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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #275 2001/07/02 発行 登録読者(配信)数 3,236 ■ ■ LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 琉球朝日放送ステーションQ 放映番組「LDのこどもたち」 2001/06/20 ■ ■ 「十五歳・学校IV」上映と山田洋次監督トーク/埼玉会館 2001/07/14 ■ ■  和歌山県の「特殊教育に関するQ&A」 和歌山県教育委員会作成資料 ■ ■ 東京都練馬区広報紙より「平成13年度予算・事業案」 2001/02/11発行 ■ ■ 平13 第1回我孫子市議会定例会 教育委員会施政方針 障害児教育の充実 ■ ■ 平成13年2月鳥取県議会定例会「LD/ADHDの対応について」 2001/03/14 ■ ■ パルレ講演会 教室の中のLD児たち 〜学校での支援・地域との連携〜 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 06:53 2001/07/03 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 琉球朝日放送ステーションQ 放映番組「LDのこどもたち」 2001/06/20 ■ ------------------------------------------------------------------------ 琉球朝日放送2001年6月20日(水曜夕)ステーションQで放映された「新こころを 育む 11 〜LD学習障害のこどもたち〜」のストリーミングビデオが下記サイトで 閲覧できます。  http://www.qab.co.jp/headline.html  http://www.qab.co.jp/real/0620-08.ram -------- 再生には REAL TIME PLAYER が必要です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 「十五歳・学校IV」上映と山田洋次監督トーク/埼玉会館 2001/07/14 ■ ------------------------------------------------------------------------ 日 時 2001年7月14日(土) 開場 17:45 トーク 18:15 上映 19:00 会 場 埼玉会館大ホール JR浦和駅下車徒歩10分 前売り 小中校生・シニア900円 大人1200円 当日券 小中校生・シニア900円 大人1400円 主 催 「15歳」浦和上映実行委員会 TEL/FAX 048-873-3853                   TEL/FAX 048-833-7342 後 援 さいたま市教育委員会・さいたま市PTA連絡協議会 協 力 映画「十五歳・学校IV」埼玉上映をすすめるネットワーク・彩星学舎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■  和歌山県の「特殊教育に関するQ&A」 和歌山県教育委員会作成資料 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.wakayama.go.jp/prefg/500200/tokusyu.html -------------------- 特殊教育に関するQ&A Q1 特殊教育とはどのような教育ですか。 A  障害があるため、小学校、中学校の通常の学級における教育では十分な教育効 果が期待できない児童生徒がいます。これら教育上特別の配慮が必要な児童生徒 に対し、障害や発達段階、特性に応じてよりよい環境を整えた教育を行う必要が あります。  このような必要から行われる学校教育の一分野を我が国では「特殊教育」とし ています。  また、文部省特殊教育課が省庁再編によって平成13年1月から文部科学省特 別支援教育課と改編しました。特別支援教育として、学習障害や注意欠陥多動性 障害、高機能自閉症等といった特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応 も含めて、新しい世紀を迎えて特殊教育に対するニーズも大きくなってきていま す。  Q2 和歌山県ではどのような教育目標を立てて、特殊教育を行っていますか。  A  本県の豊かな自然を教育に生かして、「くろしおの流れのようにたくましく、 降り注ぐ太陽のように明るい子ども、そして障害にうち勝つ強い子ども」を育て ていきたいと願っています。  特殊教育については、障害のある子どもたち一人ひとりが、自らのよさや可能 性を生かし、もっている力を十分に発揮することができるよう、特別の配慮のも と、手厚く、きめ細かな教育を行うことが重要と考えています。このため、子ど もたちの障害の状態や保護者の願い、また時代や社会の要請を踏まえて、積極的 に社会参加、社会自立するための能力と態度を育成しています。  Q3 和歌山県では、盲・聾・養護学校の設置等に係る施策はどのようなもので    すか。 A  南北に長いという本県の地理的な条件を勘案するとともに、肢体不自由と知的 障害それぞれの障害に対応した養護学校の適正配置に努めてきました。  現在、特殊教育については、「高等部教育の充実」、「交流教育の充実」、 「早期相談体制の確立」などが課題となっています。  高等部については、全国盲・聾・養護学校の高等部設置率が約75%に対して、 本県では100%設置しており、中学校特殊学級から養護学校高等部への進学率 が、全国平均では約77%にとどまっている中、本県では希望者は原則として 100%進学できる体制をとっています。 ------- 以下略。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都練馬区広報紙より「平成13年度予算・事業案」 2001/02/11発行 ■ ------------------------------------------------------------------------ 事業名 医療教育相談員の配置 【予算127万円】     総合教育センター内に、精神科医を医療教育相談員として配置し、学習     障害(LD)や自閉症などに関する相談に応じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 平13 第1回我孫子市議会定例会 教育委員会施政方針 障害児教育の充実 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.city.abiko.chiba.jp/congressional/3con/3_edreport.html ------------------------------- 四つ目は、障害児教育の充実です。 就学指導委員会が行う就学に関する協議事項を充分検討し、適切な就学の措置を 考えていきます。また、重複障害児及び学習障害児の指導については、スーパー バイザーの活用を図り、教職員の研修の充実と、介助員の適切な配置をしていき ます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 平成13年2月鳥取県議会定例会「LD/ADHDの対応について」 2001/03/14 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www1.pref.tottori.jp/gikai/sokuho/130314/3a.htm http://www1.pref.tottori.jp/gikai/sokuho/130314/3b.htm ------------------------------- ◯知事(片山善博君)(登壇)これより、本定例県議会に提案いたしました平成 12年度鳥取県一般会計予算を初めとする諸議案につきまして、その概要を御説明 申し上げます。  私は、知事に就任して以来、「開かれた県政」「県民とともに歩む県政」の実 現を目指し、県政に関する情報を積極的に公開し、県民の皆様の声に耳を傾ける とともに、この議場を初めとするオープンな場での議論に基づき、県政の諸課題 に取り組んでいるところであります。 --------- 中略 ---------------  第3に、「未来を担う、新しい世紀の人づくり」についてであります。  学校教育が直面するさまざまな問題に取り組むとともに、生徒の学力向上や特 色ある教育を可能にするため、小学校1年生の複式学級の解消、中学校の不登校 生徒への対応、学習障害等に関する指導の充実、高等学校教育改革に伴う特色あ る学科・コースの教育の充実等を図ることとし、そのために必要な教員、講師を 増員することとしております。また、教員の長期海外派遣研修を充実すること等 により、その資質の向上を図りたいと考えております。 --------- 後略 ---------------- ◯3番(伊藤保君)(登壇・拍手)私は、事前に通告しておりますとおり、行政 評価システムと臨時財政対策債、市町村合併、さらにはLDとADHDの対策について、 片山知事並びに有田教育長にお尋ねをいたしたいと思います。 --------- 中略 ---------------  最後に、LD及びADHDの対応について、片山知事並びに有田教育長にお尋ねをい たします。  議員の皆さんも余り聞きなれない言葉だと思いますが、LDとはラーニング・デ ィスアビリティーズの頭文字をとったもので、学習障害と言われるものです。つ まり、LDは知的な面ではなく全体のおくれはありませんが、特に学習に関した読 むこと、書くこと、計算など一部の能力の習得と使用に著しい困難を示すさまざ まな状態を指すものであると言われております。また、ADHDとはアテンション・ デフェセット・ハイパーアクティビィティ・ディスオーダーの頭文字をとったも ので、注意欠陥/多動性障害と言われるものです。代表的な症状としては、落ち つかない、衝動的、興奮しやすいというものであり、専門医の診断が必要とされ ております。ともに日本語的には学習障害、注意欠陥/多動性障害という解釈が なされており、障害というイメージが前面に出てしまうということもありますが、 体の病気などではなく、ともに一つの個性ととらえた方がよい場合も多くあると 言われております。したがって、私は、LD、ADHDという表現で問題提起をさせて いただきたいと思います。  このLD、ADHDは、児童生徒の問題行動の一因になり得るとも指摘がある中で、 今、教育の中において新たなる課題とされております。そうした中、鳥取県教育 委員会においても、昨年度から小中学校課の中に障害児教育室を設置され、積極 的に取り組みを展開されているわけでありますが、鳥取県教育委員会としては、 県内の小中学校にLD、ADHDの児童生徒がどの程度在籍しているのかを把握されて いるのか、お尋ねをいたします。  私が見ている限りでは、学校現場でも地域においてもLDやADHDについての正し い理解はほとんどされておらず、多くの子供についてもわがまま、変わり者、指 導が困難などと解釈されている実態があるのではないでしょうか。また、LDやAD HDの該当者がいても、だれもが気づかぬままに放置されているのが大部分で、い じめや不登校、児童虐待につながりやすい要因の一つだと思います。中には不登 校になり、相談機関、医療機関にかかって初めてLDやADHDの該当者と認知される ケースが圧倒的に多い状況であると聞いております。そこで、有田教育長に何点 かお伺いをいたします。  まず1点目は、保護者を含め現場の教師にLDやADHDをどういう手法で正しく認 識をさせていかれる計画なのかをお尋ねをいたします。もちろんLDやADHDの定義 のあり方も含めてであります。  2点目は、LDやADHDの児童生徒に対して適切な教育が行われるようにするため、 どのように取り組んでいかれるのかということであります。  3番目は、LDやADHDの児童生徒の進路保障をどう考えておられるかということ であります。特に中学校に入ってからの指導では適切な進路保障が極めて困難と 思われますが、いかがでありましょうか。  また、県内にはLDやADHDの専門医師が非常に少ないと聞いておりますが、相談 体制を充実させる意味で何らかの対応策を考えておられるのか、お伺いをいたし ます。  さらに、ADHD、注意欠陥/多動性障害は、保育所の段階、つまり3歳から5歳 の間に症状があらわれる子供もあり、早い段階から専門医による治療や適切な指 導をすれば中学生くらいには症状がおさまる子供もあると言われており、保育所、 幼稚園における指導体制の充実が求められるわけでありますが、それぞれどう対 応を考えておられるのか、片山知事並びに有田教育長にお伺いをし、1回目の質 問を終わりたいと思います。 ◯福祉保健部長(林喜久治君)お答えいたします。  学習障害、あるいは注意欠陥/多動性障害の相談体制の充実についてでありま す。  専門の医師が少ないではないかというふうなお話もございましたが、現在は鳥 取大学医学部、あるいは鳥取大学の地域教育科学部、県立皆生小児療育センター、 国立西鳥取病院などにLDやADHDの専門の医師が在籍しておられまして、相談や治 療に対応していただいております。数はそう多くはございません。  また、県の保健所で実施しております発達クリニック、母子保健関係でござい ますけれども、これらの場でもそういった専門の医師の応援をいただいておると ころであります。  さらに、鳥大医学部の脳神経小児科の竹下教授から提案がございまして、昨年 の11月、知事も出席をいたしまして、障害児のための福祉教育、あるいは医療関 係者による情報交換会の場を設けたところであります。これまで2回の会議を開 催し、LDやADHDへの対応を含めて話し合いを行っているところでございます。ま だ始まったばかりではありますが、今後、この会議の場を通じて関係機関による 相談体制の充実や連携強化について協議を進めたいというふうに考えております。  次に、保育所への対応でございます。  保育所の保育士が障害をよく理解し、子供の障害に早く気づき、専門医への相 談につなげることが非常に大切であろうと考えております。先日も県立皆生小児 療育センターの専門医師が講師となって、保護者や保育所、幼稚園の職員等を対 象にセミナーを開催したところであります。今後、関係職員はもちろんのこと、 保護者に対しても適時・的確に情報提供をするなど、理解の促進を図っていきた いというふうに考えております。  また、児童相談所の相談対応や保健所の発達クリニック、さらには今年度から 開始している地域療育等支援事業について、保育所などへの周知を図っていきた いというふうに考えております。  なお、先般新聞で報道されておりましたけれども、厚生労働省におきましては、 来年度を目途に注意欠陥/多動性障害の子供に関する指針を作成しておられると いうことでありまして、これが完成次第、本県においても活用を図ってまいりた いというふうに考えております。 ◯教育長(有田博充君)LDいわゆる学習障害、ADHD、注意欠陥多動性障害、この ことにつきましての6点御質問がございました。順次お答えいたします。  この言葉そのものが、あるいはましてやどういう子供の状態を指すのかという こと、これはまだ耳新しい言葉でもあり、状況が十分に把握できていない、この ことが全体を通しての実感であります。  ただ、LD、いわゆる学習障害と言われている子供たちは、我が国にあっては平 成5年ごろから教員の研修会であるとか、あるいはマスメディアの中にも登場し ているやに聞いておりますし、一方のADHDに関しましては、ごくここ2〜3年か らの用語ではないかというふうに思います。いずれも新しい子供たちの発達障害 の概念であるというふうに理解をしております。  第1点目のお尋ねでありますが、県内小中学校における在籍者数であります。 これは本年2月現在の調査でありまして条件つきであります。医師が診断したも の。先ほど福祉保健部長からございましたように、県内を中心とした専門の医師 が診断したものに限定しますと、その結果は、学習障害児、LDの方は小学生で44 名、中学生で23名、合計67名。さらに注意欠陥/多動性障害児にありましては小 学校で68名、中学校で10名、合計78名。しかし、これは限定をしました数値であ ります。  教育的な観点から、この判断であるとか、あるいは実態把握の体制がまだまだ 十分ではありません。したがって、この数を申し上げましたけれども、県内の児 童生徒の数も、まだ多いのではないかという実感を持っております。全国的には、 アメリカにありましては合衆国全体で4.89%、州によるばらつきはあるようです けれども、約5%という報告もあるようでありますし、我が国にありましても関 東周辺で2.2%、これは後にも触れますけれども、現在日本の第一人者である東 京学芸大学の先生の調査結果でもあるようです。  先ほど申しました鳥取県におきます小中学生の数字は、割合にしまして0.11% となります。全国的には我が国にあっては2から4%、あるいは3から5%程度 ではないかというふうに類推をされております。  2つ目に、こうした発達障害の概念について、保護者であるとかあるいは教師 に対する理解、啓発が必要ではないかと、おっしゃるとおりであると思います。 率直に言いまして、私どもも今、本年度からの障害児教育室の立ち上げを通しな がらこうしたことを急速に勉強しているところでもあります。とりわけ教師に対 するということも急がれますので、本年度から3名ではありますが、先ほど申し ました第一人者と言われておりますところの教授が在籍の東京学芸大学に3名の 教員を派遣をして、直接研修に当たらせ、実地にも当たらせております。13年度 以降も引き続き派遣をお願いしたいと考えておりまして、そうした専門的な研修 を積み、さらにそれを多くの教員に波及させていく、この繰り返しをやりながら、 国の指示を待つまでもなく独自の対応を行っているところであります。  保護者に対しましても、同じように正しい理解が必要なことは申し上げるまで もございません。教員だけでも当然限界がありますから、県内の医療の専門家の 方々のお力をおかりしなければいけませんので、福祉保健部との引き続きの連携 の強化も図っていきたいと考えております。  3つ目に、適切な教育をどのように行おうとしているのかということでござい ます。まずは乳幼児の段階からさまざまな教育が重要であるというふうに考えて おりますけれども、とりわけ小学校、中学校のできるだけ多くの教員が、LDある いはADHDに対して正しい理解を急速に広げていく、深めていく、このことがまず 私どもにとっては急を要することのように考えております。  先ほど触れましたように、学習障害等の専門教員をどうやって年次的にふやし、 さらにその輪を広げていくのか、波及効果を高めていくのか、このことについて も引き続き努力したいと思っておりますし、さらに来年度、13年度からは、学習 障害の判断であるとかあるいは実態把握の体制をどう確立するか、こういったこ とを中心とした研究学校としまして、町立の大栄小学校で文部科学省の委嘱事業 を実施してもらうこととしております。この学校に在籍児童が多いということで はなくて、中心的な研究をやっていただき、県内に広めていただこうというねら いであります。  その次に、進路保障ということであります。これもまた非常に重要であり、か つ現在ではなかなかすぐに結論の出せない重要な課題であります。まずは早期に 発見をして、どういう対応をして、そしてできるだけその障害を軽くさせること ができるのか、こういったことにも当然意を注がなければなりません。これを放 置しておきますと、お話しの非常に重要な進路の保障を欠くことにもなりかねま せん。そういったことがございまして、まずは学校に在学している段階で具体的 にはどのようなことをしなければならないのか、全くまだ手つかずと言っていい ような状態でありますから、具体的な対応のあり方、そして将来を見通したこれ から末永く力強く生きていくための、すなわち進路の保障をしていくための具体 的な手だてなどについても多くの方々のお力をおかりしながら検討したいし、そ して必要な手だては、また順次予算要求等でもお願いをしていかなければならな いと考えております。  いずれにしても、強い問題意識を持って、専門家の方々などのお知恵をおかり しながら、関係機関との連携を密にしたいと考えております。  5つ目に、相談体制の充実方策ということであります。LDとADHD、それぞれ多 少の状態の違いはありましょうけれども、いずれにしても新しい概念であります から、教員だけでということは当然限界がございます。教員も資質の向上に努め たいと思っておりますけれども、先ほどからたびたび触れておりますように、福 祉保健部と連携しながら県内の医療機関あるいは県外の大学の専門家の方々、こ ういった方々との連携なり御指導をいただきながら、できるだけ相談体制の充実 に努めたいと思っております。  ただ、先ほどからたびたび触れておりますが、本年度から始めております学習 障害等専門教員をどんどん広げていきたいと思っておりますけれども、あわせま して、こうした教員はただ1つの学校だけに所属するのではなくて、一定地域の 保護者の方々の相談にも対応できるようなそういう仕組みを考えたいと思ってお りますし、さらに13年度から、現在予算でお願いしておりますけれども、県の教 育研修センターの中に新たに学習障害等専門相談員を配置して、こういう症状で あればどういうところに相談されたらいかがですかという、そういう具体的な相 談先の紹介なども含めた相談体制の充実にも努めたいと思っております。  最後に、幼稚園、すなわち小学校に入ってくるまでの指導体制の充実というこ とであろうかと思います。これも議員お話しのように、小学校に入ってくるまで、 できるだけ早い段階でその症状をより的確に判断をして、専門医との連携の上で の治療対応が必要であるというふうに言われておりますから、就学前での対応の あり方というのは非常に大きい重要な意味があると考えております。  ただ、現在の本県におきます一般的な家庭環境なども考慮して、できるだけよ り的確な判断なり、あるいはおやっと思って専門医に相談できるようなそういう いわゆる冒頭にも御指摘がありました保護者に対する啓発、こういったことがよ り一層重要になってこようかと思います。赤ん坊のころから非常に動きが多いと いうことで、単なる多動的な傾向の強い幼児であるのか、あるいは本当にADHDの 要素があるのではないか、それを疑問に持つようなことも含めながら、やはり正 しい理解に向けての啓発に努めなければいけないと思っております。  全体的なことで、これも以前の御質問とも重複するかもしれませんけれども、 小学校に入ってからはもちろん学校教育の充実ということで、教員も大変になり ますけれども子供たちのためでありますから、新しい分野の研修も充実をしなけ ればなりませんが、もっと観点を変えて、学校に入ってくるまでの間に、こうし た状態の子供も含めて就学前のいわゆる幼保一体的な幅広い教育のあり方、ある いは指導体制のあり方、こういったものを鳥取県全体として、より充実方策につ いて引き続き検討する必要性を非常に強く感じているところであります。 ◯(伊藤保君)最後に、LDの問題でちょっと誤解があってもいけませんけれども、 歴史上の人物でありますアインシュタイン、徳川家康、坂本竜馬にしても、また 現在映画俳優で活躍中のトム・クルーズにしてもLDであったと言われております し、今も言われております。  LDに関して言えば、先ほど申し上げましたように、学習に関連した読むこと、 書くこと、計算問題など一部の機能の能力だけに症状があらわれるため、わがま ま、変わり者、怠けているなどということで片づけられる場合が非常に多くて、 教師にしても保護者にしても、専門医の診断でLDと聞けば、何だうちの子はLDか ということでお互いがほっとする。そして、子供に合った指導ができるというこ とであります。  先ほど教育長からあったのですけれども、県の実態調査もされているのですけ れども、やはり県内でも潜在者の数は実際はまだ多いと思うのです。専門家によ っては3%から5%と言われております。やはり定義づけをすることは現時点で は極めて困難な作業であるというふうに思っております。他県では研究会など立 ち上げて、いろんな分野で研究がなされております。したがって、現場の教師の 皆さん、保育士の皆さん、さらには就学指導委員の皆さん、やっぱりあらゆる部 分で研修の場を持っていただいて共通の理解を深めるとともに、保護者にもその 辺のきちんとした認識を深めていただく努力をしていただきたいと思っておりま す。  やはり心配するのは、例えば国語90点、社会も90点、理科も90点、算数だけが 全くだめとこういう極端な例なのです。だから、学校では今のところどうしても その子一人に対して対応できない。塾に行っても塾も今競争時代ですから、塾で もどうしても一人だけ見ていただけない。そういう子は特別な塾に行かないと見 ていただけない、それが現実なのです。そういう部分を本当にきちんととらえて いただいて、それぞれの一つの個性として伸ばしていただきたい。  私は、こうしたLDやADHDの児童生徒が、学校とか地域において差別や偏見を受 けることなく教育を受ける権利を、全力を挙げて保障していただきたいというこ とをお願いいたしまして質問を終わりたいと思いますけれども、もし教育長の方 でコメントがあればお伺いしたいと思います。 ◯教育長(有田博充君)大変重要な課題の提起をいただいております。  まずは、私どもみずからがしっかりと勉強しなければならぬということから、 実はこれは今どれであります。来年4月からぜひ新学期に間に合わせたいという ことで、学習障害児等の理解と指導ということで、今お話のありましたLD、ADHD に関する最も初歩からの認識に関するパンフレットが、やっと2日前にでき上が りました。本日、全議員さんにもお届けすべく事務局には届けております。これ をすべての小学校、中学校、盲・聾・養護学校の先生方にはまず届ける。その前 にも、私たち事務局の指導主事等がしっかり勉強したいと思っております。あわ せまして、保護者あるいは学校関係者等からの御要望にも対応できるように、こ のパンフレットを中心としたものでありますけれども、教育委員会のホームペー ジにもその紹介をしております。学習障害等の理解と指導を含む障害児教育のホ ームページを開設をしておりまして、こういったことの紹介にも努めていきたい と思っております。  私自身、長い間同和教育の実践ということから多くのことを学んできましたが、 今、伊藤議員の御指摘いただきましたこと、例えば最終的には進路の保障も含め て、まずは該当者、児童生徒に対する条件の整備をどうしていくのかということ、 あわせて最後にお話しになりましたように、その子供たちが伸び伸びと生きてい くためには、周りの偏見、差別意識を取り除かなければならない。まずは正しい 理解を身につけなければならない。学校教育ではもとよりでありますけれども、 保護者の方々の啓発も含めて、先ほど申しましたように専門科医等の御指導も受 けながら、福祉保健部と関係機関との連携を深めて、強い問題意識を持って引き 続き努力したいと思っております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ パルレ講演会 教室の中のLD児たち 〜学校での支援・地域との連携〜 ■ ------------------------------------------------------------------------ 日 時: 2001年7月29日(日) 午後1:30〜4:00 会 場: セントラルプラザ  10階 JR総武線 飯田橋駅西口 講 師: 阿子島茂美先生 明星学園教諭      川戸 康暢先生 発達共助連代表 テーマ: 教室の中のLD児たち〜子ども達の視点から〜 参加費: 一般:1000円  正会員:無料 受 付: 先着45名 会員優先 問合せ: e-mail : kumikt@cts.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 06:53 2001/07/03 □ ------------------------------------------------------------------------  各地の議会等で、LD児・ADHD児対策について、具体的な質疑がされるようにな ってきました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ LD親の会「けやき」の正会員・通信会員・賛助会員になってください! ▼ ▲ 入会方法等はこちら → http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/join.html ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 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