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□ LD・発達障害等関連図書 → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/books/ □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #668 2006/08/07 発行 登録(配信)読者数 3,488 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員・ボラ会員募集中! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第164国会 衆議院文部科学委員会 議事録(抜粋)(6) 2006/06/13 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 21:19 2006/08/07 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第164国会 衆議院文部科学委員会 議事録(抜粋)(6) 2006/06/13 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009616420060613019.htm −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○遠藤委員長 奥村展三君。 ○奥村委員 民主党・無所属クラブの奥村展三でございます。  けさほどは参考人の方々からいろいろ貴重な御意見をいただきました。今も最 後に大臣が答弁されましたように、今回の改正案でありますけれども、人間尊重 の教育モデルといいますか、こういうシステムをしっかり構築をするんだ、そう いう目的を持ってこの改正案が出されたと思っております。そういうようにあっ てほしいと私は思っております。  なお、今質問された方がおっしゃっていましたが、全国都道府県、それぞれの 地域によって多少の格差があるようでありますけれども、余りこれは私はあって はならない、地域のニーズ、それぞれあると思うんですが、やはりできるだけ全 国どこでもひとしく受けられ、そしてしっかりとはぐくんでいけるような体制を つくっていくべきだというように思います。  それには財源が常について回るわけであります。これの財源をしっかり文部科 学省としてこの分野におきましても確保していただけるように、そして子供たち の幸せを願って我々大人がしっかりそういう環境をつくっていく、政治に課せら れたことではないかなというように思います。  それでは、まず具体的に質問させていただきたいと思います。  一つ目でございますが、児童生徒の就学をされる学校の決定についてでありま す。  これは御案内のとおり、本人、保護者そしてまた専門家の意見をお聞きになっ て決定されていくというように理解はしているわけなんですけれども、実際いろ いろお聞きをいたしますと、そうではないということも実は現実にあるわけです。 これはやはり、保護者の皆さん方が子供のことを思ってこうだと思っておっても、 現実は、就学先をこちらにと強制されるような事態も起こっているというのも事 実であります。このようなことが今回なくなっていくのかどうか、まずこれも一 つお聞かせをいただきたいというように思います。  やはり関係機関と連携を図っていって、私は、就学相談機能、これをより強化 する必要があると思うんですよね。ここで選択機能をしっかりと持っていくとい うようなことも大事でありますから、この点についてもどのようにお考えなのか、 お聞かせをいただきたいというように思います。  先ほど冒頭に言いましたように、本人あるいは保護者の方がこうと思っておら れても、それがうまくいかない場合は、意見の相違があった場合には、私は、第 三者機関とでもいいますか、意見調整の機能がまず発揮されることが望ましいと いうように思いますが、いかがでしょうか。 ○小坂国務大臣 委員御指摘のように、障害のある児童生徒の就学につきまして は、保護者や専門家の意見を聞きつつ、当該児童生徒の自立と社会参加のための 適切な教育が行われるように市町村教育委員会において総合的に判断されるべき、 こうされておりますし、現実、そのように運用されなければいけないと思ってお ります。その際、特別支援学校と小中学校、それぞれの教育内容の特色や条件整 備の状況等について児童生徒本人及び保護者に対する的確な説明それから情報の 提供が重要でありますが、相互に考えを述べ合ってその理解が得られるよう努め ることが第一であろうと思います。  今後とも、市町村教育委員会において、保護者の意見を十分に聞きながら、児 童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した適切な教育がなされるように努力して まいりたいと思っております。  また、そういった際に保護者と教育委員会の意見の相違が生じた場合、第三者 機関による意見調整の機能を付与される、こういうことがいいんじゃないかとい う御提案もございました。これにつきましては、市町村の教育委員会が行う就学 に関する相談機能を充実させるために、幼児期からの体制の構築を含めた相談の 充実、そして御指摘のように専門家から成る就学指導委員会を通じて、児童生徒 の教育的ニーズの的確な把握をするために、必要に応じ、まずは市町村において 地域で適当な団体を見出すことも考えると、具体的には困難な場合もありますね。 その場合には、必要に応じて障害当事者団体との連携協力も図っていくことが一 つの方策になるかと思います。  そういう場合には、就学する学校を最終的に決める際には、保護者の意見を聞 いて、そして専門家と十分に協議した上で、教育委員会による総合的判断を下す ようにということで、間に入っていただくといいますか、連携協力の中で適切に 行われるように今後とも努力をしてまいりたい、このように考えます。 ○奥村委員 大臣、ありがとうございます。今まさしく御答弁いただいたような ことがしっかりと行われていかなければならないと思います。  現実は、今申し上げましたように、それぞれの地域によってそれぞれの状況が 違いますから、そこの点がなかなか大変なところでありますが、今おっしゃった ようなことで事がしっかり進んでいくように期待をさせていただきたいし、ここ はしっかりと国として、そして都道府県と市町村と連携をとっていただくように お願いをしておきたいというように思います。  その次に、二番目でございますが、学校教育法施行令第二十二条の三の規定に ついてお伺いをいたしたいというように思います。  いろいろとこれは細かく分けて、盲・聾・養護学校という形で就学されている わけでございますけれども、就学させるべき者、つまり就学しなければならない というように読むことができるんですが、当改正案に伴ってどのように改正され ていこうとしているのか、お伺いをしておきたいというように思います。 ○小坂国務大臣 ただいま御指摘のありました学校教育法の施行令の第二十二条 の三の規定、これは御指摘いただきましたように「盲学校、聾学校又は養護学校 に就学させるべき盲者、聾者又は知的障害者」云々、こうなっております。  この読み方でございますけれども、就学をすべき方というより、むしろ就学が 対象となる方というような意味合いを強調した方がいいと思うんですね。盲・聾 ・養護学校が対象とする障害の程度を明確にする観点からこのような規定を設け ていると思うわけでございます。ところが、書きぶりが「就学させるべき」と書 いてあるものですから、委員が御指摘のような解釈も生じてしまうと思います。  これは今回、私は改定を考えたいと思いますね。今申し上げたように、盲学校、 聾学校、養護学校が対象とする方々というような意味合いをちゃんと理解できる ように、「しなければならない」というような表現でないように、検討をさせた いと思っております。この規定に該当する者がすべて就学しなければならないと いう運用は行っていないわけでございますので、あくまでも盲・聾・養護学校が 対象とする障害の程度を示すということを御理解いただきたいと思いますととも に、この規定の善処を考えさせていただきたいと思っております。  いずれにいたしましても、この規定に該当する児童生徒の方については、保護 者や専門家の意見を聞いた上で、小中学校において適切な教育を受けることがで きると市町村の教育委員会が判断する場合には小中学校に就学させるなどの弾力 的な対応が可能となっているところでありまして、認定就学制度を今後ともしっ かりと活用しながら、適切な運用と、それから保護者の、また当事者の理解が得 られるような形にしてまいりたいと存じます。 ○奥村委員 大臣、ありがとうございます。  くれぐれも、今おっしゃっていただいたことが改定されまして、進めていただ くことを特に重ねてお願いしておきたいというように思います。  次に、第七十五条の一項におけることなんでございますが、その他の教育上特 別な支援を必要とする児童生徒及び幼児云々ということがあるわけなんですが、 これについてお伺いをいたしたいんですが、LD、ADHD、高機能自閉症など のいわゆる発達障害の子供たちだけではなくて、通常学級に在籍する子供たちも 特別支援教育の対象であるというように私は理解しているんですが、そのように 理解していいんですか。 ○馳副大臣 御指摘のとおりです。 ○奥村委員 わかりました。このことも今お聞かせいただいて位置づけがはっき りしましたので、ありがとうございます。  次に、文部科学省でいろいろ調査をなされているわけなんですが、市町村就学 相談委員会等における調査審議及び実際の就学先の状況についてという調査をな されているんですが、そのデータを見せていただきますと、小学校に在籍する調 査審議の対象となった学童、学齢児童は総数で二万六千百七十二人であったと思 います。実際の就学状況は、盲・聾・養護学校が四千九百四十一人、特殊学級が 八千八百四人、通常学級が一万二千三百九十七人となっていたわけなんですが、 ここからうかがえることは、私は、在籍する障害のある子供、その程度は不明な んですけれども、ざっと七万人を超えているんではないかなというような推測を しているんですけれども、いろいろ考えてみますと、今回のこの特別支援教育が 始まることによって、通常学級から特別支援学級へ在籍をするように強要された り、そしてまた特別支援学校への転学を強要されたりすることが、あってはなら ぬと思うんですけれども、先ほど申し上げた数字がいろいろあるものですから、 通常教育で学ぶこと、今までやっていることがしっかり保障されるのかどうかと いうところにちょっと心配をいたしておりますが、いかがでしょうか。 ○馳副大臣 今回の法改正によって特別支援教育に対する体制を充実していこう、 理念を明確にしていこうということでありますから、強制されたり、こちらはあ ちらへというふうに転籍とか、そういうことがあってはならないと考えておりま すし、そのことについては、法改正をいただいた後に、都道府県の教育委員会や 市町村の教育委員会等担当者にしっかりと周知徹底を図ります。 ○奥村委員 ありがとうございます。  今、最後におっしゃったように、やはり周知徹底をしていただいて、その内容 等を明確にしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、ちょっと具体的になるんですけれども、学習支援についてお伺いをいた したいというように思います。  この支援を必要とする子供、つまり児童生徒及び幼児に対してどのように学習 支援を提供されていくのか、まずお伺いをいたしたいというように思います。 ○銭谷政府参考人 小中学校の通常の学級に在籍をする障害のある児童生徒につ きましては、指導の仕方としては、一つは、ふだんの授業は通常の学級に在籍を して、必要に応じて、週に一回とか、いわゆる通級による指導ということで、そ の障害に係る特別の指導を受けるような、そういうやり方が一つございます。そ れからもう一つは、ずっと通常の学級に在籍をしたまま、担任とかあるいはチー ムティーチング、こういった指導による個別の配慮が行われた指導といったよう なことがあろうかと思っております。  今回の法改正では、小中学校等における特別支援教育の実施について明示的な 規定を設けて、すべての小中学校等において学校全体としてこうした取り組みが 一層進められるように促すこととしているところでございます。 ○奥村委員 ありがとうございます。ぜひそのようにしっかりと御利用いただけ るようにお願いをしておきたいというふうに思います。  次に、特に通常学級内で学ぶ障害をお持ちの子供、児童生徒、これの支援は具 体的にいかがでしょうか。 ○銭谷政府参考人 先ほど申し上げましたけれども、通常の学級に学ぶ障害のあ る児童生徒については、担任の先生とか、それからチームティーチングの場合に はチームを組むもう一人の先生がいろいろと配慮をしながら指導するというのが 通常の指導のあり方でございますが、学校によりましては、そういう通常の学級 に学ぶ障害のある児童生徒の支援として、支援員とか介助員といったような職員 を配置して指導の補助をしているというケースもございます。これは通常、市町 村の単独の財政措置というのが多いのが実情でございます。 ○奥村委員 きょうの午前中の参考人の方も障害をお持ちのお子様をお持ちです から、付き添いを、今介助員やいろいろなお話をなされましたけれども、大変御 苦労なされた体験談を聞かせていただきました。  確かに、今、最終的に市町村のということを局長がおっしゃったんですが、こ れはいつも申し上げていることです、私は幼稚園を経営しているんですが、その 地域によっては、保育所は公立であるものですから、私は私立なんですけれども、 公立の保育所でとらないで、もう就学前教育のお子さんですから幼稚園へ行きな さい、そういう指導をしてしまうんですよね。集団生活がいい、こちらの方がい いですよと言うから、そちらへ子供が行く、それを受け入れる。そうしたら、毎 年毎年ある意味では症状の違うお子さんをお受けしなければならない。それに対 応するために正規の職員を実際に雇用できるかというと、現場はそうじゃないん ですよ。そうなると、パートで雇う。そうすると、一年間、まあ三百六十五日毎 日はないですが、そのパートで来ていただく職員は、もう粉骨砕身、本当にその 子に命をかけるんです、一対一、マンパワーで。そうなると、一年で、もう退職 させてください、精いっぱいやりました、そういうようなことを言う職員と、ま だまた来年も続いて頑張りますと、いわゆるケース・バイ・ケースなんですが。  そういう状況を本当に考えますと、そのお受けする方もそうですが、一方、や はり保護者の人との信頼関係、そこにしっかりしたキャッチボールがなければい けないわけなんですが。やはり先ほど来の市町村の財政力だとか、環境によって ケース・バイ・ケースが出てくるんです。ですから、付き添い、これは学校の場 合ですが、私は今幼稚園の場合を言っているんですけれども、やはり親御さんに とってみれば、朝送ってきて、道中でどうもないかなと思って電話をかけてこら れる。職員は、その都度主任なり園長なりがお答えしているようなんですが、本 当にあらゆるケース・バイ・ケースがあるんです。  ですから、決してそれが重荷だとかどうのこうので私は言っているんじゃない、 それは当然お受けをしなきゃいかないんですが。そういうようなシステムだとか。 それに、学校の場合は、やはり先ほど最後の方におっしゃったように、支援員や 介助員の配置、本当にこれは大事になってくると思うんです。これもやはりお金 にまつわることでありますし。そしてまた、先ほど馳副大臣が、強要したりする ことは絶対いけませんとおっしゃいますが、そのとおりなんですけれども、やは り付き添いをしなければならないという、強要されるようなことが絶対私はあっ てはならないと思うんですよ。  ですから、それらのところもしっかりと、今度の改正によって、先ほどおっし ゃったように、御答弁いただいたように、支援員やあるいは介助員の配置という のもしっかりやっていただけるように、もう一度、局長、お考えをお聞かせいた だければというように思いますが。 ○馳副大臣 御指摘の支援員、介助員の配置については、認定就学制度というこ とがある観点上、基本的には市町村の教育委員会の責任ということになるんです が、実態を言うと、今委員御指摘のように千差万別なんですね。これに対して、 いかに国として支援することができるかということが今後とも大きな課題だと考 えておりますので、できる限りそういった支援員、介助員の配置に配慮できるよ うな、財政的な措置も含めて、ちょっとこれは局長答弁ではなかなかこれ以上は 言いづらいと思いますので、私の方も検討する課題であるということを申し上げ させていただきたいと思います。 ○奥村委員 ありがとうございます。そこは、副大臣がおっしゃったように、あ る意味では、財政、その環境を整えるということになったら政治的な判断も必要 ですし、やはりきめ細かな政策の中に取り込んでいただくようにお願いをしてお きたいと思います。  今のとよく似た、そういう流れの中に、親の付き添い。そういうことが入学当 時に条件として、あってはならないことだと思うんですが、課していくというこ とになると、親御さんにとってみれば問題になるようなことに、私は結びつけて しまうんですけれども。  今日の社会状況から考えて、大変厳しい経済状況ですから、お母さんもやはり ちょっとでも収入を得られるようにパートに行ったり、あるいはいろいろな人と のお仕事なんかのつながりでお手伝いに行ったりされる方もあろうと思うんです が、入学をされても今と同じような付き添いがずうっと続いていくということに なると大変なことになると思いますから、こういうことのないように、お願いを しておきたいというように思います。  けさほども参考人の方に申し上げておったんですが、これは養護学校ではなし に、障害児の施設なんですが。大臣、御承知のとおり私は滋賀県なんですが、第 一びわこ学園や第二びわこ学園等々、そういう施設が大変多いんです、私の滋賀 県には。これは糸賀一雄という大先輩がそれに力を入れてこられて、田村先生と いう方もおられたんですが、そういう人たちが滋賀の瀬田川の周辺、今は私の湖 南市の中に一麦寮だとか、びわこ学園も隣なんですけれども、そういう施設がた くさんある。やはりこれは地域みんなが理解をしながら応援をし、運動会に行っ たり、もちつきに行ったり、行事があるとみんな出かけていっているんですけれ ども。時には芋掘りを一緒にやったり、泥んこになってやったりしてきたんです けれども。そういう、地域との連携。そこにお互いにみんなが理解し合っていく、 私は、それがやはり一番大事なことだというように思って、けさも参考人の皆さ んとの話の中で、しておりました。  これはもう文部科学省だけの話ではなくて、グローバルな関係でこういうこと をしっかりこれからも推し進めていただきたいなというように思っています。  この間もこの委員会で申し上げましたように、琵琶湖の体験学習船「うみのこ」 フローティングスクールも、こうした障害をお持ちの子供さん、小学校五年生に なれば一緒に乗っていただいて、みんなが力を合わせて障害をお持ちのそのお子 さんを支えていく。共同生活をする。一泊二日の生活をして、お互いに理解を深 めていく、こういうことも実はやっているわけなんですよね。そういうことによ って、いたわりの心も出てくるし。この間、何日もかけて教育基本法の中で、あ りました。確かにそうなると心と態度が一緒かなというように思うんですけれど も。それはともかくとして。やはり心があってこそ態度が伴ってくるのかなとい うような思いもしていますが。そういうようなことも思ったものですから、ちょ っとお話をいたしましたが。  次に、就学の決定についての本人及び保護者の意見の尊重についてであります。  先ほど来、いろいろと同じようなことを申し上げているんですけれども、特別 支援教育の目指す方向性について、これは障害児教育をめぐって、統合教育かあ るいは分離教育かという議論がありますし、国連総会におきましても、障害者権 利条約の策定に向けて今日議論をされているわけであります。そうしたことで、 この特別支援教育の目指す方向性について、まず一点目にお伺いをいたしたいと いうように思います。 ○銭谷政府参考人 障害を持つ児童生徒の教育につきましては、いわゆるノーマ ライゼーション、インクルージョンということが国際社会の中で大きな流れにな っていると認識をいたしております。  こうした中で、我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、だれも が相互に人格と個性を尊重し合える共生社会であるというふうに考えます。その 意味で、先ほど先生からお話のございましたびわ湖フローティングスクールの事 業というのは、共同あるいは交流学習という観点から、お話をお聞きして、なる ほどと思った次第でございます。  ただ、同時に、世界の各国を考えてみますと、特別な学校を設置するというこ とを含めて、一人一人のニーズに応じた教育を実施していると承知をいたしてお ります。  今回の特別支援教育という考え方も、一人一人のニーズに応じた適切な教育を 行うということを大切にする考え方でございまして、国際的な大きなノーマライ ゼーションの中で交流や共同学習をさらに進めるとともに、保護者や専門家の意 見をよく聞きながら、一人一人の教育的なニーズに合った特別支援教育が行われ るように進めていくということが私どもも重要であるというふうに考えていると ころでございます。 ○奥村委員 ありがとうございます。ぜひ、今言われたようにしっかりとおやり をいただきたいと思うんです。  学校教育法施行規則の第三十二条とのバランスを考えますと、やはり本人や保 護者の意見を十分聞くということ、私はこれは大事なことだと思いますし、やは り政省令にまず盛り込んでいくべきだというように考えておりますが、いかがで しょうか。 ○銭谷政府参考人 学校教育法の施行規則第三十二条におきましては、市町村教 育委員会が複数の小中学校から就学する学校を指定する場合には、あらかじめ保 護者の意見を聴取することができる旨の規定が置かれているわけでございます。  この学校教育法施行規則第三十二条は、同一設置者における取り扱いについて 規定をしているものでございますが、就学する学校について、最終的には市町村 教委の判断になるにしても、保護者の意見を聞いた上で判断することができるこ とを確認的に規定しているものでございます。  障害のある子供の就学先の決定に当たりましても、学校教育法施行規則第三十 二条と同様に、保護者の意見を聞いた上で就学先について総合的な見地から判断 することが大切である旨指導しているところでございまして、認定就学の制度も 活用されてきているわけでございます。  今後とも、障害のある児童生徒の就学する学校につきましては、保護者の意見 を十分に聞くという方向でさらに十分な検討を進めてまいりたいというふうに考 えております。 ○奥村委員 冒頭にも申し上げましたし、今も申し上げたとおり、保護者の意見 をぜひしっかりと尊重いただけるように、お願いをしておきたいというように思 います。  最後に、特別支援教育の今後についてお伺いをいたしたいというように思いま す。  特別支援教育は、当面は、障害のある幼児や児童生徒の個別なニーズに応ずる ものだと思います。将来はすべての幼児、子供、児童生徒に私は保障されるべき ものであると思っておりますし、すべての教職員、先ほどもいろいろな御質問あ るいは御意見の中にもありましたように、教職員一丸となって取り組んでいただ かなければならないというように思います。私自身、皆さんもそのようにお思い だというように思います。  現場では大変な御苦労もあろうと思います。しかし、児童生徒あるいは幼児の 命、尊厳というものをしっかりと大切にしながら、そこに、教職員としての使命、 それを支える学校関係者、あるいは地域、それとの連携をとりながら支えていく、 はぐくんでいくんだという思いをしっかり基本的に持っていかなければならない というように思います。  学校教育だけではなく、先ほど申し上げたこと全般についてのこともあります し、特に学校教育の全般に係る理念でもありますし、今やかましく言われており ます不登校やあるいは学習面でのつまずき等、子供たちが、生徒たちが抱えるニ ーズというのは多岐にわたっているわけでありますから、これの対応をしっかり していく姿勢が、これからの学校教育、先ほども言いました教育基本法云々、あ の中のいろいろな問題も、時代がどんどん変わってきているわけですから、そう した流れにしっかりと、我々なりに議論をして、そして、障害をお持ちの皆さん 方、この方々にもしっかりとした教育を受けていただけるような環境整備をして いくということが一番課せられた問題だと私は思います。  最後に、大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。 ○小坂国務大臣 今回のこの法案は、特別支援教育を推進して、LD、ADHD、 高機能自閉症等の児童生徒等への支援を含めた、障害のある児童生徒一人一人の ニーズに応じた教育的な支援を行うことを目的としたものでございます。  したがいまして、こうした取り組みは、特別支援学校の教職員や特別支援学級 を担任する教員のみならず、すべての教職員の課題となるものであるわけでござ いますので、文部科学省としては、教員養成や現職研修などの充実に努めてまい りたいと存じます。  また、このような取り組みが、障害のある児童生徒等のみならず、不登校等そ の他の特別なニーズを有する児童生徒の教育においても有効なものと考えられま す。  文部科学省としては、一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行うという特別 支援教育の理念が学校教育の基本姿勢となるように、普及、定着に努めてまいり たいと存じます。 ○奥村委員 ありがとうございました。  大臣もまた、意気込みといいますか、前向きにしっかりととらまえていこうと する御答弁をいただきました。ぜひ、そのことが進んでいきますことをお願い申 し上げておきたいというように思います。  持ち時間もう少しありますが、横山北斗議員がたくさんの質問項目を持ってお られますので、これで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございま した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 17:08 2006/08/05 □ ------------------------------------------------------------------------ 台風が三つも発生し、本土を狙っています。ご用心下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999/03/12 から] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998/07/31 から] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000/08/17 から] ★ 挿入された広告内容や広告主と親の会「けやき」は一切関係ありません ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ LD・発達障害等関連図書 → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/books/ □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  LDニュースは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行してます ------------------------------------------------------------------------

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