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==================================================================== LD(学習障害)ニュース #131 1999.10.18 発行 登録読者数 1,987 LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997.9.10創刊 ==================================================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親ばか日記 投稿者: スクラ 投稿日:99/10/04(Mon) 00:42:54  ■ ■ 市主催の「福祉祭り」に参加して。。。 あんくるトム氏の投稿  ■ ■ 僕のアメリカ旅行記 1999.8 「成人LDのアメリカツアー」    ■ ■ 第2回 つくば国際大学の加藤哲文先生の勉強会 「星の子」・昴 ■ ■ LD学会教育研修会 LD擬似体験プログラム IEP作成 学習指導の実際 ■ □ 編集後記 ----------------------------------- 22:32 99/10/18 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください □■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親ばか日記 投稿者:スクラ 投稿日:99/10/04 (Mon) 00:42:54  ■ --------------------------------------------------------------------  今日は小学3年生の小僧の運動会でした。児童数1200人のマンモス小学校 です。だから父兄は校舎の窓から児童の演技を観なくてはなりません。私が 子どもの頃、お昼は親兄弟と一緒に食べていたのですが、最近の運動会は児 童は児童だけで教室でお弁当です。ちょっとさびしい気がしますが、なにせ 1200人。しかたありません。  全校演技の時など自分の子どもが捜せなくて皆あたふたしています。しか し、我家はそんな心配はいりません。チョロ助の小僧を探すのは簡単でした。 担任か養護の先生が走り回る先に必ず小僧は居るからです。1年生までは...   2年生の去年、養護の先生の目線は他の児童をみていました。もちろん担 任の先生はしっかり見ていましたが。今年は探すのが大変でした。小僧は木 の葉隠れの術を会得したらしく、他の子ども達にまぎれて「どこだっ?」状 態です。担任の先生はクラス全体を見回しています。   1年生の時の短距離走はラインの中を走る事が出来ませんでした。スター トの合図も守れない状態です。 2年生の時はコースにコーナーがあってイン スタートでしたが、見事にショートカットをして先生に捕まりました。もち ろん最下位。  今年は去年コースの倍。しかも途中に演技つき。コースの途中で伏せてあ る大・中・小の魚の絵が書かれているカードをめくり、大きな魚なら大きな ボールを小さな魚なら小さなボールを先にすすんで 2個取り、さらに先に進 んで天秤棒の先にぶら下がっているざるにいれて、それを担いで走り平均台 を飛び越え、途中で天秤棒を降ろしてそこからゴールへダッシュというもの です。  担任の先生から内容を聞き、「だめだ。こりゃ」と思っていましたが先生 曰く「大丈夫」ふざけて走っているようにしか見えない小僧にとって、課題 が多すぎる演目です。ルールも理解しているかどうか怪しいものです。ボー ルを落とせばやり直し、最下位になって自信を無くさなければいいがと思っ ていました。  感動巨編でした。スタートの合図も守り、カード捲りながら魚を確認しボ ールをザルに1個入れ、天秤棒を担ぎながら2個目を入れ、ボールを落とさず 平均台を飛び越え、ダッシュ。ここまで、ダントツの 1番。反則なし。最後 に抜かれ結局2番になったけど言うことなし。  着順に並ぶ所で自分が1番だと思っていたらしく、1番の所に並んでいまし たが他の子どもに説得されて 2番の席に「キレル」事もなく大人しく座りな おしました。  親ばかです。 2番になった事より、皆と同じように競技ができて自分の着 順に納得できた小僧が嬉しくてしょうがありません。帰って何回ビデオを見 たことか。家内の大娘と言いました。「LDの判定が着いてから今日が一番 嬉しい日だね」  少しずつ小僧は成長しているんです。明日も明後日も次の日も、その日が 一番嬉しい日になるように頑張らなくては。(私がネ。)  久しぶりに明日を楽しみに眠る事ができそうです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 市主催の「福祉祭り」に参加して。。。 あんくるトム氏の投稿  ■ -------------------------------------------------------------------- 今日は、市で行われた福祉祭りに行ってきました。親の会の講演会のパンフ を社協に置いてもらったついでに誘われていたので、のぞきに行きました。 朝から、全国的に悪天候の中、10時過ぎには風は強いながら、雨はやんで 時折晴れ間もチラッとのぞく天気で、午後からの急変を心配して早めに出ま したが、最後まで天気はもちました。 会場につくと、お決まりの金魚すくいコーナーに行って、水の入った風船を もらいました。まあ、一応釣ってみましたが、うまくいきませんでしたので、 お土産の分です。 カレーライスや焼きそばのテントの前で、食べると聞くと、まだいらない。 と言うことで、うろうろしていると、日ごろお迎えをしてくれているボラさ んに会いました。 また、車椅子の模擬体験をしていたので、階段の上り方の訓練を見ていまし た。やり方を知っているのと知らないのとでは、万が一のときにうまく支援 できないなと感じました。 次に、建物の中に入ってみると、録音奉仕グループのコーナーにつかまりま した。録音奉仕とは視覚障害の方のために、文章を録音してテープを作って くれるグループです。ここで、テーマの文章を選んで、自分で実際にテープ に録音してみることを体験できます。ところが、テーマの文章は「H」にと っては、どれも難しいものばかりです。 「お子さんは3年生ですか?」「はい、でも少し遅れがあるので、どれも彼 には。。。」でも、せっかくだから、親と一緒にということで、一番大きい 字のものを選んで録音コーナーに行きました。 音あわせをしている間、何度か題目を読まされていましたが、案の定自分で はうまく、読めません。題目と名前だけ読んで終わりにしてもらおうかなと 思ったのは、正直な気持ちでしたが、でも、そばで読んであげて復唱にすれ ば、最後までがんばれるかな?とも思ったので、よこで、位置を指差しなが ら、私が少しずつ先読みして、彼が復唱する形でやってみました。 最初のうちは、まるっきり復唱しているようで、指の位置をあまり追ってな いように思っていましたが、そのうちなんとなく、指よりも先に目線が走っ ているようなので、指を離して先読みしてみると、なんとなく追っているよ うにも見えました。 途中まで来ると、これは適当に止めないで、最後まで完読させたほうが、達 成感もあるなと思い始めて、「がんばれ」と、こころでエールを送りながら、 読み終えました。 最後に係りの人に、名前と日付と「録音しました」と言うように指示されて、 最後まで録音できました。「やったね!」と、みんなで誉めてあげると、と てもうれしそうでした。 最初のうちに、親のほうであきらめの気持ちを持ったのを、少し悔いました。 やはり、親が先にあきらめないで、いっしょに最後までがんばることの大事 さを、再認識した次第です。 次に、視覚障害の体験コナーで、いろんなゴーグルをつけてみました。結構 疑似体験もその立場を体験することで、相手の立場を理解して対応してあげ る上で必要なことが見えてきます。まぶしいと感じる人には、背景を黒くし て字を白抜きにするといいという掲示物には、以前ホームページの色使いで、 見えにくいとのクレームをいただいたことを思い出して、ちょっと係りの人 と話してしまいました。 実際にアイマスクをして、杖を持って介護者と歩いてみるコーナーでは、実 際に歩いて見ました。係りの人が、はじめから見えない人と、途中から見え なくなる人では違いますと言われましたが、確かに知っているところの先入 観があるだけに、見えないということが余計に不安に感じて、結構怖かった です。点字ブロックも言われれば、感触が分かりますが、言われないととて も。。。 係りの方が介護しながらの歩行でも、これだけの不安があるのですから、急 にこの世界に入ってしまった人が、自分の世界を広げるには、どれだけの勇 気と援助の力が必要なのかと、考えてしまいました。 自分の家族に福祉に関わるか、必要とするものが居なければ、覗くことも無 かったかもしれないし、まして疑似体験をしていろいろ感じることも無かっ たかもしれません。 子供に対しても、いろんなことに対しても、改めて勉強できた一日でした。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 僕のアメリカ旅行記 1999.8 「成人LDのアメリカツアー」    ■ -------------------------------------------------------------------- 8月に行われた、成人LDのアメリカツアーの企画に「星の子」より3名の 方が参加されました。その一人より旅行記が送られてきましたので、ご紹介 します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 僕のアメリカ旅行記 8月22日、僕はツーリスト主催のアメリカの旅行にA君とオレゴンへ行 った。成田空港から8時間かけてオレゴンのポートランド空港に着いて、空 港で、オレゴンの街などに連れていってくれるSさんとNさんを紹介され街へ 出かけた。   初日は、食事してからナイキタウンに行くなど買い物中心に街に出かけた。 食事は、そんなに美味しくないのだが、ピザもアイスも2倍近くありボリュ ームがあった。ナイキタウンは、さすが本場だけにナイキの服などいろいろ あってびっくりした。  2日目、川で渓流くだりをした。ボートは6,7人乗れるやつでオールが ついていた。渓流は皆が騒ぐほど急流じゃ無かったけど、ボートが近づいて きてからの水掛合いが楽しかった。途中で水に飛び込んだ。皆は平気にして いたけれど僕は川の水が冷たくすぐにボートに上がってしまった。漕いでる 途中、水鳥が空をV字飛行して綺麗だった。あと、水鳥が水の上に着水する 姿は、雄大だった。  3日目、グッドウィルに行った。グッドウィルは、障害者や刑務所から出 てきた人や心に傷がある人達が手に職をつけるための訓練所で世界中にある らしい。店が隣にあり、店で商品を買うと8,9割は障害者や貧しい人達の 為のお金になるらしい。 シルバーフォールズ州立公園でピクニックをして、滝の裏側を歩いた。滝 の裏側は抉れてて水がかからず壮大だった。シルバーフォールズ州立公園の テント場でテントを張った。大小いろいろのテントがあって僕も少し手伝だ ったが、杭を打つなど色々大変だった。 夜キャンプファイヤーをした。星の子のキャンプファイヤーは、子供達と ゲームをしたりするのだが、こっちのでは火を囲んで話をしたりするキャン プファイヤーで、星の子とは一味違う楽しさだった。 4日目、この日は近くの乗馬場で乗馬をした。そこの馬は大変大人しく、 馬の掃除をしているときも大人しかった。あと、僕の通ってる乗馬クラブの 馬と違ってちょっと手綱を引いただけで後ろに下がってしまうほど敏感だっ た。付き添い人に綱を引かれ小1時間馬に乗りながら散歩した。馬に乗って 山道を行くのは初めてで緊張したけど、慣れてくれば結構楽しかった。 その夜、乗馬クラブのメンバーとバーベキューをした。乗馬の人達とは喋 れなかったけど楽しかった。  5日目、この日は朝から色々忙しかった。朝はテントをかたずけそれから、 廃校になった小学校をそのままレストランに改造したところで昼食をした。 レストランの壁に絵が書いてあるのですが、かなり不気味だった。ここでも、 食べ物が大きくボリュームがあった。食事が終り、Nさん、A君、僕の3人は スーパーで買い物を少ししたあと、ナイキタウンに行ってお土産を買った。 自分達の買い物に時間がかかり、予定より1時間遅くホテルについてNさ んに迷惑かけたなと思った。僕達がホテルに着いて、しばらくしてから野球 を見に野球場に行った。僕とS君の勘違いで、違う席に座ってしまい皆さん にご迷惑をけてしまった。 夕飯を食べていないS君と僕のために、JOさんとMさんが市外のレストンに 連れて行ってくれた。夕飯を食べ損ねた代わりに皆が出来ない経験を僕はし たのかなと思った。 最終日、空港でお母さんとお姉ちゃんのお土産を買った。僕のナイキの袋 が破けるというハプニングがあったが、それ以外は何事も無く日本に着いた。 今まで自分はあんまり人と話すのが,得意の方ではなかったけど,今回は, いろいろの人達と結構話せたなと思う。もし、来年もこういうイベントがあ ったならまた行きたい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第2回 つくば国際大学の加藤哲文先生の勉強会 「星の子」・昴 ■ --------------------------------------------------------------------         1999年9月21日(火)9時半−11時半 小野川公民館和室 この日、昴の会員(ういず2名含めて)26名と呼び掛けをしました。つくば 市教育委員会からO先生・E先生・事務の方の3名で、和室が大入り満員と なり皆さん真剣なまなざしで、先生のお話に耳を傾けました。  始めに 文部省の答申の流れをわかり易く説明していただき、次に先生が 以前から取り組んでいらっしゃる埼玉県の南教育センターでのLD児等への 指導という小冊子の資料の一部を引用され、つまずいている点をどのように 取り組んで行くか、資料に基ずいてわかりやすく説明していただきました。  今後は、親がいきずまっている問題を会員皆で共有し、いろいろな選択肢 を模索して勉強会を充実したものにしてゆきたいと、おっしゃっていました。  先生の経験では、大学等で月1回の指導を年10数回やっても成果を、そ れほど期待できるものではなく、それは親の自己満足だけと言うことも・・  それよりも親が主体となって一生懸命、取り組む姿勢こそ大事です。と、 言う説得力のあるお話が、印象的でした。  大変勉強になる内容でした。今後もおおいに期待しています。第3回目は、 問題行動を中心にお話していただき、会員の事例メモをもとに、話しを展開 してゆかれる、とのことです。  教育委員会からの皆様にも大変勉強になりました、とおっしゃていただき、 安堵いたしました。つくば市には大変前向きに取り組んでいただき親の会と しても頼もしい限りです。  他の市町村へも此処から理解の輪を広げていきましょう。以上、私感を交 えた報告でした。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD学会教育研修会 LD擬似体験プログラム IEP作成 学習指導の実際 ■ --------------------------------------------------------------------  読者のAさんからの投稿です。感謝いたします。 −−−−−−−−−−−  去る10月12日札幌で開催された、日本LD学会教育研修会で、LD擬似体験プ ログラムとテキサス大学 Sharon Vaughn(シャーロン・ボーン)女史のIEP の作成と学習指導の実際について実演と講演がありました。たいへん興味深 かい内容でしたので、ご報告申し上げます。    擬似体験プログラムの目的には2つあります。  1)参加者がLDの子どもが経験していると思われる学習上のつまづきや    困難、そしてそれに伴うフラストレーション、怒り、緊張等の感情を    擬似的に体験し、こどもの感じている事を内側から理解すること。  2)教師、専門家、親など参加者にそれぞれの立場で、LDの子ども達と    どのように接すれば良いのかを具体的に考えてもらうこと。  具体的に、教師役のかたがいて、「できないんですか」「まだですか」 「こまりましたねえ」「次の人がまっているんですよ」「はやくしてくださ い」などと、かなり脅迫的に体験者は短時間での問題の解答を迫られました。 その結果、さまざまな困惑、怒り、無気力感などを感じることを体験しまし た。  また、このプログラムについては、IHPなども貸出をしてあちらこちら で試行してもよいとのことです。(ただし、来年の3月までに行い、結果の 報告が必要)  ボーン先生のお話しは、学会の講演に続くものでしたが、アメリカのIEP に日本ではどのような追加項目があるか、考えて発表したり、アメリカでの 指導の実際についてお話しがありました。  印象的だったのは、ピラミッドのお話しで、アメリカではピラミッドを底 辺に平行に3分割して一番底辺の枠に「すべての子どもが理解、習得しなく てはならないこと」を置き、次に「ほとんどの子どもが理解しなくてはなら ないこと」を置く。頂点には「一部の子が習得すること」というふうに、3 段階にわけて指導計画を作成するというお話しがありました。  LDの子どもについては、底辺の部分が習得されればよいというものです。 また、クラスを全体で授業するよりも、2人ずつのグループに分けて「優秀 な子」と「そうでない子」を組にして、出きる子がそうでない子を教えるの が効果的であること。また、班ごとに課題を設定し、一つの班に先生が関わ っている時は、他の班は自主的に課題に取組むことなど、日本ではなかなか やっていない授業の方法の説明がありました。  日本でもLD児を含んだ教育を考える必要があると思いました。雑駁です が報告まで。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ----------------------------------- 22:32 99/10/18 □ ---------------------------------- 投稿いただいた皆様には大変お待たせしました。まとめて一挙掲載となりま した。ご了解ください。 LD学会や各種セミナー・講演会に参加された方のご感想等の投稿、歓迎い たします。 keyaki@box.club.ne.jp まで。。。。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュース記載内容を転載される場合は必ず下記までご連絡下さい ■ 「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999.03.12 更新] 「けやき」HP http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998.07.31 更新] LDニュースのバックナンバーの閲覧及び配信は以下のサイトからできます http://backnumber.to/list.asp?userid=10000592 [1999.01.11 更新] LDに関する情報交換・意見交流・質問は「LDフォーラム」をご利用下さい http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/LD-FRM/INDEX.html [LD-FRM] 読者用「掲示板」→ http://www.simple-j.com/kkk/kbbs.cgi?bn=110201 ■ 編集者は掲載内容に関して最終保証責任を負うものではありません ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LD NEWS は「まぐまぐ」http://www.mag2.com/ を利用して発行しています

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