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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #499 2004/05/20 発行 登録(配信)読者数 3,425 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ NHKハート・フォーラム/第3回全国LD親の会公開シンポ  2004/06/12 ■ ■ 特別支援教育の推進へ、法整備など求める   毎日新聞 2004/05/10 ■ ■ 第159国会 衆議院予算委員会第四分科会 議事録(抜粋) 2004/03/02 ■ ■ 第159国会参議院 共生社会に関する調査会 議事録(抜粋) 2004/03/03 ■ ■ 第159国会 参議院 予算委員会 議事録(抜粋)     2004/03/22 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 00:04 2004/05/20 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ NHKハート・フォーラム/第3回全国LD親の会公開シンポ  2004/06/12 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのご案内です。 −−−−−−−−−−−−−−  NHKハート・フォーラム 第3回全国LD親の会公開シンポジウム  『特別支援教育の実現に向けて』 日 時 2004年6月12日(土)午前10時00分〜午後4時30分 会 場 さいたま市民会館おおみや・小ホール     http://www.scvb.or.jp/convention/map/mapomiya.html 交 通 JR京浜東北線・埼京線 大宮駅東口下車、徒歩15分 会 費 無料  定 員 270名 詳しい内容、申込み方法は下記を参照して下さい。 http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/2003/0273.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育の推進へ、法整備など求める   毎日新聞 2004/05/10 ■ ------------------------------------------------------------------------ 毎日新聞 2004年5月10日 東京朝刊 http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2004/05/10/20040510ddm004070085000c.html −−−−−−−−−−−−−−−− 学習障害(LD)などの子の親でつくる「全国LD親の会」(山岡修会長)など 3団体は、盲・ろう・養を対象にした従来の特殊教育に加え、LDや注意欠陥多 動性障害(ADHD)、高機能自閉症などを含めた特別支援教育の体制について、 都道府県教委に実施したアンケート結果をまとめた。全体として推進の方向にあ るが、多くの都道府県が国による予算措置や関係法令の早期改正が必要としてい る。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第159国会 衆議院予算委員会第四分科会 議事録(抜粋) 2004/03/02 ■ ------------------------------------------------------------------------ ○中根分科員 おはようございます。民主党の中根康浩でございます。  今、国会の外周りを見ますと、いろいろな意味で警備が大変厳しくなって、警 察官、警備員の方々がたくさんおられるわけでございますけれども、まさに教育、 今から御質問申し上げる障害児教育、特別支援教育におきましても、そういうと ころにこそこういう手厚い人員の配置が行われることを心から願いつつ、ノーマ ライゼーションあるいはインクルージョン、そういった観点から、ハンディのあ る子供たちに対する教育のあり方についていろいろとお聞きをしていきたいと思 いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  障害のある子供たちの教育は、従来、特殊教育ということで、通常学校に付設 される特殊学級、それから盲学校、聾学校、養護学校などの特殊学校に在籍する ことで行われてきました。文部科学省の調査研究協力者会議の最終報告によりま すと、これからは、特殊教育から特別支援教育というふうに名前も変わって、こ れに伴って、文部科学省の担当課も、特殊教育課から特別支援教育課へと変更に なっていくというふうに聞いています。  障害児を特別な存在としてとらえるのではなくて、個性豊かで、一人一人多様 な教育的ニーズを必要とする存在としてとらえていく、そういう転換は大変よい ことだというふうに思っていますが、またその一方で、どういうふうに具体的に 転換をしていくか、特別支援教育というものがどういうものになっていくか、親 の間では、こういう変化に対する期待と不安がないまぜになっているというのが 実情だと思います。  特別支援教育へと転換する理由として、従来の特殊教育のあり方にさまざま反 省するところがあったからだというふうにも思いますし、そういうことにつきま して、今までの反省点、そして、それを今後どう生かして特別支援教育を充実さ せていくか、そういったことにつきまして、まず冒頭、大臣の御見解をお承りし たいと思っております。 ○河村国務大臣 中根委員御指摘のように、このたび、昨年三月になりますけれ ども、特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議から、今後の特別支援 教育のあり方について最終報告を出されまして、いろいろな提言をいただいてい るところでございます。  特に、ここ十年といいますか、LD、ADHD児を含むこういう障害が多様化 してきた。そして、障害のある児童生徒を取り巻く環境も変わってきております し、やはり障害の程度に応じた児童生徒のニーズといいますか、それを、いわゆ る特殊教育という観点だけではなくて、児童一人一人の教育的ニーズに合わせて いくということが非常に必要になってきた。そして、ノーマライゼーションの考 え方、今御指摘のインクルージョンの考え方、障害も一つの個性だという見方、 こういう考え方でこの教育を取り上げていかなければいかぬ、こういう転換をし なきゃいかぬということで、特別支援教育という提言をいただいた、こう受けと めさせていただいております。  これまでのいわゆる特殊学級にかえて、特別支援教室、通常は健常者と一緒に いながら、特別な教育を受けなきゃいかぬというときに別の教育を受けるような 仕組み、こういう形で時間をとってやるというようなこと、こういうことも提言 を受けておりまして、こういう方式も取り入れなきゃいかぬ、こう思っておりま す。  こうした特定の児童生徒に対する特別な、専門的な指導、これも要るわけです ね。これもきちっと評価をしていかなきゃなりませんし、通常学級に、学習障害 を持っている人たち、またADHD、こういう生徒たちに対しても教育的な支援 をやろうということを考えながら、特殊学級あるいは通級による指導の機能、こ ういうものも残しながら、これも全部なくすというわけにいかないだろう、こう 思いますが、こういうものを残しながら、これが弾力的にできるような特別支援 教室というものをつくっていくべきであろう、このように思っております。  新しい制度ができることに対しては、期待と同時に不安に思っておられる方も ございますから、関係者のいろんな意見もこれからまだ聞いていかなきゃいかぬ だろうと思いますね。また、先生のいろいろな御指摘もいただきながら、よりよ き制度になるようにという思いで、中教審においても、この問題についてさらに 審議を行ってもらいたい、このように考えておるところであります。 ○中根分科員 今、大臣から、これからしっかりやっていきたいという前向きな 御答弁をいただきましたものですから、これ以上聞く必要もないぐらいのことで ございますけれども、またこれから一つ一つ具体的にお尋ねしていきたいと思い ます。  今大臣おっしゃられたように、軽度発達障害、例えばADHD、LD、自閉症、 アスペルガー、こういった新しい障害というものが注目されてきた、そういった ことにも対応していかなきゃいけないというところにこの特別支援教育への転換 という意味があろうかと思いますけれども、こういう新しい障害、そういう軽度 発達障害、ADHD、LD、自閉症、アスペルガー、こういった個性を持ってい る子供たちが今何人ぐらいいて、どんな割合になっているかということ、そんな 数字をちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ○近藤政府参考人 お答えをいたします。  LDあるいはADHD等、特別な教育的支援を必要とする児童生徒数でござい ますが、私ども、平成十四年に、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要 とする児童生徒に関する全国実態調査というものを行ったわけでございます。た だ、この調査そのものはお医者さん等の診断を得たものではございませんから、 直ちにこれらの障害と判定するということはできないのでございますが、そうい った可能性がある児童生徒が約六%程度の割合で小中学校の通常の学級に在籍を している、こういうことを推定いたしております。 ○中根分科員 六%という数字を多いと見るか少ないと見るかということもあろ うかと思いますが、一人一人、一人残らず教育でその個性を生かしていかなけれ ばいけないということで、少なくとも多くとも、これをしっかりと取り組んでい くということでございますけれども、今の人員とかあるいは今の文部科学省の予 算とかということで少なくともこの六%分は賄えないのかどうかということ、特 別支援学級に対する予算的な措置あるいは人員的な配置、こういったものがどう なっていくか、お知らせをいただきたいと思います。  それは、要するに、今度は今までの特殊学級ということではないものですから、 通常学級でそういう子たちにもきちんとそういう特別支援を行っていくというこ とでありますので、担任の先生だけじゃなくて、補助の先生とか副担任とか、そ ういう形で必要になってくると思います。通常学級でどういうふうに手当てをし ていくかということを、予算的なこと、人員的なこと、お知らせいただければあ りがたいと思います。 ○近藤政府参考人 昨年の三月に調査研究協力者会議から御報告をいただいたわ けでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたように、この報告書が出ま して、いろいろと、教育の関係者あるいは保護者の方々からも、期待と同時に不 安もあるわけでございます。  それとまた、盲学校、聾学校、養護学校というこの学校種を、例えば盲学校と 養護学校を統合するとか、いろんなそういう仕組みを設けてはどうか、こういっ た御提言もございます。  あるいは、先ほど申し上げましたような、特殊学級を特別支援教室にと移行し ていく、この制度設計も、本当に子供たち一人一人の教育的ニーズに対応できる よりベターな制度設計をどうやって組み立てていくか、こういうことでございま すので、まだ具体の環境整備の問題、予算の問題あるいは教職員定数の問題等は 今後の課題かと思っておりますが、そういった全体の制度設計の中でそういった 問題もあわせて検討してまいりたいと考えております。 ○中根分科員 具体的なことはこれからだということでございますが、親は、保 護者の皆さんは、そういったなかなか具体化していかないということに対して不 安を感じておると思いますので、慎重に検討していかなければならないことは当 然でございますが、慎重な中にも早く具体的なものが見えてくるように、ぜひ要 望しておきたいと思います。  その一方で、こういう新しい障害、軽度発達障害というようなものは、どうし ても今、マスコミ等でも取り上げられやすくなっておりますので、そちらばかり に目が行って、今までの知的障害の子あるいは重度障害の子、こういったもとも との特別な支援の必要な子たちに対して配慮が薄くなってしまうということがな いようにお願いをしておきたいと思いますが、この辺、確認をしていただけます でしょうか。 ○近藤政府参考人 もちろん、重度の障害を持った児童生徒一人一人の教育的な ニーズに対応いたしまして、これまでもやってまいりましたけれども、さらにし っかりと取り組んでまいりたいと思います。 ○中根分科員 ぜひ、よろしくお願いいたします。  それから、そういう新しい発想で障害児教育を特別支援教育ということで実施 していく中で、つまりは、一人一人の子供たちの個性を生かしていくために、例 えば介護保険のケアマネジャーのような役割を持った人を設置して、障害児一人 一人の教育支援プランというようなものを作成する、そういう仕組みとして、コ ーディネーターなるものが設けられていくとも聞いておりますけれども、そのコ ーディネーターと言われる人の具体的な役割と、コーディネーターを養成してい ったり、設置したり、配置をしていったりする予算的な裏づけについてお尋ねを したいと思います。 ○近藤政府参考人 お答えをいたします。  調査研究協力者会議でも、特別支援教育コーディネーターの設置という御提言 をいただいているわけでございますが、これも、私ども、この提言をいただきま して、平成十五年度から、特別支援教育推進体制モデル事業を今展開しているわ けでございます。  どういった方々をこのコーディネーターに充てていくか、これは地域や学校ご とにいろいろな取り組みがあろうかと思っておりますが、今このモデル事業で行 われております中では、全体的には、特殊学級を担任されている先生であります とか教頭などを充てている例が多いと承知をいたします。  いずれにいたしましても、こういった特別支援教育、障害が重度あるいは重複 化してまいっておりますから、従来にも増して一人一人の教員の専門性がより高 まっていかなきゃいかぬ。そのためにも、国立特殊教育総合研究所でありますと かいろいろな研究所で研修をしていただきまして、そういったノウハウを生かし ていただいて、各学校現場でこういったコーディネーター的機能を果たしていた だけたら、そんなことを考えているわけでございます。 ○中根分科員 ぜひ、その点につきましてもよろしくお願いいたしますし、また、 個々の、一人一人のプランを策定するに当たっては、そういうコーディネーター という専門の方だけではなくて、当然、障害児本人あるいはその後見役である保 護者、こういった人たちもぜひ交えてプランをつくるようにしていただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。 ○近藤政府参考人 おっしゃるように、特に、乳幼児期の段階から、そして学校、 学校を卒業した以降と、生涯にわたってそういった一人一人のニーズを把握した 個別の教育支援計画の策定、こういったことが求められているんだろうと思って おります。  したがいまして、当然、こういった問題になりますと、教育関係者、学校関係 者のみならず、医療福祉関係者でありますとか、あるいは労働関係者であります とか、地域のいろいろな方々にも御参加をいただきまして、連携を組むことによ って個別の教育支援計画を策定していく、これが大事なことではないか、そのよ うに考えております。 ○中根分科員 ちょっと現実の問題に目を向けまして、今までのことからちょっ と転じてという形になるかもしれませんけれども、例えば、それぞれの地域で、 小学校に上がるとき、障害児が二人以上いないと、今までの言葉で言う特殊学級 というものが開設をしてもらえない。一人だと、越境して、なるべく近くのよそ の学区の学校へ通って、そこの特殊学級のあるところに行くという実態があると 思うんです。こういう実態だと、障害児が地域で理解をされていく、地域の人と 一緒に生きていくという、いわゆるノーマライゼーション、インクルージョンの 理念が生かされていかない、地域との関係性が希薄になっていくということもあ るわけでございます。  複数、何人いないと特殊学級が、特別支援学級がつくられないというようなこ とは、これからぜひ見直していっていただきたいと思います。一人でもその学校 で受け入れていただくんだ、そういうことこそが特別支援教育ということの理念 の一つだと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○近藤政府参考人 お答えをいたします。  いわゆる義務標準法におきましては、特殊学級は八人以下の児童生徒で編制す ることとされておりまして、御指摘のとおり、例えば一人の場合でも、特殊学級 を開設することは都道府県教育委員会の判断により可能となっているわけでござ います。  ただ、全体の定数との兼ね合いがございましてなかなか厳しい状況もあろうか と思いますが、先生の御地元の愛知県でも、一人で特殊学級を編制している学級 というものは存在をしているというふうに承知をいたしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第159国会参議院 共生社会に関する調査会 議事録(抜粋) 2004/03/03 ■ ------------------------------------------------------------------------ ○会長(狩野安君) 次に、原田文部科学副大臣。 ○副大臣(原田義昭君) 文部科学副大臣の原田義昭でございます。私から、文 部科学省における障害のある子供たちの自立と社会参加に向けた教育について、 御説明を申し上げたいと思います。  資料は二点配られているようでありますが、厚い方といいますか、片方は原田 副大臣の説明メモになっておりますが、これはよそに置きまして、厚い資料で御 説明申し上げたいと思います。  ただいま内閣府からも御説明があったところでありますが、「障害のある子ど もの自立と社会参加に向けた教育について」、一ページ目でございますけれども、 何としてもこの子供たちがしっかりと持てる能力を可能な限り伸ばしてやる、そ して自立をして社会参画する力を養おう、培おう、こういう観点から私どもも全 力で取り組んでいるところでございます。  実態から言いますと、盲・聾・養護学校や特殊学級等の幼児児童生徒数は約二 十一万六千人と、全体の一・三%でございます。このうち、義務教育課程段階は 十七万二千人ということで、一・六%の比率でございます。  これに対する学校側の体制でございますけれども、盲・聾・養護学校は全国に 九百九十五校設置されております。そして、特殊学級は全国の小中学校の五六% に当たる学校に併設されておると、こういう状況でございます。  なお、障害の種類、程度に関係なく教育の機会を確保するようにしているわけ でありますけれども、どうしても重い場合が中心であります。障害を理由に保護 者からの要請に応じて就学猶予・免除を受けている子供は義務教育段階の児童生 徒数の〇・〇〇一%、非常にパーセンテージとしては少のうございますが、百三 十人と、こういうふうに報告されております。  近時、盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒の障害が重度・重複化してきてお ると。こういうことから、これらの児童生徒それぞれに対する適切な支援が必要 となってきております。  (4)でありますけれども、また小中学校の通常の学級にも、学習障害、注意 欠陥多動性障害、高機能自閉症のある児童生徒が在籍しているということも明ら かになっております。これらの児童生徒への対応も重要であります。  なお、最近、このLD、ADHDという言葉が一般的に使われるようになりま した。  御承知であると思いますけれども、LDはラーニング・ディスアビリティーの 略でございまして、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、 計算する、こういうような能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を 示す、要するに、知的発達に遅れはないんですけれども、非常にその辺のバラン スが崩れておるということではないかと思います。  また、ADHDは、アテンション・ディフィシット・ハイパーアクティビティ ー・ディスオーダー、注意欠陥多動性障害と訳されております。注意力が持続し ない、じっと座っていられない、衝動的に発言や行動をするといった行動面で著 しい困難を示す状態で、知的発達の遅れは必ずしも伴わないと、こういうふうに 説明されております。  高機能自閉症、これはハイファンクショニング・オーティズムという英語から の訳でございますけれども、他人との社会的関係の形成が難しい、言葉の発達の 遅れ、興味や関心が狭く、特定のものへのこだわりといった行動面で著しい困難 を示す状態と。これも必ずしも知的発達の遅れは伴わないと、こういうことを、 言うまでもありませんけれども、御説明しておきたいと思います。  こういうような実態を踏まえまして、二ページ目を開けていただきますと、 「「特別支援教育」の推進体制の整備」と。文科省におきまして、これは障害の ある子供たちの教育をめぐる検討をずっと進めておりまして、昨年の三月に今後 の特別支援教育の在り方についての報告書を取りまとめました。この報告におき まして、障害の程度等に応じ特別の場で指導を行う特殊教育から、それぞれ児童 生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う特別支援教育への 転換を図るという基本的な考えを出したところでございます。  これは、先ほど中島副大臣からもお話がありましたように、特殊教育という言 葉から、概念から、特別支援教育という概念に切り替えていくと、こういうこと もこの中に入っておるわけでございます。それぞれ学校における特別支援教育体 制の整備、さらには教育委員会における体制の整備、そして特別支援教育に対す る制度的な見直し、これは、盲・聾・養護学校制度の見直しとか、教員免許制度 の見直しなどを含むものでございます。  文科省としては、この提言を受けまして、平成十五年度から全都道府県の教育 委員会にこの問題についてのモデル事業を委嘱して、いろいろ地域における検討 をお願いをしておりますし、また、三ページ目でございますけれども、十六年一 月、今年の一月でございますが、小中学校におけるLD、ADHD、また高機能 自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドラインを策定し、すべ ての教育委員会、小中学校等に配布したところでございます。  さらに、先ほど冒頭で申し上げましたように、障害のある児童生徒を取り巻く 状況の変化につきまして、障害の重度・重複化への対応と。このところ、いろい ろな社会的な背景もございまして、盲・聾・養護学校に在籍、二つ以上の障害を 併せ持つ子供たちが、割合が増えてきたと、こういうことでございまして、これ に対して文科省としては、厚労省との連携の下、養護学校における関係者の連携、 医療、福祉等関係機関、都道府県の関係部局、連携、これらの皆さん、医者、看 護師、皆さんと連絡を取りながら実践的な検討を行う、養護学校における医療的 ケア体制整備事業を行っておるところでございます。  さらに、障害のある児童生徒、四ページでございますが、児童生徒に対する教 育に関する研究、研修の充実、これはここに書いておりますように、ナショナル センターとして実践的な研究や専門的な研修などを実施することによって、LD、 ADHD、自閉症、こういうものに対する新たな課題への改編をしておる、こう いうことでございます。  四ページの(3)といたしまして、「特別支援教育の改善充実のための条件整 備」ということで、施設・設備の整備、これはハードウエアの改善でありますけ れども、エレベーター、スロープなどの施設や学習機器の設備を整備する経費の 一部を補助するというようなことをもって条件整備に努めております。  また、最新の情報技術の改善で、いろいろ障害者の動きにくい部分をこういう 情報機械によってカバーすると、こういうようなことも大分進んでいるところで あります。  また、四ページの一番下でありますが、特殊教育就学奨励費と。保護者の負担 を軽減し就学を奨励するため、必要な交通費、学校給食費、寄宿舎居住費等を保 護者等に支給する経費も補助しておるところであります。  これらが、私どもが今取り組んでおる施策でございますが、私ども文科省にお きまして、関係省庁、各自治体等とも連携、協力しながら、障害のある子供の自 立や社会参加の力を培うための教育的支援を行うための取組を行っているところ であります。  今後とも、障害のある子供一人一人のニーズに対応した教育の充実に向けて取 り組んでまいりたいと思っております。  以上で、私どもの説明を終わらせていただきます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 第159国会 参議院 予算委員会 議事録(抜粋)     2004/03/22 ■ ------------------------------------------------------------------------ ○小川勝也君 最近、アスペルガー症候群などという耳慣れない言葉も耳にいた しました。少し前はADHDなどという言葉もしっかり覚えたわけでありますけ れども、その心のストレスが若年層、子供にも様々な影響を及ぼしているのでは ないか。あるいは、これは諸説まだ解明されていないわけでありますけれども、 食生活やあるいは化学物質の影響があるのではないか。最近は統合失調症とか様 々な言葉も使われているようでありますけれども、新しいこういう疾病群あるい は症候群など、どういった症例が報告されて、対策を取っておられるのか、お伺 いをしたいと思います。 ○政府参考人(塩田幸雄君) 高機能自閉症あるいはアスペルガー症候群、AD HD、注意欠陥多動性障害、LD、学習障害などの発達障害が増えてきていると 言われております。  こうした障害は、それぞれ障害によって症状が異なりますけれども、例えば他 人とのコミュニケーションに障害がありますとか、あるいは注意力に障害があり ますとか、読む、書くなどの学習の一部に障害があるなどの症状が発達期に現れ るものと認識してございます。  こうした発達障害の方々の数につきましては、診断、評価の手法が必ずしも確 立されていないことから、その正確な数値は把握されておりませんが、外国の学 説によりますと、自閉症、アスペルガーなどは八歳以下の〇・六%、それからA DHDは学齢期の三から七%、LD、学習障害は生徒の五%の発症率があるとす るものがございます。  これらの発達障害につきましては、脳の障害そのものを取り除くということは 困難な場合が多いとされておりますけれども、早期に発見し、適切な指導あるい は環境を整えることによって症状が改善し、社会生活への適応が期待できる障害 と考えられているところでございます。こうした観点に立ちまして、家庭あるい は学校、地域社会、職場などでこうした新しい障害に対応した対策が必要だと思 いますけれども、これまでその実態が必ずしもはっきりしなかったということや、 あるいは法制度の谷間にあるということから、必ずしも十分な対策が講じられて こられなかったという面があろうかと思います。  例えば厚生労働省の障害保健福祉施策といいますのは、知的障害を伴う場合を 施策の対象としてきておりまして、こうした発達障害、知的障害が伴わないケー スが多いわけでありますが、必ずしも十分な対応ができておりませんでしたが、 平成十四年度から、自閉症・発達障害支援センターということで、こうした方々 の相談などに応じられる体制の整備をしているところでございます。  この発達障害につきましては、厚生労働省のみで対応できる問題ではないと思 います。今後、文部科学省などとも連携し、また関係の方々とも協力しながら対 策の在り方を検討したいと思っております。 ○小川勝也君 文部科学大臣もお見えでございますけれども、小学校を中心に現 場の先生方も大分御苦労されているんではないかと思いますけれども、どういっ た報告を聞いておられるでしょうか。 ○国務大臣(河村建夫君) 今厚生労働省からもお答えありましたように発達障 害児、学習面、行動面、著しい障害があるんではないか、困難性がある、大体六 %前後ではないかと、こう言われております。    〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕  文部科学省も、教育現場、このことに気付いたのは比較的最近のことでありま して、専門家も少ないということもございまして、この点については総合的な教 育支援体制の整備を図っていくというのが今段階でございまして、これ、モデル 事業を今全都道府県にもセットいたしまして委嘱をいたしております。厚生労働 省とも連携をいたしておりまして、専門家が小中学校を巡回をしながら指導内容 や方法等について教員に助言を行うと、こういう状況でございまして、特に専門 家と連携した体制作りが非常に大事だと、こう思っております。  また、都道府県においても、指導的な役割を果たす教員等の研修を今行ってお りまして、それからLD児等の児童生徒の指導方法を盛り込んだパンフレットと ガイドライン、冊子を作っておりまして、厚生省、厚生労働省側の協力をいただ きながら、今進めております。  こういうことで、厚生労働省との連携を緊密にしながら、各地域や学校、それ から医療、福祉、こういう関係機関と連携をしながら、LD、ADHD等の児童 生徒の総合的な支援体制を更に整備してまいりたい、このように考えておるとこ ろでございます。 ○小川勝也君 スクールカウンセラーなんていう制度もあります。これの充実と 併せて、教室においての様々な現象面を専門家に伝えられて、しっかりとその解 決策が見いだされるように最善の努力をしていただきたいと思います。  それにも増して、私ずっと思っていることがあるわけでありますけれども、小 学生の中でも特に低学年というのは非常に大変なわけでありまして、これが例え ば三十人とか三十五人とか児童がいると先生方も大変だろうなと。私どもの党は、 すべての学級が定員が三十人以下になるようにというふうに政策としても決めて おりますし、提案もさせていただいておりますけれども、小学校一年生、二年生 は二十人以下ぐらいの学級にしていただくことが望ましいと考えているところで あります。文部科学大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(河村建夫君) 一クラス何人ぐらいが理想かということについては、 まだ確たる数字的なものといいますか、統計的なものが出てきていないんであり ます。できるだけ少人数でやった方が行き届くであろうということ、これは予想 はできるわけでありますし、先生の数が無尽蔵に増やせるものならそれも一つの 方法であると思います。  しかし、今現実、先生をどういうふうに増やすかということで第七次の定数改 善計画を持っておりまして、これ五年間、十三年から十七年まで二万六千九百と いう改善を行います。その中で、先生の定数を確保しながらやっておるところで ございます。  やっぱり、特に委員御指摘ありましたように、低学年についてはできるだけ少 人数でやろうと、あるいはチームティーチングにして二人先生体制でやろうとい うことは、各都道府県教育委員会御努力をいただいておるようでございます。そ こで、地方も自主性を発揮していただこうということで、平成十三年以降は都道 府県の判断でそれが可能なような形を取ってきておりまして、随時運用の弾力化 を図っていただいておるところでございます。  小川委員は二十人と言われましたが、平成十五年度においては三十の都道府県 において小学校低学年は三十五人以下にしようという努力を大変いただいており ます。この実を今上げていただいております。さらに、この十六年度から総額裁 量制という制度を導入いたしまして加配、いろいろ問題がある学校、クラスに先 生を増やしていく加配制度を持っておりますが、そういうものをその少人数学級 をするやつに活用できるような運用を弾力を図るというような努力をいたしてお りまして、これも各都道府県の自主的な判断に基づいて、各地域、地方のその裁 量を増していただきながら、きめ細かな教育の展開がよりやすくなるようにとい うことで努力をいただいております。  私も、二十人でどうだと言われれば、小学校の先生方はそれはたしか二十人で やれば楽になられるだろうな、ある面ではですね。だからそれに向けて、各教育 委員会がそのとき、その学校の実情に応じて、特に都市部については人数が非常 に多い場合があります。そういうところを集中的に減らす努力をしていただくと か、というのは、田舎の方は御案内のようにもう一クラス平均二十人切っている、 大部分そうであります。都市部でそういう問題がございますから、そこへ集中的 に配慮していただくという取組が必要ではないかなと、こういうふうに感じてお ります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 00:04 2004/05/20 □ ------------------------------------------------------------------------  早速と台風が近づいています。お気をつけください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999.03.12 から] ホームページ URL : 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