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■ LD(学習障害)ニュース #359 2002/06/08 発行 登録読者(配信)数 3,594 ■
■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第3回)議事 ■
■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第4回)議事 ■
■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第5回)議事 ■
■ 大阪ADHDを考える会「のびのびキッズ」講演会/守口市 2002/07/14 ■
□ 編集後記 ------------------------------------ 00:23 2002/06/08 □
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第3回)議事 ■
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http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/gijiroku/003/020302.htm
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特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第3回)議事要旨
1. 日時 平成14年2月22日(金)14:00〜17:00
2. 場所 文部科学省仮設会議室 A11
3. 出席者
(協力者) 河端、斎藤、竹中、西條、野崎、細村、三浦、宮崎、望月、森原、
山本の各氏
(文部科学省) 池原特別支援教育課長、鈴木視学官、古川調査官ほか関係官
4. 議事内容
(1) 事務局より前回欠席の野崎委員の紹介があった。
(2) 事務局より配付資料の説明があった。
(3) 事務局より資料に基づき「障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校の
在り方について」説明の後、委員から意見、質問等があった。主な意
見、質問等は以下の通り。
○聾学校の場合、個別の指導計画は自立活動で作成しているが、総合制の学校に
なった場合、教科も含めて個別の指導計画を作成することになるのか。
△今の段階では個別の指導計画は自立活動と重複障害に限っているが、今後の方
向性としては、教科指導においても個別の指導計画が求められてくるのではな
いか。
○「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」の中でも「北欧では、
比較的独立した生活が可能な聴覚障害児は、通常の学校ではなく、聴覚障害児
のための学校で学ぶことを志向する場合もある。」とあるが、聾と他障害の児
童生徒が一緒に学んでいる学校の例は、国際的にみて先進国に例があるのか。
また、盲・聾併置校について教育方法が異なるために、盲・聾が分離した経緯
があるが、新たに教育的に一緒にする意義はあるのか。
△北欧等では、聾学校は他障害と一緒になっているよりは、聾学校だけで残って
いる国が多い。
○アメリカでは、「最も制約の少ない環境」は地域の中で家の近くの学校に通う
ことだと解されているが、聾の子どもに関しては最も制約の少ない環境はむし
ろ聾学校だという別の解釈もある。
○聾学校は重複障害学級の設置率が低く、聾の重複障害の子どもは知的障害養護
学校へ流れているケースがある。それぞれの障害種の教育課程を担保すること
は大事だが、知的障害を併せ有した重複障害の子どもに対する教育をどうする
かについて検討する必要がある。
○聴覚障害の子どもが知的障害養護学校にどれくらい在籍しているのか。
△知的障害養護学校に在籍している聴覚障害の子どものデータは無いが、聾学校
に在籍する重複障害のデータとしては、平成11年度の校長会調査では、全国
の聾学校小・中学部3,369人のうち451人が重複障害で、その重複して
いる障害は、知的障害が約60%、肢体不自由が22%、盲が4%、病弱が1
3%になっている。知的障害との重複障害の子どもについては、教育課程編制
上の特例を適用した教育課程を行っている。
△重複障害については、例えば聾学校における知的障害との重複の教育課程と、
知的障害養護学校における聾との重複の教育課程をどう考えていくかも検討し
なければならない。
○知的障害養護学校では、聾学校から聴覚検査のノウハウを教えてもらったりし
ながら、聾学校との連携を図っているところである。
○異なる障害種の学校と連携していく形が良いのではないか。現在、聾学校にい
る子どもについては、聾特有の指導方法が有効であると思うが、他の種別の学
校に行っている聴覚の判定そのものが難しいような子どもについては、どこで
対応していくのか考えていく必要がある。
△総合化した場合、聾の専門性のある教員と知的障害の専門性をもった教員が両
方いれば、両方のノウハウを活かせるので、重複障害児への指導が行いやすい。
○学校の制度の問題と子どもたちの教育そのものは別の問題なので分けて考える
必要がある。
○例えば聾の子どもが地域の総合制の学校を希望した場合、その子ども一人のた
めに聾の専門性のある教員を配置するのか。
△専門性を担保する為には配置しなければならない。地域の実情に応じて、障害
種別の枠を超えた学校を設置者が必要とするならば、設置出来るような制度を
検討する必要がある。例えば聾の子どもが遠くの聾学校より、近くの総合制学
校を希望する場合、マルチメディアを活用したり、聾学校から専門の教員を派
遣してもらう等の聾学校とうまく連携出来るシステム作りが必要となる。
(4)山本委員より「教育相談・支援総合センター」について、森原委員より資
料に基づき「総合制・地域制養護学校への再編に伴う教員の専門性の確保
について」説明の後、フリートーキングが行われた。主な意見は以下のと
おり。
○盲・聾・養護学校の専門性で一番重要なのは教員の専門性の問題である。教員
にはプラン、指導、評価のそれぞれに対して、相談機関とは違った専門性があ
る。障害のある子供が100人にいたら100人の個別の指導計画を立てるの
ではなく、どういう類型の子供達がどの程度いるのか判断して、その子どもた
ちに最もふさわしい指導を生み出していくのが盲・聾・養護学校の専門性だと
思う。
○養護学校は教員の人的資源を活かして、地域にその専門的な力を還元していか
ないと、養護学校の存在意義を疑われる。地域から頼りにされる養護学校にな
るためには専門性を高めていかなければならない。A県では教員の採用につい
て、障害に対する専門性を重視して採用したいのだが、校長の要望は音楽や美
術といった科目の免許を持った人を欲しがる為、障害に対する専門性との両立
が難しい。
○総合制の考え方は、従来の盲・聾・養護学校の枠組みがあって、必要に応じて
設置者の判断によって障害種別の枠を超えた総合学校の設置も可能とし、その
場合の組み合わせや教育課程を提示するというものなのか。
△盲・聾・養護学校全部を総合制にするというものではなく、設置者の必要性に
応じて総合制という枠組みも出来るという方向性を示すものである。
○障害種別の枠を超えた総合学校という議論と、重複障害にどういう形で対応す
るのが一番良いのかという議論は別ではないか。障害種別の枠を超えた総合学
校ということを考えると、地域にいる様々な障害のある子どもを総合学校で全
て受け止めるという議論になる。重複障害に対して、どう対応するのかを考え
るなら、養護学校の中で総合化をしていくという事で対応出来るのではないか。
△「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」では、地域の中で様々
な障害のある子供を受け入れるという観点も含めて議論するという提言がされ
ている。
○従来の盲・聾・養護学校の枠組みのままより、障害種別の枠を超えた総合学校
をつくった方が子どもの指導を進めるために良いという必然性があるのか。盲
なら盲、聾なら聾のプロパーとして専門性を持っている方が良いのでは。
○盲聾の併置校は財政的な理由によるものであり、必ずしも教育的に良いとはい
えない。
○障害種別の枠を超えた学校の形になれば、それがノーマライゼーションという
訳ではない。障害のある子どもが盲・聾・養護学校で専門性のある教員に教育
を受けると同時に、障害のない人が、障害のある人とどのように接するかを指
導するための専門性が必要。小・中学校の側からどれだけ盲・聾・養護学校へ
交流できるかが大事である。ITはどんな障害がある人でも障害のない人と対
等になれる部分が多くあり、盲・聾・養護学校でも外の社会の人達ともっと連
携して、IT教育の時は企業の専門知識を持った人等を先生に迎えると良い。
○設置者の判断で、現在の枠組みと同じ盲・聾・知・肢・病の障害部門ごとの学
校になったとしても、今後は、どの障害部門の学校も、他の障害種と重複障害
の子どもに対して教育的対応が出来るよう、専門性のある教員を配置する必要
がある。
○東京のように交通網や学校等が整理されているところでは、盲・聾・知・肢・
病の障害種別ごとの学校もあり得るが、過疎化が進んでいる所では他障害種の
子どもは受け入れられないとは言っていられないのだから、様々な障害の子ど
もに対応できるシステムを作る必要がある。盲・聾・養護学校全部が総合学校
になるという訳では無いが、ある盲学校があって、その近くに住んでいる知的
障害の子どもがその盲学校を希望する場合、その子どもを受け入れられるシス
テムをつくる必要がある。一つの学校ですべての専門性を持つというのは酷だ
が、少なくとも、この障害種の子どもが入ってきたら、この専門家に任せよう
と見極められるだけの力量は持つ必要がある。設置者の判断で総合学校を設置
することも可能ということではなく、総合学校のイメージをはっきりと作る必
要がある。
△知的障害養護学校しか無い場所で、その学校を総合学校にした場合、別の場所
にある盲学校等から専門的な教員を派遣出来るようなシステムをつくる必要が
ある。
○早期からの教育相談が今後充実してきた場合、他障害種の学校に行くケースは
無くなると思う。
○教育相談部門というのは、早期教育相談対応部門と通常の小中学校に在籍して
いる障害のある子どもへの相談部門があり、今後充実が必要である。
○障害種別ごとに専門性を培っていくことは大切だが、障害のある子どもが他の
障害がある子どもと接することも大事だと思う。教員の専門性をどのように育
てていくかが課題。
○総合学校という制度で、一人一人に対応した専門性のある教員を配置できるの
か不安がある。
(初等中等教育局特別支援教育課)
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第4回)議事 ■
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http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/gijiroku/003/020401.htm
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特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第4回)議事要旨
1.日時 平成14年3月14日(木)14:00〜17:00
2.場所 霞山会館2階会議室
3.出席者
(協力者)緒方、河端、斎藤、竹中、西條、野崎、細村、三浦、宮崎、望月、森
原、山本の各氏
(文部科学省)池原特別支援教育課長、鈴木視学官、安藤企画官、古川調査官ほ
か関係官
(意見発表者)A養護学校三苫校長
4.議事内容
(1)事務局より意見発表者の三苫校長の紹介があった。
(2)事務局より配付資料の説明があった。
(3)事務局より資料に基づき「重複障害への教育課程の在り方と障害種別の枠
を超えた盲・聾・養護学校における指導の在り方について」説明の後、フ
リートーキングが行われた。主な意見等は以下の通り。
○盲・聾・養護学校の教育課程の発想の基盤としては、障害のある子どもは一人
一人個人差があり、指導の効果をあげるためには一人一人の実態に合わせて、
指導の内容や方法を考えなければ効果があがらないという考え方があり、重度、
重複化の傾向が高まるとともに、学習指導要領の改訂のたびに規定が複雑化し
ていった。自立活動を主とする教育課程に疑問を感じる人もいるが、自立活動
の内容は子どもの初期の発達を促すような幅広い内容であり、単に体を動かす
機能訓練ではない。
△来年度から自立活動担当教員の定数を崩して、その分でPT(理学療法士)や
OT(作業療法士)等の外部人材を特別非常勤講師として配置し、指導体制の
充実を図るモデル事業を行う予定である。学校では、PT、OTの訓練を行う
のではなく、あくまで自立活動の指導にPT、OTのノウハウを活かして指導
の充実を図る。ある所では、すでにPTが配置されていて、そこでは、PTの
持っている整形外科的な専門的ノウハウを活かして、自立活動の訓練的な指導
をバックアップしたり、車いすの調整や補装具の点検を行ったり、整形外科的
な部分について保護者の相談をうけたりしている。
○学校教育法施行規則、学習指導要領の規定には、「知的障害者を教育する養護
学校においては、小中学校の教科は指導できない」「盲学校、聾学校及び肢体
不自由養護学校又は病弱者を教育する養護学校においては、単一の知的障害の
教育課程を編成することができない」という規定があるが、現実にはそれを行
っているところもあるのではないか。
△現行の学習指導要領の規定上はできないが、障害種別の枠を超えた学校とする
場合には、今の学習指導要領の分け方では難しくなってくる。
○外部人材を活用することも良いが、根本的には学校の先生が自立活動の指導を
出来ることが重要。
○学習指導要領の「知的障害者を教育する養護学校においては、小中学校の教科
は指導できない」という規定はなぜ出来たのか。
○知的障害養護学校に就学する子どもについては、小中学校の教育課程を実施す
るには十分に知的発達が進んでいないとの観点から、知的障害の特性に合わせ
た独自の教科を設定している。現在、盲・聾・養護学校の教育課程は障害種ご
とに整備されているので、その枠を広げて考えていく必要がある。
△学校教育法施行規則の中で知的障害の教科を位置づけている。
○知的障害の特性に合わせて望ましいものを用意して、提供していることは大事
なことだが、小中学校の教科の指導が出来ないということは検討する必要があ
る。
○小中学校の教員と盲・聾・養護学校の教員の交流を行って、子どもを指導する
観点は同じだという感性を教員にもってほしい。
△都道府県によっては、盲・聾・養護学校と小中学校で人事交流を行っているし、
市町村立では当然盲・聾・養護学校と小中学校で人事異動がある。
○重度の障害のある子どもに対して、自立活動を主とした教育課程はしつけとい
う面からも効果がある。
○A県では知的障害養護学校という枠の中で知的障害と肢体不自由を併せ有する
子どもを受け入れているが、知的発達に遅滞が無い肢体不自由の子どもについ
ては、肢体不自由の子どもを受け入れられる施設が整っていても、知的障害養
護学校では受け入れられないため、遠くの肢体不自由養護学校に通う場合があ
る。その対応としては、知的障害養護学校の受け入れの幅を広げていくことと、
特別な場合には地域の小中学校にも就学させるという2通りある。
○ある障害種の子どもが近くの他の障害種の学校に行くことができるよう、教育
課程を検討する必要がある。
○学校教育法施行規則では、「養護学校で知的障害者を教育する場合は」となっ
ているのに、いつのまにか「知的障害者を教育する養護学校」、「肢体不自由
者を教育する養護学校」という障害種ごとになっている。学校教育法の規定の
仕方は、まず養護学校があって、その中に知的障害者を教育する場合もあるし、
肢体不自由者を教育する場合もあり、その場合、場合によって、こういう教科
を行うという規定になっている。学校教育法施行規則の規定に忠実にしたがっ
た場合どうなるかという整理をしたほうが良い。
○学習指導要領では「知的障害者を教育する養護学校」という構成になっている
が、「養護学校で知的障害者を教育する場合」という構成に変えれば、障害種
別の枠を超えた養護学校にあてはまる。
○学習指導要領上で中学部の選択教科について、盲学校、聾学校及び肢体不自由
者又は病弱者を教育する養護学校の中学部は「国語等の各教科」となっている
が、知的障害者を教育する養護学校は「外国語」という位置づけになっており、
学校種で分けている。
△学習指導要領は各学校種別で分かれているのをどうするかという問題がある。
○ある学校の知的障害養護学校の軽度の知的障害者が在籍している職業学科では、
教科で対応しているが、知的障害の教科書は少ないので、高校の教科書の一部
を借りている。学習指導要領等の文言通り読めば、本来それも難しい。小中学
校に準じた教育課程で対応する程度の軽度の子どもを、どこで教育するのかと
いう課題がある。
○A短期大学では聴覚障害の学生が50人いるが、聾学校で育ってきた学生と難
聴学級等で育ってきた学生では、聾学校で育ってきた学生の方が精神的な安定
性がある。難聴学級等で育ってきた学生は人間発達上、仲間が少ないという点
で精神的に不安定な人が多い。聴覚障害の子どもには仲間をつくってあげるこ
とが大事である。視覚障害の子どもについては、全盲の子どもは、視覚障害と
いうことが周囲の人も分かるので安定するが、弱視の子どもは一見分からない
ので、周囲に伝わりにくく、どうしても学習の遅滞や友達が出来ないというこ
とが起こりやすい。盲学校に在籍している重複障害の子どもは障害種別の枠を
超えた養護学校で対応しても良いと思うが、単一障害の学校も必要である。盲
・聾学校で指導を行わないと伸びない子どもの場合と、少しでも自己主張が可
能で、特殊学級や通常学級で対応できる子どもの場合とがある。
○知的障害の教科を0歳レベルから再構成して整理する必要があるとの事だが、
教科が大事なのは分かるが、幼稚園の教育要領においては、発達段階から考え
て教科より領域という観点で整理されており、整合性はとれるのか。ある養護
学校では、社会参加や自立が出来るようにと考えて、教育内容を教科より作業
学習を中心とした領域を中心で行っているが、保護者からは教科を行ってほし
いという希望がある。教科というものに対してのイメージがそれぞれの人で違
うので、教科そのものの整理が必要。小中学校の教科の目標、ねらいと盲・聾
・養護学校の教科の目標、ねらいは違う事を明確にする必要がある。
○知的障害の教科の整理だけでなく、自立活動等も含めて教員の指導の在り方を
整理する必要もある。
○外部人材を活用する場合、非常勤で採用するより、専任で採用して、何校か学
校を担当する方が良い。
(4)三苫校長より資料に基づき「自閉症教育の現状と課題、今後の展望につい
て」説明の後、フリートーキングが行われた。主な意見等は以下のとおり。
○東京都にはグループホームが120カ所ほどあるが、その中で自閉症の人が多
数、生活している。デンマークでは自閉症だけのグループホームがあるが、例
えば自閉症の子どもだけを集めて教育をすると効果があるのか。
○自閉症の学校や学級をつくって、自閉症を理解した教員が指導するというのは
教育効果があると思うが、自閉症児同士が集団として集まることの効果は分か
らない。同じ障害の子ども同士が集まることについて、聴覚障害の場合はコミ
ュニケーションが精神的にリラックスして出来るという効果があるが、それ以
外の場合は、同じ障害を集めると教育する側はしやすいが、集団としての意味
には疑問がある。
○自閉症の特性を理解した指導者がいることが大前提である。自閉症について学
校で一番の問題は子どもが混乱しながら生活することなので、一日のスケジュ
ールが分かって活動が出来ることが大事。自閉症の子どもたち同士で対人関係
が全く成立しないかというとそうではなく、だんだん落ち着いてくると、お互
いを認め合うという視点がめばえてくる。安定してくると、自閉症の子どもも
冗談が言えるようになってくるが、混乱しているとなかなかそこまでいかない。
自閉症の子どもが一番混乱するのは、学校行事であり、学芸発表等では、最初
はなかなか練習にも参加出来ないが、だんだん参加するようになる。ただ、無
理矢理連れて行くのではなく、この子はこういうことが苦手だと理解して配慮
することが必要。自閉症の学校や学級を実験的につくってみるのも良いかもし
れない。
○20歳前後の頃に問題を生じる自閉症の人がいるとのことだが、学校の教育と
なんらかの関係があるのか。自閉症の子どもに対しては出来るだけ幼少期から
教育を進める方が効果があるといわれているが、20歳前後に問題を生じる自
閉症の人の場合、幼少期からの対応がなされていたのか。
○社会的なスキルトレーニングによって社会的参加が可能になっているが、逆に
スキルトレーニングを経て、いろいろな所で不適応がおきている場合があると
いうデータがある。スキルトレーニングのやり方がいわゆる訓練主義で行われ
ているとそういう場合があるのかもしれない。行動障害が起こるのは、年少の
頃より年齢があがってからの方が多い。例えば、小さい頃偏食で、親に無理矢
理食べさせられていた人が、大きくなって偏食は直ったが、今まで起こさなか
った行動面での問題が出てきたケースがある。就学前の対応で言語等の認知の
面では伸びているデータはあるが、対人関係については、無理矢理いろいろな
人と会わせようとしても、最初に混乱して、行動面の障害が残ってしまう。ま
ずは指導者と期待される関係をつくることから始めて、段階を経て人間関係を
広げた方が良い。
○大学においても障害のある学生の支援をもっと充実すべき。
(初等中等教育局特別支援教育課)
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■ 障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第5回)議事 ■
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http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/gijiroku/003/020501.htm
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特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第5回)議事要旨
1.日時 平成14年3月28日(木)14:00〜17:00
2.場所 文部科学省仮設会議室 A11
3.出席者
(協力者) 小林、緒方、斎藤、竹中、西條、野崎、細村、三浦、宮崎、望月、
森原、山本の各氏
(文部科学省) 池原特別支援教育課長、鈴木視学官、安藤企画官、古川調査官
ほか関係官
4. 議事内容
(1)事務局より配付資料の説明があった。
(2)事務局より資料に基づき今後の盲・聾・養護学校の在り方に関するこれま
での意見等の整理について説明の後、フリートーキングが行われた。主な
意見等は以下の通り。
○「地域の特別支援教育の学校づくりのための基本的な方向」と障害種別の枠を
超えた盲・聾・養護学校の在り方という視点との関連をどのように考えればよ
いか。
△今後の盲・聾・養護学校の在り方という大きな視点で考えると、地域型の学校
という視点が必要になる。
○生涯学習、高等教育を含めた、後期中等教育段階以降の障害のある子供に対す
る教育について充実していく必要がある。大学においても障害のある学生に対
する教育的支援を充実する必要がある。
○地域の中で障害のある児童生徒の自立、社会参加が求められているとのことだ
が、今後の教育の在り方としては、障害のある子供は地域の学校で受け止める
という方向なのか、それとも盲・聾・養護学校が基本だが、なるべく地域の学
校でも受け止めるという方向なのか。
○障害の状態によっては、必ずしも地域の中で教育を受けるのが良い訳では無く、
一定期間、特別な場が必要だと考える。障害のある子供、全てを地域の中で教
育するのではなく、多様な選択肢があるのが、本当のノーマライゼーションだ
と思う。
○障害のある子供が特別な場合等で小・中学校の通常学級に入った場合、どのよ
うな支援を行うのか明確にする必要がある。
○障害のある子供への支援が必要なくなることは無いので、盲・聾・養護学校の
機能はこれからも必要である。将来を見た場合、その機能を果たすのに適した
形が地域制、総合制の養護学校だと考えている。
○今後の特別支援教育を考えるには、特殊学級の在り方についても検討が必要。
○今後の盲・聾・養護学校の在り方という整理の仕方では、障害種別の枠を超え
た盲・聾・養護学校の在り方を考える場合、現状の盲・聾・養護学校という学
校種別をなぜ総合化する必要性があるのかという理論が弱い。重度の障害の子
供だけでなく、軽度の障害のある子供への対応をどうするのかも含めた学校づ
くりを考える必要がある。
○障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校の在り方という観点で、この部会のま
とめをする必要がある。
○重度・重複障害に対応するという観点ならば、総合制の学校の検討ですむが、
地域通学の実現をするためには地域性の検討が必要になってくるので、その方
向性を考える必要がある。
○なぜ総合制の学校が必要になってくるのかは、現在の障害種別の学校ではそれ
ぞれの障害にしか対応出来ないが、それぞれの地域で出来るだけ幅広い障害に
対応できる学校をつくる必要があるからである。重複障害の子供には、障害種
別の枠を超えた総合制の学校が適している。地域によって、重複の障害に対応
する形の総合制の学校を設置する所があり、また、盲部門、聾部門といった、
それぞれの障害部門の形の学校を設置する所もあるという、地域の実情に根ざ
した学校づくりが必要。ただ特に聴覚障害の子供については、同じ障害の仲間
が必要だということを明確にしておく必要がある。
○世界的に盲・聾・養護学校が存在しない国は無い。障害のある子供は通常の学
級に行くことを原則としながら、多くの子供が特殊教育の学校に通っている国
がある。ノーマライゼーションという理念は障害者の人権尊重から始まってい
る。障害のある子供の代弁者である保護者の願いを尊重するならば、遠くの学
校に子供を行かせたくないという保護者が多いと思うが、保護者の願いが本当
に子供の望ましい発達を促進するとは必ずしもいえない。ケースバイケースだ。
○養護学校の地域性とはどういうものなのか。
△福祉の分野では、人口30万人程度の障害福祉圏域という区域をつくって、そ
の中で障害者の地域支援事業等を行うことを厚生労働省は考えているが、盲・
聾・養護学校についてもそのような地域の圏域の中で中心的な役割を果たす必
要があると考えている。
○A県の場合、知的障害養護学校ついては半径15キロ、スクールバスで1時間
程度の通学範囲で整備している。肢体不自由養護学校については3カ所しかな
いので、通学範囲がどうしても広くなってしまう。そこで知的障害を併せ有し
ている肢体不自由障害の子供については知的障害養護学校で受け入れている。
これが盲・聾も含めた総合制の学校になって柔軟に受け入れられるようになる
のならば、通学範囲をもっと狭くできる。盲学校、聾学校は児童生徒が少人数
化してるが、知的障害養護学校は人数も多く、人材等の資産も多い。その資産
を有効に活用した地域の学校づくりという考え方である。
○今までの障害のある子供の教育の考え方は、まず盲・聾・養護学校という学校
種別があり、そこでの指導方法を考えてきた。「21世紀の特殊教育の在り方
について(最終報告)」では児童生徒の特別な教育的ニーズを把握して必要な
教育的支援を行うという提言がされている。この考え方から、現在、地域型・
総合型の学校が必要とされていることに基づいて、障害種別の枠を超えた盲・
聾・養護学校の在り方を検討する必要がある。
○多くの障害種の指導が出来る教員の養成機関が必要。多くの障害種の指導がで
きる教員が多くいれば、将来的には地域の小・中学校の特殊学級を拡大したよ
うな場で障害のある子供の指導が出来るのではないか。障害のある人が地域の
中で社会的役割を果たせるよう、労働との連携の在り方も検討する必要がある。
○現行の盲・聾・養護学校という枠組みを無くしてしまうのではなく、総合的な
教育を行える学校を設置することもできるよう制度を整備し、選択肢を広げる
という観点である。
○教職員定数の弾力的活用が図られると、盲・聾・養護学校の地域におけるセン
ター的機能が充実する。
○特殊教育の専門性の向上というのはどういう概念なのか。
△特殊教育免許状の保有等の教員の専門性と盲・聾・養護学校という組織の機能
の専門性がある。
○外部の人材を活用をするのならば、PT、OT、ST等の人材を教育委員会が
雇用して、必要な各学校に対して派遣する形をとり、あくまで教育の体制の中
に入っていただく方が良い。
○学校は教員だけで対応する時代から、多様な専門家を導入していく時代になっ
てきている。
○ST等の人材を活用する時も、自立活動の免許を取得してから学校に入ってき
てもらう等、人材の活用にも教育のしばりは必要。
○PT等の人材が養護学校の実習助手として勤務する場合、訓練そのものを行う
のか、訓練そのものを行うのではなく、教育的な活動の中に専門的な知識を活
用するのか。
△学校は教育課程上、訓練というものは無く、あくまで自立活動の指導なので、
PT等が実習助手で入っても訓練を行うシステムは無い。PT等のノウハウを
活かして自立活動の指導の充実を図るのが目的である。
○「知的障害者の教育について、重複障害者の教育課程に関する研究を考慮しな
がら、各教科を領域で示すことも視野に入れて検討すること。」も必要とのこ
とだが、知的障害の教科をすべて領域として示すのではなく、発達段階にあわ
せて教科の枠組みも残しておく必要がある。
○福祉の分野では平成15年度から地域の中で生活するという観点から、施設と
いう概念を止めて、地域の中にグループホームを多くつくる方向である。教育
の場合、地域での教育的な支援については、今ある盲・聾・養護学校を総合化
するだけなのか。
△障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校である程度、地域性に対応出来ると思
うが、もう1つには、小中学校の余裕教室に分校をつくるようなスタイルもあ
る。
○A県では小学校の余裕教室を利用して、養護学校の分校を設置しているが、学
校の規模として、全教員が全ての子供を掌握出来るという良さがある。また小
学校との関わりとしても、休み時間に交流できるので、地域性としても効果が
ある。
○盲・聾・養護学校も小・中学部は市町村立、高等部は県立で設置すれば地域性
が確保できる。学校というものは、まとまりがあるのが前提なので、安易に分
校、分教室を設置するという発想は疑問である。
○知的障害養護学校に自閉症の子供が在籍していることが多いと聞くが、知的障
害と自閉症とでは障害としても指導方法も違うので、位置づけを明確にしてほ
しい。
○特殊教育の専門性の向上として「ITを活用した指導の充実」が必要であるが、
そこには、連携や支援を行うための視点だけでなく、子供たちがITを使うこ
とによって学力や能力を伸ばすためという視点が必要。
(初等中等教育局特別支援教育課)
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■ 大阪ADHDを考える会「のびのびキッズ」講演会/守口市 2002/07/14 ■
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主催者からのご案内です。
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テーマ ADHD児とその周辺の子ども達の支援を考える
講 師 安原 昭博 先生 関西医大附属香里病院 小児科部長
伊丹 昌一 先生 中津養護学校教諭
村上 凡子 先生 学校心理士
日 時 2002年7月14日(日)10時〜16時 (9時半受付開始)
会 場 守口さつきホール3階
守口市本町2丁目4−15 TEL 06-6993-0131
交 通 地下鉄谷町線守口市駅下車4番出口1分
京阪電車守口市駅下車5分
定 員 130人(締め切りは6月25日。定員になり次第締め切ります)
参加費 1500円
連絡先 E-mail osakaadhd@ezweb.ne.jp
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□ 編集後記 ------------------------------------ 00:23 2002/06/08 □
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真夏のような一日でした。。。
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