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□ LD・発達障害等関連図書 → http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/ □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #997 2010/07/22 発行 登録(配信)読者数 3,042 ■ ■ LD = Learning Disabilities LDニュース編集人発行 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」8月入会相談会/国分寺労政会館 会議室 2010/08/28 ■ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要 課題解決的な個別指導 ■ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  発達障害の理解  ■ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  発達障害と思春期 ■ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  生徒指導の進め方 ■ ■ 発達障害がある子どもの自然体験・生活体験・交流体験プログラム開発 ■ ■ 発達障害の子どもたちへの教育支援事業 そにっとキャンプ 報告書  ■ ■ 2010-09-11 (土) ATACセミナー 2010 香川  社会福祉総合セ ■ ■ 日本発達障害ネットワーク (JDDネット)の新役員を選出 2010/06/13 ■ ■ LD(学習障害)ニュース #971 より LDニュース編集人 発行となりました ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■□ http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/sample.html □■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ことばの発達に遅れのある子のための言語指導プログラム111 −サインを逃さずタイミングよく話しかける技術− 長澤正樹 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00027.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」8月入会相談会/国分寺労政会館 会議室 2010/08/28 ■ ------------------------------------------------------------------------ ※ 開会が13時に変更になりました。ご注意ください。 親の会「けやき」8月入会相談会 日 時 2010年8月28日(土) 13:00 〜 14:00 場 所 国分寺労政会館 会議室     http://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/map/kokubunji.html 交 通 JR中央線 国分寺駅南口 徒歩5分 連 絡 keyaki@box.club.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 感覚統合を生かしてたのしく学習─読む力・書く力を育てる 佐藤 和美 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00050.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要 課題解決的な個別指導 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/2010/06/04/1292248_02_1.pdf 第1章 生徒指導の意義と原理  第4節 集団指導・個別指導の方法原理  3 個別指導の方法原理  (2)個別指導の目的  ○3 「課題解決的な個別指導」 学校生活に適応できない児童生徒の増加は、社会問題の一つと言えます。特に、 深刻な問題行動や悩みを抱え、なおかつその悩みに対するストレスに適切に対処 できないような特別に支援を必要とする児童生徒に対しては、学校は課題解決に 焦点を充てた個別指導及び支援をする必要があります。 しかしながら、課題解決的な個別指導は、学級担任・ホームルーム担任一人だけ では解決に導くことが困難な場合が多く見られます。学級担任・ホームルーム担 任が児童生徒本人や保護者からこのような課題についての相談を受けたときには、 話をしっかりと聞く姿勢を持ち、そして、自分一人だけでは判断せずに、必ず管 理職などと相談し、養護教諭やスクールカウンセラー等の専門家の意見を踏まえ て対応することが、課題解決的な個別指導には必要なことです。学級担任・ホー ムルーム担任の抱え込みにより、課題が悪化してしまい、解決が長期間に渡って しまったなどのケースも少なくありません。 児童生徒が持つ課題の背景には、児童生徒の個人の性格や社会性などの個人的問 題、児童虐待・家庭内暴力・家庭内不和・経済的困難など家庭の問題、LD・A DHD・高機能自閉症・アスペルガー症候群などの発達障害、また、友人間での 人間関係に関する問題などが多く見られます。学校としては、このような課題の 背景を十分に理解し、管理職、生徒指導主事等、学級担任・ホームルーム担任、 養護教諭、スクールカウンセラー等の専門家でのチームとしての支援体制をつく ることが求められます。そして、チームとして該当している児童生徒の見立てを し、場合によっては、早急に精神科医などと連携することが必要です。 このように、特別な支援の必要な児童生徒が社会で自立するために必要な力を付 けるために、学校は誠意を持って対応する必要があります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これでわかる「気になる子」の育て方 木村順 成美堂出版 http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00051.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  発達障害の理解  ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/2010/06/04/1292248_02_1.pdf 第1章 生徒指導の意義と原理  第4節 集団指導・個別指導の方法原理  2 発達障害の理解  (1)発達障害の定義 発達障害の定義については、平成17年4月1日に施行された発達障害者支援法に おいて、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注 意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年 齢において発現するものとして政令で定めるもの」と示されています。なお、 「その他これに類する脳機能の障害」については、政令や厚生労働省令において 示されており、これらの法令により想定される障害については、その法令の通知 において、「ICD−10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心 理的発達の障害(F80−F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症す る行動及び情緒の障害(F90−F98)」に含まれる障害」と示されています。 文部科学省では、学習障害(LD)、自閉症等と注意欠陥多動性障害(ADHD) 及び高機能自閉症等の定義を以下のように示しています(平成15年3月の「今後 の特別支援教育の在り方について(最終報告)」、平成11年7月の「学習障害児 に対する指導について(報告)」を参考に作成)。 自閉症の定義 <Autistic Disorder> 自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発 達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害 であり中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。 高機能自閉症の定義 <High-Functioning Autism> 高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言 葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動 の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。 また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。 学習障害(LD)の定義 <Learning Disabilities> 学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、 書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を 示す様々な状態を指すものである。 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定され るが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が 直接の原因となるものではない。 注意欠陥多動性障害(ADHD)の定義 <Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder> ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多 動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもの である。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因 による機能不全があると推定される。 ※アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のう ち言葉の発達の遅れを伴わないものである。なお、高機能自閉症やアスペルガー 症候群は広汎性発達障害(PDD)に分類されるものである。 広汎性発達障害(PDD)は、一般に自閉症及び自閉症に近似した特徴を示す発 達障害の総称として用いられる障害概念です。また、自閉症スペクトラム障害 (ASD)という用語が使われることもあります。これは、自閉症やアスペルガ ー症候群がそれぞれ独立したものではなく、状態像に類似性のある連続的なもの であるという考え方で、広汎性発達障害とほぼ同義で使われています。  (2)一人一人の特性を理解することの大切さ 文部科学省が2002(平成14)年に実施した、「通常の学級に在籍する特別な支援 を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」では、LDのように学習面に困難 のある児童生徒が4.5%、ADHDや高機能自閉症のように行動面に困難のある 児童生徒が2.9%、そのいずれかもしくは両方に困難のある児童生徒が6.3%の割 合で小中学校の通常の学級に在籍していると報告されました。つまり、ごく単純 化して考えると、40人学級には発達障害のような特別な支援を必要とする児童生 徒が2〜3人在籍しているという計算になります。 この調査結果でもう一つ注目したいことがあります。それは、状態像が重なって いる児童生徒がいるということです。図表3−2−1に見られるように、LDの ように学習面に困難のある児童生徒は4.5%いましたが、そのうち1.1%はADH Dの状態像との重なりが見られました。また、0.3%は高機能自閉症の状態像と の重なりがありました。ADHDと高機能自閉症との状態像の重なりがある児童 生徒も0.4%おり、LD、ADHD、高機能自閉症の三つの状態像が重なってい る児童生徒も0.2%いることが分かりました。 なお、この調査は、担任の教員等の回答に基づくもので、LDの専門家チームに よる判断や医師による診断によるものではないので、その結果が、LD、ADH D、高機能自閉症の児童生徒の割合を示すものではないことに留意する必要があ ります。 図表3−2−1:通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒に関 る全国実態調査(略) 発達障害の障害の特性は生涯にわたり持続するといわれていますが、成長に伴い それらの特性が変容したりする場合もあります。例えば、幼少期には目立たなか った症状が、児童期以降に見られるようになり、診断名が変わったり、新たに加 えられたりすることも少なくありません。また、成長に伴いそれらの特性が目立 たなくなることもあります。そのため、児童生徒の状態を把握するときに、診断 名や障害名だけで判断すると、間違った実態把握となってしまうことがあります。 これは、診断名や障害名による先入観からステレオタイプな見方をしてしまう可 能性があるからです。児童生徒一人一人の実態を的確に把握し、特性を理解する ことが大切です。  (3)発達障害の特性の理解 LD、ADHD、高機能自閉症のような発達障害のある児童生徒は、個別的な場 面よりも通常の学級の集団生活の中でつまずきや困難を示している場合が多く見 られます。このような児童生徒は学級での学習活動において、できることとでき ないことのギャップが大きいため、教員からは、能力的な遅れや偏りが分かりに くいです。 そのため、発達障害は見えにくい障害とも言われています。うまく取り組めない 原因は、発達障害によるつまずきや困難というよりも、「わがまま」や「努力不 足」「やる気がない」等の問題であると受け止められがちです。その結果、支援 がないままに見逃されていたり、無理強いするような強引な対応をされたりする など、適切な対応がされないために、状態が全く改善されない場合も多く見られ ます。 発達障害のある児童生徒は、物事の見方、とらえ方、感じ方などに他の児童生徒 とは少し違う特性があります。  ○1 LDのある児童生徒 LDのある児童生徒は、知的発達には遅れはなく、指示を聞いて、取り組むべき 課題については理解することができます。しかし、頭ではすることが分かってい ても、実際に読んだり、書いたり、計算したりなどの学習が難しいために、失敗 経験とともに学習に対する不全感がとても強くなります。 他の児童と同様にできることと、同様にはできないこととのアンバランスさが大 きいのがLDの特性といえます。「発表はよくできるのに簡単な文章が書けな い。」「視覚的な手がかりがあれば取り組めるのに、話を聞いただけでは活動で きない。」など、取り組めない理由が周りの大人にとっても理解できないことが 多くあります。やる気の問題や努力不足と見られてしまい、苦手なことを何度も 繰り返し練習させられたり、無理強いされたりして、さらに失敗経験を積み重ね ることになります。  ○2 ADHDのある児童生徒 ADHDのある児童生徒は、故意に不適切な行動をとるのではなく、自分の気持 ちや行動をコントロールしきれずに無意識に取った行動が、結果として問題とな る行動につながってしまうことがよくあります。不注意な誤り、早合点が多く、 落ち着いて考えればできることでも、あわてて取り組んでしまうため、なかなか 良い結果につながりません。また、抑えきれない多動や衝動的な行動は、自分勝 手な振る舞いに見えたり、他者の邪魔をする状況になったりすることから、友達 とのトラブルも多くなり、対人関係がうまく保てなくなります。指示が聞けない、 ルールや約束が守れなかったりすることで、周りからの信頼も失ってしまいがち です。生活を共にする人たちにとって、様々な不都合さが生じてくれば、当然、 注意や叱責をすることが多くなります。その結果として、「自分はだめな人間で ある。」「どうせやってもできないに決まっている。」などと、自己評価が下が ってしまいがちです。  ○3 自閉症のある児童生徒 自閉症のある児童生徒に対する配慮として気を付けたいことは、先の見通しが持 てないことへの不安感がとても大きいということです。本人にとって、予想外の 出来事が多い学校生活では、集団の中にいるだけでたくさんの不安になる要素を 経験していることになります。 知的発達に遅れのない高機能自閉症も含め、自閉症のある児童生徒は、対人関係 やコミュニケーションに障害があります。多くの児童は、経験の中から文脈を理 解し、場面状況を把握し、暗黙の了解なども学んでいきますが、それらのことが 苦手なことも自閉症の特性です。相手の気持ちを推し量ることや自分の言動が周 りにどのような影響を与えているのかを把握することにも難しさがあるため、周 りの児童と同じ行動が取れなかったり、指示に従えなかったりすることが多く見 られます。わがままで自分勝手な行動と受け止められることもあります。  (4)実態把握から特性に応じた対応へ LD、ADHD、高機能自閉症などの特性は、生まれつきの特性であり、生涯に わたる特性です。発達障害のある児童は特性に応じた適切な支援があれば、適応 状態は改善していきます。行動観察からつまずきや困難さの実態を把握し、対応 を考えていく際には、担任の教員が一人で対応を考えるのではなく、同学年の教 員を始めとして、特別支援教育コーディネーターなど複数の目で検討し、理解を 図ることが大切です。必要に応じて、外部の専門家から助言を得たり、校内で事 例検討を行ったりして、個別の指導計画を作成し、校内の協力体制のもとで対応 を工夫していきます。 LDの特性に応じた対応のポイントは、難しいこと、できないことなどのつまず きや困難さを把握するだけでなく、得意なこと好きなことを把握しておくことが 大切です。うまく取り組めずに自信や意欲を失いかけている児童に対し、得意な ことやできていることを認めることで、自尊感情や自己肯定感を高めます。 ADHDの児童生徒には、行動面や感情面の自己コントロールの仕方を身に付け させるとともに、全体ができていなくても、部分的でも本人が努力していること を認めることができる環境を整備することが大切です。また、必要に応じて、薬 の利用など医療機関との連携を図ることが有効な場合もあります。 突然の予定変更が苦手な自閉症の特性のある児童生徒は、先の見通しを持たせる、 何をすればよいか具体的に指示する、予定変更の可能性がある場合にはあらかじ め伝えておくなどの対応が大切です。相手や周りの人たちとの関係をつくること が苦手なので、対人関係や社会における基本的なスキルを習得できていない場合 があります。場面や状況ごとに言葉かけや対処の仕方について具体的に教えてい くことがとても重要になります。先にも述べたように、これらの障害特性は単独 で見られる場合もあれば、重なっている場合もあります。学校生活のどのような 場面でどのような行動が見られるのか、「障害」として理解するのではなく、日 常の行動観察により、個々の児童生徒の「特性」として理解し、対応の工夫をす ることが大切です。また、うまくいかなければ対応を変えていく柔軟性も求めら れます。適切でない「かかわり」や「環境」は二次的障害を招いてしまうことに も留意が必要です。−−略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達が気になる子のサポート入門 発達障害は「オリジナル」発達 (新書) 阿部 利彦 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00039.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  発達障害と思春期 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/2010/06/04/1292248_02_1.pdf 第3章 児童生徒の心理と児童生徒理解  第3節 青年期の心理と発達  2 発達障害と思春期  (1)思春期の課題 思春期という時期は、第二次性徴期、第二次反抗期の時期を含み、精神的にも身 体的にもそれまでとは違う大きな変化を経験する時期になります。大人と子ども の狭間にあり、見えない将来への不安を抱えながら、親からの精神的な自立に向 けて悩み、絶対だった大人に対する否定が反抗という形で表現され、友達関係も 内面を共有する仲間へと変わっていきます。ここでは、思春期として小学校高学 年から高等学校段階までの時期の課題について述べます。 発達障害のある児童生徒にとっても、他の多くの児童生徒と同様あるいはそれ以 上に精神的に過敏な時期であり、とても傷つきやすい時期でもあります。学校生 活における度重なる失敗経験、苦手意識や挫折感から、些細なことも自分の欠点 であると思いこみ、情緒的に不安定になりやすく、自己評価が低くなったり、自 己嫌悪に陥りがちになります。対人関係や学習面等におけるちょっとしたつまず きや困難をうまく解決できないことがきっかけとなり、不登校や引きこもりなど の二次的な障害につながってしまう場合も見られます。 思春期における発達障害のある児童生徒の課題は、多くの児童生徒の抱える課題 と基本的には同じです。例えば、○1行動する仲間から内面を共有する仲間へと 発展する友達関係、○2肉体の変化と性的な成熟に付随するエネルギーの増大、 初潮や精通の受け入れ、○3性格や容姿、能力などの自己像の形成、自我同一性 (アイデンティティ)の確立、○4自立と甘えの葛藤を経験しながらの親からの 精神的自立、そして、○5見えない将来の進路選択に対する不安などが挙げられ ます。 一般の多くの児童生徒は、身近な大人との関係や友達関係の中で、あるいは様々 な自分の経験を通して、課題に対する自己解決能力を高めていきます。しかし、 発達障害のある児童生徒の場合には、不安や悩みを身近な人とコミュニケーショ ンを通じて理解してもらうこと、課題解決のために他者に援助を求めること、過 去の経験に照らし合わせ自分なりの工夫をしてみることなど、社会性や対人関係 に関する能力の弱さがあるために、自己解決能力が育っていきにくい面がありま す。  (2)配慮したい思春期の対応 周りの児童生徒との違いに気付き、うまく取り組めない自分に対する不安を取り 除くためには、欠点を指摘するよりも長所に注目し、認めていくことが大切です。 学校生活において学習面のつまずきは適応に大きなウエイトを占めてきます。L Dなどの学習面に困難のある児童生徒は、児童期から既に様々な学習上の困難を 経験しており、意欲や自信を失い、「自分にはできない」などと自己評価が低く なってしまっています。中学校、高等学校と学習内容が次第に難しくなればハー ドルはさらに高くなります。 授業における個別的な支援の手立てについては、中学校であれば小学校から、高 等学校であれば小学校、中学校からの支援に関する情報を十分に収集し、各教科 担任の共通理解として、できるだけ同じような対応ができるように心掛けていく 必要があります。 そして、個別的な支援を行う際には、何よりも対象となる児童生徒自身のプライ ド、自尊感情に配慮することが重要になります。特別扱いされることが、配慮と ならず、逆に心の痛手になることがないように、十分に説明し、納得の上で進め ることが大切です。 学習面とともに特に配慮したいのが友達関係です。友達からの何気ない一言が自 尊感情を傷つけ不適応につながってしまうこともあります。障害特性に関する基 本的な理解は、教職員だけでなく、周りの児童生徒や保護者にも進めていく必要 があります。 その際、障害ということを強調するのではなく、障害による困難さや行動の特徴、 それに対する対応の仕方についての理解を図ることが重要です。学校生活におけ る児童生徒の言葉遣いや態度の荒さなどが気になる場合には、発達障害のある児 童生徒との関係だけでなく、学校全体で取り組むべき課題として、集団づくり、 仲間づくり等の人間関係を学ぶ指導を積極的に取り入れていく必要があります。 通常の学級において、発達障害のある児童生徒に対して個別的な支援を効果的に 行うためには、学級全体が落ち着いて学べる環境を保障し、児童生徒たちに学ぶ 意欲を持たせることが重要になります。それは、特別な支援の必要な生徒だけで なく、学級のすべての児童生徒にとっても学びやすい学習環境を整備し、分かり やすい授業を工夫することが基本となるということです。発達障害のある生徒が 参加できている授業には参加しやすい条件が整っており、うまく参加できない授 業にはそれ以外の児童生徒にとっても参加しにくい状況があるということです。 これらのことはどの教科においても共通のことであり、対応の工夫を個々の教科 担任に委ねるのではなく、学年体制の中で十分な話合いと共通理解により工夫し ていきたいことです。 また、言葉かけやかかわり方などの工夫は、教科学習に限られたことではなく、 部活動や委員会活動などの課外活動においても関連してくることから、学校全体 で共通理解を図る必要があります。必要に応じて、外部の専門家から助言を受け たり、個別の指導計画を作成したりしながら、対応の見直し検討をしていくよう にします。  (3)自己理解の難しさ 発達障害のある児童生徒は、思春期になると多くの場合、学習活動などにおいて 皆と同じように取り組めない経験の積み重ねから、自分に苦手な分野があること や他の児童生徒との違いに気付いてきます。対応の難しい場面で自分なりの試行 錯誤を繰り返したり、他者からの助言を受け入れたりしながら、苦手なことに対 する解決方法や対処の仕方などを身に付けていきます。また、そうしなければな らないことを本人なりに理解するようになります。 発達障害のある児童生徒が将来に向けてこれからの自分の生き方を考えていく上 で、発達障害としての特性を把握し、障害を個性として受け止め、自己理解を図 ることが重要です。そして、身近で生活している人たちにとって、本人の障害受 容をどう手伝うかが問題になってきます。 しかし、本人にとっては、それらの難しさが障害に起因するものと認めることに は大きなハードルがあります。発達障害に対する社会の受け止め、理解が十分で はない現状では、障害という言葉は非常に重いもので、傷つき、悩み、不安感が 高まります。障害の受容を進めることが、必ずしも社会への適応の早道ではなく、 本人の自己理解の段階によっては苦しむことになるということを、周囲の者が十 分に理解しておくことが重要です。少し時間をかけて、障害特性を個性として受 け止めることから、得意な面は伸ばし、苦手な面は工夫して取り組める努力をし ていくことに目を向け、心の面も含めて対応していくことが大切です。  (4)相談できる人や場の確保 思春期の発達障害のある生徒に対しては、こうした児童生徒自身が抱えている悩 みや課題について真摯に受け止め、相談できる人や場所を確保することがとても 重要になります。これまでの教育相談は、担任や養護教諭、スクールカウンセラ ーなど、一部の担当者が個別に相談を受けることが多く、教職員全体が情報を共 有化することが難しく、対応の仕方に誤解が生じたり一貫性がなかったりするな ど、期待したような成果が得られない場合が見られました。 今後は、校内の相談体制をシステム化し、コーディネーターをはじめ、養護教諭、 特別支援学級担任、生徒指導担当教員やスクールカウンセラーなどがうまく役割 分担する中で必要な情報を共有化して対応していくことが望まれます。相談は相 談者のニーズが第一ですが、発達障害のある児童生徒にとっては、相談すること もコミュニケーションという苦手な社会的スキルの一つです。無理強いや押し付 けの指導にならないように、児童生徒が話しやすい雰囲気を日ごろからつくって いくことがとても大切になります。−−略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 仕事がしたい! 発達障害がある人の就労相談 (単行本) 梅永 雄二 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00048.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 文部科学省 平成22年4月2日 生徒指導提要  生徒指導の進め方 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/2010/06/04/1292248_03_1.pdf 第6章 生徒指導の進め方  II 個別の課題を抱える児童生徒への指導  第2節 発達に関する課題と対応  1 個々の児童生徒が抱える障害特性の把握 LD、ADHD、高機能自閉症などの発達障害の特性は、生まれつきの特性であ り、生涯にわたる特性です。LDは、認知特性、学習面についての特性であり、 ADHDは、不注意、多動性、衝動性などの行動上の特性、また、自閉症の特性 は、対人関係や社会性についての特性です。それらの特性が単独で見られる場合 もありますが、一人の児童生徒が複数の特性を併せ有している場合もあります。 そして、幼少期についた診断名が成長に伴い変わっていく場合もあります。この ことを考えると、障害特性の把握にとどまることなく、個々の児童生徒が抱えて いる特性を把握することがとても大切になります。 学校現場でも障害名や診断名が教員間の話題になることが多くなってきています。 発達障害に関する知識や情報が広がることはとても重要なことですが、診断は医 療関係者が行うべきものであり、教育関係者が確実な根拠もなく安易に障害名を 挙げ、判断することは避けなければなりません。そこには、児童生徒の言動をす べて特定の障害にあてはめてとらえてしまうようなことに陥りかねない危険性が あります。その時の精神状態や状況によっても、障害特性に似たような言動をと ることがあるということです。 特別な指導を進めるための留意点 留意点 事実確認 ・事情は個別に聞くが、複数の教師で対応すること ・すべての事情に矛盾のないように細部まで確認すること ・当該児童生徒自身が、事実を書くよう指導すること ・学校外の関係者・関係機関からの情報を参考にすること ・指導経過などは、個別の児童生徒ごとにまとめて保存し、事後の指導などに生  かすこと 指導方針を検討 ・事実に基づいて指導方針を検討すること ・これまでの指導経過を明らかにし、事実をもとに、児童生徒個々に検討するこ  と ・校内規定で定められた明確な基準に基づいて検討すること(公立の小学校・中  学校においては自宅謹慎、自宅学習などを命じることはできないので、一定期  間、他の児童生徒と異なる場所で特別な指導をする) ・規範意識を高めるため、児童生徒自身が自ら考え、実行し、継続できる内容を  盛り込むこと ・学習の基礎基本を指導し、学習が遅れないように配慮すること ・反省期間中に行われる学校行事や学級活動・ホームルーム活動などについては、  状況に応じて出席させるなど、集団や社会の一員としての自覚、所属感をもた  せるよう指導すること 特別な指導の可否判断 ・指導方針の検討を参考にして、校長が指導の可否を判断すること ・形式的・機械的、感情的・報復的、不公平・不当、安易・無責任など説明のつ  かない判断を行わないこと ・指導の判断について、全教師に周知しておくこと 特別な指導の説明 ・指導に当たっては、保護者に事実関係と指導の内容を十分説明すること ・保護者の意向を十分に聞き、理解と協力が得られるようにすること 意見聴取の機会を付与し検討 ・保護者から出された意見について、あらゆる角度から検討すること ・新たな事実が判明した場合は、すべて確認すること ・意見聴取は主に保護者からの弁明を聴くものであって、同意を得ることまでは  必要ではないこと 意見の是非の判断 ・意見についての検討を参考にして、校長が、是非を判断すること ・意見が妥当であれば、特別な指導を行わずにもとのクラスへ戻すこと (図の一部は省略)  2 個々の児童生徒の特性に応じた指導の基本的な姿勢 発達障害のある児童生徒の特性に応じた指導の基本的な姿勢は、間違いやできな いことに気付かせるだけでなく、正しいこと、できるための方法を具体的に、そ して丁寧に教えていくということです。  (1)学習面への対応 どの児童生徒にとっても学びやすい一般的な指導上の配慮から始めることが基本 ですが、苦手な面と得意な面の両面から考えていくことが大切です。学習面に困 難のある児童生徒への対応は、どうしてもできていないこと、うまく取り組めて いないことに注目しがちになります。苦手なことに対しても学習意欲を高めてい くためには、できていることを認め、得意な面をうまく活用して自信を持たせる 指導を行うことが大切になります。学習活動を難しくする要因は個人の問題だけ ではありません。学習環境、教員や周りの友達との関係なども難しさに大きく影 響している場合があります。落ち着いて学習できる環境であるかどうか。教員や 友達との関係が安心感のあるものになっているか。能力や特性に合った指導内容 であるか。時間配分や課題設定、教材教具は実態に合っているか。これらは学習 環境の問題ということになります。授業の分かりやすさや教員の指導方法等もこ れに含まれてきます。学習のつまずきや困難さに対する対応を検討する際には、 個人の要因を考えるとともに、学習環境やかかわりなどの環境の要因の両面から 考えていくことが大切です。  (2)行動面への対応 注意や叱責により改善していくことは難しいという前提に立って、対応すること が大切です。適切でない行動を減らしていくためには、適切な行動を増やしてい くという視点で、適切な行動の取り方を具体的に教えていきます。適切でない行 動には理由があります。まずは、怒りや不安、困惑などの気持ちを受け止めるこ とが第一です。起きている行動だけに注目しないで、きっかけになることや行動 後の結果など、前後関係を通して適切でない行動を生起させている要因を分析し、 対応を考えることが肝心です。してはいけないことよりも望ましい認められる行 動に意識を向けさせるようにします。そして、怒りや不安がすぐに適切でない行 動につながらないように、支援することで問題を起こさずに済んだということも 大切です。人に危害が及ぶような危険なこと、絶対にしてはいけないことにはき ちんと対応するようにします。迷いのあるあいまいな対応や、人や時によって異 なる対応は、ただ混乱させるだけですから、一貫した対応に心がけます。  (3)指導に当たっての留意点 指導したことを定着させ、確実に身に付けさせていくためには、失敗を指摘して 修正させるという対応ではなく、成功により成就感や達成感が得られる経験を積 むこと、そしてそれを認めてくれる望ましい人間関係が周囲にあることが重要に なります。教員の厳しい対応が学級の児童生徒のモデルとなり、お互いに対して 厳しい対応になっていたり、個別的な指導を周りの児童生徒が特別扱いと受け止 め、不満を持っていたりする学級は、すべての児童生徒にとっても安心できる環 境とはいえません。 個別的な指導を行うためには、それを可能とする学級づくりが大切です。児童生 徒同士に仲間意識があり、ルールが遵守され、お互いを認め合い、思いやり、意 欲と責任感を持ち、自己解決能力そして成就感・達成感のある学級づくりを目指 して学級経営をしていくことが求められます。 気付きを適切な指導につなげていくためには、対応を担任教員一人に委ねるので はなく、情報を共有化して共通理解を図り、組織やチームで考えていくことが重 要です。まず、学年体制で検討します。学年体制でも対応が難しい場合には、校 内委員会等、学校全体で事例検討することになります。事例検討の意義は、複数 の目により児童生徒の実態を多面的にとらえることができること、児童生徒の課 題について共通理解をした上で指導目標を設定できること、そして、具体的な支 援のアイディアをたくさん出し合えることにあります。事例検討で、担任教員が 他の教員から指導力不足を指摘されたり、責められたりするような場になっては 意味がありません。参加している教員がそれぞれ自分の問題として、自分が担任 だったらという姿勢で臨むことが大切です。担任教員が、多くの教員から児童生 徒のとらえや指導の手だてについて支援を受けることができて良かったと実感で きるようにします。  3 二次的障害の早期発見と予防的対応 発達障害の一次的障害である障害特性が、状況によっては、別の発達障害の行動 特性として見られる場合もあります。例えば、ADHDの特性である多動性は、 高機能自閉症のある児童生徒の場合にも幼少期にしばしば見られます。また、L Dのある児童生徒や自閉症のある児童生徒が、授業内容の理解が難しかったり、 友達とトラブルを起こしたりした際、教室に居場所がなくなり、立ち歩いたり、 教室から出てしまったりする等の行動が、二次的障害として出てくることもあり ます。 障害特性によるつまずきや失敗がくり返され、学校生活に対する苦手意識や挫折 感が高まると、心のバランスを失い、精神的に不安定になり、様々な身体症状や 精神症状が出てしまう等、二次的障害として不適応状態がさらに悪化してしまう 場合があります。二次的障害としての症状には、不登校や引きこもりのように内 在化した形で出る場合、暴力や家出、反社会的行動など外在化した形で出る場合 などがあります。うつ病や統合失調症などの心の病気にかかる場合もあります。 虐待の原因になっている場合もあります。 二次的障害は、一次的障害との区別が難しい場合もありますが、二次的障害の可 能性を常に考慮し、対応することが重要になります。二次的障害は、適切な支援 があれば比較的短時間で改善していきます。早期発見と予防的対応が肝心です。 そのためには、一次的障害による特性に応じた支援を工夫するとともに、特性に よるつまずきや困難さにより、自信や意欲を失ったり自己評価が低くなったりし ないように、自尊感情を高めていく対応が大切です。自尊感情とは、自分を価値 のある存在として尊重する感情であり、高い人は自分をより肯定的にとらえ、低 い人は自分を否定的に考えやすくなります。自尊感情を高めるためには、自分は 大切にされている、自分は必要とされているといった、他者からの賞賛や承認、 評価が影響してきます。授業を始め、学校における様々な学習活動において、 「わかった」、「できた」という達成感や成就感を感じる経験を積むこと、学級 集団の中で自分の役割が与えられ、その役割をきちんと果たしていると感じられ ること、そして、取り組めていること、役割を果たしていることを、周りの人た ちにきちんと認められていることが大切になります。 図表6II−2−1:発達障害の二次的障害を含む総合的な支援(略)  4 保護者との協働 発達障害のある児童生徒の保護者も大きな不安を抱えています。我が子への期待 感や気持ちの焦りから、苦手なことを無理強いしたり、注意や叱責を繰り返した り等、誤った対応が続いてしまうこともしばしばみられます。できないところに ばかり目がいき、児童生徒の良さを認める機会が少なくなってしまいがちです。 認められるよりも叱られる機会が多いほど、児童生徒は不安定さを増し、適応状 態がさらに悪化してしまいます。適切な問題意識を持ち、適切な対応がなされる ことで、親子関係は安定し、児童生徒の状態も落ち着いてきます。学校は児童生 徒の目先の問題にばかり気をとられずに、保護者も家族も問題を抱えているとい う視点で見守っていく必要があります。特に、行動面に課題を抱えている児童生 徒の場合は、しつけや養育の問題を指摘されることが多く、保護者自身も子育て に自信を失い、孤立している場合が多く見られます。 保護者が担任や学校に相談する気持ちを持てるかどうかは、そこに信頼関係があ るかどうかです。日常的に情報交換を行い、保護者と教員がお互いに話しやすい 関係をつくっておくことが大切です。学校が家庭の問題を指摘し、保護者が学校 の対応への不満を述べるのでは話合いになりません。学校の考えを一方的に押し 付けるような対応ではなく、保護者の考えを十分に受け止めながら、児童生徒の 情報を共有し、適切な対応について一緒に考えていく姿勢が肝心です。  5 関係機関との連携 発達障害は確定診断が難しい障害です。幼児期に付けられた診断名が児童期、青 年期に変わるということも決して珍しいケースではありません。教育的支援を考 えるときに大切なのは、診断名、障害名よりも児童生徒自身の特性であり、資質 や性格あるいはその時の心理状態なども含めて総合的にとらえる必要があります。 教育委員会の巡回相談や専門家チームを活用するなど、医療や福祉、教育の関係 機関と積極的に連携を図り、児童生徒の特性を多角的にとらえるという視点が重 要です。また、地域の関係機関のリストを作成するなどネットワークを構築して おくことも大切です。関係機関との連携に当たっては、個別の教育支援計画を作 成するなどして学校が主体となり児童生徒の教育的支援に必要な情報を収集し、 学校や教員としての児童生徒のとらえ方や支援の方向性、具体的な手立てについ て助言を求め、個別の指導計画等に反映させていくようにします。−−略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大学生の発達障害 佐々木 正美 (編集), 梅永 雄二 (編集) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00047.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 発達障害がある子どもの自然体験・生活体験・交流体験プログラム開発 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.niye.go.jp/houkoku_srch/chosa_cts.php?insid=102 発達障害がある子どもの自然体験・生活体験・交流体験プログラム開発                        発行日:平成21年3月                        国立山口徳地青少年自然の家  本事業立ち上げの経緯  「青少年育成施策大綱」(平成15年12月,内閣府青少年育成推進本部)におい て,障害のある青少年や社会的不適応の青少年等の「特定の状況にある青少年」 の自立を支援することが,国の喫緊の課題であることが提言された。さらに平成 18年度に発足した国立青少年教育振興機構においては,「特定の状況にある青 少年の支援」が重点テーマの一つとなり,機構の一施設である国立山口徳地青少 年自然の家が,特定の状況にある青少年の自立を支援する先導的モデル的な事業 を研究開発し,広く普及することが重要と考え,本調査研究事業が「特定の状況 にある青少年の自立を支援するプログラム開発」として立ち上がった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LDを活かして生きよう−LD教授のチャレンジ 上野 一彦 (著) 価格:¥ 1575 http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00025.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 発達障害の子どもたちへの教育支援事業 そにっとキャンプ 報告書  ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.niye.go.jp/houkoku_srch/chosa_cts.php?insid=105   発達障害の子どもたちへの教育支援事業 そにっとキャンプ    〜瞳キラキラ 心わくわく〜 発行日:平成21年3月                          国立曽爾青少年自然の家 はじめに                              所長 渡邉 春重 平成19年4月から、「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられ、これまで の特殊教育の対象の障害だけではなく、発達障害も含めて、特別な支援を必要と する幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されています。特別支援教 育においては、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組 を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、 その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導 及び必要な支援を行うことが求められています。 また、これに先立ち、平成17年4月から「発達障害者支援法」が施行され、特 に発達障害のある子どもの早期発見、早期の発達支援が強く求められています。 発達障害のある子どもは、対人関係や社会性などに遅れが見られ、いじめの対象 となったり不適応を起こしたりする場合があり、それが不登校につながる場合が あるなどとの指摘もあります。 このような状況を踏まえ、国立曽爾青少年自然の家では、発達障害の児童を対象 に、平成18年度から企画事業「そにっとキャンプ」として、体験活動プログラ ム全般に、行動療法理論に基づくソーシャル・スキル・トレーニングを取り入れ、 活動前にこれから起こるべき先行条件を提示し、見通しを持って活動に参加する ことができるようにするとともに、冒険的な体験活動を通して、やり遂げた時の 小さな達成感や成功感を積み重ね、活動後に自己評価を行うことで参加者の社会 性や自己肯定感を養うよう、継続して事業を実施してきています。 平成20年度は、これまでの実績を踏まえ、発達障害の関係支援機関・団体と連 携・協力して、発達障害の子どもたちに対応したより効果的な自然体験活動プロ グラムを開発するとともに、その子どもたちへの関わり方、支援方法等を学ぶた めの保護者向けの親プログラムや教員向けの先生プログラムの開発に取り組んで きました。また、新たに自然体験や宿泊体験などの体験活動が、発達障害の子ど もたちの社会性に及ぼす効果について検証し、その教育効果と活動プログラムと の関連性を明らかにしました。 本事業の成果を青少年教育施設、学校教育関係者、関係支援機関・団体、保護者 の方々などに広く普及を図っていきたいと考えていますので、ご高覧のうえ、ご 意見等を頂ければ幸いであります。 最後になりますが、本事業の実施に当たっては、調査研究委員会の委員長として ご尽力いただいた奈良県臨床心理士会会長の石田陽彦氏をはじめ委員の皆様に厚 くお礼申し上げます。                              平成21年3月 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書) (新書) 山下 成司 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00023.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 2010-09-11 (土) ATACセミナー 2010 香川  社会福祉総合セ ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.e-at.org/app-def/S-101/service/modules/eguide/event.php?eid=2 ATACセミナーは障害のある人のコミュニケーションや学習を支援する手段を 分かりやすく学べるセミナーです。発達障害の人や知的障害,肢体不自由など障 害を越えて今すぐに活用できる技術を実習も交えながら皆さんにお伝えします。 皆様のご参加を心よりお待ちしております。 開始時間 10時15分 定員数 30人 (予約数 2人) 予約締切時間 2010-9-10 22:15 日 程:2010年9月11日(土)〜12日(日) 時 間:10:15−17:00(受付開始9:30) 場 所:社会福祉総合センター     〒760-0017 香川県高松市番町1丁目10番35号 交 通:JR高松駅より徒歩約15分,琴電瓦町駅より徒歩約10分,高松空港より     空港直行連絡特急バス(リムジンバス)約35 分,県庁通り(香川銀行本     店前)下車徒歩約5分 以下ページに地図掲載 http://www.kagawa-swc.or.jp/home/ 参加費:1日7,000円(2日通しての参加の場合は10,000円)当日お支払い下さい。 定 員:30名(事前登録制) 申込方法:本ページ下段にあるお申込みフォームからお申込みください。 なお,本セミナーは,日本福祉大学のスクーリング科目「福祉とテクノロジー活 用」と合同で開催されるものです。 プログラム 他、セミナーの詳細ご案内はここをクリック http://www.e-at.org/doc/ATACseminar10_kagawa.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インクルーシブ教育の実践−すべての子どものニーズにこたえる学級づくり− http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00052.html  学苑社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 日本発達障害ネットワーク (JDDネット)の新役員を選出 2010/06/13 ■ ------------------------------------------------------------------------ 日本発達障害ネットワーク(JDDネット)では6月13日に新役員を選出した。 顧  問=尾辻秀久(参議院議員 参議院自民党議員会長 元厚労大臣 元発達           障害の支援を考える議員連盟会長) 名誉顧問=斎藤十朗(元厚労大臣 元参議院議長) 名誉代表=石井哲夫(社団法人日本自閉症協会会長) 監 事=宮崎英憲(東洋大学教授)     牟田悦子(成蹊大学教授) 役 員(22名) 代 表=市川宏伸(東京都立小児総合医療センター          日本児童青年精神医学会常務理事) 副代表=上野一彦(一般社団法人日本LD学会 理事長) 副代表・事務局長=氏田照子(日本発達障害ネットワーク 事務局長) 副代表=倭文真智子(一般社団法人日本臨床心理士会 福祉領域委員会           発達障害支援専門部部長) 副代表=高山恵子(NPO法人えじそんくらぶ代表) 副代表=辻井正次(NPO法人アスペ・エルデの会統括ディレクター) 副代表=山岡 修(NPO法人全国LD親の会理事) 副代表=山崎晃資(社団法人日本自閉症協会副会長) 理 事=東江浩美(一般社団法人日本言語聴覚士協会理事) 理 事=太田昌孝(NPO法人日本自閉症スペクトラム支援協会          日本自閉症スペクトラム学会) 理 事=大塚 晃(上智大学教授) 理 事=大塚淳子(社団法人日本精神保健福祉士協会常任理事) 理 事=高木道人(NPO法人日本トゥレット協会会長) 理 事=竹田契一(一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長) 理 事=田中康雄(北海道大学大学院 教授) 理 事=柘植雅義(国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員) 理 事=土田玲子(日本感覚統合学会会長) 理 事=藤堂栄子(NPO法人EDGE代表) 理 事=田嶋恵美子(NPO法人全国ことばを育む会事務局長) 理 事=藤坂龍司(NPO法人つみきの会代表) 理 事=長崎 勤(一般社団法人日本臨床発達心理士会幹事長) 理 事=三澤一登(社団法人日本作業療法士協会理事) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ビジョントレーニング 学ぶことが大好きになる 北出 勝也 (著) ¥ 2520 http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00024.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #971 より LDニュース編集人 発行となりました ■ ------------------------------------------------------------------------ 謹告 LD(学習障害)ニュース #971 より、「LDニュース編集人発行」とさせて    頂きますが、親の会「けやき」関連のニュースは、今までどおり最優先で    の掲載となります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 図解 よくわかるADHD 単行本(ソフトカバー) 榊原 洋一 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00019.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LDニュースは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行してます ------------------------------------------------------------------------

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