望月先生が例会当日配布された資料に一部補筆訂正をいただき、再掲載したものです。先生のご厚意に感謝申し上げます。
日時 ; 1997年9月13日 場所 ; 国分寺 光プラザ 障害者職業総合センター 望 月 葉 子 |
.... お父さんの背中が語ること ....
.... ボトムアップからトップダウンへ ....
(1) 通常の職業自立を支援する仕組みを利用する --> 資 料 1
(2) 職業リハビリテーションの支援の仕組みを利用する --> 資 料 1
(3) 移行のための選択肢について --> 資 料 1
(1) 学齢期の課題 --> 資 料 2
(2) 青年期の課題 --> 資 料 3
資料1 学校から職業の世界への移行のための支援の仕組み
- *ア:
- 新規学卒とは、「3月に学校を卒業し、4月に入職する生徒」をいう。新規学卒であれば、量的にも質的にも、制度的に保護された有利な求職活動が保障される(職業安定法)。
- *イ:
- 高等学校を中途退学した場合には中卒資格で、また、新規高卒として就職した後に離職した場合には高卒資格で、それぞれ一般求人枠において求職活動にあたることになる。したがって、こうした学校を仲介とした支援を期待できない。
- ◆ 一般扱いで、配慮を求める。
- 新規学卒として就職する:若年者に用意された特別なサービス -->*ア
- 縁故で就職する :個人的関係で了解されたサービス -->*ア,*イ
- *ウ:
- 職業リハビリテーションは、「障害者に対して職業指導、職業訓練、職業紹介その他、法律に定める措置を講じ、その職業生活における自立を図る」ことを目的としている(障害者の雇用の促進等に関する法律)。
- ◆ 職業リハビリテーションを利用して、配慮を求める。
- 療育手帳を活用する :知的障害者に用意された特別なサービス -->*ウ
- 療育手帳は活用しない:障害者に用意されたサービス -->*ウ
資料出所:調査研究報告書 No.19
「学習障害」のある者の職業上の諸問題に関する研究
障害者職業センター 1997.3資料2 学齢期の課題
- 安心して学習に取り組むことができる環境を用意する。
安全の欲求が満たされない環境で生活していると、より高次の欲求を持つことが困難になることが多い。
- 障害と障害者に対する理解を持つ。
資料1 の4つの選択肢 を視野に入れた子育てが重要である。
- 生理的欲求:生命維持に直接関わる欲求(食物・飲物・睡眠・空気)
- 安全の欲求:安全、安定、依存、保護、恐怖や不安からの解放
- 所属の欲求:愛情に満ちた家族・友人・恋愛関係(所属集団や家族における位置)
- 承認の欲求:自尊心と他者からの承認
- 自己実現の欲求:可能性を発揮し、使命・職責を達成し、人格の統合を図る
資料3 職業の世界への移行のために/青年期における変化の道筋をみきわめる
発達とともに遅れが改善される子ども、逆に遅れが深刻になる子ども、困難な領域が特定されるようになる子ども、遅れがさらに別の障害を引き起こす子どもがおり、障害は固定されない。したがって、入職の際に制度的支援を利用する場合には、子どもの時の診断とは別に、再度の診断を欠くことはできない。
- ◆ 適職が見つかるか : 適職が判定できても、うまく適応できるわけではない
- 職業につく準備ができているか (働く経験を通しての体験的学習)
- 職業自立の意義が理解できているか (働くことに関わる学習)