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□ LD・発達障害等関連図書 → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/books/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #783 2008/03/29 発行 登録(配信)読者数 3,540 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員・ボラ会員募集中! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」総会案内/東京都多摩障害者スポーツセ 2008/04/26 ■ ■ 東京LD親の会連絡会主催講演会/東京ウィメンズプラザ 2008/05/10 ■ ■ 「軽度発達障害児」講演会/岡山県総合福祉会館大会議室 2008/04/16 ■ ■ 発達障害情報センター発足 厚労省、HPやシンポ    2008/03/28 ■ ■ 特別支援教育室設置へ 和歌山県教委 人事異動4月1日付 2008/03/25 ■ ■ 文部科学省 平成19年度に実施した特別支援教育関係事業 2008/03/26 ■ ■ 参議院 文教科学委員会・議事録(抜粋)   平成20年3月25日 ■ ■ 地域の企業が行政大学と進める若者就職支援/東京仕事セ 2008/05/02 ■ ■ 【予告】 博報賞受賞記念 第7回全国LD親の会 公開フォーラム  ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:27 2008/03/29 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」総会案内/東京都多摩障害者スポーツセ 2008/04/26 ■ ------------------------------------------------------------------------ ※新規入会の手続きも行いますので、早めにお出かけください。 下記により平成20年度LD親の会「けやき」の総会を開催いたします。会員の皆 様には、ご多忙中とは存じますが万障お繰り合わせの上、必ずご出席ください。 なお、会員を継続される方は、総会及び5月例会時に更新手続きを完了して頂き ます様お願いいたします。 また、総会議事終了後は、会員同士の交流としてテーマ別の交流会を計画してお ります。 日頃の悩みや近況などを気軽に話し合える内容にしたいと思いますので、ぜひご 参加くださいますよう、ご案内申し上げます。           記 日 時 :平成20年4月26日(土) 12:45〜16:45 場 所 :東京都多摩障害者スポーツセンター 2階集会室A・B      http://www.tamaspo.com/annaizu.htm 内 容 :1会員更新・入会手続き   12:45〜13:15      2連絡・事務説明      13:15〜13:30      3総会議事         13:30〜14:30      4係り補助打ち合わせ    14:30〜15:00      5テーマ別交流会      15:00〜16:45 ※ 交通 国立駅南口徒歩20分 無料送迎バス(所用時間5分)あり ・無料送迎バス時刻表(国立駅南口発)10:00 11:00 12:25 13:10 (谷保駅北口発)9:30 13:30 ・路線バス 立川バスまたは京王バスで「国立高校前」下車(本数多数) ※時間厳守でプログラムを進行いたしますので、ご協力をお願いいたします。 ※閉会後国立駅近くの会場にて懇親会(おやじの会主催)を予定しております。  詳細は当日お知らせ致します。お時間のある方は是非ご参加下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 教室でできる特別支援教育のアイデア172 小学校編 (シリーズ教室で行う特別支援教育)価格:¥ 2,520(定価:¥ 2,520) http://www.amazon.co.jp/dp/4810054578/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京LD親の会連絡会主催講演会/東京ウィメンズプラザ 2008/05/10 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのお知らせです。転載・転送自由。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  東京LD親の会連絡会主催 講演会  LD等発達障害児・者のライフステージを見据えた支援   〜それぞれの年代をより良く生きる〜  会 場:東京ウィメンズプラザ ホール      〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67      JR山手線・東急東横線・京王井の頭線:渋谷駅下車徒歩12分      営団地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線:表参道駅下車徒歩7分      都バス:渋谷駅からバス4分青山学院前バス停下車徒歩2分  地 図:http://www.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/contents/map.html  講演会 LD等発達障害児・者のライフステージを見据えた支援      〜それぞれの年代をより良く生きる〜  日 時: 2008年5月10日(土) 午前10:00〜16:30  昨年4月より特別支援教育が始まり、支援の狭間におかれていたLD・ADH  D・高機能自閉症等をもつ子どもたちもその対象になり、一人ひとりのニーズ  に合った教育がスタートしました。  この特別支援教育では、「個別の教育支援計画」が作成され、幼児期から成人  までの適切な指導や必要な支援が受けられるシステムが造られつつあります。  LD等発達障害児・者の教育や生活をどのように組み立てていけば良いかにつ  いて、それぞれのライフステージについて専門の先生方をお招きし、指導と支  援の両面から適切な対応をお話いただきます。  この機会にもう一度、LD等発達障害児・者の指導と支援について再認識をし  ていただければと思います。  講 師: 小貫 悟(明星大学 准教授)       勉強が出来れば良いのか  講 師: 山田 純子(植草学園短期大学 教授)       思春期・青年期をどう乗りこえるか  講 師: 松為 信雄(神奈川県立保健福祉大学 教授)       働きつづけるために  資料代: 1,000円 (当日受付にて申し受けます)  後 援: 東京都教育委員会・東京都発達障害者支援センター・東京障害者職       業センター・21東京パイロットクラブ・全国LD親の会  申し込み: 参加希望者全員の [1] お名前 [2] 住所 [3] 連絡先(電話・メ        ールアドレス) [4] 所属 をお書き添えください。定員(250名)        に達し次第締め切らせていただきます。  申込先: pop@mix.club.ne.jp  ※ 保育室はありませんのでご注意下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 輝きMAX!すべての子どもが伸びる特別支援教育 ―LD・ADHD・アスペルガー症候群から、いじめ・不登校・非行まで品川 裕香 価格:¥ 1,365(定価:¥ 1,365) http://www.amazon.co.jp/dp/4760823379/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 「軽度発達障害児」講演会/岡山県総合福祉会館大会議室 2008/04/16 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのお知らせです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「遊育療法」には2つの狙いがあります。1つは軽度発達障害児を正しく理解 するためのアドバイスを行うことです。軽度発達障害児は問題が複雑で多様性が あり解りにくい子どもです。それ故にとまどっている人は多いと思われます。そ れを解りやすく説明し日ごろの子育てや教育に役立ててもらいます。  もう一つは、「潜在能力の高さをどう引き出すか」ということです。軽度発達 障害児のもつ「転導性・こだわり」や「物・人との関わりの弱さ」などが能力の 足をひっぱっており、本来もっている高い潜在能力を出し切れていません。それ らの足をひっぱっているものから解放してやればすばらしい伸びを見せます。そ れを解放してやるのが「遊育療法」です。  今回はそれを解説した冊子をさくせいしました。しかしそれだけでは解りにく い部分もあろうかと思います。そこで今回その冊子をテキストとして少し説明を 加えたお話しをさせて頂こうと思っております。 日 時:4月16日(水) 13:00〜17:00 場 所:岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館 2階 大会議室     岡山県岡山市南方2丁目13-1 TEL. 086-231-0532 講 師:津田誠一 (発達・学習研究会代表) テーマ:「遊育療法」について 費 用:無料 申 込:必要ありません。お気軽に参加してください。 連絡先:発達・学習研究会     岡山市津島南1−1−4      TEL 086−256−0630 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LD教授(パパ)の贈り物−ふつうであるよりも個性的に生きたいあなたへ 上野 一彦 価格:¥ 1,365 http://www.amazon.co.jp/dp/4062139812/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 発達障害情報センター発足 厚労省、HPやシンポ    2008/03/28 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008032801000308.html −−−−−−−−−−−−−−−−−  厚生労働省は28日、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障 害について理解してもらおうと、省内に「発達障害情報センター」を発足させた。 ホームページ(HP)で相談窓口や支援策を紹介するほか、シンポジウムなどを 開催する。−−略 HPのアドレス http://www.mhlw.go.jp/ddis/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LD・ADHD・アスペルガー症候群 気になる子がぐんぐん伸びる授業 ―すべての子どもの個性が光る特別支援教育高山 恵子 価格:¥ 1,365(定価:¥ 1,365) http://www.amazon.co.jp/dp/4098373726/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育室設置へ 和歌山県教委 人事異動4月1日付 2008/03/25 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/080325/wky0803250259007-n1.htm −−−−−−−−−−−−−−−−− 和歌山県教委は24日、県教委事務局と教職員の人事異動(4月1日付)を発表 した。異動規模は事務局が215人で、前年度より17人減少、教職員は94人 増加した。−−略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 心からのごめんなさいへ―人ひとりの個性に合わせた教育を導入した 少年院の挑戦 品川 裕香 価格:¥ 1,995(定価:¥ 1,995) http://www.amazon.co.jp/dp/4805825936/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 文部科学省 平成19年度に実施した特別支援教育関係事業 2008/03/26 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/006.htm 文部科学省では、発達障害を含む障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応 じた支援を行うため、幼稚園から高等学校における支援のため体制整備を推進す るなど各種事業を実施しております。 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/006/001.htm 平成19年度に実施した事業 (( )は平成19年度予算額) ・ 特別支援教育体制推進事業1億9,386万円) LD・ADHD・高機能自閉症等の発達障害を含め、障害のある子ども一人一人の教育 的ニーズに応じて、乳幼児期から就労に至るまでの一貫した計画的な支援体制の 充実を図る。さらに、平成19年度においては、新たに教員志望の学生等を「学生 支援員」として活用するなど、学校における支援をより充実する。 ○ 事業内容の説明・概要図(PDF:335KB) ○ 委嘱先:47都道府県 ・ 発達障害早期総合支援モデル事業5,081万円) 保健、医療、福祉関係機関と連携して発達障害の早期発見・早期支援に重点をお いた取組を実践的に研究する。 ○ 事業内容の説明(※報道発表へリンク) ・概要図(PDF:123KB)(※報道発表へリンク) ○ 指定先:17地域(※報道発表へリンク) ・ 高等学校における発達障害支援モデル事業2,112万円) 高等学校段階における発達障害のある生徒を支援するため、調査研究を行う。 ○ 事業内容の説明(※報道発表へリンク) ・概要図(PDF:148KB)(※報道発表へリンク) ○ 指定先:14校(※報道発表へリンク) ・ 職業自立を推進するための実践研究事業7,030万円 厚生労働省と連携・協力し、学校、教育委員会、労働関係機関、企業等との連携 の下、障害のある生徒の就労を支援し、職業自立を促進するための実践研究を行 う。 ○ 事業内容の説明・概要図(PDF:177KB) ○ 委嘱先:9都道府県 ・ 特別支援学校教員専門性向上事業1,077万円) 発達障害を含む多様な障害や重度・重複化に対応する適切な指導及び支援の在り 方などについての専門的な研修を行う。 ・ 障害のある子どもへの対応におけるNPO等を活用した実践研究事業1,730万円) 特別な支援を必要とする子どもたちに対し、先導的な取組を行っているNPO等に 特別支援教育の在り方に関する研究を委嘱する。 ・ 特別支援教育就学奨励費負担等66億6,465万円) 特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級等への就学の特殊事情をかんがみ、 障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するために必要な援助を行 い、就学を奨励する。 ・ 特別支援教育推進のための緊急的な定数措置7億2,712万円) 小・中学校におけるLD・ADHDの児童生徒に対する指導の充実を図るとともに、特 別支援学校におけるセンター的機能の充実を図るための緊急的な定数措置を行う。 (初等中等教育局特別支援教育課) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 特別支援教育ソフトウェアvol.1 「しっかり見よう」 価格:¥ 13,200(定価:¥ 12,600) http://www.amazon.co.jp/dp/B000CR4ALQ/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 参議院 文教科学委員会・議事録(抜粋)   平成20年3月25日 ■ ------------------------------------------------------------------------ ○林久美子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の林久美子でございます。  本日は、大臣所信に対する質疑を行わせていただきます。よろしくお願いいた します。  先日の予算委員会では、渡海大臣に拡大教科書についてお伺いをさせていただ きました。非常に前向きな御答弁をいただきまして、あの予算委員会の数日後で ございましたか、大臣の方から各教科書発行会社に対しまして書簡を出していた だきました。そのスピード感ある行動と前向きな姿勢に、まずは心から感謝と敬 意を表させていただきたいと思います。ありがとうございました。  この書簡の内容につきましては後ほどじっくりとお伺いをさせていただきたい と思いますが、この拡大教科書に関しまして早速お伺いをしてまいりたいと思い ます。  日本政府は、昨年の九月に国連の障害者権利条約に署名をいたしました。これ から関係国内法の整備を進めて批准手続に入っていくことになるわけでございま す。  そこで、渡海大臣にお伺いをしたいんですが、まず、昨年から実施されている 全国一斉学力調査と言われる調査、これは制度上、全数調査になっているんでし ょうか。特別支援学校、特別支援学級で通常の教科書を使っていない場合はテス トの対象となっているのかどうか、お伺いいたします。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 点字・拡大教科書を使用されております児童生徒、 これは、国語、算数、数学について、通常の教育課程の授業を受けておられれば という前提でこの学力調査、実施をいたしております。そういう意味からすると、 今の御質問の趣旨からすれば、通常の授業を受けておられないというか、方に対 しては現段階では対象となっていないというふうに理解をいたしております。 ○林久美子君 では、弱視の子供さんたちで、弱視であるけれどもしっかりと学 んでいるというお子様方は対象になっているという理解でよろしいということで ございますよね。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 通常の教育課程の授業を受けておられるというこ とでございますから、対象として入っておられるというふうに考えていただいて 結構でございます。 ○林久美子君 非常に、点字のテストあるいは拡大のテストでも対応なさってい るということでございまして、これはしっかりと配慮がなされているということ であるかと思うんですが、しかしながら、前回の委員会でも申し上げさせていた だきましたように、テストでは対応がされているけれども、肝心の学びの場であ る通常の授業において拡大教科書が行き渡っていないという現実があるわけでご ざいます。  ここでまず確認をさせていただきたいんですが、普通学校に通う弱視の児童生 徒に対しまして、これは、国公私立の小中学校の通常学級に在籍する弱視の児童 生徒さんが今現在何人いらっしゃって、そのうちの何人に拡大教科書が無償給与 されているのか、お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  小中学校の通常学級に在籍する弱視児童生徒数につきましては、平成十七年に 文部科学省が行った調査によりますと、小中学校合わせて千七百三十九人でござ います。また、平成十六年度から、小中学校の通常学級に在籍する児童生徒に対 しまして拡大教科書を無償で給与しているところでございます。拡大教科書を給 与した児童生徒数は、平成十七年度は六百四人に対しまして約九千冊を給与いた しました。また、平成十八年度は六百三十四人に対しまして約一万一千冊を給与 したところでございます。 ○林久美子君 今併せて冊数のお話もございましたが、子供の数で見ると平成十 七年は六百三十四人ということで、大体三人に一人にしか届いていないという現 実があるわけでございます。  さらに、この拡大教科書で学んでいる子供たちの多くは、もう皆さんよく御存 じかと思いますが、八割以上が実はボランティアの皆様の手作りの教科書によっ て支えられているという現実がございます。このボランティア団体は全国でおよ そ七十団体ございますけれども、もう実際の現場というのは、依頼が殺到して、 そこにきちっとこたえてあげたくてもとてもじゃない、こたえられないという状 況が生まれてしまっていると。  さらには、弱視のお子さんをお持ちの御両親にしても、保護者の方も、相談窓 口すら分からない。どこに言ったら教科書がもらえるのかも分からない。さらに は、対応し切れないときは、学校の授業でもう本当に拡大コピーをして子供が学 んでいるという現状があるわけでございます。そういうことを考えますと、この 拡大教科書に関しましては相当な潜在的なニーズがあるのではないかということ も考えられると思います。  文科省は、今回渡海大臣が書簡を出してくださいましたが、その以前に小坂文 科大臣の時代にも、各教科書会社に対しまして、拡大教科書の発行あるいはデジ タルデータの提供を積極的に行うように呼びかける書簡を出していただいており ます。こうした結果なのかもしれませんが、昨年末から多少デジタルデータの取 組がボランティア団体でも受けやすくなっていたりしているんですけれども、実 際はまだまだ不十分であるというふうに思っています。  大臣書簡を出してもなかなか進まないという現状がある中で、先日、教科書発 行会社の皆様方でつくる教科書協会の方々とお話しする機会をいただきました。 できるだけ早く拡大教科書の発行に努めていただきたいと、教科書発行会社とい うのは教科書を発行するのが業務の本分であるわけですから、やはりしっかりと それを十分にできていないというのは問題ではないでしょうかということを申し 上げさせていただきました。  しかしながら、非常にデジタルデータの加工をしたりするのも大変だという意 見であるとか、あるいはやはり採算の問題をかなり強くおっしゃっていらっしゃ った、この部分を何とかしてほしいという声が相当ありました。ただ、現実を見 ると、拡大教科書を無償給与するときはきちっと一回国の方で買って給与してい るわけですから、実際には採算の話はどうなのかなというのは正直私あるんです けれども、教科書発行会社の言い分としてはそういうことをおっしゃるわけです。  さらには、こんなふうにおっしゃいました。平成二十三年から予定されている 新教育課程の小学校用教科書から実施することが現実的であると、こういう報告 書もまとめていらっしゃいまして、お持ちになられました。  でも、今平成二十年でございまして、午前中、谷岡議員の質疑にもございまし たが、今この瞬間も子供たちは育っていっている、今この瞬間も子供たちにはし っかりとした適切な配慮を、合理的配慮をなされながら教材は提供されるべきだ し、学びの環境は支えられなくてはいけないということを考えたときに、大臣御 自身は二十三年からでよしと考えていらっしゃるのかということが一点と、今回 大臣書簡を出していただきました、小坂大臣に続いて二回目、出していただいた わけですけれども、なお、それでも進まない場合というのは、より一層強い手段 をもって各教科書発行者に対しまして要請をされると考えていらっしゃるのかど うか、お聞かせください。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) まず、二十三年で構わないと、これは決してそう いうことを考えているわけではありません。現実的な対応としてそういう答えを されるという教科書協会側のそういう御意見があるということは私も聞いておっ たところでございますけれども、これはまだ、今現実に、二十三年でございます、 先のことでありますから、やっぱりそれ以前にできるだけやってくれということ はきっちりと要請をいたしまして、そして同時に、先日もお答えをいたしました が、検討会議というのを立ち上げまして、視覚障害者の専門家とか教科書発行者、 また拡大教材の製作会社、そして今御苦労をいただいておりますボランティア団 体、教育委員会、学校、こういった方々の代表者をお集まりをいただきまして、 この問題にどう対応していくか、どういうことを今やるのが一番教科書会社にも やっていただけやすくて、またボランティアの皆さんに負荷が掛からなくてやれ るのかということを早急にこの会議で検討していただいて、そしてしかるべき対 応を取っていただくと、そのように進めてまいりたいというふうに考えておると ころでございます。 ○林久美子君 では、その二十三年、書簡を出してもなお進まない場合により強 い対応を考えていらっしゃるのかどうかという点についてはいかがでしょうか。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) これは、まずは現状の中で実は様子を見ていきた い、見守りたいということでございますし、今申し上げましたように、この予算 が成立しまして二十年度になりましたら早急に先ほどの検討会議というものも立 ち上げ、しっかりこれ対応していきたいというふうに考えておりますので、今の 段階でできなかったらどうだということをお答えするのはむしろ適当でないとい うふうに考えます。やるんだという下でこの検討会議を活用していきたいという ふうに考えております。 ○林久美子君 大臣は、そういう意味では教科書発行会社はしっかりとやってく れるというふうに信じていらっしゃるんだと思うんですが。どうも、済みません、 前回、小坂大臣のときから余り進んでいませんので、どうしてもちょっとその辺 が懐疑的になってしまっておりまして、しっかりとより一層進めるように、大臣 の強いリーダーシップをお願いをしたいというふうに思います。  ちょっと、これ通告してなくて大変申し訳ないんですが、少しお聞かせいただ きたいんですが、先ほど全国一斉学力テストは拡大テストも対応できるというふ うなお話があったんですが、ちょっとこれ分かればなんですが、今公立高校の普 通学級で学んでいる弱視の生徒さんが何人いらっしゃって、高校入試のテストは 拡大入試問題となっているのかどうか、ちょっと分かればお聞かせいただきたい んですが、どうですか。 ○政府参考人(金森越哉君) 高校入試につきましては、各都道府県の教育委員 会が入試問題を作成し、また入試を実施いたしますので、そこでどういう取扱い がなされているかということにつきまして、今手元にデータを持っておりません けれども、通常、学校でいろいろと入試問題あるいは試験問題を行います際には、 障害を持った方への配慮ということも考えて実施をしているところでございます。  例えば、点字や代筆による解答とか、あるいは調査時間を延長いたしましたり とか、あるいは場合によっては別室で実施をいたしましたり、調査時間中を含め た付添い者の同伴、こういった配慮を行って障害を持った方々への入試や試験の 実施に配慮をしているところもあると承知をいたしております。 ○林久美子君 人数は分かりますか。 ○政府参考人(金森越哉君) 恐縮でございます。突然のお尋ねでございますの で、ちょっと今人数につきましては持ち合わせてございません。 ○林久美子君 それでは、済みません、委員長の方に資料要求でお願いしたいん ですが、生徒さんが何人いらっしゃって、そして入試問題が各都道府県によって 違うというお話もございましたので、実態がどうなっているのかというのをちょ っと資料要求としてお願いをいたします。  では、済みません、話を戻したいと思います。  先ほど、渡海大臣が、新年度以降検討会議を立ち上げると、これは書簡の中で も触れていただきました。メンバーについても、先ほど、専門家であるとか教科 書発行会社であるとか、あるいはボランティア団体の皆様にも参加をいただくと いう御答弁をいただきました。  では、お伺いをしたいのですが、具体的にはいつごろ検討会議を立ち上げて、 メンバーは何人ぐらいを想定していらっしゃるのか、お聞かせください。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 先ほど申し上げましたような方々、十数名という ふうに考えております。  検討会議を立ち上げるのは、この予算が通りまして二十年度へ入りましたらで きるだけ早急に、まあ二十年度当初からというふうにお考えをいただいて結構か と思いますが。 ○林久美子君 じゃ、二十年度当初からということなので、四月ぐらいから是非 立ち上げていただきたいと思うわけでございますが、この書簡の中に、今回の書 簡の特徴としては、教科書発行会社にちゃんとやってよということと併せて、文 科省としてもちゃんと頑張るんだよという姿勢を示されたところが前回と違うと ころなのかなとも思いながら大臣書簡を拝見させていただいておったんですが、 この中にいろんなことをやりますよというお話が書かれておりまして、書簡の中 に標準規格の策定をするというような記述があるわけでございますが、これは具 体的にどのようなことを考えていらっしゃるんでしょうか。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) これはもう委員は御承知のことでございますが、 弱視の児童生徒の障害の程度に対応して、文字の例えば大きさとか、レイアウト とか、また配色などの様々な工夫が実はなされているわけでございます。  これがほとんど今はボランティアによってなされているということでございま すけれども、できるだけ多くの弱視の児童生徒のニーズに対応することができる ような規格を作るということでございまして、そういった意味で、この検討会議 において、教科書の発行者や拡大教材の製作会社、こういった方々の知恵も借り ながら、先ほど申し上げましたように、できるだけ多くの弱視の児童生徒のニー ズに対応した拡大教科書、こういった標準的なものを検討したいというふうに、 これを標準規格というふうに表現をさせていただいたところでございます。 ○林久美子君 では、続きまして、拡大教科書の作成ノウハウの普及啓発、そし て実践モデル集の作成ということも書かれておりますけれども、どういうことを なさるのか。  この実践モデル集というのは、本当にモデルとして何か作るだけなのか、それ とも何冊も発行するようなものなのか、そうした具体的なイメージがちょっとわ きませんので、その辺もお聞かせください。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えをいたします。  現状におきましては、教科書発行者から発行される拡大教科書が依然として少 なく、また拡大教科書製作ノウハウの普及が進んでいない状況にございます。こ のため、私どもでは、多くの弱視児童生徒のニーズがカバーできます標準規格を 策定いたしますとともに、この標準規格に基づく教科や学年ごとの特質に配慮し た拡大教科書の作成の具体的な実例をまとめた実践的モデル集を作成することが 必要と考えているところでございます。  また、こういったものを活用いたしまして、教科書編集者や全国のボランティ ア団体などを対象とした研修会などによりまして、標準規格やまた拡大教科書作 成のノウハウの普及を図っていくことが必要であると考えているところでござい ます。 ○林久美子君 この実践モデル集とは何部ぐらい作るとかというのは、大体見通 しというのはおありなんですか。それも併せて伺ったかと思うんですが。 ○政府参考人(金森越哉君) まだこの実践モデル集を何部作成するかというこ とについてはこれからの検討でございますけれども、できるだけたくさんの方が 利用できるような形で発行いたしたいと考えているところでございます。 ○林久美子君 ありがとうございました。  この大臣書簡の中で大きく柱が四つほどございまして、今これについて順次伺 わせていただいたわけでございます。  まず、一つ目が検討会議の設置による標準規格の策定等、二つ目が実践的モデ ル集の作成、これがまだ、できるだけ多くの方にという話ですね。標準規格、拡 大教科書製作ノウハウの普及、さらにはデジタルデータ提供拡大の支援と、四本 柱で出していらっしゃるわけですけれども、これそれぞれ、検討会議は新年度早 々にもというお話がございましたが、いつぐらいまでに着手をして、いつぐらい までにモデル集は作り上げるのかとか、タイムスケジュールを教えていただきた いと思います。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 今、正直申し上げまして、いつまでにということ が明確にお答えできるという状況にはございません。検討会議を立ち上げてその 中で見極めを付けようというふうに考えておりますが、できるだけ早くやっぱり やるということがこういうのは大事だと思いますので、そういったことで取り組 んでいきたい。まず検討会議の中で少しいろいろ意見を聞きまして、それならば これぐらいのタイムスケジュールでできるんではないかとか、そういった見極め を付けさせていただきたい。もういましばらく、いつということは実はお待ちを いただきたいというふうに考えております。そのことが、むしろ逆に言いますと、 やっぱり誠実な態度といいますか、ちゃんとしたことがやれるというふうに思い ますので、少し時間をいただきたいというふうに思います。 ○林久美子君 一部聞くところによりますと、遅くとも二十三年までにはみたい な話もちらっと聞いたりもするわけでございますね。この二十三年というのは教 科書発行会社が言っている時期と重なってしまうわけですけれども、まさかそん なに遅くなるということはないんだと信じておりますが。  大臣、しっかりとしたものを作っていただくのは大いに結構だと思うんですが、 やはりこれ、先ほども申し上げましたように、今この瞬間も子供たちが育ってい っておりますので、そのスピード感というのは非常に重要になってくると思うん ですね。そこにはやはり政治のリーダーシップというのが必要なわけで、とりわ けこの文部科学行政においては渡海大臣のリーダーシップあってこそだと思いま すので、いつというのはなかなか言いにくいところもあるのかもしれませんけれ ども、もう私の思いとしては、もうここ一年ぐらいで決着は付けていただきたい ということはお願いをさせていただきたいと思います。  たしか今回の事業は大体二十年度予算で二千数百万円を見込んでいらっしゃっ たかと思うんですけれども、いろいろマニュアルを作ったりされるということで はあったんですが、実はもう、このマニュアルというのは以前作られたことがあ るわけですね。文科省所管の独法の国立特殊教育総合研究所、今これ、特別支援 教育のときに名称が変わりまして国立特別支援教育総合研究所というふうに名称 は変わっておるんですけれども、ここが拡大教科書作成へのアプローチ、拡大教 科書作成マニュアルというのを作っていらっしゃいます。  具体的にお伺いをしたいと思いますが、この拡大教科書作成マニュアルはいつ 作られて、どのように使われているのかお答えをいただきたいと思います。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  国立特別支援教育総合研究所におきましては、平成十四年度から十五年度にか けて実施をいたしましたプロジェクト研究である弱視児の視覚特性を踏まえた拡 大教材に関する調査研究、弱視用拡大教材作成に関する開発及び支援についてと いうプロジェクト研究の成果を踏まえまして、平成十七年一月に拡大教科書作成 マニュアルを発行いたしました。このマニュアルの内容は、理科や社会の拡大教 科書作成に関しまして、文字の大きさや配色などの基本的事項について解説をい たしたものでございます。  この拡大教科書作成マニュアルにつきましては当初三百部ほど発行をいたしま して、各都道府県の特殊教育センターや盲学校、また全国拡大教材作製協議会、 全国教材作成ボランティアグループ、教科書会社その他に配付をいたしたところ でございます。また併せて、民間の会社からも市販をいたしているところでござ いまして、発行部数が二千部と伺っているところでございます。  さらに、特別支援教育総合研究所におきましては、ホームページにおいてこの 拡大教科書作成マニュアルを公開いたしまして、拡大教科書作成に関するノウハ ウを広く一般にも提供いたしているところでございます。 ○林久美子君 済みません、どういうふうに使われているのかということについ ての御答弁もお願いします。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  この国立特別支援教育総合研究所が作成いたしました拡大教科書作成マニュア ルでございますけれども、全国で拡大教科書を作成いたしておりますボランティ アグループの方でございますとか教科書会社がこれを参考に拡大教科書の作成に 取り組んでいると承知をいたしております。 ○林久美子君 ということは、これから作ろうと思っているものと一体何が違う のだろうかと思うわけでございます。しかも、この独法がやっている事業をいろ いろ見ると、いろいろ報告書を作るということもやっていらっしゃいまして、い わゆる特別支援教育にかかわること全般に取り組んでいらっしゃいまして、弱視 児童にとって見やすいコンピューターフォントの分析と試作とかいう研究もして いらっしゃいます。これは、今お話しいただいたように、社会や理科の作成に関 するノウハウでございますが、これより前にも国語、算数、数学についてのノウ ハウの冊子も出ているはずです。  では、今回、わざわざ検討会議を立ち上げて作成をされるマニュアル集ですね、 何が違うんでしょうか。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  国立特別支援教育総合研究所が作成をいたしました拡大教科書作成マニュアル は、文字の大きさや配色など、拡大教科書を作成する際のノウハウが示されてい るところでございますが、平成十八年度におきましても、ボランティア団体作成 の拡大教科書が八割を占めているということ、また、教科書発行者などが作成す る拡大教科書の態様なども依然として一様でないということがございます。必ず しも教科書発行者における拡大教科書の作成のノウハウの普及が十分に進んでい るとは言えないというのが現状でございます。  私どもといたしましては、この国立特別支援教育総合研究所で作成いたしまし た拡大教科書作成マニュアルをベースとしつつも、ボランティア団体や拡大教材 作成会社、また特別支援教育の専門家の方々の知見もお借りしながら、文部科学 省が設置する検討会議におきまして、多くの弱視の児童生徒のニーズに対応した 標準的な拡大教科書作成に当たっての障害に配慮した体裁や態様などのきめ細や かな留意事項を示した標準規格の策定を行いますとともに、外部機関にも委託を いたしまして、標準規格に基づく教科や学年ごとの特質に配慮した拡大教科書作 成の具体的な実践的モデル集を作成する予定といたしております。  こういったことによりまして、教科書発行者等への拡大教科書作成の普及、充 実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 ○林久美子君 検討会議、先ほど十数人で立ち上げるというお話ございましたけ れども、このマニュアルを作るときには、研究者とか、それこそいろいろ専門家 ですよね、入れて二十二人がかかわっているわけです。その上での知見を結集し て作られているわけですね。  今、お話にございました、外部機関に委託をするというお話もございましたが、 どこに何を委託されるんですか。 ○政府参考人(金森越哉君) まだ具体的にどこにということが決まっているわ けではございません。これから検討会を立ち上げまして、そういったことも含め 検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ○林久美子君 では、何を、何について委託をされるんですか。 ○政府参考人(金森越哉君) 拡大教科書に関しまして、標準規格に基づく教科 や学年ごとの特質に配慮した拡大教科書作成の具体的な実践マニュアルの作成に つきまして、外部の方々のお知恵もお借りをしたいと考えておるところでござい ます。 ○林久美子君 じゃ、外部の方々のお知恵というのは、検討会議のメンバーに含 まれないんですか、外部の方々のお知恵というのは。しかも、各学年に配慮した ということは、これ十分書かれていますよ、マニュアルに。いかがですか。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  拡大教科書の標準規格の策定など、拡大教科書を普及充実するための検討会議 のメンバーにつきましては、視覚障害教育の専門家のほかに、教科書発行者や拡 大教材作成会社、ボランティア団体、教育委員会、学校などの関係者十数名程度 を予定しているところでございますが、こういった拡大教科書の発行やまたその 普及ということにつきましては、できるだけいろいろな方々のお知恵もお借りし ながら進めてまいりたいと考えているところでございまして、既に国立特殊教育 総合研究所におきましても拡大教科書作成マニュアルというのがございますが、 この既にあるマニュアルもベースにしながら更により良いものにしていきたいと、 こう考えているところでございます。 ○林久美子君 今おっしゃったメンバーは、すべてこのマニュアルを作るときに も入っていらっしゃる方々ですよ。人が替わるかもしれません。肩書きが替わる かもしれない。だけど、それぞれの専門家であり、それぞれの発行会社の代表で あり、それぞれの研究機関の代表が二十二人も入ってやっているわけですよね。  そう考えていただけば、じゃそれを、これをおいてもなおわざわざ検討会議を つくるんだというのであれば、まさかこれがあることを御存じないわけがないと 思います。ここの何が問題があって、何が足りないから、何をこれをベースにし て作っていくのかと、それをやることで本当に教科書発行会社が作りやすくなる んですかと、ボランティアの方が利用しやすくなるんですかと、子供たちにちゃ んと拡大教科書が届くようになるんですかということを伺っているわけです。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  平成十四年度から平成十五年度にかけまして国立特殊教育総合研究所におきま して拡大教科書に関する調査研究が行われ、その研究成果として拡大教科書作成 マニュアルが取りまとめられたところでございます。  ただ、その後の現状を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、平成十 八年度におきましてもボランティア団体作成のものが八割を占めておること、ま た教科書発行者などが作成する拡大教科書の態様なども依然として一様でないと いうことから、必ずしも教科書発行者における拡大教科書作成のノウハウの普及 が十分に進んでいるとは言えない状況にあるのが現状でございます。  私どもといたしましては、このマニュアルをベースにしつつも、ボランティア 団体やまた拡大教材作成会社、特別支援教育の専門家の方々のお知恵もお借りし ながら、教科書発行者等への拡大教科書作成への普及充実を図ってまいりたいと 考えているところでございまして、現在のマニュアルに何が足らないのか、もう 少しどこを補うと効果的なのかということにつきましても具体的に検討会議の中 で検討していきたいと考えているところでございます。 ○林久美子君 先ほど図らずもおっしゃいました、これ、ホームページで見れる わけです、ホームページで見れる。しかも、こんなことを申し上げたくありませ んけれども、ここの独法、四人役員がいて、二人、常勤役員は文科省の方が、天 下りの方ですよ。しかも、要するにこれを作ってホームページで出しても、ダウ ンロードできるようにしてもなお進まないと、拡大教科書が普及をしないと、発 行会社はなかなか協力しないと。そうしたら、もうこれの意味がないわけですよ ね。そうしたら、本当に無駄遣いじゃないですかみたいな話も出てきちゃうわけ ですよ。  そうじゃなくて、ちゃんと本当に子供たちの手に拡大教科書が届くようにする ためには、これの何に問題があって、これからやるんじゃなくて、立ち上げる前 にそれは精査をしてくださいよ、考えてくださいよ。これから考えるんじゃ余り にも遅い。時間稼ぎをしているようにしか見えないというのはまさにそこなわけ です。  この瞬間も子供たちは大きくなっていく。大臣が書簡を出した。一生懸命やろ うとしている。でも、片一方でこんなことが行われているわけですよ。だから、 こういうことでいいんですかということを、大臣、いかがでしょうか。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 今も局長がお答えをしましたように、やっぱり歴 史があるんだと思うんですね。そのマニュアルを作って普及を図ったと、しかし 考えていたようになかなか思うように進まない。  ですから、林委員がおっしゃっているように、じゃそこは、どこが原因だった のかなという分析は確かにできてなきゃいけないのかもしれません。かもしれま せんが、それは例えば、一点を挙げれば、なかなか現実には、教科書会社の持っ ているソフトと現実にこのデジタルデータをうまく組み合わせてボランティアの 方々に供給できないとか、そういった支援体制の問題も分かってきたわけであり ますから、そういったことも含めて改めて、やっぱりこの普及をさせるためには もう一度、これはスピード感を持ってやりますよ。やりますが、そのしっかりと した検討をするというのは私はあってもいいんじゃないかと。  何か物すごいものを立ち上げてどうのこうのするわけじゃありませんから、そ ういう意味で今回もこういう提起がされておるわけでございますし、以前から予 算委員会等でも、ほかの委員からも実はこういった問題が提起されているわけで ありますから、きっちりとここで、やっぱりもっと現実に、今まさにお話しされ ているように、子供たちにちゃんと供給できるためには今何をやらなきゃいけな いのかということをやっぱり一度しっかりと検証をして、そして目的は子供たち の手元に教科書が届くことでありますから、決して我々は何も引き延ばしをしよ うというふうに図っているわけではございませんので、そこは私の責任において スピード感を持って検討させていただくというふうにお答えをさせていただきた いと思いますので、御理解をいただきたい。  やっぱり、過去やったことがすべてではないと思うんですよ。やっぱり見直す ときは見直して、しかも仕切り直すこともあっていいと思いますので、御理解を いただきたいというふうに思っております。 ○林久美子君 検討会議の立ち上げ等々で二十年度予算案では二千数百万円、そ してこの拡大教科書作成マニュアルで掛かっているのは十四年度で一千十二万三 千円、十五年度では八百万円、二千万弱掛かっているわけです。だから、そうし たことをしっかりと踏まえていただいて、そうじゃなくても教育予算が少ないと、 ちゃんと拡充していかなきゃいけないって、これはもうみんなの認識としてある わけですよね。ですから、無駄にしないでいただきたいと思うわけです。  スピード感を持ってとおっしゃっていただきました。これは本当にもう大臣、 是非、本当は期限を切って言っていただきたいぐらいなんです、私としては。も う二十一年度までにきちっとめどを付けるんだとか。そこら辺の大臣の決意を伺 いたいんですが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) 期限の問題は先ほどお答えをいたしました。  これは正直、私もお答えをいたしますけれども、一度そういった今議論が出て きたようなやつをちょっと整理させてください。その結果としてこれぐらいの感 じでいけるだろうと責任を持ってお答えをさしていただかないと、後ろを切った からうまくいくというものじゃないというふうに思っておりますし、そこは御信 頼をいただいて、二十年度早急に立ち上げるということを今お答えをしておりま すので、その中でどういう作業が要るのか、またそのためにどれぐらい時間が掛 かるのか。  決して、私はどっちかというとせっかちでございますから、できるだけスピー ド感を持って結論を出したいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。 ○林久美子君 では、是非またこうして大臣と次に質疑をさせていただくときま でに、いつぐらいにはめどを付けるよというようなお答えがいただけると有り難 いなと思いますので、是非お願いします。  もう一つ、こうやってマニュアルを作りましたと、今度検討会議も立ち上げま すと、しかも大臣も書簡を出しましたということで来ているわけですね、過去か ら。それが進んでいないと。私、これは行政指導の一つとしての大臣書簡だとは 思うんですけれども、やはりもっと強く国が指導力を発揮しなきゃいけないと思 うわけですね。  そのためには、やはり教科書発行会社に拡大教科書の発行を義務付けるような 法整備を行うことが私は大切であるというふうに思っております。実際、アメリ カでは国立教材アクセスセンターを立ち上げて国として障害児の教科書の保障を 進めているという現状もございまして、これやはり、予算でもそうですね、法律 に裏付けられていればしっかりと何とか乗せていける部分もあるわけで、やはり 各教科書会社にもしっかりと指導力を発揮するためにも、そしてその先にある子 供たちに拡大教科書を必要なところに届けるためにもやはり法整備の必要がある と思います。  私たち民主党は、先週の火曜日に、教科書バリアフリー法という形で議員立法 で参議院に提出をさせていただきました。これ、是非成立に向けて取り組んでい きたいというふうに思っているんですが、大臣御自身はこうしたものの法整備に ついてどのようにお考えなのか、御答弁お願いします。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) そのようなことも念頭に入れて検討会議で検討さ れるべきというふうに思っております。また、これは民主党さんはもう既にお出 しになったということでありますから、国会での議論というものもあるんだろう と思うんですね。そういったことも踏まえて判断をしていきたいというふうに思 っております。 ○林久美子君 ありがとうございます。  是非、念頭に入れてという御答弁がございましたので、そこに期待を掛けて検 討会議の議論の行方を見守りたいと思いますし、私たちも委員会でしっかりと我 が党案についても質疑をさせていただきたいというふうに思っています。  これは非常に将来的な長い長いテーマになるんですが、この拡大教科書に関し て、やはり私は法的位置付けって大事だと思うんですね。確認なんですが、この 拡大教科書はいわゆる法律に位置付けられた教科用図書でしょうか、どうでしょ うか。 ○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  拡大教科書は、視覚に障害のある児童生徒が使用するため、検定教科書の文字 などを拡大などした図書でございますが、視覚に障害のある児童生徒が使いやす いように検定教科書のレイアウトなど体裁や態様の変更をいたしてございます。 したがいまして、視覚に障害のある児童生徒が通常学級で使用いたします拡大教 科書は、厳密な意味では学校教育法第三十四条に言う文部科学大臣の検定を経た 教科用図書とは言えないものでございます。 ○林久美子君 やはりこの辺の問題というのが根底に私はあると思っております。 非常に、簡単なことではないと思うんですね、この教科用図書の規定を見直して いくということは。様々な法律にも絡んでくるし、じゃどこでどういうふうにし ていくんだというのはかなり議論を積み重ねないといけない。しかし、やっぱり 本来教科書なわけで、これは、子供たちにとってですね、ということであれば、 やはり教科用図書にしっかりと位置付けるということも含めてこれから法整備に 取り組んでいくと、そういう長い視点で向き合っていくということが重要かと思 いますが、大臣、この点についてはいかがでしょうか。認識を共有させていただ ければと思います。 ○国務大臣(渡海紀三朗君) これも先ほどと同じ検討課題だとは認識はいたし ております。ただ、実態上は、今まだ普及率が非常に低いということであります から、これがしっかり普及すれば、無償で提供するという意味も含めて、教科書 と同じ扱いに実態上はなるんじゃないかなというふうには思いますが。 ○林久美子君 是非、様々な面で我々は法整備が必要だとも訴えておりますし、 この教科用図書の規定もしっかりと議論をしていかなくちゃいけないと思ってお りますので。教育というのは本当に、ある意味では与野党を超えて、そこにいる 子供たちの教育環境をどうやってつくっていくかということに尽きると思います ので、もうこれは、でも大臣のリーダーシップというのが非常に重要になってき ますので、どうか御尽力いただきますようにお願いをいたします。 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 ◆辻  薫先生 (大阪府作業療法士会) 他  その他、「幼稚園での先進事例」、「学力向上や不登校・いじめ対策などと連 携した先進事例」、「外部専門家との連携の先進事例」、「通常学級・通級指導 教室における先進事例」等をご紹介しながら、特別支援教育のネクスト・ステー ジへの提言を行います。  また、会場では、全国LD親の会が2006-2007年度に、文部科学省の受託研究と して取り組み、440項目のデータ・ベース作成等を行った「発達障害向けの教材 ・教具の実証研究」により作成した教材・教具の一部のギャラリー展示会を併せ て行います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ちゃんと人とつきあいたい―発達障害や人間関係に悩む人のためのソーシャルス キル・トレーニング ライフステージ 価格:¥ 1,680(定価:¥ 1,680) http://www.amazon.co.jp/dp/4381022378/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:27 2008/03/29 □ ------------------------------------------------------------------------ 早くも桜が満開となってきました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999/03/12 から] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998/07/31 から] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: 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