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□ LD・発達障害等関連図書 → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/books/ □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #601 2005/09/19 発行 登録(配信)読者数 3,537 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員・ボラ会員募集中! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都 第4回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ ■ 東京都 第5回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ ■ 東京都 第6回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 12:04 2005/09/19 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都 第4回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/4youshi.htm −−−−−−−−−−−−−−−−− ★開催日時 平成17年1月27日(木)午前10時から正午まで ★開催場所 東京都庁第二本庁舎31階特別会議室23 ★議事要旨 以下のとおり(○=委員、△=事務局) 1 開会のことば 2 配布資料確認 3 報告事項 (1)第3回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会議事要旨確認 △議事要旨は各委員の御意見について、発言順に要旨という形で整理させていた だいた。本件については、既に評価委員及び4区市に御確認いただき、現在、東 京都教育委員会ホームページに掲載するための手続をしている。 4 議事 (1)特別支援教育体制・モデル事業中間報告(平成16年12月期)について △各区市の特徴やポイントについて説明させていただく。 ・A自治体 平成15年12月の東京都心身障害教育改善検討委員会の最終報告を受けて、特別支 援教育の在り方を検討するための検討委員会を設置した。理解啓発についてもこ の委員会で検討しており、教職員を中心とした研修会に保護者や都立養護学校関 係者にも参加の呼びかけを行った事例もあるとのことであった。また、教育委員 会広報誌(季刊)に特別支援教育の解説を連載している。 特別支援教室の試行については、心身障害学級が設置されている小学校4校を中 心に実施している。6名の児童を対象とし、専門委員会の指導・助言に基づき、 個々に応じた丁寧な支援を行っている。巡回指導の結果、対象児童の中には、当 初設定した課題に改善が見られたため、専門委員会が巡回指導の終了を決定し、 校内体制による支援に戻したケースもある。  アセスメントシートや個別指導計画のフォーマットについては、本評価委員会 の視察時等の御意見を踏まえ、改善、見直しを行っている。 今年度は、体制整備と研修に重点をおいた。来年度は、特別な支援を要する児童 ・生徒のための支援システムを試行するため、現在ある入級判定委員会等との整 理など検討を行っていく。 ・B自治体 理解啓発については、就学予定の児童の保護者への説明会や教員を対象とした研 修会を実施している。 本自治体は、まずは各学校の創意工夫により取り組んでもらい、これを基に自治 体がモデル的なものをまとめて、各学校にフィードバックするという形態をとっ ていることから、管理職のリーダーシップによって取組状況に差が出ているのが 現状である。 本自治体の開発地域においては、今後も児童・生徒数の増加が見込まれているた め、空き教室が不足している。また、習熟度別授業に重点を置いていることから、 教室確保が課題となっており、特別支援教室という「場」(特別支援教室のため の「教室」)を整備することが難しい現状がある。 巡回指導は、地域のボランティアや大学院生など、外部の人材活用を積極的に行 っている。また、専門家による巡回相談については、教育委員会が学校心理士を 置くNPO法人と委託契約をして、各小・中学校が巡回相談の制度を活用しやすく なるように工夫している。 ・C自治体 理解啓発策として、特別支援教育のリーフレットを作成し、全小・中学校児童・ 生徒の保護者や幼稚園、保育園、都立養護学校及びその他の関係機関に配布した。 今年度は、教員が特別支援教育について、保護者にきちんと説明できるようにな ることを目的に研修等を実施している。校内体制の整備については、昨年末よう やくすべての小・中学校において、校内委員会の設置と特別支援教育コーディネ ーターの指名が行われたところである。しかし、特別支援教育コーディネーター の力量によって成果の格差が生じているのが現状であり、特別支援教育コーディ ネーターの育成が今後の課題である。 巡回指導時における巡回指導講師の役割や専門性については、本評価委員会でも 議論されているところであるが、今後、特別支援教育の本格的な実施を見据えて、 見直しを行う予定である。 ・D自治体 理解啓発については、管理職、教諭など職層ごとに研修会を実施している。 特別支援教室の試行については、すべての小中学校を対象とし、Cタイプを中心 に実施している。 他の自治体と比較して、交通の便が悪く、大学やNPO法人なども少ないため、他 の機関との連携や外部の人材を確保するのが難しいことが課題である。 △先日行われた運営連絡会においては、次の2点について、特に意見が出された。 (1)特別な支援を必要とする子どもの情報が幼稚園や保育園から小学校にあが ってこない。プライバシーの問題はあるが、早期の対応が重要であるので、就学 前の子どもたちの情報収集システムを検討する必要がある。 (2)今年度は、東京都心身障害教育改善検討委員会で示された特別支援教室の ABCタイプのうち、Cタイプをメインに試行・検証している。今後、現行法制度の 中で、どのようにABCタイプを展開していくかが課題である。 ○特別支援教育を進める上で、校内体制づくりが重要である。モデル事業の実施 区市については、特別支援教育コーディネーターの指名や校内委員会の設置が1 00%行われていると理解してよいか。 △よい。 (2)特別支援教育推進体制モデル事業(国)の概要説明 △東京都では、本モデル事業の他に国の委託を受けて、平成15・16年の2年間、 2区市(墨田区、稲城市)がモデル事業を実施している。事業内容は、校内委員 会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名など、校内体制の整備が中心で ある。1年目は校内委員会や特別支援教育コーディネーターの役割についての理 解が不十分のため、十分に機能が発揮されなかったが、2年目は個別指導計画の 作成を通じ、今まで気付かなかった子に対する気付きや教員の対応の仕方などが スムーズに行えるようになり、組織的にも動きやすくなってきた。 なお、特別支援教室の試行はしていない。 墨田区では、通級指導学級との連携を図りながら実施しているが、稲城市では通 級指導学級が設置されていないので、巡回相談を中心に実施した。今年度で国の 委託期間が終了するが、2区市とも自治体独自で、継続していけるよう調整中の ことである。また、巡回相談など専門性をもった人材を確保するため、近隣の大 学と連携を図るなど工夫している。 本事業の成果については、2月4日にシンポジウムを兼ねた2区市の報告会にお いて発表する予定である。また、モデル事業の成果を踏まえ、校内体制の整備の 在り方等を盛り込んだ理解啓発資料を作成する予定である。 (3)評価の視点について △本モデル事業を評価していただくため、第1回の評価委員会にお示しし、御意 見を頂いたものである。3年間を通した評価の視点であるが、今年度はこれまで の実績報告や視察を基に評価していただきたい。 ・視点1 特別支援教室の設置の在り方について  児童・生徒一人一人の特別な教育ニーズに適切に対応する「特別支援教室」と するために、設置形態及び指導体制にどのような工夫をしているか。 ・視点2 特別な教育ニーズのある児童・生徒の相談体制の在り方について  特別な教育ニーズを有する児童・生徒の把握や、特別支援教室での指導の必要 性の有無に関する判断、保護者や本人への相談支援、指導時数の決定等について、 どのようなシステムを整備しているか。 ・視点3 特別支援教室における教育内容・方法の充実について  個別指導計画」に基づく個に応じた指導を充実させるために、学校、保護者、 専門家等がどのような連携を図っているか。 △これらの評価の視点について、今回の中間報告をもとに補足や改善点があれば 御意見をいただきたい。   視点1 特別支援教室の設置の在り方について ○中央教育審議会の「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(中 間報告)」の中で、特別支援教室の説明と固定学級の関係について述べられてい る部分がある。 特別支援教室をすぐに作るのではなく、設置を目指すために現行の心身障害学級 をいかに弾力的に運用するかということが課題である。そのため、モデル事業実 施区市では、心身障害学級のノウハウの活用や研修の在り方など、来年度取り組 まなければならない課題が多くなってきている。また、特別支援教室への移行は、 段階を踏まえて行っていかなければならない。 評価の視点1については、中央教育審議会の「特別支援教育を推進するための制 度の在り方について(中間報告)」を踏まえた上での評価をしなければならない が、制度の見直しなど、国の動向に気をつけなければならない。 ○特別支援教室の在り方については慎重に検討しなければならないが、中央教育 審議会の中間報告においても、「弾力的な運用」という言葉が使われている。17 年度の課題としては、障害の程度にもよるが、体育、図工、音楽、道徳等、可能 な授業から交流学習を柔軟に進めてほしい。 また、通級指導担当教員が巡回による指導を行うなどの工夫ができないか。現状 でどこまでできるのか工夫する必要があるので、来年度は評価の視点に入れてほ しい。 ○発達障害が連続的になってきて、障害のあるなしの線引きが難しくなってきた。 そのため、弾力性、柔軟性が重要となってくる。社会の流れにあわせて、個々の 実情に合ったたくさんのメニューを用意することが必要である。 ○現行の制度の中、考えられる課題を整理し、教育の場を保障することが大事で ある。   視点2 特別な教育ニーズのある児童・生徒の相談体制の在り方について ○評価の視点2については、東京都教職員研修センターから提出された資料も参 考にしながら、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの育成につい て考えていきたい。 ○東京都教職員研修センターでは、モデル事業実施の4区市に対する聞き取りを 行うなど、コーディネーターとして必要な資質を分析したうえで、特別支援教育 コーディネーターを育成するためのプログラムを作成した。本プログラムは小中 学校用と盲・ろう・養護学校用の2つに分かれており、研修期間を5日間(10 コマ)で計画している。研修の内容によっては、小中学校と盲・ろう・養護学校 が共同で実施したり、校種ごとに単独で実施したりするなど学校の実態に応じら れるようにしている。 ○今御説明のあったコーディネーター養成研修の位置付けについて教えてほしい。 都が小中学校の特別支援教育コーディネーター研修も行うということか。 △小・中学校の特別支援教育コーディネーターの養成については、東京都特別支 援教育推進計画の中に示されているが、都は区市町村において中核的な役割を果 たすことのできる人材を育成する。各区市町村においては、都における研修を修 了した人材を有効に活用するなどして、地域の実情に応じた育成研修を実施して いただきたいと考えている。 ○特別支援教育コーディネーター養成研修については、研修回数が2回以下の割 合が多い。政令指定都市では20回という事例もあるが、2〜4回という回数の 実施が圧倒的である。区市町村の独自性を考えて、推進することができるものを 提案してもらいたい。 ○特別支援教育コーディネーター養成研修の内容・時間について聞き取りしたと ころ、一つ一つの研修の内容は有効的であったが、系統的になっていないことが 課題としてあがっている。 今回提示した特別支援教育コーディネーター養成研修計画は、これがすべてよい ものとは考えていない。これをたたき台にし、御意見をいただいて改善していき たい。 ○評価の視点の中に教員の専門性の向上や保護者への理解啓発、盲・ろう・養護 学校と区市町村小・中学校との連携ということも必要ではないか。 ○4区市の中間報告の中にも課題として出されていたが、特別支援教育について の管理職、教職員、障害のある児童生徒の保護者と障害のない児童生徒の保護者 の方々に対する理解啓発は重要であり、評価の視点としていくべきだと思う。 ○特別支援教育を進めるにあたり、保護者の理解啓発は重要であるが、制度が流 動的な段階で、児童・生徒や保護者に何を正しく理解してもらわないといけない のかということが非常に難しい。また、リーフレットでは抽象的なものが多く、 具体性がないのであまり興味が持たれないということもある。理解していただき たいものを明確にして、理解を求めなければならない。また、広報の対象だが、 自分の子どもが特別な支援が必要だと思っている人の関心は高いが、潜在的なニ ーズがある通常の学級にいる子どもの保護者には、ほとんど理解されていないと 思う。 ○校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーター指名について、モデル事業 の4区市以外の現状はどのようになっているか。 △東京都では、校内委員会の設置率は59.5%、特別支援教育コーディネーターの 指名は42%である。 ○通級や固定学級の児童生徒の人数が増大している中、限られた人、教室の中で 個に合った教育を行うのは難しいのではないか。現行の心身障害学級を活用する というのであれば、もっと学級を増やすなりする必要があるのではないか。受け 皿が少ないと思う。    普段、通常の学級に在籍している児童が、固定学級の教育を受けた場合、教育課 程の違いから学習内容の差がでてくる心配がある。今まで学習したことが継続で きるようにし、両方の子どもにとって効果がでるものにしてほしい。 保護者の中には学校に入ってから子どもの障害に気づくことが多く、途中から通 級指導学級に行くケースもある。そのときになって初めて保護者の意識の中に葛 藤が生まれたり、悩んだりすることが多いので、子どもが生まれたときから子ど もについての情報が保護者に分かるように情報収集できるシステムの構築が必要 である。 ○教育現場だけでは対応が難しい。医療・福祉など横の情報が流れるシステムを 構築することが必要である。 ○就学指導委員会でも話題になる。就学前にいくつかメニューを用意することが 必要だが、メニューを見なければ意味がない。区市によって取組を進めているが、 なかなか進まないのが現状である。 ○B自治体はNPO法人と連携しているが、専門性のあるNPO法人はどのくらいある のか。委託するのはいいが、きちんとチェックしていくことが必要である。 ○学校にいない時間の支援をどうするか。24時間学校にいる訳ではないので、家 庭や他機関との連携も必要である。   視点3 特別支援教室における教育内容・方法の充実について ○個別の教育支援計画の作成については、問題があると思う。幼児期の段階で、 就労までのとても長い期間を見越して作成できるのか疑問である。イギリスでは 14年間の教育を4つに分けて、それぞれのステージごとに作成している。 ○都立の盲・ろう・養護学校では、平成17年度に個別の教育支援計画を作成する。 幼児期の段階では学校卒業後まで、在学中は就労までを視野に入れて作成する。 各段階がきちんとつながるようにすることが重要である。 ○個別の支援計画が小学校から中学校、中学校から養護学校、学校から企業へと それぞれのステップに上がる行程で、正確に情報が引き継がれるように連続性を もたせるようにしなければならない。 ○私立学校の小・中学校はモデル事業に入っているのか。 △最終的には対象となると思うが、モデル事業は公立だけである。私立小・中学 校で特別な支援が必要な対象者について、現状把握はできていない。学校等の要 請があれば情報提供等の対応をしていく。私立の盲・ろう・養護学校との連携も 状況に応じて対応していきたい。   (4)副籍モデル事業中間報告(平成16年12月期)について ・B自治体 5つの盲・ろう・養護学校から各2名の児童・生徒を対象とすることで話を進め てきたが、どの児童・生徒を交流の対象とするかの決定に時間がかかった。 副籍を希望しない理由としては、地域指定校の送迎に対する負担感や、地域指定 校でのいじめに対する不安、養護学校での教育を希望するため等があった。また、 地域指定校は居住地の小・中学校が原則であるが、兄弟、姉妹とは異なる学校を 希望する場合や心身障害学級が併置されている学校を希望する場合など要望は多 様であり、どこまで弾力化できるのかということが課題である。 なお、学齢簿への記載については、関連部署と調整中である。 交流については、現在対象児童が少ないため、盲・ろう・養護学校の教員が付き 添うケースが多いが、本格実施したときの対応が課題である。 ・D自治体 副籍モデルの対象児童生徒26名であり、内18名が副籍を希望した。希望しな い8名については、B自治体における事情とほぼ同じである。地域指定校に交流 に行く場合の送迎について、本格実施の場合にどう対応するかが課題である。 当初は受入側の教員の中に不安感や戸惑いがあったが、実際に交流を行い、通常 の学級の児童にとってもいい変容を目にして、教員の意識にも変化が見られた。 △副籍の趣旨は、都立盲・ろう・養護学校と地域指定校からなる小・中学校の児 童生徒同士が理解しあい、地域とのつながりを維持・継続することである。今回 の中間報告をもとに評価の視点について、補足や改善点があれば御意見をいただ きたい。 △運営連絡会において、交流時の支援体制の整備が課題としてあげられ、本格実 施に向けては、送迎等保護者の協力も必要であるという意見が出された。 また、「副籍=学校での交流」ではないため、最低限どこまで行うものなのかを 明確にしたり、学校での交流の他にどういう活動があるかなどを模索したりする 必要があるという意見も出された。 △副籍の実施に当たって、1 地域指定校の決定の過程の中で、保護者や児童生徒 の意見をどのように反映させていくか。2 交流の具体的な活動を充実させるため に年間指導計画との連携をどのように図っていくか等の課題がだされた。 視点4 副籍について ○副籍を進めるに当たって、受入校のトイレ、スロープ等の施設の整備をどの程 度進めたらよいか。養護学校に通学するお子さんの保護者から、受入校すべてに 専用のトイレやスロープを設置してほしい等の要望があった。 △2市においても施設整備面を課題としてあげていた。今はバリヤフリーができ ている学校や、行事参加等、可能なところから実施している。 △一部、副籍について誤解されている部分があるようだが、副籍は、盲・ろう・ 養護学校に在籍する児童・生徒が地域とのつながりを維持・継続することを目的 としている。盲・ろう・養護学校に在籍する児童・生徒にとって、盲・ろう・養 護学校の教育が中心であることに変わりはない。交流の内容は個別指導計画を作 成する際に判断するものであり、受入側の体制等条件への配慮も必要である。今 後、最低限どこまで行う必要があるかということも検討する必要がある。 ○授業交流や丸一日いる場合には施設を改修しなければならないが、必要がある 数時間の交流ならばその必要はないのではないか。そのためにはどこまでやる必 要があるかを示さなければならない。 ○副籍の理念は分かる。行事の参加や作品の展示など相互理解を図るための交流 は重要であるが、教科学習の中でも行えるようにしなければならないと考える。 そのために交流もねらい、形態等を考えて行うことが必要である。しかし、副籍 は始まったばかりなので、居住地交流や共同学習の内容の工夫をしながら、地域 の子どもとして認識していただくようにしていただきたい。 環境面では、介助者などのためのボランティアや学生の活用を考えていかなけれ ばならない。また、養護学校教員の付添いは納得できるが、ニーズが増えたとき の対応を考えなければならない。 ○副籍で期待するものは、(1)地域への帰属、(2)通常の学級と積極的に交流する ことによる能力の向上である。例えば、盲・ろう・養護学校に在籍している児童 ・生徒の中で音楽や美術等が得意な子がいた場合、地域指定校にあるクラブ活動 に参加するというような形態がとれないだろうか。 また、学校選択制や通学区域の弾力化など、地域への帰属という概念が流動的な 中、地域指定校の選定は難しくなってくる。 ○副籍と交流は同じではない。小中学校の名簿に副籍の児童生徒の氏名を掲載す るなど、教員の意識付けが重要であり、交流を強制してはいけない。また、保護 者の希望を地域指定校が拒否することも行ってはならない。現状で何ができるの かが重要である。 ○インクルージョンを提唱しているイギリスにも特殊学級はある。要は子どもの 実態や能力に応じて様々な選択肢があることが重要。副籍制度の運用も弾力的に 行ってもらいたい。 (5)事務連絡 △今後の日程について 本年度の委員会は本日で最後となるが、本モデル事業については今年度から3年 間実施する予定なので、委員の皆様には、来年度も引き続き評価をお願いしたい と考えている。今後とも是非御協力いただきたい。なお、次回は年度末にモデル 事業実施区市から提出していただく実績報告をもとに来年度4月に実施したいと 考えております。今後の委員会の日程や委嘱に伴う事務手続については、別途事 務局よりご連絡をさせていただく。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都 第5回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/5youshi.htm −−−−−−−−−−−−−−−−− ★開催日時 平成17年4月28日(木)午後3時から5時まで ★開催場所 東京都庁第二本庁舎10階208会議室 ★議事要旨 以下のとおり(○=委員、△=事務局) 1 開会の言葉 2 配布資料確認 3 報告事項 (1)第4回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会議事要旨確認 △ 議事要旨は各委員の御意見について、発言順に要旨という形で整理した。本 件については、評価委員及び4区市に確認し、既に東京都教育委員会ホームペー ジに掲載している。 4 議事 (1)特別支援教育体制・副籍モデル事業実績報告書(平成16年度)について 1 特別支援教育体制モデル事業 △ 実績報告書に基づき、各区市の実施状況のポイントについて説明する。 【A自治体】 ・理解啓発については、保護者に対する説明会、校長・教員に対する説明会、研 修会の実施、広報誌への掲載を行った。 ・校内体制の整備については、特別支援教育コーディネーター・校内委員会を全 校で指名、設置した。成果として、コーディネーターが研修内容を校内で伝達す ることで、教員の意識の変容が見られたこと、専門家との連携の必要性が改めて 認識されたことがあげられている。 ・特別支援教室の試行は、小学校のモデル校の児童について専門委員会の決定を 受け、通級指導学級の教員が巡回指導により実施した。改善が見られた児童につ いては、巡回指導の終了を決定している例もあった。 ・個別指導計画については、専門委員会、評価委員会の助言も得て、アセスメン トシート、個別指導計画表の標準化を図った。個別指導計画のフォーマットを作 成し、全校に送付した。 ・区の支援システムの構築として、保護者の了承を得て校内委員会から専門委員 会にあげ、特別支援教育を開始するまでのシステムを検討した。教育相談所、拠 点校、校内委員会と連携を図るシステムとした。 【B自治体】 ・理解啓発として、説明会や研修会の実施、教育委員会ホームページや教育広報 誌での記事の掲載を行った。成果として、管理職も対象の研修会を開催し、管理 職の意識を高めたこと、各種団体や保護者自主組織などでの関心が高まり、特別 支援教育説明会が行われたこと、幼稚園、保育園や学齢前児童保護者の就学相談 に軽度発達障害が多くなったことなどがあげられている。 ・校内体制の整備では、特別支援教育コーディネーター、校内委員会とも、全校 で指名、設置が完了した。成果として、全校体制での取り組みをする学校が現れ てきたこと、外部機関との連携が進んだことなどがある。 ・各種検討委員会では、特別支援教育推進協議会を設置し、専門家の評価を得る ことができた。 ・個別指導計画の様式の統一化が今後の課題となっており、誰にでも内容が分か ることや、書けることが特別支援教育の普及に必要だと考える。 ・事業実施の成果として、通常の学級に在籍する軽度発達障害の子どもに対する 支援や、知的障害固定学級の在籍者の通常の学級での交流の推進に向けて、保護 者や知的障害固定学級の協力を得るためには工夫を要することが分かった。 ・その他、福祉部門の事業との連携、NPO等民間事業との連携の検討などがあが っている。 【C自治体】 ・理解啓発として、説明会の実施、リーフレットを作成し、管内全小・中学校、 幼稚園、保育園、関係諸機関に配布したほか、自治体のホームページにも掲載し た。成果として、都立養護学校がセンター的役割を発揮して合同での研修会を実 施し、小・中学校教員の専門性を高めることができた。また、第1年次の取組内 容及び成果と課題について、地域・保護者を対象にした報告会を4月に実施した。 ・校内体制の整備では、特別支援教育コーディネーター、校内委員会とも、全校 で指名、設置が完了した。課題として、校内委員会を有効に活用していくための 取り組みや、特別支援教育コーディネーターのリーダーシップについて推進する ことが必要であることがあげられている。 ・各種検討委員会として、自治体の地域支援ネットワーク協議会を設置し、関係 諸機関との連携について協議を進めているところである。 ・特別支援教室の試行として、巡回による指導、専門家による巡回相談などが行 われ、巡回による指導を行うすべての児童に対し、個別指導計画を作成した。 【D自治体】 ・理解啓発として、説明会の実施、教育広報への掲載、リーフレットの配布を行 った。 ・校内体制の整備では、特別支援教育コーディネーター、校内委員会とも、全校 で指名、設置が完了している。16年度の課題と17年度の予定として、校内委 員会の活性化、コーディネーターとしての専門性の向上があげられている。 ・各種検討委員会として、特別支援教育検討委員会を設置し、今後についてもこ の検討委員会を中心に事業を進めていく。 ・特別支援教室の試行については、巡回相談を小・中学校全校で実施、巡回指導 の実施をしている。 2 副籍モデル事業 【m自治体】 ・理解啓発として、保護者、教員に対する説明会を行ったが、保護者、教員とも 副籍事業の理解が不十分なことがわかった。17年度も教員及び保護者に対して 説明会を実施していく必要がある。 ・対象児童・生徒の中からモデルとして、児童・生徒の居住地を基本に地域指定 校を決定し、学齢簿備考欄に記載した。保護者の希望や、学校の受け入れ体制な どにより、決定の仕方を考えていく必要がある。 ・盲・ろう・養護学校と地域指定校の連携状況については、連絡会を設置し、個 別指導計画、交流計画等の作成については、協議を開始しており、概ね良好な状 態である。 ・交流の状況は、学校便りの交換など校種に応じた交流を行っている。交流時の 支援体制としては、盲・ろう・養護学校の担任や保護者が付き添って実施してい る。実施の過程で、学校の負担感があることや、保護者は積極的に支援してくれ ることが分かったことなどから、17年度は、学級便りや手紙の交換を企画する こと、授業以外での子ども同士の関係づくりを研究することなど交流形態を研究 していく必要がある。また、安全管理について学校と家庭の連携を深めていくこ とが課題である。 【n自治体】 ・理解啓発として、教員、保護者に対して説明会等を数回ずつ実施している。今 後も、副籍事業の成果を周知し、事業への理解を深めるための説明会、研修会等 を実施していく。 ・対象児童・生徒に地域指定校の決定については、説明会を実施したあと、希望 する児童・生徒について副籍の指定校を決定した。学齢簿への記載も行った。 ・盲・ろう・養護学校と地域指定校の連携については、養護学校各担任が地域指 定校を訪問し、交流内容についての検討会を実施した。 ・交流の状況については、学校・学級便りの送付をはじめ、学校に応じた交流を 行っている。交流時の支援体制は、養護学校の教員や保護者が対応して実施して いる。交流の成果として、学校間の関係の深まりや、養護学校の保護者の交流に 対する関心の深まりなどがあげられている。17年度は、交流が形骸化しないよ う活動と関連づけ検討していく必要や、交流活動を類型化し整備していく必要が ある。また、保護者が参画した支援体制についても検討していく。    ○課題のところで「システム全体の見直し」や「従来からある委員会との整理統 合」とあるが、具体的にどのようなところを課題として取り組もうとしているの か。 △A自治体では、従来の就学相談と別立てで行っているものを、個別支援計画の 中で一貫性をもたせていけるよう検討していくことを考えている。 ○就学相談の前の段階の支援計画は考えられていないのか。モデル事業を進めて いく中からでてくるとよい。 ○就学相談の前の段階の在り方については、都としてモデル事業を行って研究し ていこうと考えている。区としては、今までのシステムをもとに取り組んでもら えればと考える。専門委員会を設けている自治体では従来の入級判定委員会との 関係をどう整理していくかが課題であると示されている。 △入級判定に専門家を区の予算で位置づけていても単独でしか動かない。今後の 考え方として、システムを充実していく方向で見直しできればと考えている。 ○現在は、巡回相談等のモデル事業が小・中学校を中心に行われているが、今後、 就学指導委員会の在り方を検討し、就学前の段階の個別支援計画を学校教育にど う結びつけていくか考えていく必要がある。 ○副籍モデルの実施では、就学児童・生徒が地域指定校決定をするにあたり、特 別支援教育体制がすべての学校でできていることが前提である。体制が整わない 等問題がある場合、児童・生徒、保護者に安心感を与えつつ、モデル事業として の趣旨がずれないように対応していく必要がある。 ○条件が整わない学校の底上げをしていくことが必要である。また、副籍を希望 しない理由の分析をして対応していく。 △東京都心身障害教育改善検討委員会の最終報告の中では、盲・ろう・養護学校 に在籍する児童・生徒の保護者が希望する場合の実施となっている。交流につい ても、できるところからいろいろな形態を試行し、今後、本格実施をしていくと きにどこまでできるのか考えていく必要がある。 △体制を整えて計画的に交流を進めた結果、乗り気でなかった児童、保護者の気 持ちが変わったという成果も報告されている。一人一人条件が違うので労力はか かるが、17年度18年度と少しづつでも成果を積み重ねていき、制度を創り上 げていきたいと考えている。 ○副籍を行う意味とメリットをもっと訴えていく必要がある。 ○副籍モデルは東京都独自の取り組みであるが、具体的な成果を翌年度に生かし て広げ、積み上げていきたい。 ○特別支援教育に対する保護者の理解がまちまちである。行政としてどのように 対応していくのか。 ○特別支援教育体制が今後どのような方向に進んでいくのか、各自治体とも動向 を見定めている状況である。このモデル事業にかかわる取り組みが進むことによ り、保護者の意識にも影響していき、不安を払拭していくことができると考える。 ○通常学級の保護者の関心が低いのは事実である。何か実際に起こった時に問題 になる可能性を秘めている。こうした保護者に対して理解啓発を進めるには相当 具体的に何かを考えていかなければならない。一方通行ではなく双方通行で、通 常学級の児童・生徒に対しても良い影響を与える授業などをモデルとして行って いくなど考えていく必要がある。 ○PTA研修会で特別支援教育の講演会、映画会等行っていくことは可能である。   (2)平成16年度特別支援教育体制・副籍モデル事業の成果及び課題 △第1回で示した評価の視点を踏まえ、また、これまでの評価委員からの意見な ども含め成果と課題をまとめた。 1 特別支援教育体制モデル事業 2 副籍モデル事業 ※説明は、別紙の通り http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/bessi.htm (3)事務連絡 △本モデル事業は、平成16年度から平成18年度までの3年間実施する予定で ある。委員の方々には平成17年度も引き続き委員をお願いしたい。 次回は、各区市の平成17年度事業計画書をもとに5月以降に実施する予定であ る。日程や委嘱に伴う事務手続き等については、別途事務局より連絡する。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都 第6回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会(議事要旨) ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/6youshi.htm −−−−−−−−−−−−−−−−− ★開催日時 平成17年6月30日(木)午後3時から5時まで ★開催場所 東京都庁第二本庁舎10階210会議室 ★議事要旨 以下のとおり(○=委員、△=事務局) 1 開会の言葉 2 配布資料確認 3 報告事項 (1)第5回特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会議事要旨について △ 議事要旨は各委員の意見について、発言順に要旨という形で整理した。本件 については、評価委員及び4区市に確認し、既に東京都教育委員会ホームページ に掲載している。 (2)平成16年度特別支援教育体制・副籍モデル事業の成果及び課題について △ 第5回評価委員会においてまとめられた平成16年度の成果及び課題につい ても、東京都教育委員会ホームページに掲載している。 (3)特別支援教育体制・副籍モデル事業実施要項について △ 委託期間を更新した。また、対象地域について、今年度は4区市すべてで特 別支援教育体制・副籍モデル事業を行うので、その旨変更になっている。 (4)特別支援教育体制・副籍モデル事業評価委員会設置要項について △ 本年度も引き続きということで、設置期間の更新となっている。 4 議事 (1)平成17年度特別支援教育体制・副籍モデル事業計画書について ○ 平成16年度の成果及び課題を踏まえて、今年度どのように取り組んでいく かを中心に、事業実施区市教育委員会から説明する。 【A自治体】 特別支援教育体制モデル事業について  理解啓発として、引き続き教育委員会のホームページに掲載する。大学と連携 して、特別支援教育コーディネーターの研修を10回程度行う。また、全教職員 を対象として研修会を実施する。住民対象として、講座を年2回実施する。  今年度は新たに、「特別支援教育推進計画検討委員会」を設置し10月にシン ポジウムを行う。  特別支援教室の試行についてはA,B,Cタイプとも引き続き行い、今年度は拠点 校を拡大する。  個別指導計画については、通級指導学級や知的障害学級の教員の支援を受けな がら、自校の教員のみで作成できることを目指す。作成しやすいように、フォー マットの見直しも行う。  巡回相談は大学院生と連携して3人位のチームを作って行い、今年度すでに活 動を始めている。対象児童・生徒の状況によって、3〜6か月を目途に巡回の見 直しをするための規準表を作成する。 副籍モデル事業について  今年度より「特別支援教育推進計画検討委員会」を開催し、その中で課題等を 整理し、自治体としての取組を検討していく。今年度から、モデル的に養護学校 の児童、生徒の居住地校交流として実施しており、この取組における課題も、副 籍モデル事業に生かしていきたいと考えている。 【B自治体】 特別支援教育体制モデル事業について  重点校、指定校を2倍に増やす。全校で特別支援教育コーディネーターの指名 は完了しているが、学校によって取組に温度差があるので、重点校の成果を広げ ていきたい。自治体をいくつかの地域に分け、地域ごとに特色を生かした体制を 整備していく計画である。  本年度はリーフレットを作成し、保護者等への理解啓発を図る。教職員に対し ては、特別支援教育コーディネーターの研修を増やし、質を高める。  地域に即した教育支援として専門家の確保と育成に努めていく。特別支援教室 のA,B,Cタイプについては、どのような形で取り組むかについて明らかにしつつ 行っていく。  福祉部門との連携を強化し、障害者福祉課、子ども家庭支援センター、保健セ ンター等とのより密接な情報交換、連携を図っていく。  一人一人の子どもに応じてメンバーの支援チームを組織し、その子どもに必要 な対応をしていく。  通級指導学級の教員が専門家の巡回相談に同行し、教員の資質能力の向上を図 る。 副籍モデル事業について  近隣の盲・ろう・養護学校と定期的な連絡会をもち、意見交換を行う中で、今 後の副籍モデルの進め方について、拡大して行っていくことを確認した。副籍に ついて希望する児童・生徒すべてを受け入れる方向で考えていく。交流について は、学級便り等の交換などできるところから始める。受け入れる学校の確認を進 めているところである。 【C自治体】 特別支援教育体制モデル事業について  PTAの会合などにも働きかけ、一般の保護者の理解啓発を進めていく。  特別支援教育コーディネーターの資質や校内委員会の機能について、温度差を 少なくしていく取組をする。今年度は、教員に対する研修や、盲・ろう・養護学 校との共同研究を積極的に進めていく。また、専門家チームが校内委員会に入り、 専門的な立場から指導助言を行っていく体制をつくる。  自治体の地域支援ネットワーク協議会の内容が充実するよう、今年度は細かく 分科会に分け、個々の課題について協議を行い、それを全体会という形でまとめ ていく。  巡回相談については、需要に応じるために、巡回相談員の人員の確保を考えて いく。  個別指導計画については、ガイドラインにそって誰にでも書ける形として最終 的な案を示した。  他機関との連携については養護学校の専門性を生かした連携や、小・中学校へ の支援として地域・学生ボランティアの活用を考えていく。 副籍モデル事業について  今年度からの取組であるが、今までの盲・ろう・養護学校と小・中学校との交 流の実績を前提として全校に広げていく方向で検討している。 【D自治体】 特別支援教育体制モデル事業について  理解啓発を一層深めるために、全校のPTA学習会等で特別支援教育について取 り上げてもらい、教育委員会等の関係者が参加して啓発とともに研修を行ってい く。また、民生児童委員等を対象とした研修会も計画している。  校内委員会については、形が整ったので、その機能を高めていく。巡回相談に ついては、対象として上がってきた児童・生徒に対し、より専門的な立場から具 体的な支援の在り方を整理し仕組みを整えていく。指導補助員の質を高めるとと もに、人数も増やす方向で検討していく。  関係機関との連携として、就学支援ネットワーク協議会を設置し、幼稚園・保 育園の段階からの支援システムを構築し、その情報を小学校に引き継ぐことを検 討している。 副籍モデル事業  1年間の取組のサイクルが明確になった。今年度もすでに説明会を行い、対象 児童・生徒の確認ができている。地域指定校との連絡会も行い、すでに交流が始 まっているところもある。実際に交流を行っているときの支援体制など、いくつ か課題があり、これらの課題を解決しながら進めていきたいと考えている。 (2)主な意見交換 ○ 通常の学級に在籍する児童・生徒の保護者や地域の方への理解啓発について、 具体的にどのように進めていくのか教えてほしい。 A まず、教職員がきちんと理解していくことである。昨年度は一般的な内容の 啓発、今年度は保護者に対しては焦点を絞った講座を、教職員については具体的 な事例を通した研修、演習を実施する。具体的な変容の事例を知ることにより、 保護者の意識が変わっていく。 B 周知が不十分であるとは思うが、当該者以外はまだ切実に感じている人が少 ないようである。本格実施になって初めて本当の反応があるのではないか。どの ように啓発を進めていったらよいかについてはまだ探っている状態である。 C 通常の学級に在籍する児童・生徒の保護者が特別支援教育の必要性をどれだ け理解できるかが、成功の鍵である。PTA等に働きかけてはいるが、一部の人に 限られている。よい方法があったら教えていただきたい。 D 学校ごとに保護者会等で具体的な取組について説明してもらっている。PTA が主体的に勉強会を開くよう働きかけている。民生委員等への理解啓発により、 地域からも理解が進むと考えている。具体的な学校の変容を目にすることが理解 の促進につながると考える。 ○ 最後の課題は、通常の学級に在籍する児童・生徒の保護者の理解である。身 近に障害のある子どもがいることを知ってもらうことが大切である。幼稚園、保 育園の頃からのネットワークが大事である。これからの特別支援教育に期待して いる。 ○ 理解啓発の難しさを感じている。時間はかかっても、保護者同士がまず垣根 を作らず、知り合って信頼関係を築いていくことにより、子どもに対する理解も 進んでいくと考える。 ○ 昨年、PTAの連絡協議会で特別支援教育についての勉強会を行ってきたが、 具体的にいつ何がどのように始まるかまだはっきりしない状態である。本格実施 になったときすぐに対応しなければならないのは先生方なので、保護者に対して よりもまず、先生方に対する理解啓発を進めてほしい。 ○ 各区市のモデル事業に係る経費は、都で充てている費用以外に持ち出し予算 はあるのか。あるとすればどれくらい差があるのか。今後全都で実施するに当た り、限られた予算でも質の高いサービスを行っていくことも重要な視点である。 ○ 盲・ろう・養護学校では交流教育を進めているところであるが、副籍が始ま ることにより、もっとケースが増えていくことが予想され、交流の際の引率者を どうするかが課題となってくる。受け入れる学校等の体制整備も必要である。保 護者が希望したからといって、すべて居住地校交流ができるわけではなく、諸条 件が整って初めてできることである。学年によっても状況に差があり、すべて同 じ条件でできるとは限らない。保護者としては副籍に対する期待が大きいので、 是非、実のあるものにしていただきたい。 △ 昨年度指導部で、校長会と協議の上、居住地校交流のガイドライン案を示し た。交流は、盲・ろう・養護学校と受け入れ側の学校が十分な計画を立てた上で 行っていく。毎回盲・ろう・養護学校の教員が付き添うという規定はつくってい ない。計画の中では、基本的に保護者が付き添える等の諸条件が整った場合とい うような制約がある中で試行している状況である。 △ 平成16年度の課題にもまとめたとおり、副籍は地域とのつながりを維持継 続することが趣旨である。学級便りや学校便りの交換なども含めて、交流の形態 を模索していこうというのが今回の副籍モデル事業の目的である。盲・ろう・養 護学校在籍の児童・生徒については、盲・ろう・養護学校での教育が中心である ことには変わりない。交流の内容そのものも個別指導計画を作成する際に、個別 に検討していくものである。受け入れ側の小・中学校の体制等、条件への配慮も 必要である。 (3)事務連絡 △ 今年度については、評価委員会は10月と2月、視察は9月と1月に予定し ている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 12:04 2005/09/19 □ ------------------------------------------------------------------------ モデル事業評価委員会(議事要旨)でたびたび出てくるA〜D自治体とは、北区、 八王子市、調布市、あきる野市のモデル事業のいずれかを指している。 それぞれのモデル事業については下記参照のこと。 北区のモデル事業 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/kita_model.htm 八王子市のモデル事業 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/hachioji_model.htm 調布市のモデル事業 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/chofu_model.htm あきる野市のモデル事業 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokubetsushien/model/akiruno_model.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999/03/12 から] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998/07/31 から] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000/08/17 から] ★ 挿入された広告内容や広告主と親の会「けやき」は一切関係ありません ★ 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