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LD(学習障害)ニュース #219 2001.01.06 発行 登録読者数 2,907
LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997.9.10創刊
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■ 平成12年3月定例会 大阪府議会文教常任委員会に於けるLD関連質疑 ■
■ コミュニケーション支援教材 −学習障害児への理解と対応− 紹介 ■
■ 高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と援助 内山 登紀夫 氏 ■
■ アメリカ視察日記 ニューヨーク市内の学校訪問 MES 2000/12会報 ■
■ NEW MEDIA 2000/6号 成毛さん阿多さんとナミねぇのスーパー鼎談 ■
■ 大阪府 学校教育審議会第3分科会審議経過(第8回) 1998/03/23 ■
□ 編集後記 ------------------------------- 22:19 2001/01/05 □
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■ 平成12年3月定例会 大阪府議会文教常任委員会に於けるLD関連質疑 ■
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質問者 北口裕文 議員(民主・府民ネットワーク)からの許諾を得て掲載い
たします。
http://homepage2.nifty.com/kitaguti/bunnsitu1203.htm から抜粋。
−−−−−−−−−−−−−−−−
●(北口裕文 君) あと二題あるんですが、その最後に感想を述べさせて
いただきますので、今は差し控えますが、養護学級に在籍する子供たちにつ
いては、障害の状況に応じた教育が行われていると考えております。通常の
学級に在籍する障害のある子供の実態はどうなのか。とりわけ、最近これま
で障害があると考えてこなかった学習障害、要するにLD、あるいはADH
Dの問題ですね。これからさまざまな障害についても研究が行われていくで
あろう。その対応について今社会的に大きな課題となっていると聞いており
ますけども、教育委員会の御認識はどのようになっておりますか。
●養護教育課長(山本和美 君) 近年の研究によりまして、これまでは単
に性格などのために学習効果が上がらないとか、授業に集中できないなどと
考えていた子供たちのうち、脳の中枢神経系の機能障害がそうした原因では
ないかと考えられる例が指摘されるようになってきております。特に、学習
障害児−−LDとか、注意欠陥多動性障害、いわゆるADHDなどについて
の研究が進んできておりまして、学習上、特別な配慮が必要であり、また指
導内容とか指導方法を工夫すれば、学習の効果が上がるというふうな報告が
少しずつ出てきております。
これまでの研究報告などから、学習障害につきましては、基本的に知的な
おくれはございませんが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどの能力の
うち、特定の領域の習得に著しい困難を示す状態のことを言っております。
また、ADHDにつきましては、注意の持続が困難であったり、教室の自分
の席に落ちついて座っていることができなかったり、衝動的な言動で対人関
係が困難になるというようなことが多いといった状態のことを指していると
考えられます。こうした状況にある子供たちが、ある種の障害を持つのでは
ないかというふうに考えるようになってきております。
このような障害につきましては、現在なお研究途上でございまして、対応
に悩む保護者、教員に対しまして、現在確立した指導方法等を示すまでには
至っておりませんが、今後学習障害児等、通常の学級に在籍する障害のある
児童生徒をどう指導していくかが大きな課題であるというふうに認識してお
ります。
●(北口裕文 君) では、まだ具体的な指導はなされていないというわけ
でございますね。しかし、実際には特別な配慮をしていただかなければなら
ない子供たちがいるということも御認識されておられると思います。実態は
どうなのか、どれだけそうした障害を持った子供がいるとお考えでしょうか。
●養護教育課長(山本和美 君) 学習障害等の児童生徒につきましては、
現在一部の市におきまして教員等によります事例研究、あるいは実践交流な
どが行われており、また教育振興センターや市町村などでも、通常の学級の
教員も対象にして、これらの児童生徒に対する理解や指導に関する研修が始
められたという段階でございます。
実態につきましては、現在国の特殊教育総合研究所におきまして調査研究
をしているところでございますが、文部省によりますと、学齢児童生徒数の
約一%が、学習障害等によりまして通常の学習では十分な教育効果を上げる
ことが困難な状態にあるのではないかということでございます。
大阪府におきましても、今後市町村教育委員会の協力を得ながら、こうい
った児童生徒の状況につきまして調査を進めてまいりたいというふうに考え
ております。
●(北口裕文 君) 実態調査はしていただくといたしまして、学習障害児
について教育委員会として今後どのような対応を考えておられるのか、お聞
かせください。
●養護教育課長(山本和美 君) 府教育委員会といたしましては、これら
の学習障害等の課題について、現在一部の市町村だけの問題ではなく、府全
体の問題であるというふうに考えております。今後、市町村教育委員会とも
連携し、積極的にこの問題に取り組んでいく必要があるというふうに考えて
おります。そのため、一つは学習障害児に対する指導につきまして、国の委
嘱事業の利用も図りながら、指導内容とか指導方法等の工夫改善を進め、学
習内容に対応した教材作成のノウハウを研究するとともに、これらの成果を
各学校で十分活用していただけるよう努めてまいりたいというふうに考えて
おります。
●(北口裕文 君) 実際、学習障害を持っていると言われている児童生徒
につきましては、いろいろな偏見も今生まれてきつつあります。そちらのス
ピードの方が速くなってきている。広く市民にその認識を持ってもらって、
一つの個性としてその子たちを見ていただけるようになるには、よほどの研
究といいますか、先生方の御理解が必要となってくるわけです。
実は多動性の子供につきましても、私が運営しております施設におきまし
ても、本当に七割というのはオーバーですが、六割近くは注意欠落という形
で顕著に出てきておりますけども、指導の仕方によっては、その子供のペー
スによりますけども、必ずそのサイクルが緩やかになってくる。解決はまだ
しておりませんが、緩やかになってくるということも、今はっきりと私この
場で断言できます。
ですから、早い間にその指導に当たられる先生方は、その教育について理
解を求める。そういう研究をなさる先生方に対して、府教委は時間をつくっ
てあげていただきたい。日々の学級活動あるいは学校運営の中で、こういっ
た特殊な研究をせよ、あるいは研修をせよといいましても、これは非常に難
しい問題でございます。ですから、そういった先生方、あるいは私思います
のには、どうか手を挙げて進んでそういった研究をしてくれる先生方を望む
わけでございます。
子供たちはよく知っておりまして、無理やりさされてるとか、あるいは愛
情のない接し方で指導されておりますと、決してその先生に従おうとはしま
せん、心からですよ。表立っては従っておりますが、心から接しようとはし
ない。特に障害を持つ子は、自分をかばう、保護をするという本能がござい
ますから、情熱のある先生にぜひともこの研究に当たっていただけるように
御指導をお願いしたい、このようにお願い申し上げておきます。
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■ コミュニケーション支援教材 −学習障害児への理解と対応− 紹介 ■
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コミュニケーション支援教材 −学習障害児への理解と対応−
下記サイトで紹介されています。
http://www.tek.co.jp/klasse/mori/soft/b.html
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■ 高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と援助 内山 登紀夫 氏 ■
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高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と援助
内山登紀夫先生(大妻女子大学・よこはま発達クリニック)
下記サイトで紹介されています。
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/atoz3/ask/utiyama/index.html
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■ アメリカ視察日記 ニューヨーク市内の学校訪問 MES 2000/12会報 ■
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MES 障害者とコンピュータ利用教育研究会 2000年12月会報 NO.123 所収
大杉成喜 国立特殊教育総合研究所
下記サイトで紹介されています。
http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/naritas/mes/december2000/mestext.html#topic3
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■ NEW MEDIA 2000/6号 成毛さん阿多さんとナミねぇのスーパー鼎談 ■
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http://www.prop.or.jp/clip/200006teidan.html を参照。
マイクロソフト日本取締役特別顧問・成毛真氏によると、納税世界一のチャ
レンジドは、アメリカの俳優トム・クルーズで、納税額は10億円を下らない
だろうとのこと。
トム・クルーズは読字困難(ディスレキシア)のため、台本に書かれたセリ
フを読んで覚えることはできないが、抜群の記憶力を駆使し、耳で聞いて覚
えることで乗り越えているという。また、自らディスレキシアであることを
公表し、ディスレキシアのための支援活動にも取り組んでいる。
● 納税世界一のチャレンジドは −−−−−−− 以下引用。
[成毛] それと、障害を持っている人たちへの一般にイメージが、どうも車
椅子の人とか脳性麻痺の人に偏ってますよね。学習障害とか自閉症
とか、いままで見えなかった障害を持つ人がかなりいる。もっとそ
ういう人に光が当たらなければいけない。
−−−−−−−−−−− マイクロソフト日本取締役特別顧問 成毛真 氏
● 1991年マイクロソフト代表取締役社長に就任。 2000年5月、取締役特別
顧問に就任。1999年より社会福祉法人プロップ・ステーションの理事も
務める。
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■ 大阪府 学校教育審議会第3分科会審議経過(第8回) 1998/03/23 ■
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転載(抜粋)元は下記サイト。
http://www.pref.osaka.jp/osaka-pref/kyoisomu/gakyosin/keika38.htm
−−−−−−−前略−−−−−−
●
・ 特別なニーズに応えた特別なケアを受ける権利の保障ぬきに、ノーマラ
イゼーションの方向は考えられない。
【基本理念と関わることについて】
・ 理念をどう実現していくかについては、あまりにも意識変革が強調され
すぎている。
人権尊重の意識が基盤となるとなっているが、少なくとも、「人権尊重
の環境整備とすべきである。教育を受ける権利の実質的な保障である具
体的な諸条件整備をぬきにして、意識改革だけでは、障害者の社会参加
や平等は実現しない。
【互いの違いを認め合い、一人一人の尊重する教育について】
・ 健常児と時間や空間を同じくする機会を限りなく広げていっても、適切
な支援サービスの提供がなければ安上がりの統合になってしまう。「違
いを認め、心のバリアを取り除く心の教育の強調」ということは、一面
的であり、障害児に対する周りの理解だけでは、問題は解決しない。ど
のような条件整備、特別なケアをすれば通常の教育の中で一人一人の発
達が保障されるのか、障害や発達によっては、限度や限界がないのかな
ど実践の成果を反映させていく必要がある。教育センターの項では、通
常の学校・学級における障害のある子どもたちの実践の成果もまとめて
いく必要がある。
・ 養護学級に在籍する場合でも、ほとんど通常の学級で教育を受けている
例がある。また、通常の学級に在籍している障害のある児童生徒の実態
をつかめていないのが問題である。
・ 養護教育の基本認識の「・・・その可能性を最大限にのばし、可能なか
ぎり、・・」の「可能な限り」を削除する。
・ 「・・・お互いの違いを認め合い・・・」を「お互いの人格を認め合う」
や「特別なニーズを認め合う」に書き換えたい。障害も個性だから単な
る違いだというおさえでは子ども達どうしの育ちはない。
・ 「・・・そのためには、障害児と障害のない幼児・児童・生徒・・・」
の「そのためには」のあとに、障害による特別なニーズを認め、特別な
ケアの保障を図りつつ、可能な限り」を挿入すべきである。
・ 「・・・生きがいのある生活を送ることができるように、医療・福祉・
労働等とも連携しながら」の後に、「多様かつ総合的な教育環境を整備
することが重要である。」を追加する。つまり、場の統合、位置的な統
合を重視し、養護教育諸学校の整備を、小・中・高等学校に併設してい
くことが、重要である。障害児学級のセンター校をミニ養護学校、養護
学校の分校にするなど、可能な限り、地域の中に根づかしていくことが
重要である。
・ 障害児本人の自己選択、自己決定が述べられているが、「養護教育にお
いても」の次に「そのような環境を整えつつ」を挿入すべきである。な
ぜならば、自己決定できる環境整備がされないままでは、非常に選択肢
の狭いものになってしまうからである。
・ 「自己決定する力を育成する」を「ひとりひとりの障害や発達状況に即
して自己決定する力を育成する」にしたほうがいい。
・ それぞれの教育の場が果たすべき役割を具体的に示していくことが大事
である。養護教育諸学校の弱点は地域から離れていることであり、養護
学級の弱点は条件整備の貧困さである。前者の位置的統合が打ち出され、
後者の条件整備を進めていけば、双方の果たすべき役割が充実するので
はないだろうか。
・ 教員の専門性をどう高めていけばいいか具体策が書かれていない。とり
わけ、養護教育に関わる免許状所有率が全国最低という状況をどう克服
するか、研修の問題と関連させていくべきである。専門職の配置につい
ても、21世紀に向けて具体的にふれておくべきである。
・ 学校・家庭・地域の意識変革は三者の連携の再構築ぐらいにとどめてお
くべきである。「変化の激しい社会に対応するために」とあるが、従来、
障害児が社会に順応し、適応をはかるという観点で教育が行われてきた。
やはり、社会の一員として、社会に全面的に参加し、社会を変えていく
主体者として生きる力をつけていくことが大事である。
【重点要件】
・・ノーマライゼーション理念の一層の浸透について
心のバリアが残されているとあるが、物理・制度面のバリアフリーも進
んでいない。
健常児の中で学ぶという場合、今日の能力主義や競争の教育を改めるこ
とが根本である。
学級定数の引き下げ、受験競争のための教育を改革していく展望なくし
て、心の問題だけでは解決しない。
・・連携・支援システムの構築について
就学指導委員会の役割を明記して積極的に打ち出すべきである。具体的
には、一人一人の子どものニーズを明らかにして、どのような教育内容
や条件を整備されるべきか、個別の教育計画を一定就学指導委員会で示
していき、保護者と相談しあって就職先を決めていくことが大切である。
・・教育諸条件の整備・充実について
親の願いは、専門的な教育をもっと受けさせてほしいことと、少しでも
通常の学級の子どもといっしょに活動したり、勉強する機会を多くして
ほしいの2つである。これらの願いを統一的に保障していくことが課題
である。たとえば、養護教育諸学校の場の統合、養護学級のセンター校
を分校化するなどの条件整備をする必要がある。
・ 条件整備をきちんとした上で精肢併置を進めていくべきである。知的障
害と肢体不自由を一定分けて、条件整備をし、一方、共有できる空間も
検討していくべきである。
・ 病弱養護学校高等部だけでなく、幼稚部も必要である。一貫教育から考
えても、幼少期からの教育の重要性から考えても必要である。
・ 就学時に、一人一人のニーズに即した多様な就学の場を提供することが
大事である。
・ 通級は、養護教育諸学校への人的配置が必要である。通常学校の通級は、
養護学級並みの定員配置をすべきである。
【当面取り組むべき課題】
・・養護学校の学校規模の適正化の推進について
知的障害養護学校の適正規模は、前答申では150人〜200人となっ
ているが、200人を越えたままになので「解消を図る」とすべきであ
る。
・「枠にとらわれない」は誤解をよぶので、「学校をさらに整備しつつ、障
害種別への配慮と条件整備を整え、総合化をめざしていく」と書いたほう
がいい。
・適正化が困難な養護学校を抱えるブロックへの学校建設を進めるという観
点で前回の答申は出されているので、「学校建設を進めるとともに」と書
き改めるべきである。
・・地域に根ざした関係機関(医療・福祉・労働等)との連携・支援システ
ムについてで医療的ケアは触れていただきたい。
・・府教育センターの養護教育の成果について
障害児教育は教育の原点だとかつては強調されたが、私は、普通教育の
一環だと思う。障害児教育は通常の教育と、特別なニーズに基づく教育
の保障だと考えている。
・「通常の学校や学級の指導実践を総括すること」を挿入してほしい。
・「本人や保護者の希望のもとに・・・」はおかしい。「合意を得て」にす
べきである。
●
・多岐に渡る多様な意見がだされた中で、基本理念をおさえ、基本方向がよ
くまとまっている。
【強調してほしい3点】
・障害のある子どもたちの多様な状況にいかに対応していくのかが、今、問
われている。
個に応じた適切な教育を進めていくとき、教職員の資質の向上、専門性の
確保、研修の重要性についてはもっと明記すべきである。その場合2つの
要件がある。ひとつは障害児と向かい合っている教師だけではなく、管理
職や就学指導委員会の人たち、そして、一般の教員にも専門性を高め、研
修の機会を確保することである。ふたつは、その進め方の基本になるのは、
子どもの生活実態に学ぶことと、子どもの成長発達を願う親の思いと共感
する姿勢を持つことである。
・一人ひとりの子どもの能力や個性を大切にする教育は、スペシャルニーズ
にどう応えていくのかに含まれる。ここでは、学校・家庭・地域のハード
面・ソフト面の変革ということに養護教育がどうトライしていくのか、さ
らに3者の連携の再構築に、それをどうつなげていくのかを明記すべきで
ある。
・・今日的には、家庭や地域社会が一体となって連携していかないと本物に
はなっていかない。このことについては、今後の審議の方向としてきち
んと打ち出していくべきである。地域の総合支援センター構想等を軽々
しく取り上げていくと、次の最終答申が骨抜きになってしまうので、次
の答申の重要項目として打ち出していくべきである。
●
・病弱養護学校の高等部設置については、具体的に述べられているので、こ
の方向で進めていってほしい。
・連携支援システムについては、一層の強化、向上だけではなく横のネット
ワーク、人の交流という点で具体的に進めていってほしい。
●
・養護学校では、軽度の子どもに対してどう教育を進めていくのか、具体的
に明記すべきである。
・保護者は必ずしもみんなが、通常の学校に行かせたいとは思っていない。
養護学校に行くと学童保育をしてもらえないので養護学校へ行かない場合
がある。
●
・ノーマライゼーションの理念についてはきちんと書かれてある。
・一人ひとりの子ども全員が特別な教育ニーズをもっているのがインクルー
ジョンだと思う。学習障害児等と書かれていて、学習遅進児や学習障害を
もっている子どもだけが特別な教育ニーズがあるようにとらえられがちな
書き方をしているので、全ての子ども一人ひとりが特別な教育ニーズをも
っているのだということを整理して書いてほしい。
・「障害によって生じる困難を克服し、・・・」を「障害児本人の自己選択、
自己決定を重視し、・・・」としてほしい。
・教員、教師という言葉を教職員に直してほしい。
・入学を希望する障害児への受け入れについては今後に向けて明記してほし
い。受検上の配慮を改善する中で、知的障害の子どもが入学できるように
工夫していくという文言がほしい。
・基調のまとめの中に、教職員・家庭・地域の意識変革を明記するべきであ
る。
・相互単位認定について具体的にはどんなことか書いてほしい。
・教育センターの研修内容が十分でない。管理職、中堅の教職員の研修の確
保が必要である。
●
・学童期からの支援システムを充実していかなければならない。学校と保護
者だけでなく、医療・福祉・労働等の関係機関とも協力して、問題解決に
当たっていく必要がある。その推進を図るコーディネーターを置かなけれ
ばならない。
・「多様な教育ニーズに対応する多様な教育の場を保障することが求められ
ている。」というのは大事なことであるから、教育の場の保障をより弾力
的に対応することが必要である。たとえば、養護学校に行ってても、地域
の学校にいけるなど柔軟に考えることが大事なことである。
・総合養護学校にするには、特別な教育ニーズを持っている子どもがいるの
で、条件整備が必要である。
●
・障害のある子どもが勇気を持って何か人に頼み、支援してほしいことを言
い、自信をもつ。そういう自信の積み重ねが、豊富な経験を提供する事で、
自立へと発展していく。
ノーマライゼーション社会を実現するには、障害者自身が自覚していける
ように、支援できる環境を作っていくことである。自分の存在が認められ、
自分がなくてはならない存在になったという状態を地域社会の中でつくら
ないと、ノーマライゼーションは進まない。
・このことは、障害によって生じる困難を克服する力の源泉になる。これは
障害児だけでできるものではなく、健常児(者)とともに構築していくも
のである。
・養護学校の教員だけではなく一般の学校の教員にも養護教育の専門性の一
層の向上が必要である。
・学校週5日制をむかえるにあたって、それぞれの教育の場で、「環流」と
いう思想を入れてほしい。学校で学んだことを、地域で実践してみて、そ
こで分からなかったことを、学校で学んでいく、そういう学校と地域との
間のいききの中で、新しい学習課題が生まれてくる。
・多様な教育ニーズに対応する多様な教育の場を自在に保障していくことが
大事である。
・高等部と高等学校においては、相互単位認定を進めていくべきである。
・高等学校に在籍している障害児の実態把握はほぼできている。大事なこと
は、その後である。たとえば、全盲の子どもがいれば、点字を教えるため
の教員の派遣、夏休みの研修、また、入試のときの、紙の拡大や別室受験
等の条件を作り、挑戦するチャンスを与えていくことである。
●
・養護学校の規模は、150人位がいい。
・病弱養護学校に高等部が必要である。大阪においては、主に、アレルギー
対象の羽曳野養護学校、心身症と筋ジストロフィー対象の刀根山養護学校
だけで、様々な病気を患っている子どもを受け入れる養護学校が必要であ
る。
・ノーマライゼーションの社会の実現を図るには、根底にはリハビリテーシ
ョンが必要である。リハビリテーションとノーマライゼーションのバラン
ス化が大事である。養護教育におけるリハビリテーションの追求は、早期
発見、早期療育により、障害の軽減や健康の増進を図れる。特に盲・聾に
おいては、養護学級に在籍するよりも、小学校段階での専門的教育を受け
ることが望ましいとうたってほしい。
・養護教育に関わる支援について、就学指導委員会の役割が明確ではない。
本人や保護者の意向は多様であるが、それに関する多様な教育環境整備が
できていない。また、子どもの実態を明確に把握しないで学校を選んでい
る保護者がいる。そのため、通常学校や養護学級から養護学校への転入が
多い。
・養護学校に通級指導担当教員を配置するならば、巡回指導担当教員の配置
も必要である。
・生涯学習に結びつく教育というのは、その子の持っている個性、特徴を生
かした教育であり、小・中・高等部一貫してなされることにより、子ども
が社会に出たとき、楽しみが見つけられる、そんな生涯を送ることができ
る教育課程が今後必要である。
・高等部に限らず、小学部、中学部にも多様な学習コースが必要である。
・通常の学級に在籍している障害児の実態把握を早急に行い、そのサポート
体制が必要である。
●
・PTAの立場から言うと、学校にエレベーターの設置等施設設備の要求を
出しても、なかなか実現できないのが実情である。子どもがどこへいって
も受け入れることができるような支援システムが必要である。
・地域の中で、医師・町会長・保護者・生徒等で構成する学校審議会を設置
して、実践上の問題、設備上の問題等を話し合っていけばいい。
●(会長)
・この分科会の議論を聞いていると、現在の教育制度そのものに対する基本
的問題や、社会のあり方全体に対する問題にまで拡散している。知育偏重、
偏差値教育等から生じている問題がたくさんあり、それに対して根本的に
問題提起できるのは、養護教育なら可能である。学校教育の枠の中だけで
は、養護教育は改革できない。
・中間答申ならば、早急に取り組んでもらえるし、実践を進めながら、議論
できる。府教育センターが支援システムの中でどう結びついているのか、
教育振興センターがどんな役割を果たすのか等、具体的に議論していかな
ければならない。
・連携と協力を、進めれば今までにないものができる。連携が成立すれば、
新しいシステムができ上がってくる。こういうことを期待しつつ、来年度
は具体的な内容を含めたた議論を構築していきたい。
●欠席委員の意見提起代読 《基本的問題としての5点》
・ 全体の構成を整理する。
・ 審議経過は簡略に。論議は不十分であり、基本認識は分科会全体の
共通認識とは言えない。
・ 「重点要件」に関して挙げられている3点のうちの最初の一つと後
の二つの項とは性格が異なっており、並列するのはアンバランスに
感じられる。
・ 基本理念と具体的課題が混在しているため、同じ表現や内容の重複
が多い。
・ 全体を通して、「共に学ぶ教育」(統合教育)推進のための施策や
課題設定が非常に弱い。
●
・ノーマライゼーションの理念を実現していくために、新しい地域作りをし
なければいけないという観点から意見を補足したい。私の生まれた離島に
は養護学校がなく、脳性マヒや全盲の子どもと一緒に手を携えて小・中・
高等学校を過ごした。そこでは、りっぱにノーマライゼーションが成り立
っている。都会では、隣の人がどこに勤めているのかすら分からない状態
の中で、障害の子どもを持つ保護者にとっては、非常に思いも複雑になる。
まして、障害を受容できない。ノーマライゼーションを進めるためには、
生活をともにしている人たちがどういう生き方をするのか述べない限り、
いくら学校で理念を教育しても、統合教育を進めても、成り立たない。
・都会化したことによって、本来、人間が持っている自然な連携の仕方がで
きなくなっていることこそ変えていくべきである。これを再構築していく
システムとして支援センターからできないか。
● ノーマライゼーションのことを、なぜこの分科会で議論しなければなら
ないのか。第一や第二分科会でなぜしないのか。
●(会長)
・大阪のような都市において社会が成熟していないので声高にノーマライゼ
ーションを発しなければならない。社会そのものが、ノーマライゼーショ
ンを実現していれば、何もいう必要はない。養護教育という非常に課題の
多い難しいところから発信していかざるをえない。
・エイズに感染していると自らが本名で発言することによって、世の中のエ
イズ問題に対する理解がかなり変わったと聞いている。障害児教育におい
ても、障害のある人やその家族、そこに関わっている人たちから話を聞く
ことでノーマライゼーションの重要性を感じている。
●(副会長)
・ノーマライゼーションのことを議論することについては重要な分科会であ
る。障害児(者)についての認識や、障害児に関わっている人が、今どん
な問題に直面しているのか、ノーマライゼーションが必要であると感じて
いることを知らない人が多い。従って、知らせることだけではなく、理解
し、受け入れてもらうためには、そのエネルギーや注意を集中させるだけ
の意味がある。
● 養護教育の中で、どのような条件整備をすれば、また、教材カリキュラ
ムを用意すれば、通常の学級の中で、障害のある子どもが健常児と同等
に学べるのかが解明されていない。とりわけ、知的障害児の場合につい
ては、同じ時間・空間で、同じ教材で学ぶことについて困難がある。障
害児自身が主体的に活動する、学習や生活の主人公になり力を発揮でき
るようになるように支援することが大切である。
・一人一人の発達や障害の状況を踏まえてきちんとした条件整備なくして、
ノーマライゼーションはないということを基本理念に入れるべきである。
養護学校はもっと通常の学校に援助しなさい、閉鎖的だといわれるが、通
常の学校の問題点も明らかにしないと何をどう支援していけばいいのか分
からないままである。
●(会長)
・具体的に書き足らない箇所はあるが、最終答申で具体化していきたい。
●
・ノーマライゼーションとリハビリテーションの統一の方向性の上に施策が
ある。
・よりノーマライゼーションに沿った施策として場の統合、位置的な統合が
必要である。
● 障害のある子どもがどうすれば学校や地域に位置付くのか、府教育委員
会全体の課題として示してほしい。
●(会長)
・本日の意見は、できるかぎり中間答申の中に取り入れていきたい。意見を
3月中にまとめ、委員に送る。細部の修正は可能だが、基本的な案は、会
長、副会長、事務局に任せていただきたい。4月中旬ごろまでにまとめあ
げたい。この審議会は2年間の継続審議で、11月頃には最終答申とした
い。次回は、4月中旬か下旬に開催予定。
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□ 編集後記 ------------------------------- 22:19 2001/01/05 □
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21世紀もはや1週間が経過しようとしています。正月休みも終わりました
ね。
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