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□ LD・発達障害等関連図書 → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/books/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #707 2007/01/04 発行 登録(配信)読者数 3,455 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員・ボラ会員募集中! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD親の会「けやき」2007年1月例会/国分寺ひかりプラザ 2007/01/20 ■ ■ LD親の会「けやき」2007年1月交流会・相談会開催 2007/01/20 ■ ■ 東京LD親の会連絡会主催講演会/東京ウィメンズプラザ 2007/02/18 ■ ■ 第165国会 参議院 教育基本法に関する特別委員会公聴会 2006/12/12 ■ ■ 発達障害児ADHDの訓練サポート 久留米市教委 民間活動に補助金 ■ ■ 4月開設へ建設急ピッチ 草津渋川市民センター・草津市西渋川2丁目 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:14 2007/01/03 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD親の会「けやき」2007年1月例会/国分寺ひかりプラザ 2007/01/20 ■ 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低下あるいは子供のモラル低下あるいは学ぶ意欲の低下といったことがあると思 うんですが、これらのその根本の原因というのが、分析がひょっとしたら不十分 ではないか。そもそも、そういったものに対して対策を考えるときは、それらの 原因をきちっと究明をし、それに対する対応策をきちっと作るべきではないかと いうふうに思います。  先ほど、安西先生からもお話がございましたけれども、例えば教育に関する予 算、あるいは教員の資質向上あるいは養成とか研修といった問題、あるいは教育 にかかわる諸施策といったものについて検討が十分だったのだろうかということ ですね。逆に言いますと、この教育基本法を改正すればこれらの諸問題は解決す るのだろうか。あるいは、現行法の中でできることはもっとあるのではないか。 最近、その原因を一つにして、単元論といいますか、そこに原因が犯人捜しのよ うにいくような傾向があるかもしれませんけれども、例えばそこの根本的な個々 の問題を解明しない限り根本的な解決にはならないのではないかというようなこ とを思いました。  それから、例えば学力の低下というところで、にわか勉強といいますか、そう 深く勉強したわけではございませんが、学力で一番となったフィンランド、こう いうところにもヒントがあるのかなと。例えば、フィンランドの場合は教員の資 質が非常に高いと言われています。修士を取らなければ教員になれない。それか ら、地位が非常に高く、非常に尊敬される存在であるということですね、教員が。 それから、知識を詰め込むというよりも、自ら学ぶ意欲をそそるような教育が行 われている。それからもう一つは、落ちこぼれといいますか、割と低い層のとこ ろを引き上げることに非常に力を入れているというふうに聞いております。また、 教え込むというよりも、支援する姿勢というのが非常に強いんだというふうに聞 いておりまして、こういったことが、現在の教育の諸問題の解決につながるよう なもの、そういうことの個別の議論が是非行われるべきだったなというふうに考 えています。  今回、マスコミ等を通じては、愛国心の部分でありますとか、割と理念的なと ころが結構俎上に上がっていたところでございますけれども、それと今言いまし たような諸問題に対する具体的な議論というのを、できれば切り分けて議論をす べきだったのではないか。その辺がちょっと混同されたまま進んできたような気 がしております。  さて、教育基本法でございますが、確かに施行から六十年がたっておりまして、 先ほど安西先生からもお話がありましたように社会情勢や、いわゆる情勢は変わ っておりますので、改正すべき時期にあるということについては十分理解をして おります。ただ、今回の改正案につきまして、ややその理解、論点整理不足、あ るいは議論の不足の感が否めないというのが感想でございます。  さて、この改正案について、先ほど私申し上げましたけれども、日本発達障害 ネットワークあるいは全国LD親の会の会長としまして、その立場からそこにか かわる部分についてちょっと意見を申し上げさせていただきます。  日本国教育基本法案の中で、従来、教育に関しては義務ということが言われて おったんですけれども、この案の中では、例えば「学ぶ権利の保障」ということ で、一歩踏み込んだものになっているということは非常に評価ができる。そして、 私が思うところの子供たちを主体にした教育という論点からいい評価をしており ます。  それからもう一つ、政府案であります教育基本法案の中でいきますと、この中 で、「障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、 教育上必要な支援を講じなければならない。」というところが新しくできたとい うところを大変評価をしております。従来この部分がなかったということがおか しいという点でもございますけれども、新設されたことについて評価をしていま す。  また、これにつきまして、例えば日本国教育基本法案の中では、「学ぶ権利の 保障」の中で、「何人も、」という言い方をして、教育に関して、「支援され、 及び保障され、」ということで、恐らくこの中に障害があるとかないとかも含め て包含されているものということで評価ができるというふうに思っております。  ただ、この日本国教育基本法案の中でいきますと、最後の部分で、「決定する 権利を有する。」という部分については、個人的には、まあ保護者の立場で言う ことでもないかもしれませんけれども、その保護者の理解あるいは主張、あるい は個人、お子さんもいますので、その主張が必ずしも正しい場合ばかりではない ということで、この辺りの調整は必要かというふうに思っております。  そしてもう一つ、この教育基本法の中でうたうべきことではないんですけれど も、この障害児に対する教育や支援がうたわれておりますので、実は十九年度か ら学校教育法の改正によりまして特別支援教育というのが制度としてスタートい たします。この辺りのことはこの第二条のところに織り込まれている、中に入っ ているというふうに理解をしているところであります。  この教育基本法と来年度から実効になる特別支援教育のところについて、残さ れた時間、ちょっと私見を申し述べさせていただきたいと思います。  実は、その特別支援教育というのは、百二十年以上の歴史を持つ我が国の特殊 教育を見直しまして、従来はその障害の種別と程度に応じて特別な場を用意して 指導していたものから、障害のある児童生徒の一人一人のニーズに合わせて適切 な支援を行うんだということで、理念をかなり変えたものとしてスタートをして います。  特別支援教育の理念の中では三つの提言がございまして、一つ目は、LD、A DHD、高機能自閉症等の従来支援の対象となっていた子供たちを含めて支援を するんだということであります。それからもう一つは、この子供たちを含めて、 すべての障害や困難を持つ子供たちに対しまして一人一人のニーズに応じた適切 な指導、支援を行うんだと。それからもう一つは、乳幼児期から学校卒業までの 一貫した支援を行うんだという、この二番、三番が貫かれているところでござい ます。  実は、このLD、ADHDとか高機能自閉症の子供たちというのはどのぐらい いるのかということで、文部科学省の方で平成十四年度に全国的な調査を行って います。これは確定診断ではないんですが、全体の六・三%程度いるという調査 結果が出ています。要するに、クラスの中で一人か二人いるんだということであ ります。従来の特殊教育というのは現在一・六%ぐらいのお子さんを対象にして いるんですけれども、これからの特殊教育の中では約一〇%ぐらいが対象になる のではないかというふうに言われています。すなわち、今まで通常の学級の中で いわゆる支援とか特別な支援はなかったんですけれども、これからは通常の学校 の中でこういった支援が必要だということであります。  実はこの特別支援教育への転換というのは、特殊教育の転換ではなく、学校教 育全体の転換でなければならないというふうに私は思っております。  この特別支援教育ですね、ちょっとこのレジュメでいくと五番の方に飛びます けれども、実はこのLDやADHD、高機能自閉症の子供たちが何を求めて、ど んなことを必要としているのかということでございますが、LDというのは、学 習障害といいます。英語でラーニング・ディスアビリティーズと言うんですけれ ども、ラーニング・ディファレンスという言い方もするんですね、いろいろな学 び方をする子供たちであります。  このLDの子供たちというのは一様ではなくて、みんな様々なことでつまずい ています。学科でいいますと、算数でつまずいたり、国語でつまずいたり、読み 書きでつまずいたり、聞く力が弱かったりと、いろいろとございます。こういう 子供たちが通常のクラスの中で学習面でつまずいているんですね。その一人一人 の特性に合わせて先生がいろいろ工夫して御指導いただくことがこれから必要に なります。先生はそのときに、スモールステップといいまして、段階を踏んで教 えたり、あるいは指導法、いろんな指導法があるので、いろんな方法を試してみ てその子に合うものを見付けたりという工夫をしていただくことになるんですね。  それから、ADHDとか高機能自閉症のお子さんというのは、行動面の障害と か困難といいます。これは注意集中困難であったり、あるいはコミュニケーショ ンや社会性に問題があったりということですね。そういうお子さんがクラスにい た場合に、その一人一人の特性を理解をし適切な対応をすると、そのお子さんは クラスで過ごせるようになります。  そういうことをやって、そのLDの子供たちに丁寧に教えていくことによって、 実はそのLDの子供たちだけでなくて、文部科学省でモデル校とかあるいは研究 開発校であった事例でいきますと、実はそのクラス全体あるいは学校全体の学力 が上がっているんですね。要するに、今の教育で欠けるところといいますと、一 人一人をちゃんと見詰めて、それに合わせた教育をしていく、あるいは配慮をし ていく、指導法に工夫をしていく、対応に工夫をしていくということで学力の向 上につながるということですね。  それから、ADHDや高機能自閉症等の行動面にやや問題があるお子さん、難 があるお子さんについて、そのお一人一人に配慮をしていくと、実はクラスが落 ち着いたり、クラスがまとまったり、クラス全員が結構快適に過ごせる場になり ます。  要するに、この特別支援教育で、LDやADHDや高機能自閉症の子供たちに 必要と言われているものは、実はすべての子供たちに必要なのではないかと思い ます。教育が一律一斉授業の中である程度均質でやっていくことはやむを得ない としましても、実はその中で、四十人のクラスの中で、四十人を固まりで見るの ではなく、一人一人を見ながら四十人を運営していくということが実は教育に必 要でありまして、実はこのLDやADHD、高機能自閉症の子供たちが求めてい る教育というのは、すべての子供たちに共通したニーズであり、教育が目指す姿 ではないかというふうに考えています。  そういう意味で、今回の改正案につきまして、冒頭申し上げたところも含めま して、方向性としてはそう異論のないところでございます。  一方、日本国教育基本法案についてまた読ませていただいたんですけれども、 こちらも読んでみますと、政府案よりも根本的かつ原理原則あるいは本質をつい た内容が多分に含まれておりまして、実はこの両方を捨て難いところがあるとい うふうに私は考えております。この二つの案が、どっちか捨てなきゃいけないと いうのは非常にもったいないなと、実は議論の中でいいところを寄せていただく と本当にいいものができたんではないかというふうに私は考えております。  以上で私の意見を終わらせていただきます。 −−略−− ○岡田広君 ありがとうございました。  この生涯学習の規定、生涯学習の社会の構築が広がっていくことを私は期待を しておきたいと思っております。  二点目でありますが、私立学校についてお尋ねをしたいと思います。私学の教 育についてです。  これは、私立学校は、もう御承知のように、独自の建学の精神に基づいて個性 豊かな教育研究を行っております。我が国の学校教育の発展に大きく貢献してい るのはもう当然のことでありますが、先ほど公述人も述べられておりましたが、 例えば大学では私立学校が占める割合、全体の学校数、生徒数についても約七五 %ということであります。日本の教育を支えているのは私学であるということで も過言ではないんだろうと、私はそう思っております。  今回の基本法では第八条で新たに私学に関する規定が、これも設けられました。 これも大変うれしかったことであります。  しかし一方で、少子化やグローバル化の進展などによって社会環境の変化が著 しいわけであります。私立学校の経営環境も、大変私は新たな局面を迎えている んではないかと思っています。  安西公述人が理事長をなさっております慶應義塾大学も平成二十年を目途に共 立薬科大学との統合に向けた検討をなさっているという記事を新聞で伺いました。 ほかにも関西学院とか聖和大学が平成二十一年に合併する予定であるということ も伺っており、私立学校間の連携協力に向けた動きもこれから相当進んでくるん ではないかと思います。  そういう中でこの教育をしている、大変、私は心ということでいうと、正に私 立、私学の精神は忠義の忠という漢字に当てはまるんじゃないかと。これは、口 と心が離れないように一本くさびを打った字が忠義を尽くすとか忠誠を尽くすと いう言葉の持つ意味だと思っておりますけれども、正にいろんな知恵や工夫を出 しながら日本の教育をリードしていく。  そういう中でお尋ねをしたいことは、今後の私学の重要性、これについて、こ れは安西公述人それから山岡公述人にお尋ねをさせていただきたいと思います。 −−略−− ○公述人(山岡修君) 今の教育の中で私立が占める比率といいますか、その重 要性はますます必要になっていると思っております。また、その各々の私学が持 っている独自の精神でありますとか方法とか個性的なものというのが今の我が国 の文化や経済やいろんなものを支える原動力になっているというふうに思ってお ります。  一方、実は、特別支援教育と我々は申し上げたんですけれども、従来、特別支 援教育ということで、国が特別支援教育体制整備事業でありますとかいろんな事 業を展開するときに、どうもこの私学の部分が漏れるといいますか、教育行政の 中で、教育委員会の管轄が違うとか、いろんなところでいろんな事業の中で漏れ ているところがございます。今回の学校教育基本法の改正を機にそういったとこ ろにも手が行くようなものにつながればいいなというふうに私は思います。 −−略−− ○鈴木寛君 私が申し上げたかったのは、国立大学と私立大学の差を広げていい ということではないんだと思うんですね、恐らく。私立に通おうと国立に通おう と、同じように学習権はやっぱり保障すべきだという方向化の中で、しかし国立 大学がどんどんどんどん、一方で国立大学というのは非常に経済的に奨学の必要 な、就学機会保障の必要な若者に対する機会の提供という任務を負っているにも かかわらず、そこを負い切れてないんだということも一方では非常に難しい問題 でありまして、これは私学経営の問題と、それから学ぶ権利の保障の問題という もので非常に難しい制度設計の中で、また是非御指導をいただきたいというふう に思っております。  それから、時間もなくなってまいりましたので、山岡参考人にお伺いをしたい と思いますが、山岡参考人は特別支援教育の理念や障害のある人に対する支援を 政府案の教育基本法の中にやっぱりきちっと条項を立ててと、我が党案で言う十 三条のようなことを想定されているんだと思いますが、御要望をされました。  何というんでしょうか、やはり北欧などにおけるこうした特別支援教育、ある いは障害教育における位置付けと、まだまだやっぱり我が国におけるそうしたノ ーマライゼーションのような、あるいはインクルーシブ教育についての国民的な 理解、そういった理解を促進をしていく、あるいはそれを改善をしていくと、そ ういうことにやはり教育の最高法規である教育基本法の改正というのは非常に重 要な啓発効果というものを想定しておっしゃったんだと思いますが、そうしたこ とについて御意見を賜ればというふうに思います。 ○公述人(山岡修君) 先ほど申し上げましたけれども、我が国において特殊教 育の対象というのは一・六%程度でございます。アメリカは約一一%ぐらいのお 子さんがそちらの対象になっているんですね。またもう一つは、日本の文化の中 で、単一民族でやや違うものを排斥したりというようなちょっとカルチャーがあ りますね。その中で障害を持つお子さん、あるいはちょっとクラスの中ではみ出 てしまうお子さんに対して、周りのお子さんからいじめの対象になったり、差別 があったりということが実際にございます。このLD、ADHDとか高機能自閉 症というお子さんは一見してよく分かりにくい障害でございますが、そのお子さ んがクラスの中にいてちょっとはみ出た行動をして、そのことによっていじめら れたり、あるいは教員の方から叱責を受けたり、また実は御家族からも、お母さ んとか保護者も気付いてないようなケースがあります。そうしたことによって自 己有用感を失ったり、そしてそういったものが二次的な障害や不登校につながる ケースがあります。  日本の中でちょっと違いがあることを認めるような文化あるいは考え方という のが教育を通して醸成され、クラスのみんなや周りの保護者の方、そして社会一 般で見てあげられるというような社会になっていくためにも、この基本法にこの 障害に関する文言が入るということは非常に価値があるというふうに思っていま す。 −−略−− ○風間昶君 済みません、山岡公述人に。  一昨年でしたか、発達障害支援法の成立に対しては本当に貴重な御意見をいた だきまして、おかげさまで成立をさせていただきました。ありがとうございまし た。  それで、先ほどの特別支援教育は、特殊教育の転換ではなくて普通教育の改革 の一環として進めるべきだというお話ありました。  私の近くにもLDとADHDと混在した子供さんがおいでになって、本当に、 時々家内から話聞いても、お母さんが大変なんです。それで、要はその子への、 学校での、学校の先生がからっと替わると、つまり一番前に出してあげて、それ で常に自分でなくて友達から声掛けしていくことによってその子は物すごい生き 生きとして、全く音符見ないで楽器弾けるようになったんですけれども。  そういうように理解をして配慮していくということは極めて大事なんですが、 問題はやはり先生方がどれだけその支援に加わっていけるかということが、特に 都道府県レベルより市町村のところで物すごい大事だと思っておりまして、これ が本当にこの教育基本法の中で具体的に生かし切っていくことが物すごく大事だ と思っています。それで、その人的支援を具体的にどのようにしていったらいい のか教えていただければ有り難いと思いますが。 ○公述人(山岡修君) 確かに、通常の学級に一人二人そういう方がいらっしゃ るときに、通常の学級の先生に頑張ってください、やるべきです、配慮してくだ さい、理解してくださいは言えるんですけれども、実際には難しいことです。  一つは、学校の中に今は校内委員会でありますとか特別支援教育コーディネー ターというものが配置されるようになっています。そのように、担任の先生一人 だけではなく、チームでまず支えるということが大事ということですね。  それから、学校の中に、やや、例えば補助教員の方ですとかボランティアとか、 あるいは心理とか医師とかの専門家であるとか、学校の中に人が入って、その他 支えるような者、それからさらに、教育委員会でありますとかセンター、あるい はその地域のネットワークの中に専門的な知識を持っている方がおります。です から、教員の方をまず養成をしたり研修したりすることは大事ですけれども、そ のほかに、先生頑張ってくださいだけではなくて、その先生たちを支えるような システムをネットワークとしてつくっていくことが大事だというふうに思ってお ります。 −−略−− ○仁比聡平君 山岡公述人に次にお尋ねをしたいと思うんですけれども、特別支 援教育の問題と現場での御苦労について、本当に心から敬意を申し上げたいと思 います。  通常の学級に多くの障害のある子供たちが在籍をしているという状況の中で、 その一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育的な支援が必要とされているわ けです。法案が国会でかかりましたときに、私ども、特に必要な取組に対して教 職員の配置を明記をするべきだという修正的意見を申し上げてきました。  障害があるその子供たちのニーズに対応するためには抜本的な教職員配置を進 める必要があるのではないかと思います。それが現実には果たされてこなかった という今の現状の下で、親の皆さんも、あるいは子供たち自身ですね、それから 先生や学級のほかの子供たちも随分な苦労をしておられるのではないかと思うん ですが、どんな現場の御苦労があるのか、少し御紹介いただけたらと思います。 ○公述人(山岡修君) 例えば、一つはLDとかADHDとか高機能自閉症とい うお子さんの場合、現状でいくと通級という対象になったりします。このお子さ ん方の学級を設置するためには、一定人数が集まらないとなかなかできないとい うようなこと。  それからもう一つは、ADHDとか高機能自閉症のお子さんはちょっと行動面 に問題があるところがあります。そうすると、あるお子さんについてはクラスか ら飛び出してしまうことがあったり、あるいはなかなか休み時間に帰ってこれな かったりというところで、例えばその介助人のような方が、これは教員資格がな くてもいいと思うんですが、こういう介助人のような方が付いて連れていただく ケース、あるいはそのボランティア的なもの、あるいは最近は学習支援員という 名前で教員資格のない方が付いたりすることがあります。ただ、それらが付かな い場合というのは、場合によって保護者の方が終日付かなければいけないとか、 そういった苦労があるかと思います。  一方、この教員の特別支援教育については、先ほどお話しいただいたような特 別支援教育コーディネーターの設置でありますとか、あるいは通級の増員という ことで、実は昨年の暮れに、第八次教員定数改善計画ということで平成十八年度 から二十二年度まで約一万五千人のその配置の要求を文部科学省からお出しいた だいたんですけれども、十二月の今ごろ、もうちょっと前ですかね、第八次教員 定数改善計画はやらないと見送りになりまして、そういった中にこの障害を持つ お子さんに対する教員の配置だとかいうものも盛り込まれておりました。  もう一つ懸念は、こういったものの使い方の中で、特定の障害児に対する教育 に使おうとしたのはちょっとやや一般財源化されようとする傾向がございまして、 それらも含めて、この教育基本法に障害児のことがうたわれたことが大変すばら しいことだと思いますし、教育振興基本計画の中で計画的に進めていただくよう なことになっていけばというふうに思います。 −−略−− ○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますが、五人の公述人の皆さん方、御苦 労さまでございます。  私は最後でございますから、もうちょっとだけ付き合ってください。済みませ ん、よろしくお願いしたいと思います。  最初に聞きたいのは、大内先生が、大内公述人が言われた格差の問題ですね。 確かに、この間もワーキングプアのテレビを見ましたけれども、だれがこんな社 会にいつの間にかしたのだと大きな声を出して叫びたい気持ちがしたわけであり ます。中央と地方との格差、中小企業と大企業との格差、いろいろな点に今格差 が非常に大きくなってきていることは事実であります。  そうした中で、今日は先生から教育の格差についていろいろとお聞きしたわけ でございますが、この問題は非常に大きな問題ですので、五人の方に、立場は違 いますけれども、それぞれお話を聞きたいと思いますので、教育の格差について お話し願いたいと思います。 −−略−− ○公述人(山岡修君) 格差といいますと、さっきからお話が出ておりますよう に、所得あるいはいろんな地域とかいうのが出てきております。例えば、地方分 権化の時代を迎えまして、こういうふうに国の方でいろんな施策を打ったとして も各自治体によってやや取組が違うというようなことで、地域ごとに格差が出て います。また、同じ県の中でも市町村によって差が出たりしています。  恐らくいろんな施策を打つときに、さっき安西先生なんかがおっしゃっている ように、求めようとしたときにできないというような理不尽なようなところはな くさなくてはいけないと思いますし、それについてはきちっと助成をしなくては いけないと思います。  一方、地域とかいろんなものの格差についてはある程度国の中で、国でミニマ ムなスタンダードを定めて、その最低限のところは守ると。一票の格差も同じで すけれども、多少の凸凹はどうしても出てくる、それを全部駄目だと言ってしま っては進まないと思いますので、その中でどういった最低限のものを確保するこ とが大事だと思うんですね。要するに、日本じゅうのどこにいてもこれだけの最 低限のは受けれるんだというところは、この教育の中では確保していくべきだと いうふうに思っております。 −−略−− ○公述人(山岡修君) 先ほど私申し上げたとおりなんですけれども、二つの案 を読ませていただいて、私はどちらに賛成という立場というのは言っていないん ですけれども、読ませていただいたところ、二つの案の中に非常にいいところが たくさんあって、どうしてこのいいところをこっちに持ってこれないのかという のが非常に残念だと思うんですね。  先生おっしゃったとおり、超党派あるいは審議会のようなものをオープンにや った方が本当はよかったのかなというふうに、私の個人的な意見でございます。 −−略−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 教室でできる特別支援教育のアイデア172 小学校編 価格:¥ 2,520 (定価:¥ 2,520) http://www.amazon.co.jp/dp/4810054578/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 発達障害児ADHDの訓練サポート 久留米市教委 民間活動に補助金 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20061231/20061231_005.shtml −−−−−−−−−−−−−−−−−  福岡県久留米市教育委員会が、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どものた めに久留米大などが行っている教育支援プログラム(訓練)に、2007年度か ら補助金を支出する方針であることが、30日分かった。スタッフの無償ボラン ティアに頼っているプログラムを財政面で支え、継続的な取り組みを目指す。同 市によると、自治体がADHDに特化した教育支援プログラムに補助金を支出す るケースは全国初という。−−略−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LD(学習障害)とディスレクシア(読み書き障害)-子供たちの「学び」と「個性」  上野 一彦 価格:¥ 840 (定価:¥ 840) http://www.amazon.co.jp/dp/406272412X/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 4月開設へ建設急ピッチ 草津渋川市民センター・草津市西渋川2丁目 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006123100027&genre=A2&area=S10 −−−−−−−−−−−−−−−−−−  市民センターや福祉施設など複数の機能を備える滋賀県草津市の「渋川市民セ ンター・福祉複合施設(仮称)」の建設が、同市西渋川2丁目で進んでいる。草 津市議会でも施設設置の関連条例が可決され、草津市は来年4月のオープンに向 けて準備を進めている。  総事業費14億円で、鉄骨3階建て延べ4300平方メートル。市民センター のほかに、学童保育、機能回復の訓練室のある障害者福祉センターを設置する。 また、発達障害がある児童のための保育や相談機能も設ける。 −−略−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 見て分かる困り感に寄り添う支援の実際−通常の学級に学ぶLD・ADHD・アスペの 子どもへの手立て 佐藤 曉 価格:¥ 1,785(定価:¥ 1,785) http://www.amazon.co.jp/dp/4054031528/ref=nosim/?tag=ldns-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:14 2007/01/03 □ ------------------------------------------------------------------------ 新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999/03/12 から] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998/07/31 から] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000/08/17 から] ★ 挿入された広告内容や広告主と親の会「けやき」は一切関係ありません ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ LD・発達障害等関連図書 → 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