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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #552 2005/03/26 発行 登録(配信)読者数 3,419 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 平成16年第2回 東京都中央区議会定例会 会議録(抜粋) 2004/06/18 ■ ■ 第4回 埼玉県新座市議会定例会会議録(抜粋)LD関連質疑 2004/12/09 ■ ■ 東京都八王子市議会 平成16年第4回定例会会議録(抜粋) 2004/12/02 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:24 2005/03/26 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 平成16年第2回 東京都中央区議会定例会 会議録(抜粋) 2004/06/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.city.chuo.tokyo.jp/kugikai/kaigiroku/teireikai200402-2.html −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○十五番(植原恭子議員) −−略−− 最後に、通級指導学級の中学校設置に ついて質問させていただきます。  本年五月十七日、中央区で初めての情緒障害通級指導学級「つばさ学級」が区 立月島第一小学校に設置され、開級式が行われました。二学級十三名の児童に三 名の担任の先生がつきました。児童は区内の各小学校の普通学級に在籍し、一週 間に八時間を上限として、「つばさ学級」に通います。  この学級では、児童一人一人が自己の能力や特性を発揮し、情緒の安定を図り、 学校や社会によりよく参加できるような技能、態度及び習慣を養うことを教育目 標としています。障害の特質に応じて、個別に十分に配慮した教育を行うことな どを基本方針とし、指導の重点として、在籍校での集団生活や学習生活が円滑に できるように、児童一人一人の状態に応じた個別指導計画をもとに、個別学習と 小グループ学習に取り組まれております。  私は、先日、この「つばさ学級」を視察させていただきました。マンツーマン で先生が児童とじっくり向き合い、指導に当たっておられましたが、児童の表情 はとても安心しているように見受けられました。児童は保護者とともに、登下校 しておりますが、下校時には担任の先生が保護者に一日の子供の様子を伝えるな ど、時間をかけて個人面談を行っておりました。  障害の内容は、自閉症、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害) など、児童によってさまざまでありますが、共通して言えることは、社会への適 応性や友だちとのかかわり方など、コミュニケーション能力を向上させることだ そうです。  「つばさ学級」に学ぶ子供たちが自信を持って社会的自立ができるよう、教員 の先生方がさらに障害児教育の専門性を高められ、保護者との連携を図られるこ とに期待をいたします。とともに、児童や保護者並びに教員を取り巻く環境に支 援や理解の輪を広げていくことが行政の役割であると思います。  このようなことを踏まえ、私が考えることは、特別支援教育のあり方が検討さ れている昨今ですが、通級指導学級は小学校だけでなく、中学校にも必要ではな いかということです。例えば多くの場合、ADHDの問題は思春期後半には減少 すると言われている一方で、ADHDの子供の約80%は十代での完全な改善が 認められないことは、医学的にも証明されております。現在、中学生で情緒障害 のある生徒は決して少なくないと推測されます。東京二十三区で情緒障害通級指 導学級を設置している区は、昨年三月現在で十四区ありました。  本区におきましても、児童・生徒のケアのために、障害児教育の充実のために、 中学校へ情緒障害通級指導学級を設置すべきだと思いますが、教育長さんの御見 解をお示しください。  以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わります。(拍手) ○教育長(平野純一君) −−略−− 次に、通級指導学級の中学校設置につい てです。  月島第一小学校に学校・地域・保護者の協力を得て、通級指導学級「つばさ学 級」が開級し、一カ月が経過いたしました。学校からは、児童が元気に通ってい ると報告を受けております。今後、通級での指導により、少しずつ社会的自立が できるようになっていくものと期待されます。  中学校での通級指導学級の開設につきましては、小学校における通級指導学級 の効果等を検証するとともに、特別支援教育についての国及び東京都の方向性が 明らかになった時点で、中学校における情緒障害児に対してどのような取り組み ができるのかを検討してまいりたいと存じます。  答弁は以上でございます。 ○十五番(植原恭子議員) −−略−− 中学校の通級指導学級の開設に向けて も、必要性につきましては十分に御認識いただいていることと思いますので、こ れについても、開設に向けまして御努力を要望させていただきます。  以上をもちまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第4回 埼玉県新座市議会定例会会議録(抜粋)LD関連質疑 2004/12/09 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.city.niiza.saitama.jp/11gikai/kaigiroku/1604/16040404.html −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 〇30番(滝本恭雪議員) −−略−− 次に、福祉問題の2点目として、発達障 害の早期発見のための取り組み強化として、乳幼児健診での3歳児健診問診項目 に6領域の追加をしてはどうか伺いますという質問です。言うまでもなく、乳幼 児健康診査は公的に保障された障害発見支援体制にかかわっています。しかし、 ある専門家の見方では、現行の乳幼児健康診査は残念ながら十分ではなく、幾つ かの欠点があると指摘しています。つまり現行の問診項目は、その子供の成長発 達が漠然とわかるだけで、社会関係や相互作用の発達について評価できない。ま た、意識の低い自治体では、長期間見直しや改定がなされていないという報告も あります。  そこで、今回質問に取り上げさせていただきました6領域というのは、衣服の 着脱、食事、排せつなどの身辺自立に関する生活能力である身辺自立、自分の行 きたいところへ移動するための生活行動能力である移動、道具の扱いなどの作業 遂行に関する生活能力である作業、言葉や文字などによるコミュニケーション能 力である意思交換、社会生活への参加のぐあいを示す生活行動能力である集団参 加、わがままを抑え、自己の行動を責任を持って目的に方向づける能力である自 己統制の6領域のことであります。これらの領域を総称して社会生活能力と呼ば れ、児童が自分自身の生活を処理し、やがて成人として独立に至るいろいろな活 動に参加する能力の発達と述べています。これらの領域は、必ずしも独立して並 列するものではなく、中央に重なり合う部分を持っており、例えば身辺自立とし てスプーンやフォークを使って1人で食べる、また食事のときはしを使って食べ るのように、作業能力を含むものもあります。  この検査の特色として、1点目に、子供の日常生活場面での行動が検査の対象 となる。したがって、検査者が子供を直接検査するのではなく、子供の日常生活 をよく知っている保護者への質問肢によって検査するとしています。2点目に、 1歳から中学生程度までの社会生活能力が測定できる。3点目に、検査結果が検 査時の子供の状態に影響されることなく、普段の能力が測定できる。4点目に、 質問肢は検査項目が発達年齢段階に沿ったオムニバスタイプ、つまり独立した幾 つかの項目を並べ、全体として一つの主題を引き出すようにまとめたもので構成 されており、そのために上限下限が決められているもので、検査に時間がかから ない。5点目に、知能検査や他の検査と検査バッテリーを組むことにより、障害 児の鑑別や診断に有効に利用できるなどとされています。  今全国各地で乳幼児の発達障害早期発見についてさまざまな取り組みを進めて います。市においても、保健センターが窓口となって健診への取り組みにご努力 をされていることは存じておりますが、このようなことからも市における審査項 目内容について6領域を追加した検査票にしてはどうか、伺います。−−略−−  次に、教育問題の3点目として、不登校対策について伺います。1点目として、 国の報告では減少傾向にあるとされているが、市教育委員会としてどのような対 策を講じているのか伺います。  文部科学省の2002年度学校基本調査によれば、増加の一途をたどった小中学校 の不登校は、28年ぶりに減少と報道されました。しかし、いまだに不登校の子供 たちは13万人を超えており、減少が一時的なものなのかどうかは今後の推移を見 なければわからないとしています。ある専門家は、この減少結果について、文部 科学省の不登校に対するこれまでの取り組みの成果があらわれたものとする考え 方、つまりスクールカウンセラーの配置や適応指導教室の拡充による成果だとす る考え方、また学校側の登校とみなす基準を甘くしたために減ったように見える だけとする考え方、つまり教室に入れない保健室登校も出席扱いにするようにな ったために、実態を反映していないという考え方の二つがあるとされています。  近年不登校の周辺に位置する統合失調症、うつ病、摂食障害、学習障害、注意 欠陥多動性症候群などのLD、ADHD、アスペルガー障害、高機能自閉症、自 閉症などの教育的支援が必要な不登校のケースもあり、このような心の病気が近 年増加しているという感が一般的にあります。ただ、これらが言葉だけひとり歩 きしていくことがないように、正確な病気の理解が求められています。いずれに しても、不登校は依然として学校をめぐる大きな問題であり、社会の構造を揺る がすような根本的な問題を含んでいると言えます。市においても適応指導教室、 さわやか相談員、スクールカウンセラー、ピアサポーター等各種施策に効果と実 績があったことは否定しませんが、これまでにも過去に質問させていただきまし たが、全体的な感想として、不登校に対する先生方の取り組みに温度差があるの ではないでしょうか。また、学校内での問題に対応することに時間をとられ、不 登校の児童への対応が二の次となり、細かい心配りが欠けているのではないでし ょうか。明快なご答弁を教育長に伺います。  資料要求として、不登校生との実態数、主な要因についてを要求しております ので、議長にてお取り計らいのほどよろしくお願いいたします。  同じく不登校対策の2点目として、不登校の親や子など生の声に教師が触れる 交流の機会をふやすべきではないでしょうかという質問です。子供や親の声を聞 き、ともに考えることも大事なことだと思います。こういった交流というのは、 学校全体の意識改革にもつながっていくと思いますが、いかがでしょうか。不登 校が長期化してくると、必然的にお互いの関係性になれが生じ、児童の変化に気 づきにくくなり、距離が長くなりがちになります。学校に来ていなくともクラス の一員であり、来る来ないにかかわらず緩やかなコンタクトをとり続けることが 大事です。不登校児童の形態や背景はさまざま。だからこそ、一人一人の子供や 親に寄り添ってニーズを酌み取るとともに、学校をそれぞれの子にとって意味の ある場所に整えることが重要ではないでしょうか。学校によって、また先生によ っては、不登校の児童に対する意識に温度があるとお聞きしますが、交流の機会 は保たれているのでしょうか、伺います。  教育問題の最後に、通級指導教室の現状とその効果、今後の課題について伺い ます。先ほども述べましたが、今学習障害など教育的支援が必要な児童がふえて いる中、近隣市ではいち早く昨年平成15年度、大正小と新座小が統合となり、新 座小学校の中に開設されました通級指導教室について、その設置の対応に高く評 価するものですが、現在通級されている対象児童の人数と障害内容についても伺 いますので、よろしくお願いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。  −−略−− 〇議長(三村邦夫議員) ただいま要求されました資料が送付されましたので、 配付いたします。 〇市長(須田健治) −−略−− 次でございます。福祉問題2番目、3歳児の 健診時の問診項目に追加をしてはどうかというご指摘でございますが、お答えい たします。乳幼児の健診につきましては、3、4か月健診、それから9、10か月 健診、1歳6か月健診、3歳児健診として実施をいたしております。実施に当た りましては、それぞれの健診に発達年齢段階に合った身体の発育状況、精神運動 機能の発達状況、疾病や言語、聴覚、視覚等の異常の有無及び育児不安等の問診 項目が入った健康診査票を用意させていただいておりまして、ご質問にございま した6項目の1、身辺自立、2、移動、3、作業、4、意思交換、5、集団参加、 6、自己統制の6個の領域項目は必ずしも独立して並列するものではなく、それ ぞれ重なり合う部分を持っているわけでございます。  一例を申し上げますと、身辺自立という項目では、何でも自分でしたがります かとか、食事のときおはしを使って食べようとしていますかのように、作業能力 を含むものもあるわけでございます。このようなことを踏まえ、乳幼児期に著し い発達が認められる領域など、現在の健康診査票に言い回しの違うところはござ いますけれども、網羅されていると考えておりますので、できればこのまま使用 をさせていただきたいと思っております。  最近では、虐待予防対策の取り組みから、親の健康状態、それから子育ての状 況等についての項目も追加をさせていただいております。今後厚生労働省等の方 針や取り組みに変更等があった場合は、速やかに対応し、改めていきたいと思い ますけれども、現在のこの問診項目で十分対応可能と思っておりますので、しば らくこの問診項目でお願いをしたいと思います。  −−略−− 〇教育長(臼倉正尭) −−略−− それから、不登校に関するご質問でありま す。不登校の減少は一時的とか、あるいは成果のとらえ方が違うのではないかと かいろいろなご質問がございました。そういう点については、確かにご指摘のと おりのこともあるのかなと。不登校生が保健室、養護室へ登校したら出席扱いと かいうようなことにもなっているわけでありまして、そういうのを登校と言える のかどうかということになりますと、これはまた次の難しい課題になるかなと思 うのですけれども、一応そういうふうに登校すれば必ずそこで学習指導を受ける ということになっておりまして、学校へ来て学習をしていることには変わりない ということで、登校扱いにしているというのが原則であります。  そういうことに絡みまして、教師の温度差の問題がご指摘ございました。いわ ゆる不登校対策委員会がありまして、そこで各学校の不登校生の実態を定期的に 報告会を開いております。そして、各学校のものを出し合って、効果のある指導 法とか対策を交換し合ったり、あるいはどうしても問題がある場合にはその対策 をどうしたらいいか、必要な方に指導をいただいたりして、そういうことをして いるわけでありまして、それをもとに各学校では不登校の対応を進めているとこ ろです。したがいまして、教師の温度差ということについて、あるいは通い方の 数の問題とか、通い方というのはその不登校生の家庭への訪問の数の問題とかが あるいは一部あるかもしれませんので、これらについては今後また精査していき たいと思いますが、いずれにしましても今不登校対策委員会で全市にわたっての 事例を具体的に取り上げて、交換して、それをもとに指導しているということで ご理解を賜れればと思います。  あわせまして、その交流の機会も保護者、いわゆる不登校生の保護者をお呼び しての保護者会というのも学校では行っております。そして、担任、不登校対策 に関する担当で行うのがあったり、あるいは校長が面接する時間も設けたり、い ろいろとそういうふうな交流の工夫はしているのですけれども、一方で保護者会 で集まると、何かお互いに不登校同士で、うっかりすると慰め合ってしまってそ れで終わりになってしまうというような心配もあるという声も聞いております。 ここら辺は難しいところなのですが、いずれにしましてもそういう学校との交流 は絶えず機会を設けているところであります。  それから、新座小学校に設置されております情緒障害通級指導教室、これはあ じさいルームと呼んでおります。これは、軽度の情緒障害のある児童のために平 成15年度に新設をいたしました。本年度は9名の児童が通級しております。障害 の種類としましては、注意欠陥多動性症候群、高機能発達障害、学習障害、緘黙 等でありまして、通級している児童の中には医療機関にかかっている者もありま す。あじさいルームのねらいは、一人一人の情緒的な問題を個別的に改善、軽減 するために、週1回2時間程度の指導を行って、在籍校において充実した学校生 活を送れるように支援することが目的となっております。あくまでも指導計画は 個別に立てまして、個別指導を原則に、必要に応じて小集団の指導も行って、友 達関係のあり方等の向上といいますか、そういうような社会的なスキルの指導も 含めて指導しているというのが実態であります。  −−略−− 〇30番(滝本恭雪議員) −−略−− 次に、2点目の発達障害について、これ は私実際に担当というか、保健センターの方に行ってるるお話をさせていただき まして、問診票も見せていただきました。先ほど市長もお話しされていたように、 ある程度うちの市としては対応されているかなと、表現の違いはちょっとありま すけれども、対応されているということで理解をいたしました。ただ、現実問題 まだまだ市町村によっては、このような乳幼児の発達障害の早期発見に対する取 り組みというのにばらつきがあるという話を伺いますので、そういった意味では これからもまた国、県、また医師会とかそれぞれ他機関とのネットワークを密に して、速やかな対応をお願いしたいと思っております。  また、このことに関係して、来年の4月1日からいよいよ発達障害者支援法が 施行されるということで、保育、教育、就労、地域生活などの成長段階に応じて、 これからきめ細かい対策が行われるよう、適切な配慮や支援体制の整備、早期発 見と早期支援が行われるような必要な施策を定めている云々とありましたけれど も、このような支援法ができたことによってこれからも大いに期待をして、また 応援もしていきたいと思っております。これについては要望で結構です。  −−略−−  次に、3点目の不登校対策ですが、資料をいただきました。ありがとうござい ます。不登校の増加については、過去にも私何度かやらせていただきましたけれ ども、一致する治療法というのは全く確立されていないということで、すそ野が 本当に拡大しているというのが現状なわけですけれども、ある意味でやっぱり今 の学校制度の行き詰まりが象徴しているのではないかという見方をある専門家は しておりますが、この資料の中で、やっぱり小学校よりも中学校の方が現実問題 多いのだなという実感をいたしました。この中で、この合計の例えば中学生の平 成15年度の146名と、裏の平成16年度中学校集計の合計89名ですか、この数字と いうのは、例えば個々に、その子供一人一人に、ではこの子についてはどういっ た対策が必要なのかというような、そういう個々に対応している部分の具体的な ケースというか、その辺のお話を聞かせていただきたいと思います。  先ほどもその不登校検討委員会の中で、具体的に不登校についての取り組みを されているということでお話がありました。その委員会というのは、どういった メンバーの方で、何名で構成されているのか。先ほど定期的に会合を持たれて指 導もいただくというようなお話もされていましたけれども、どういった方に指導 をいただいているのかもお聞かせ願いたいと思います。  あと、次に交流の機会についてですが、これは実際保護者会を行っているとい うことで理解いたしました。ただ、私もある不登校の子供を抱えた保護者の方と お話しすることがありまして、いろいろとお話を伺う中で、やはり学校の先生と いうのはどうしてもやっぱり異動があるのですね、転勤が。例えば自分の家の来 る先生にある程度心を許し合っていろんな話をして、車で送り迎えまでしていた だいたというような子供だったらしいのですけれども、結局その先生が転勤にな ってしまって、そこからまたぷつんと切れてしまった、またこもってしまったと いうようなことで、そういった体制というか、そういったときのフォローという か受け皿というか、そういったときの対応もやっぱり大事なのではないかなと思 います。  不登校の子供は、学校に来なくてもいいというふうには言われているけれども、 実際に保護者の方がおっしゃるには、やっぱり小学校、中学校というのは、あっ という間の学生生活だと。だから、本来であれば小学校生活、中学校生活という のは送らせてあげたいのだと、学校に通わせてあげたいのだという思いは非常に 強いのだなということを、その話の中で実感をしたわけなのですけれども、そう いった中でやっぱり不登校の子供、個々一人一人に対する対応というか取り組み について、やっぱりきめ細かい、それこそ緩やかな配慮が必要なのではないかな と思っています。ですので、今後も交流の機会は持たれていくとは思いますけれ ども、どんどん積極的に教育委員会の方から、無理に集めるというわけではなく て、時期を見てというのでしょうか、定期的にそういった話し合いの場を持って いくというようなことをこれからも継続をして、ぜひ行っていただければなと思 っております。これは要望で結構です。  最後に、通級指導教室の現状についてですが、現在9名通っている子供がいる ということで、わかりました。その内容も、先ほど壇上でお話ししましたADH D、LD児ですか、さまざまな子供がいるわけですけれども、この9名の子供で 一番遠いところから通っている子供はどちら方面なのでしょうか、ちょっとその 点確認をさせてください。  以上で、2回目の質問を終わります。  −−略−− 〇教育長(臼倉正尭) −−略−− それから、次に不登校の委員会のメンバー でありますが、担当の校長教頭3名、教育相談員3名、教育センター室から3名、 さわやか相談員、ボランティア相談員、フレンドリースタッフ相談員、あと子供 と親の相談員、不登校対策の委員というのが各学校1名おります。というような メンバーで不登校対策委員会を組織されております。  学校では、ずっとこれは続けていることなのですが、いわゆる不登校の子供の 個人カルテ、カルテといっていいかわかりませんけれども、個人個票を記録して おりまして、何月何日にどういう話し合いをして、どういう反応があってという 記録を全部とるようになっております。これも実際に教育委員会ではそれを一部 チェックしたりして、実態を把握しているところであります。そういうことで、 先ほどちょっと転勤したらどうなのだと、確かに多少そういう切れがあったのか なということをお聞きすると感じますので、こういういわゆる引き継ぎの問題を しっかりとやるように、今後また指導してまいります。  それから、最後の通級指導教室の一番遠い生徒でありますが、栗原小学校、野 寺小学校区が一番遠いということであります。  −−略−− 〇30番(滝本恭雪議員) −−略−− あと、最後に不登校についてですが、あ る専門家の方のアドバイスということで、親へのアドバイスとして、不登校の生 徒を責めないで、自分の生き方も見直すと。学校に行く行かないという形にこだ わらない。また、担任や養護教諭など学校と相談する。また、みずからの生き方 を見直す。先生のアドバイスとして、親を責めない。緩やかなコンタクトをとり 続ける。また、登校できるようになったら居場所を確保する。また、長期化する ときには相談機関などを紹介し、家族の孤立化を防ぐ。また、不登校は怠けでは ないし、その後の社会適応も悪くないということで、やっぱり厳しい見方をする 専門家の方が言うには、集団行動のできない不登校の子供たちというのは、現在 の学校にとっては扱いにくいとされている現状があるようで、そういった子供た ちであっても不登校を体験した親子というのは確実に人間的に成長している。こ れは、よく教育長もご存じのことだと思うのですけれども、そういった苦労をし た経験、自分たちのあり方をじっくりと考えたことが、将来社会人になっても生 かされるということです。  そういったことで、先ほども教育長からお話しありましたように、不登校の子 供たち一人一人の個別の対応に尽きると思いますので、ぜひ一緒にどうすればよ いのか、また考えていく、要するに共同作業だと思いますので、ぜひ今後もしっ かりとした取り組みでお願いしたいと思います。 −−略−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都八王子市議会 平成16年第4回定例会会議録(抜粋) 2004/12/02 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.city.hachioji.tokyo.jp/shigikai/16-4kaigiroku/3nichime.htm −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◎【9番陣内泰子議員】 −−略−− 次に、特別支援教育についてです。 特 別支援教育の実施が東京都のモデル事業として今年度から始まっています。11月 15日の市報に折り込まれたはちおうじの教育、ここでも特集記事になっておりま す。そして、広く市民の知るところとなっています。ノーマライゼーションの実 現を目指す新しい教育体制というその趣旨は評価できるのですが、その一方で、 新たな差別を生み出すおそれもあると危惧しています。市は2007年からの本格実 施に先駆け、小学校10校、中学校3校でモデル事業を実施しています。実際にど のような取り組みを行っているのでしょうか。また、モデル校以外でも校内委員 会ができているということですが、この校内委員会の役割とは何か。また、実際 にどのような機能を果たしているのでしょうか、お伺いいたします。  これで1回目の質問を終わります。 −−略−− ◎【岡本昌己教育指導担当参事】 特別支援教育に関して、2点御質問をいただ きました。  本市では、今年度から、2つのモデル事業を実施しております。1つが、特別 支援教育体制整備事業でございます。小学校10校、中学校3校で実施しておりま す。地域の方々やボランティアの支援を得て、特別指導を行ったり、通級学級の 担任が近隣の学校を巡回し助言を行うなど、各学校の実態に応じた内容になって おります。支援が必要な児童生徒につきまして、校内の委員会で組織的に対応し ております。  それから、もう1つの事業が、福祉的モデル事業でございます。市内及び近隣 の都立盲ろう養護学校5校の在籍児童生徒のうち、10名が居住地の八王子市内の 市立の小中学校で交流を始めております。事業の内容は、本人の障害の程度や各 学校の事情により、内容はそれぞれ違うものとなっております。  続きまして、モデル校以外での校内委員会の役割機能でございますけれども、 すべての学校に校内の委員会を設置しております。構成メンバーは、管理職、養 護教諭、担任、それからコーディネーター等が入っております。校内の委員会の 基本的な機能は、支援の必要な児童生徒を学校全体で支えていくためでございま す。また、実際には、学校によっては違いがありますが、専門家を招いて校内研 修を行ったり、実際に子どもの事例を検討するなどして、特別支援教育が対象と しているLD、ADHD、高機能自閉症等の子どもの教育の知識や技術をすべて の教員が獲得する努力を始めております。 −−略−− ◎【9番陣内泰子議員】 −−略−− 今お答えをいただきました。特別支援教 育については、八王子モデル推進という形で行われています。今のお話を聞くな らば、3つの形でなされている。教員の方たちの研修等も行われているというこ とですが、私自身、近くで見ておりましても、なかなかそのように、特に特別支 援のモデル校でないところでのさまざまなニーズに十分こたえられるようになっ ていない、そしてまた、この意図、ノーマライゼーション、インクルージョンと いう考えが十分学校全体の中に浸透していないというふうに感じている次第です。  こういった特別支援教育という制度が出てきた背景には、先ほども御答弁があ りましたが、学習障害やADHD、高機能自閉症など、教室の中の気になる子ど もたちの存在があり、インクルージョンとしての教育、つまり、一律の教育では なくて、子どもたちの多様なニーズにこたえ、支援する必要が出てきているから と言えます。  東京都の最終報告にもあり、そこで引用されましたサマランカ宣言ですが、そ れにもインクルーシブな方向性を持つ学校こそが、差別的な態度と闘い、喜んで 受け入れられる地域をつくり、インクルーシブな社会を建設し、万人のための教 育を達成する最も有効な手段であると言っています。モデル校での保護者の意見 はどのように反映されているのでしょうか。こういった理念の浸透は十分図られ ているのでしょうか。  というのも、現在もまだ就学時健診が行われ、簡単な知能検査--今年度から予 備検査と名称が変わったということですが--実施されていると聞いています。し かしながら、この特別支援教育の趣旨である、障害のある子もない子も、地域の 学校でともに学び、成長できる社会を目指すという観点から言うならば、今まで の仕組み、こういった仕組みは改めなければならないと思うのですが、いかがで しょうか。というのも、義務教育の場合、どこで学ぶか、どのように学ぶか、だ れが判断するのでしょうか、お答えいただきたいと思います。  今まで学校は障害のある子を排除してきました。そして、障害のある子を持つ 保護者にとって、地域の子どもたちと一緒に学ばせたい、保育園や幼稚園をとも にしてきた仲間たちと別れたくない、ごく自然な願いです。しかしながら、多く の場合、保護者の多大な努力によってしかそれは実現してこなかったのです。だ から、この特別支援教育の理念に初めてノーマライゼーションという言葉が明記 されたことは大きな希望でもあったかと思います。今までの教育体制の大きな変 更、転換でもあるんですから、今までのような仕組みを見直さなければならない のは当然です。  人的配置についても同様です。つまり、子どもの持つ地域社会との関係性から、 身障学級や養護学級ではなく、普通学級を希望する場合、担任1人の手で足りな いということも起こってくるでしょう。そうした場合、どうしているのでしょう か。介護員制度や非常勤講師の派遣、アシスタントティーチャーの加配など、検 討されているのでしょうか、心配です。  また、具体的な事例に基づいて、一つ一つにどう対応していくのかといった中 から、特別支援教育に対して学校での取り組みができ上がってくるかと思われま すが、学校長などに障害児教育の経験がなかったり、学校としてそういった蓄積 がないところはどうしても及び腰になるところがあるのではないでしょうか。学 校長をはじめとした教員の理解や研修、地域の理解を深めるための啓発活動など はどのようになっていますか。先ほど教員の理解を深めているということですが、 もう少し具体的にお答えいただきたいと思います。  保護者からは、不登校児の学校としての高尾山学園には大きな支援が行われて いるのに、手助けが必要な子どもには何の支援もないといった声も聞かれている ところです。専門教育相談を行うNPO団体では予約が二、三ヵ月先までいっぱ いということも現状です。教育委員会だけでも対応し切れていないのも実情だと 思います。こういったNPO団体にも十分なサポートが得られないでいます。こ のようにニーズを抱えている子どもたち、そして保護者の声に向き合う体制にな っていないように思われます。こういった現状をどう切り開いていくお考えかお 答えいただきたいと思います。  これで2回目を終わります。 −−略−− ◎【岡本昌己教育指導担当参事】 特別支援教育について、6点ほど質問いただ きました。  まず、保護者の意見をどのように反映するかでございますけれども、当然これ は保護者と連携しながら支援の方法を立てていきたいというふうに考えておりま す。  2点目は、どこで学ぶか、だれが判断するのかでございますけれども、学級の 中で生活面や学習の面で困っている子どもがおりましたら、保護者や担任が支援 を要請し、校長の指導によりまして、校内の委員会の方で個別指導計画を立てて 対応していきたいというふうに考えております。  続きまして、普通学級を希望する場合、担任1人では大変ではないかというよ うなお話でございますけれども、ボランティアの方の助けをいただいている事例 が非常に多うございます。指導者は教員でなくてはなりませんけれども、補助者 は教員でなくてもよいのでございますので、ボランティアの要請あるいはメンタ ルサポーター等多様な対応を進めてまいりたいというふうに考えております。  それから、具体的な事例に対応する仕組みになっているかということでござい ますけれども、実際に指導補助者が必要な場合であったりとか、それから、不得 意な教科を補助したりという場合がございますので、そういう場合には、個別に 計画に沿って柔軟に対応していきたいというふうに考えております。  学校への啓発でございますけれども、当然教員研修、校内研修、それから、コ ーディネーターとの研修をしながら、専門医との連携、NPO等との連携、関係 諸機関との連携を図ってまいりたいというふうに思っております。  最後に、保護者の方に対してはどのように広めていくかということでございま すけれども、これまでもモデル校の地区ごとに説明会等を行ってまいりました。 今後とも必要に応じ続けてまいりたいと思いますし、広報等でも詳しくまた追加 の説明等を深めてまいりたいというふうに考えております。 −−略−− ◎【9番陣内泰子議員】 −−略−− 今多々お答えいただきました。八王子市 立小学校は69校、中学校は32校あります。3年間の移行期間の中で、2007年度か らの移行をスムーズに行いたいということで今実施されているわけですが、この ようなモデル事業の成果、評価、そして、来年度以降の取り組みをどのように考 えておられるのでしょうか。  そして、最後に教育長にお尋ねいたします。この特別支援教育の実施に当たっ て、特に配慮しなければならないこと、そして、それに対してのサポートをどの ようにお考えなのでしょうかお聞かせください。  競争原理を教育の場に持ち込むことは、インクルーシブの教育理念に反します。 物事の理解が遅かったり、じっとしていられないといったことはその子のせいで もありません。ましてや、親のしつけのせいでもありません。その子それぞれの ニーズに合ったサポートが必要なだけなのです。教育長のお考えをお聞きして、 一般質問を終わります。 −−略−− ◎【岡本昌己教育指導担当参事】 特別支援教育でございますけれども、来年度 はモデル校をふやしてまいりたいというふうに考えております。  それから、学校がかなり機能しておりますので、この成果を学校の方にも広め て、また、地域にも広めてまいりたいというふうに考えております。 −−略−− ◎【石川和昭教育長】 2点お尋ねをいただきました。  特別支援教育を推進していく中でのサポート体制と、実施に当たっての配慮す べき点ということでございますが、1点目のサポート体制につきましては、今後 の国の法改正や都の制度整備により、現行の心身障害教育のあり方について見直 す必要があり、その動向を見ながら対応していくことになります。  2点目の実施に当たっての配慮すべき点としましては、心身障害教育から特別 支援教育への転換の趣旨として、ノーマライゼーションの理念が挙げられており ます。従前、ともすれば心身障害学級のみが対応してきた障害のある児童生徒へ の取り組みを学校全体で、児童生徒を含めたすべての人たちが支援するものにし ていかなければならないと考えております。その取り組みにより、教員が子ども たちひとりひとりの理解に基づく教育の姿勢を持つことにつながり、個に応じた 教育の実現に近づくと考えております。 −−略−− ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 23:24 2005/03/26 □ ------------------------------------------------------------------------ 4月1日からの「発達障害者支援法」発効をにらんで、各自治体での動きが議事 録からも伺えるようです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999/03/12 から] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998/07/31 から] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000/08/17 から] ★ 挿入された広告内容や広告主と親の会「けやき」は一切関係ありません ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LDニュースは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行してます

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