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==================================================================== LD(学習障害)ニュース #164 2000.05.03 発行 登録読者数 2,357 LD = Learning Disabilities LD親の会「けやき」編集 1997.9.10創刊 ==================================================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都議会定例会予算特別委員会におけるLD関連質疑 2000/3/15 ■ ■ 衆議院予算委員会(基本的質疑)におけるLD関連質疑  2000/4/24 ■ ■ アメリカ・ランドマークスクール(Landmark school)訪問記【投稿】 ■ ■ NHK教育TV「にんげんゆうゆう"変わった子"と言わないで」放送終了 ■ □ 編集後記 ------------------------------- 16:02 2000/05/03 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください □■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 東京都議会定例会予算特別委員会におけるLD関連質疑 2000/3/15 ■ -------------------------------------------------------------------- 以下は、LDニュース編集者の文責で質疑の概要をまとめたものです。関係筋 との調整が完了しましたら、全文を掲載させていただきたいと思います。 --------------------------------------- 東京都議会予算特別委員会(平成12年3月15日)質問者;曽雌久義議員。 概要としては、以下の通りでした。なお、文責は「LDニュース編集者」です。 ○ 質問 1.就学前、学校卒業後も視野に入れて、LD児の成長過程に応じた日常生活   上の諸問題に対応すべく、児童相談所、保健所、教育相談所、での取り   組みを強化すべきである。 2.また、特に医療の側面からはどのようなLD児への支援ができるのか。 3.LD児者の就労機会の拡大が課題だが、そのために、ハローワーク、公共   職業訓練施設等の職員に対する研修はどうなっているか。受け入れ先の   企業に対するLD理解が進まなければ、雇用促進につながらないと思うが   どうか。 4.都として、教育、労働、就労、福祉、医療各分野で連携を図り、家庭、   社会一般におけるLD理解、啓発に努めるとともに、検討会等を早期設置   すべき。 ○ 答弁 1.児童相談所では、学習障害児の相談内容に応じ、その保護者に対し、子   どもとのかかわり方の指導や医療機関の紹介などを行っている。   衛生局では、区市町村の保健医療従事者への、学習障害に対する情報提   供し、保健所等で、直接保護者の相談に応じるなど取り組んでいる。   教育委員会では、総合教育相談室での来所相談やアドバイザリースタッ   フ派遣による学習障害児の教育相談を実施している。 2.医療面では、薬物による治療や作業療法、言語指導等行われている。都   立梅ヶ丘病院や多摩療育園等で実施している。 3.現在、日本障害者雇用促進協会で具体的な対応策のための調査研究が進   められていると聞いている。   就労機会拡大のためには、関係者の理解が必要である。ハローワークや   公共職業訓練施設等の職員に対する研修を行い、学習障害児等について   の理解を深め、企業に対しても、雇用促進への理解が進むよう周知、啓   発に努めていきたい。 4.学習障害児者に関する情報交換を行う関係各局による連絡会を早急に設   置し、共通理解を深め、理解啓発のための研究会についても協議したい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 衆議院予算委員会(基本的質疑)におけるLD関連質疑  2000/4/24 ■ -------------------------------------------------------------------- 一部伝聞による情報ですが、概略以下のような内容だったようです。以下の 文責は「LDニュース編集者」です。現在、正式の議事速記録入手中です。 --------------------------------- ○ 質問事項(野田聖子議員) 1.学習障害児等の軽度の発達障害児は、今までしつけの問題とか誤ったレ ッテルを貼られたり、誤った理解のため親が苦労してきている。 2.学習障害児等の軽度の発達障害児の教育は、専門知識を持った教員が丁 寧に指導したり、通級指導教室を利用することが必要である。 3.今後、特別な配慮を必要とする子どもへの教育や、個を生かす教育施策 を推進すべきである。 ○ 答弁内容(中曽根文部大臣) 1.現在、文部省としても学習障害児の教育のための調査研究を進めている。 2.現在、特殊教育の教員免許状の所持は、法的に義務づけられていないが、   今後はこのような免許状を所持した教員を養成し、学習障害児等の教育   をやっていく必要がある。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ アメリカ・ランドマークスクール(Landmark school)訪問記【投稿】 ■ -------------------------------------------------------------------- LDニュース読者の "t"氏より、アメリカ・ランドマークスクールを訪問する 計画がある、とのお知らせをいただきました。編集者から、帰国後レポート 等投稿いただけるようお願いしたところ、下記の「訪問記」お寄せいただき ました。ありがとうございます。なお、ランドマークスクールについての詳 細は以下から(英文)。。。 http://www.landmarkschool.org/ ---------------------------------- ご厚意を頂いて、3月末にランドマークスクールを訪問する機会がありまし た。ずいぶんと視野を広げる機会となりました。ありがとうございました。 ランドマークスクール(ノースキャンパス)は、日本の小学校にくらべおち ついたつくりでやわらかな雰囲気をかもしだしていました。また背の高い木 々に囲まれ、夏にはさわやかな木陰を作り出す事だろうと、羨ましく思いま した。 先生方が一同に会したホールでは、その人数の多さにランドマークスクール の人的資源の豊かさというものに、驚かされました。また必要性が認められ 評価されているからこそ、経営も成功しており、関係者の熱意も垣間見る事 ができたように思いました。 授業の見学では、すべての基盤として言語活動が徹底している事に特に大き な驚きと感動を持ちました。すべての黒板にはその授業の予定が書かれ、壁 にはつかむべきポイントがまとめられ、発表する生徒が失敗しないように配 慮されている事が、私にはうれしかったです。彼らが自信を培っていく事が、 まず出発点だと思うからです。  一枚ずつ取り出し書きこめるバインダー式教科書。小人数課題別クラス(学 年別ではありませんでした)。机の配置。広すぎない教室。また、日に一度 のチュートリアル指導は、内容を把握しながら読む習慣が身につくよう工夫 されていました。 生徒達はみんな、自分の意見を言おうと意欲的でした。このことで子ども達 が自尊心を失う事から救われるのでしょうね。他の人からみれば、小さい事 かも知れませんが、これらを手に入れるまでには、どれだけたくさんの人々 の努力と、熱意と、日々があったか、私には思い起こす事ができました。 すべての授業(教科)や学校生活が、言語活動とリンクして組織化されてい るのは、すばらしいことだと思いました。 つぎに、カレッジを訪問しました。3月も終わりなのに朝から降り始めた雪 で、到着するころには真っ白な世界。反射光でまばゆいばかりのキャンパス が出迎えてくれました。   やはりここでも、スタッフの層の厚さの違いを痛感しました。学校運営費の 70%は人件費だということでした。日本の豊かさは、まだまだアメリカに およばないなと思いました。 大学CTLと呼ばれるアカデミックサポートがあり、1週間を通して好きな ときに個別で援助を受けられるよう、20人程度のスタッフが待機していま した。 特筆すべきこととして、「LD」の概念を勉強する授業があったことです。 そのクラスでは、ADHDやその他事項との関係について、一人の学生が発 表していました。その教室にいた学生達は、ここに来てやっと自分のことが 分かったと話していました。親も知ることによって救われますが、本人が自 分自身を知ることの大切さも分かりました。 子どもにLDを知らせていく場合には、単に親の思いをぶつけるのではなく、 きちんとプログラムしていく事が大切だと思いました。 また この授業を通して、発表者は他の学生からの質問に答えていくことで アドボケイト (self dvocacy =自己権利擁護) する実践力が身につくよう意 図されていたのが、印象的でした。 今回、このようなアメリカの素晴らしさを見てうらやましい限りでしたが、 最初から与えられたものではなかったはずです。ランドマークの土を踏みし めて歩くうち、数十年前の、誰かの意志とほんの少し会話できたように感じ、 うれしく思い、また励まされた旅でした。 また、どの訪問先でも私達が質問すると、ほめて頂いたことが大変印象的で した。私も見習い、日本でもひとつでも子ども達の笑顔をふやせるよう、努 力していきたいと思います。ありがとうございました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ NHK教育TV「にんげんゆうゆう"変わった子"と言わないで」放送終了 ■ -------------------------------------------------------------------- 詳しい放映内容は以下のサイトで閲覧できます。また、制作担当者に対して 放映内容に関する意見・感想等を送信することもできます。 http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/youyou/arc_04_3.html ※ なお、ここから「全国LD親の会」ホームページへのリンクが貼ってあ   りますが、URLが誤っているようです。正しくは以下のURL。   http://www.normanet.ne.jp/~zenkokld/ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「にんげんゆうゆう」「変わった子」と言わないで ゲスト:二上哲志さん(NTT東伊豆リハビリテーション病院小児科部長)     玉井邦夫さん(山梨大学教育人間学部教授) 1.LD・学習障害の子どもたち 4月17日放映 神奈川のLD児のためのフリースクールでの指導の様子、また家庭での接し 方など、具体的な内容でした。読み書きに困難のあるお子さん。多動のため 行動面で困難のあるお子さん。2つのケースが紹介されていました。ご本人 と親御さんへのインタビューもありました。 2.見えない苦しさを知ってほしい 4月18日放映 LDの症状の中でも特徴的な「読み障害」について、その原因や対処法につ いて具体的な解説がありました。またLDと高い割合で合併するといわれる ADHDについても解説がされていました。 3.ひとりひとりの力を伸ばす 4月19日放映 以前「子どもの療育相談」時代に放映された、長崎県の某小学校での実例の 紹介と、その後の様子を追跡取材してありました。専門機関、学校、保護者 との連携の重要性が指摘されていました。卒業式のシーンは感動的でした。 フリースクール「ライナス」での取り組みの様子が紹介されていました、個 別プログラムに従って、教科学習や、ソーシャルスキル指導などが行われて いました。 4.きっと自立できる 4月20日放映 LDのお子さんを4年間にわたって追跡取材した様子や、愛知の見晴台学園 での教育実践の紹介、またアメリカ在住日本人のLD青年へのインタビュー など、なかなか盛りだくさんで、見応えのあるものでした。 従来この手の、成人したLDの人に関する番組内容は少なかったので、参考 になりました。具体的な就労支援や職業準備教育などにも触れてあると良か ったという感想持ちました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------- 16:02 2000/05/03 □ -------------------------------------------------------------------- ゴールデンウィークまっただ中ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか? NHK「にんげんゆうゆう」放映の影響でしょうか、ここのところ、「けや き」ホームページへのアクセス件数が、通常からの倍増となっています。 また、少なからぬ数のメイルでの問い合せや相談などいただきましたが、中 には、明確にお答えできないものもございました。是非、全国LD親の会の ホームページ等にアクセスされ、地元の親の会へコンタクト取られることを お薦めしておきます。→ http://www.normanet.ne.jp/~zenkokld/ それから、放映された番組のビデオ録画に関するお問い合わせも多数ござい ました。著作権の問題がありますので、当方では一切お受け出来ません。家 庭用ホームビデオで録画した内容は、個人的利用の範囲内でしか認められて おりませんので、ご了解下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュース記載内容を転載される場合は必ず下記までご連絡下さい ■ 「けやき」連絡先 E-mail: keyaki@box.club.ne.jp [1999.03.12 更新] 「けやき」URL: http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/ [1998.07.31 更新] LDニュースのバックナンバーの閲覧及び配信は以下のサイトからできます http://backnumber.to/list.asp?userid=10000592 [1999.01.11 更新] LDに関する情報交換・意見交流・質問は「LDフォーラム」をご利用下さい http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/LD-FRM/INDEX.html [LD-FRM] 読者用「掲示板」→ http://www.simple-j.com/kkk/kbbs.cgi?bn=110201 ■ 編集者は掲載内容に関して最終保証責任を負うものではありません ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ LD NEWS は「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています

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