ってくれなければ困りますけれども、そ れを正確に教育庁や福祉局あるいは労経だとか、そういうところに頻度多く、こ ういう問題はこういうふうに学会が、海外の学会でもこういう報告があったから、 これをこういうふうに生かして、教育現場に、あるいは保育現場に伝えてほしい というようなことを強くいっていただきたいと思うんです。  国は、東京都のそういう取り組みとは別に、ことしの一月の十五日に「二十一 世紀の特殊教育の在り方について」という最終報告を出しました。そこにははっ きりADHDの問題を国の方はうたって、各市区町村を含めて地方でこの問題を 勢力挙げてやりましょうよというふうになっているんです。そういうことを含め て、国の動向をどの程度まで部長は知っていらっしゃいますか。 ◯上間健康推進部長 国の動向でございますけれども、厚生労働省では、臨床の 実態に即したADHDの診断と治療のガイドラインを作成するための研究を平成 十一年度から行っております。また文部科学省におきましては、特別な教育的支 援を必要とする児童生徒等の実態や指導の状況について、全国的な調査を平成十 三年度に実施するという予定になっております。 ◯和田委員 今の部長の答弁だと、国の十三年度の調査結果を待って重い腰を上 げようかななんていうふうに受け取れちゃうんです、意地悪くすれば。  しかし、私ここに梅ケ丘病院の病院案内を持っていますが、冒頭ですよ、病院 の特色というところでこううたっているんですよ。小児・思春期精神疾患の専門 病院、それの下に子ども精神保健相談室等々が書いてある。東京都が誇る小児の 精神疾患の専門病院がここにあって、専門の、先ほど申し上げた市川先生とか佐 藤先生なんかがいて、論文も彼らは随分書いています、いろいろなところに。そ れも全部報告になっていますけれども、ほとんどADHDの論文を書いています ね。それほどまで熱を入れているのが伝わってきていない。それほどまで熱を入 れているにもかかわらず、例えば先ほどの学習障害者に対する連絡会などが昨年 九月に設置されてから一回しか開かれていない。本当の意味で熱っぽくこのAD HDを、今かかわっている子どもたちの苦労、また家庭の悩みを解消しようとす る姿勢を私は感ずることができないわけです。  ですから、国のそういう出方を待たずに、今まで積み上げてきた梅ケ丘病院の ADHDの知識あるいは診断してきた過去の経験、私からいわせれば、国が梅ケ 丘病院に、あなたのところの実績をぜひ国に貸してください、自分たちはまだ余 り調査していないから、実態を佐藤院長さんあるいは市川副院長さん、教えてく ださいというふうに来るくらいにここはしっかりしたものを持っていると思うん ですが、東京都独自のADHD対策というものを考えられませんか。 ◯上間健康推進部長 都は、これまで、乳幼児健康診査などにおきまして、疾病 の早期発見や相談ができるように、区市町村の保健医療従事者等に対して、AD HDに関する研修や情報提供等を実施してまいりました。また、梅ケ丘病院にお きましても、専門的な医療を、今ご紹介がありましたように提供をしております。  今後とも、国の動向を踏まえまして、先ほど申しました連絡会を通じまして、 教育庁など関係各局との緊密な連携を図り、適切な対応に努めてまいります。 ◯和田委員 答弁の繰り返しで、余り進歩がありません。  私が申し上げたいのは、ADHDそのものを誤解をもとに広めるというんじゃ ないんですよ。しっかりした理解を持ってもらって、ご父兄などが--私は発達協 会のトレーニングルームをのぞきましたけれども、子どもが六人いるところに先 生は四人いるんですよ。六人の子どもに四人の先生がいるんですよ。ということ は、たとえをもう少し広げてみると、教室に三十五人でもいい、そこに一人のA DHDの子どもがいると、今普通の先生は一教室一人ですから、ADHDの子ど もに一人かかわったら、残り三十数人の子どもは先生は見られないんですよ。そ ういうことの累積が学級崩壊だとか、あるいは先生を懲らしめちゃおうかという ような形になってきている原因の一つかもしれない。  現場を見れば、六人の子どもに四人の講師の方々がついて、お相撲をとらせて みたり、肌を触れ合ってみたり、静かに座らせるための工夫をやってみたり、そ れはマンツーマンでやっているんですね。そういうことをやってようやく、それ も保険も何もききませんから、一回行くと一万円ですよ。一週間に本当は一回行 きたいんだけれども、お金がかかるから、一週おきで月に二万円かけてやってい ますよというお母さんがいました。それは午前十時から一時までです。食事のト レーニングもやって、全部で一万円です。大変な苦労と費用を払ってそういうA DHDのお子さんを持っている家庭は頑張っているわけですよ。  それに立派なデータを持っている梅ケ丘病院が何らかの手を差し伸べられない、 来るお客さんしか待てない。来る患者しか待てないというんじゃ情けないと思う。 もう一回答弁願います。 ◯上間健康推進部長 先ほど申しましたように、ADHD児に対する支援につい ては、母子保健事業の中で、疾病の早期発見、相談及び精密検診などを行ってお りまして、これをまた、ADHDに対する情報について皆様に周知徹底してまい ろうと思っております。  また、都としましては、区市町村の保健医療従事者等に対する情報提供、研修 の実施を続けてまいります。現在国が行っておりますこのADHDの診断と治療 のガイドラインを作成するための研究、国が行うこの実態調査を踏まえまして、 教育庁など関係各局とも連携を図ってまいりたいと思います。 ◯和田委員 だから、国の実態調査を待って待って待って待ってという言葉だか ら、僕は、何のために梅ケ丘の子どもの専門の精神の病院があるんだということ をいっているんですよ。データもしっかりあるじゃないですか。後で上げますよ、 これ。ちゃんと佐藤さん書いているんだから、しっかり、グラフもつけて。  ここまでADHDの実態がわかっていながら、処方せんがわかっていながら、 あとは薬を飲ませばいいだけじゃないですか、子どもに。そのことを積極的にや らない行政に僕は怒っているわけですよ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都議会 平成13年3月定例議会予算特別委員会 議事録 2001/03/16 ■ ------------------------------------------------------------------------ ◯寺山委員 それでは次に、学習障害児対策についてお伺いをしたいと思います。  学習障害児という言葉は、もうこれは都議会においても、あるいは都政の課題 においても取り組まれている問題でありますけれども、現在アメリカでは、十人 に一人の割合で、学習障害と呼ばれる中の代表的なものの一つであるディスレク シアと呼ばれる、これは先天的に読みに問題を持つ子どもがいるといわれていま す。しかし、残念ながら、このディスレクシアという名前さえ、実は聞いたこと もないという方も多いのではないかと思います。  このディスレクシアというのは、今いいましたLDと呼ばれる学習障害、実は これは非常に広域な概念でありまして、こうした概念の中に大きく一括されて、 全く通常の生活能力を持っているのにもかかわらず、知的障害の方々と同等の扱 いとしてみなされている例が多々あるというふうに聞いています。このディスレ クシアの子どもたちは、そういった学習上のハンディ以外では実に多くの才能を 持ち合わせています。例えばアインシュタインがそうだといわれていますし、芸 術や、あるいは文化、また最近ではITの分野で非常にその才能が発揮されてい る事例があるそうです。  欧米では、これは実は非常に早くから研究が進んでいまして、そうした現状に 対して、彼らの先天的に持っている潜在能力の開発を助けようということで、ア メリカではこのディスレクシアの専門の教育機関がつくられていて、偏差値にと らわれないような、そうした特有の指導に当たっているという例がたくさんあり ます。  今、日本でも個性を尊重する教育というものが叫ばれていますけれども、都が 率先して、今のこの教育制度の中で苦しんでいる−−実態として、例えば読みが できないということによって、いじめに遭ったりだとかということで不登校の状 況に至る、あるいは教員の理解がなかなかないということで学校嫌いになるとい うふうな子どもたちが多く存在をしています。ぜひこうした子どもたちの才能を 開花させてあげるような教育のあり方というものをお考えいただけないかという ふうに思います。  こうしたディスレクシアを持つ、学習障害も含んだこうした保護者の方々から すると、やはり一番まず先に、学級担任の理解や指導の充実を求める声というの が多く聞かれています。もちろんこれは個に応じた指導が当然必要になってくる わけです。この指導に対する専門性を高めていく、あるいは知識をふやしていく ということが必要というふうに思います。  来年度からは教職員の研修センターが設置されますけれども、ここにおける、 その学習障害児に関して、一体どのような専門的な研修を行っていかれるのかと いうことを伺います。 ◯横山教育長 平成十三年度に新たに設置いたします東京都教職員研修センター におきましては、幼稚園、小中学校、高等学校、盲・聾・養護学校の教職員に対 しまして、学習障害児についての医学的な理解をまず深めるとともに、通常の学 級における個に応じた指導のあり方を会得させるために、事例研究や課題研究を 主体とする、専門性の向上を図るための研修を行うこととしております。 ◯寺山委員 そうした学級担任、直接そうしたディスレクシアを含む学習障害の 子どもに当たる担任の先生、特にそうした方々に対する指導の充実というのをぜ ひ調べていっていただきたいと思いますが、実は、こうした学習障害児に対する、 いわば特殊的な教育の制度を含めた教育のあり方というのを決めたのが、まだ本 年の一月なんですね。これは国でなったのは、まだ緒についたばかりです。ある いは文部科学省の方は、来年度、小中学校における学習障害児などの調査をして、 全国的に一体どれぐらいいるのかというふうな調査を行うと聞いております。  国としては、まさしくこれからスタートさせるということでありますが、都の 教育庁は、比較的先進的な取り組みをこれまでずっと行っていらっしゃいました。 そうした担任の先生の方々に対する指導のあり方というものも大切ですけれども、 実は、そういう子どもたちに対する評価のあり方ということについての柔軟性を 持たせるべきではないかというふうに思いますけれども、教育長としてはどのよ うにお考えでしょうか。 ◯横山教育長 昨年の十二月に、国の教育課程審議会におきまして、障害のある 児童生徒も含めまして、新学習指導要領の実施に伴う評価のあり方について答申 が出されたところでございます。都教育委員会としましては、この答申に示され ております、一人一人の障害の実態等を十分把握しまして、児童生徒が持てる力 を発揮して学習活動に取り組む状況をきめ細かく評価する、こういうことなどに ついて、区市町村教育委員会及び都立学校に対して周知を図ってまいります。 ◯寺山委員 そうした制度の評価のあり方ということについては、まだこれから 時間はかかると思いますけれども、例えば私の知っている、そのディスレクシア と呼ばれているような子どもで、実は日本の教育の中ではなかなかなじめなくて、 不登校の状況になりました。その後、アメリカの方に行きまして、やはり専門的 な教育を受けました。彼は非常に音楽的なセンスがあったということで、今アメ リカの方の有名な音楽大学の、パーカッションというパンパンパンパンやるのが ありますが、そこで教育を受けて、非常に注目されている日本の若い青年の一人 になってきています。  まだまだこれから教育改革ということで制度の改革も含めて行われるわけです けれども、やっぱりこうした才能を伸ばしていく、天才教育とまではいいません けれども、そうした才能を伸ばしていくような教育のあり方、あるいは評価のあ り方というものを、東京都の教育委員会、あるいは都立大学、そうしたところで ぜひこれからお考えいただければというふうに思います。よろしくお願いいたし ます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 07:23 2001/08/02 □ ------------------------------------------------------------------------ 【LDフォーラムのメンテナンスのお知らせ】 下記期間中、メンテナンスのため全ての会議室をリードオンリーとさせていただ きます。期間中はご迷惑をおかけいたしますが、ご協力のほどよろしくお願い申 し上げます。  2001/08/10 01:00 〜 08/13 23:00 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