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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #337 2002/02/13 発行 登録読者(配信)数 3,494 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 講演会EUスウェーデンにおける録音図書利用の現状と将来 2002/02/22 ■ ■ 海外秀作絵本『ありがとうフォルカーせんせい』岩崎書店 2001/12/20 ■ ■ 小セミナー ADHDの理解と支援/山口県小郡町公民館 2002/02/23 ■ ■ 親と医師、教師が語るADHDの子育て・医療・教育 クリエイツかもがわ ■ ■ 障害児教育相談、青森全県で体制整備 東奥日報 2002年2月4日(月) ■ ■ 地域住民が小1授業をサポート 岡山県が制度導入 朝日 2002/02/07 ■ ■ LDの子ども、小中学生の約2% 支援目指す 青森県教委 2002/02/07 ■ ■ 新刊/『学習障害児の通信指導』津田誠一・田口貴春共著 2002/02/18 ■ ■ 埼玉県議会 平成13年6月議会 斉藤正明議員一般質問議事録 06/21 ■ ■ 「食いしん坊な脳・・」でのアスペルガー症候群の説明についての見解 ■ ■ 学習塾「まなの樹」講演会・教室説明会のご案内/川崎市 2002/03/24 ■ ■ 千葉・千葉市緑区 訓練を兼ねたウインナー手作り教室  2002/02/23 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 21:34 2002/02/13 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 講演会EUスウェーデンにおける録音図書利用の現状と将来 2002/02/22 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのご案内 転載・転送歓迎 −−−−−−−−−−−−−  さまざまな障害がある人々の情報アクセス権と著作権の調和  EUとスウェーデンにおける録音図書利用の現状と将来 講演会のご案内 【日時】2002年2月22日(金)18:00〜20:00 【場所】日本財団2階会議室(東京都港区赤坂1丁目2番2号)     最寄駅:地下鉄銀座線「虎ノ門駅」、銀座線・南北線「溜池山王駅」、     丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」) 【プログラム】  17:30〜    受付 18:00〜18:10 主催者挨拶 18:10〜19:10 インガー氏講演 19:10〜19:55 質疑応答、ディスカッション 19:55〜20:00 閉会 【講師】インガー・ベックマン・ヒルシュフェルト女史     Ingar Beckman Hirschfeldt   (スウェーデン国立録音点字図書館館長、DAISYコンソーシアム会長) 【内容】EUにおける著作権等の知的所有権と障害がある人々の情報アクセス権の     調和をめぐる動向とスウェーデンにおける様々な障害者に対する録音図     書サービスについての講演と質疑討論。 【参加費】無料(先着100名:要事前申込制)      同時通訳、パソコン要約筆記、手話通訳、CD-ROM資料、点字版プログ      ラムあり 【主催】日本PCA教育振興会、「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォー     ラム 障害者放送協議会、(財)日本障害者リハビリテーション協会、 【後援(予定)】 内閣府、文部科学省、厚生労働省、スウェーデン大使館 【申込方法・問い合わせ先】  氏名、所属、連絡先(電話・e-mail・FAX)を明記の上、2月20日(木)17時ま  でにe-mailまたはFAXにて以下の連絡先へお申込みください。   連絡先:日本障害者リハビリテーション協会 情報センター   (FAX:03-5909-8284 e-mail:ic@dinf.ne.jp 担当:中村利華) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 海外秀作絵本『ありがとうフォルカーせんせい』岩崎書店 2001/12/20 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.iwasakishoten.co.jp/shop/book/4-265-06806-5.html −−−−−−−−−−−−−− 【書名】『ありがとう、フォルカーせんせい』 【著者】パトリシア・ポラッコ/作・絵 【訳者】香咲弥須子 【ISBN】4-265-06806-5 【体裁】A4変 28.5×22cm 2001年12月20日 本体1,400円 トリシャは絵を描くことが大好き。おしゃべりもできるのに、学校へ行くように なっても文字も数字も読めません。くねくねした形に見えるだけ。5年生になっ たとき、新しい先生がやってきたことで・・・。LD(学習障害)児の心のさけ びと感動の出会いを描く絵本。 −−−−−−−−−−−−−− http://book.asahi.com/review/index.html?info=d&no=943 絵は、とてもうまいのに、文字や数字が読めず、友達からいじめられ、傷つき悩 むトリシャ。そんなトリシャを守り、導き、自信と希望を持たせてくれたフォル カー先生との出会い。LD(学習障害)児だった作者自身の実話をもとに描かれ た絵本=小学校中学年から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 小セミナー ADHDの理解と支援/山口県小郡町公民館 2002/02/23 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのご案内です。 −−−−−−−−−−−− 講 師 高山恵子(えじそんくらぶ代表) 日 時 2002年2月23日(土) 午後1時30分 会 場 山口県小郡町公民館 2階 第1講義室     (吉敷郡小郡町大字下郷609−1 TEL0839-73-0638)  定 員 20名(中学生以上) ※当日の託児はございません 主 催 えじそんくらぶ 参加費 会員1000円  非会員1500円 申込み 氏名・住所・連絡先を明記し下記いずれかの方法でお申込み下さい。     (会員の方は会員番号もお願いします)     FAX:042−962−8683     Email:keiko@e-club.gr.jp     郵送:〒358-0003 埼玉県入間市豊岡1-1-1-924     申し込み締め切りは2月16日(土)とします。  関連ウェブサイト http://www.e-club.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親と医師、教師が語るADHDの子育て・医療・教育 クリエイツかもがわ ■ ------------------------------------------------------------------------ クリエイツかもがわホームページ http://www.creates-k.co.jp/books/645_8.htm −−−−−−−−−−−−−−−− 【書 名】親と医師、教師が語るADHDの子育て・医療・教育 【編著者】楠本伸枝・岩坂英巳・西田清 奈良ADHDの会「ポップコーン」 【 ISBN 】4-87699-645-8 C0037 【本体価格】 2200円 ADHDがもっとも多角的、総合的に理解できるはじめての本−−クラスに一、 二人の割合でいるといわれるADHD児。いま、親や教育、医療も現場では手探 り状態。ADHDとはなにかを正確にとらえる必要がある。親、児童精神科の専 門医、障害児教育に長年携わった教師が、それぞれの立場から語る、ADHDを もっとも多角的、総合的に理解できるはじめての本。 ●すいせん NPO法人 えじそんくらぶ 代表 高山恵子 親の会の活動の中から、すばらしい本が誕生しました。医師・教師・親が三位一 体となって、試行錯誤の中から生み出した「ADHDとうまくつきあうポイント」が 満載。ADHDのノウハウが盛り込まれた待望の本です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 障害児教育相談、青森全県で体制整備 東奥日報 2002年2月4日(月) ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0204/nto0204_13.html −−−−−−−−−−−−−−− 青森県教育委員会 どこに住んでいても、障害の種類や程度に合った支援を受けられるようなシステ ムづくりを目指して県教委は二〇〇二年度、全県的な障害児の教育相談体制整備 に本格的に乗り出す。県内各地にある特殊学校などを拠点に福祉、保健、医療の 各機関が連携・組織化することで、各機関の機能を効果的に活用し障害の多様化、 複雑化に対応しようというもの。インターネットで相談を受ける構想も進行中で、 県教委は「特殊学校の子どもに限らず、通常学級にいるLD(学習障害)やAD HD(注意欠陥多動性障害)の子どもなど、特別な教育的配慮を必要とする多様 なケースに対応したい」と話している。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 地域住民が小1授業をサポート 岡山県が制度導入 朝日 2002/02/07 ■ ------------------------------------------------------------------------ 朝日新聞 関西 2002年02月07日付け http://www.asahi.com/osaka/020207i.html −−−−−−−−−−−−− 授業中に教室を歩き回るなど落ち着きのない子どもたちに対応するため、岡山県 は新年度から、地域住民が小学1年生の授業をサポートする「教育支援員」制度 を導入する。支援員は補助的な学習指導や生活指導、給食の手伝いなどに当たり、 担任教諭を助ける。県は新年度予算に人件費など約1億4千万円を盛り込む予定 で、今月の県議会に提案する。 名付けて「小1グッドスタート支援事業」。県教委によると、授業中に教室の外 に出たり、先生の話をまともに聞けなかったりする「注意欠陥・多動性障害」 (ADHD)症状の小学1年生が、数年前から目立ち始めたという。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDの子ども、小中学生の約2% 支援目指す 青森県教委 2002/02/07 ■ ------------------------------------------------------------------------ 朝日新聞 2002/02/07 http://www.asahi.com/edu/junior/K2002020600470.html −−−−−−−−−−−−−−− 青森県教委が、さまざまな学習障害(Learning Disabiliti es=LD)の子どもたちの実態を把握し、適切な指導と周囲の正しい理解への 方策を探る事業を始める。LDの子どもたちが誤解によって傷ついたり、教師ら 周りの大人もどう指導して良いのかわからなかったりする現状に対し、学校、父 母、専門家などが一体となって支援する体制作りを目指す取り組みだ。 LDは、知能の発達が遅れているわけではないにもかかわらず、読む、聞く、話 す、計算するなど、特定の能力に問題があることが特徴とされる。県教委が97 年に実施した調査では、県内の小中学生の約2%がLDとみられるという。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 新刊/『学習障害児の通信指導』津田誠一・田口貴春共著 2002/02/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ 著者からのご案内です。 −−−−−−−−−−−−−− 2月18日に出版予定です。ただいま申し込みを受け付けております。 【書名】『学習障害児の通信指導』 A5版 47ページ      岡山D&Lスクール 津田誠一・田口貴春共著 【申し込み方法】自費出版のため一般書店では手に入りません。お申し込みは下  記までメール、または直接郵便振替で振り込んでいただいても結構です。 【定価】500円 【送料】200円 【合計】700円 【申込み方法等詳細は下記を見てください】 http://www2k.biglobe.ne.jp/~dlschool/ −−−目 次−−− 岡山D&Lスクールの通信指導   1.通信指導の基本的考え方   2.通信指導の特色 事例1  小学生低学年の指導   1.子どもの様子   2.具体的指導   3.結果とまとめ 事例2  中学生の指導   1.子どもの様子   2.具体的指導   3.結果とまとめ 終わりに 岡山D&Lスクール 〒700-0085 岡山市津島南1-1-4 TEL 086-256-0630   http://www2k.biglobe.ne.jp/~dlschool/   e-mail dlschool@mue.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 埼玉県議会 平成13年6月議会 斉藤正明議員一般質問議事録 06/21 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www1.pref.saitama.jp/~s-gikai/gaiyou/h1306/1306h021.html −−−−−−−−−−−−−− 注意欠陥多動性障害(ADHD−attention-deficit/hyperactivity disorder−) Q いつも落ち着きがなく、手足を動かす、教師が何度注意しても言うことを聞 かない、衝動的な行動が目立つ。そんな特徴を持つ注意欠陥多動性障害への関心 が教育現場で高まっております。  以前なら、しつけが悪い、わがままと片付けられていた子どもの行動が、実は 生まれ持った障害だとすれば、学校での指導方法、親や友達など周囲の対応も、 根本的に見直す必要があります。  アメリカ精神医学界が作成した手引書によりますと、  1、多動性、着席できない、不適切な状況で走り回る。  2、衝動的、順番を守れない、質問が終わる前に答えてしまう。  3、不注意、気が散りやすい、人の話が聞けない の3つが、主な特徴であります。  欧米では、この症状に関する研究は、100年以上の歴史があり、基本的には 中枢神経系の機能障害または成熟障害とみられておりますが、根本原因はわかっ ていないようであります。  ADHDの子どもにかかわる教育や医療の関係者が、今、最も心配しているの は、学級崩壊や犯罪と安易に結びつけられることであると言っております。  東海大学医学部の山崎教授は、学級崩壊の原因は、ADHDではなく、自然発 生的なルールを学ばなくなったり、教師の指導力不足などが背景にあると話して おります。  教育現場では、ADHDの子どもの存在が、崩壊のきっかけになる可能性は否 定できないが、それに引きずられる子どもが増えていることこそ問題であるとす る見方が多いようであります。  文部科学省は、今年度からADHD児など通常の教室に在席しながら、特別の 支援が必要な小中学生への対応について、調査研究を実施することになりました が、県教育局の取組姿勢と実態について教育長にお伺いをいたします。 A 桐川 卓雄教育長 ADHDにつきましては、現在その原因が究明されてお らず、その実態や判断基準、効果的な指導方法等について、明確になっていない 状況にございます。  しかしながら、近年、保護者や教職員からADHDに関する相談が寄せられる ようになってきており、その教育の在り方は、今後検討すべき、大変重要な課題 であると認識しております。  お話にございましたように、国においては、ADHDについて、総合的な調査 研究に今年度中に着手すると聞いておりますので、県といたしましては、積極的 にこの調査研究の指定を受けるなど、注意欠陥多動性障害のある児童・生徒の教 育について、適切に対応してまいりたいと存じます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 「食いしん坊な脳・・」でのアスペルガー症候群の説明についての見解 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.ypdc.net/kinkyuuapi-ru.htm からの転載(全文) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  −−−−緊急アピール−−−− 「食いしん坊な脳うつになる脳」における          アスペルガー症候群の説明についての見解                    よこはま発達クリニック 内山登紀夫  「食いしん坊な脳 うつになる脳」(脳の不思議がわかる本,スティーヴン・ ワーン著,石浦章一監修,原山美樹子・宮島冬奈著 中経出版 2001年12月発刊) (以下本書)においてアスペルガー症候群に関する記載があります.アスペルガ ー症候群およびハンス・アスペルガーについて誤解に基づく記述があります.さ らに問題なのは日本の社会において未だ存在そのものもよく認知されていないア スペルガー症候群に対して偏見を助長する恐れが強い偏った記述がされているこ とです.  本書を読まれた読者がアスペルガー症候群に対して偏見を抱かないようにして 頂くために児童精神科医の立場から説明を加えたいと思います.  第4章のタイトルは「罪を犯してしまう脳」です.その第一に「感じることが できない脳 アスペルガー症候群」(202ページ)というタイトルのもとでアス ペルガー症候群のことが「説明」されています.  本書の目次を読まれた方は「罪を犯してしまう脳」の代表がアスペルガー症候 群で,アスペルガー症候群の人は「感じることができない」と思われるかもしれ ません.アスペルガー症候群の人も罪を犯すことはあるかもしれません.それは 「健常」の人も罪を犯すことがあるのと同様です.ほとんどのアスペルガー症候 群の人は犯罪とは無関係です.アスペルガー症候群の人が一般の人と比べて犯罪 を犯す率が高いという証拠は何もありません.またアスペルガー症候群の人は 「感じること」が出来ないわけではありません.感じ方が多数派とは異なるだけ で,敏感な人も大勢います. 本書の内容は多くの問題がありますが,以下の2点については明白な誤解ではな いかと思われます. 第一点:本書より引用 「バロンーコーエン博士は、犯罪者の多くは、アスペルガー症候群に冒されてい るのではないかと考えています。」 この内容は誤解です.引用されたバロンコ-エンの論文のどこにもそのような記 述はありません.そこでバロン−コーエン博士に直接メイルを書き,このような 引用のされ方をしているが,どのように思われるかについて聞きました.以下に バロン−コーエン博士からの返事を掲載します. バロン-コーエン博士からのメイル(2002年2月4日付け) Dear Tokio I am very saddened that Stephan Juan's book has misquoted my 1988 article. It is a very sensitive subject that needs to be sensitively handled. I certainly did not write that "the majority of criminals have AS" or that "the majority of people with AS are criminals". Far from it. The 1988 paper was a single case study, which did illustrate that in ONE man with AS, empathy difficulties did lead to domestic violence. In his case, he was 21 years old and his 'girlfriend' was 71, so the case was of interest for several reasons. In my current clinical work I see patients referred in adulthood for suspected AS, and we confirm the diagnosis in most cases. Of 100 adults we have seen, only a small minority (probably less than 25%) have a history of violent offending or aggression, and other types of crime is even rarer. There is invariably a disability in empathy, but the important thing isthat this does not necessarily lead to criminal behaviour. If anything, the majority of these patients report a strong moral conscience and a concern for the pursuit of fairness and justice. I am happy for you to use any of the above email in any way you choose. With best wishes Simon BC 翻訳  スティーブン・ワーンの本が私の1988年の論文を不適切に引用していることに 対して大変残念に思います.慎重に対応することが必要な非常に微妙なテーマで す.私は「犯罪者の多くがアスペルガー症候群である」とか「アスペルガー症候 群の人の多くが犯罪者である」とか書いたことは絶対にありません.それと反対 です.1988年の論文は一例研究です.アスペルガー症候群の人のただ「一例」を 記載したのです.共感性が乏しいために家庭内暴力に至った一例です.この場合 は青年は21歳で「ガールフレンド」は71歳でした,他にもいくつかの理由もあり 興味深いケースだったわけです.  現在の私の臨床経験において,アスペルガー症候群を疑われて紹介されてくる 成人期の方の多くがアスペルガー症候群の診断が確定されます.今まで診た100 例の成人で,ごく少数が(おそらく25パーセント以下)が暴力的な問題や攻撃性 が過去に見られています.他のタイプの犯罪はさらに頻度が少ないのです.共感 性の障害は常にみられます.共感性の障害が必然的に犯罪に繋がるのではないと いうことが大切です. 患者さんの多くはむしろ強い道徳意識があり公正さや公平さを追求することに関 心があります. このメイルのどの部分をどのような形態で使って頂いても結構です. サイモン・バロン−コーエン またアスペルガー症候群について下記のような「解説」があります. 第二点:本書より引用 「アスペルガー症候群とよばれるこの病気は,1940年代にはじめて認知され,こ の病気の発見者でナチスの青年運動組織について研究していたウィーンの児童精 神科医アスペルガーにちなんでつけられました」 現在アスペルガー症候群と呼ばれている障害のもととなった概念「児童期の自閉 的精神病質」について報告したのはハンス・アスペルガーというウィーンの小児 科医です.現代的な視点からアスペルガーの報告を再検討しアスペルガー症候群 という名称を提唱したのはイギリスの児童精神科医であるローナ・ウイング博士 です.現在ではアスペルガー症候群は自閉症と連続した「発達障害」と考えられ ています.うつ病のような病気とは異質なものであって「病気」であるという記 述は不適切です. またアスペルガー自身の説明について「ナチスの青年運動組織について研究して いたウィーンの児童精神科医」とのみ解説されていますが,この解説ではアスペ ルガーの主要な研究テーマがまるでナチスの青年運動組織のように受け取られか ねません.これは全く事実ではありません.アスペルガーは児童精神科医ではな く小児科医で大戦後ウイーン大学の小児科教授をしていました.彼が生涯をかけ て障害をもった子どもたちのための「治療教育学」の研究と実践に取り組みまし た.  「ナチスの青年運動組織について研究したいた」という点については私自身は 初耳だったので,ローナ・ウイング博士に尋ねました.ウイング博士は,ドイツ 出身のイギリスの心理学者でアスペルガー症候群の研究者であるウタフリス教授 に問い合わせてくださいました.フリス教授はメイルを下さり,ご自身の見解を 日本のホームページで公開されることに同意されました. 以下ウタ・フリス教 授のメイルの内容です. ウタ・フリス教授のメイル(2002年2月1日付け) It is sad that inaccurate accusations are being made against Hans Asperger, one of the pioneers who identified autistic disorders. Hans Asperger had the misfortune of being born at a time and in a place which is forever tainted by the crimes of the Nazi regime. Asperger stated that he took part of the Youth movement and this has been held against him. However, the Youth movement predated Hitler. It was eventually absorbed into the Hitler Youth, a premilitary organization that every boy was forced to join. At that point Asperger was an adult and had already left it. People continue to have a deep suspicion of people who did not openly protest or show resistance during the Nazi regime. This applies to the vast majority of the population, many of whom lived in fear. Asperger was brave in speaking out about the value of individuals who did not fit into society. According to eye witnesses he saved people with mental handicap from being sent to other hospitals where they would probably have died. Asperger was known to have deeply held religious beliefs and high ethical standards. Uta Frith. 翻訳  自閉症を見出した二人のパイオニアの一人ハンス・アスペルガーに対してこの ような不当な批判がされていることは残念です.ハンス・アスペルガーは不運に もナチスの犯罪が永遠に汚染している時代と場所に生を受けました.アスペルガ ーは青年運動に関与したと述べ,そのため一部で批判されたことは事実です.し かし,青年運動はヒトラーの登場以前に始まっていました.後にヒトラーユーゲ ント(すべての少年が強制的に参加させられる軍隊の前段階の組織)に吸収され てしまうのですが,その時にはアスペルガーは成人になっていて既に退会してい ました.人々はナチの時代に公然と抗議や抵抗をしなかった人に対して深い疑惑 の念を持ち続けるのですが,このような時代それはほとんどすべての人々に当て はまります.多くの人が恐怖に中で生きていたのです.アスペルガーは勇敢にも 社会に適応できない人々にも個人としての価値があることを訴えました.彼は知 的障害をもつ人々が彼の病院以外に送られること(死んでしまう可能性がありま した)を阻止し多くの人々を救ったという複数の証言があります.アスペルガー は信仰深く高い倫理観を持つ人として知られていました. 以上の2点からだけでも本書のアスペルガー症候群に関する記述は問題が多いこ とがわかると思います.著者はアスペルガー症候群についての正確な知識を持っ ていないと思われます. 今回の件についてはローナ・ウイング博士,ウタ・フリス教授,サイモン・バロ ン−コーエン教授に大変迅速にご助言を頂きました.ウイング博士はフリス教授, バロン−コーエン教授にも声をかけて下さりお骨折り頂きました.3人の先生方 が異国のことについても自分のことのように心配してくれ,それぞれのご見解を ホームページなどで公開することにも快く同意頂きました.自閉症協会東京都支 部の方々,多くの友人の方にもご協力頂きました.ありがとうございました. 本ホームページの内容はその性質上,ご自由に印刷・回覧,リンクなどして頂い て構いません.協力して頂いた方々に反響をお知らせするために,できればリン ク,転載などについてお知らせいただければうれしいです.                             2002年2月5日(火) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 学習塾「まなの樹」講演会・教室説明会のご案内/川崎市 2002/03/24 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのご案内です。 −−−−−−−−−−−−−−− 学習塾「まなの樹」開設に先立ち、教室説明会と講演会を開催します。 日 時 2002年3月24日(日)13時〜15時30分 会 場 まなの樹 川崎市宮前区小台2−6−8 エスポワールビル2階       定 員 30名  参加費 無料 教室説明会 まなの樹で開講するコース内容、時間割、指導について説明。 講演会 テーマ 「将来を考え、今なにをすべきか」 13時30分 講 師 山田 裕康 氏 LDライフ研究所 所長、全国LD親の会 前会長 申し込み  氏名、住所、電話番号を明記の上ファックスで。       後日こちらから確認の連絡をさせていただきます。 受付開始日 2002年3月9日(土) 教科学習やソーシャルスキルトレーニングを、一人ひとりのお子さまの状態に合 わせて行います。 教室名 まなの樹 (代表 斎藤 敬子) 開設日 2002年4月2日(火) 対象学年 幼児(年長)から中学3年生まで 場 所 川崎市宮前区小台2−6−8 エスポワールビル2階      交 通 東急田園都市線「宮前平」南口駅前 お問い合わせ、パンフレットご希望の方は下記までご連絡ください。              TEL 044−857−6581       FAX 044−857−6591 お問い合わせ受付開始 2002年3月9日(土) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 千葉・千葉市緑区 訓練を兼ねたウインナー手作り教室  2002/02/23 ■ ------------------------------------------------------------------------ 日 付  2月9日、23日の土 費用 1800円 午後1時、千葉市緑区の「子供の森」(JR外房線土気駅から無料送迎車)。 子どもの指先の訓練。小、中学生対象。タオル、ハンカチ、保存容器持参。 材料費1800円。各日定員6人。要予約。 主催はLD(学習障害)保護者の会「はなぶさ」。 問い合わせは下記参照 http://www.asahi.com/life/house/diy/0124b.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 21:34 2002/02/13 □ ------------------------------------------------------------------------  家の庭の梅が咲き始めてしまいました。。。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ LDニュースへ講演会等のイベント情報掲載を希望される方へ・・・ ★ 詳しくは下記サイトをご覧下さい。 ★ http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/sample.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員になってください! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問にはお答え出来ない場合があります ■ ■ LDニュースの記載内容を転載される場合には必ず下記までご連絡下さい ■ 親の会「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999.03.12 更新] ホームページ URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998.07.31 更新] i-mode 版 URL : http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/i/ [2000.05.10 更新] LD 関連の情報交換・意見交流・質問は下記の「LDフォーラム」をご利用下さい LD-FRM URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/LD-FRM/ [2000.08.17 更新] 編集に際し正確を期していますが、最終保証責任は免責とさせていただきます ■ 挿入されている広告内容や広告主と親の会「けやき」は一切無関係です ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  LD NEWS は「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています

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