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□ LD・発達障害等関連図書 → http://ldnews2000.web.fc2.com/books/  □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #1161 2012/08/13 発行 登録(配信)読者数 2997 ■ ■ LD = Learning Disabilities LDニュース編集人発行 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ パソコンボランティア指導者養成研修 発達障害関連特別研修日程決定 ■ ■ アスペルガー症候群の被告人に対する大阪地裁の判決についての声明  ■ ■ 発達障害のある被告人による実姉刺殺事件の大阪地裁判決 日弁連談話 ■ ■ 大阪地裁判決に関する緊急声明 日本児童青年精神医学会 2012/08/07 ■ ■ 日本特殊教育学会 第50回 大会/つくば国際会議場  2012/09/28-30 ■ ■ 障害者の高等教育に関する提言 −進学を選択できる社会に向けて−  ■ ■ 特別支援学校の先生、3割は「免許なし」 !? 渡辺敦司  2012/08/09 ■ ■ 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための  ■ ■ 特別支援教育の推進」について〔初等中等教育局特別支援教育課〕   ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 15:13 2012/08/13 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夏休みのワーキングメモリトレーニングお申込み受付中。コグメド・ジャパン http://www.cogmed-japan.com/           【広告】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■□ http://ldnews2000.web.fc2.com/sample.html  ■□■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 感覚統合を生かしてたのしく学習−読む力・書く力を育てる 佐藤 和美 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00050.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ パソコンボランティア指導者養成研修 発達障害関連特別研修日程決定 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.jsrpd.jp/ic/pcv/about.html 申込方法 パソコンボランティア指導者養成研修事業の研修申込フォームのページより受講 者本人が必要事項を入力の上申し込む。 定員に達した研修については、随時ウェブ上で周知する。 受講決定 原則として先着順とし、研修費の入金確認をもって受講決定とする。(受講者多 数の場合は、同じ団体等から1名となる場合あり) 申し込み後5営業日以内にメールにて受講の可否を通知する。 問い合わせ 本研修に関する諸連絡や問い合わせは、ウェブ上でのご案内やメールでのやりと りとする。 問い合わせ先 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センターパソボラ事務局 〒162-0052 東京都新宿区戸山1−22−1 戸山サンライズ内 E-mail:pcv@list.jsrpd.jp TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615  発達障害関連特別研修 日程 <予定>  日程    時間     内容 10月23日(火) 10時00分から10時20分   事務連絡、受講者自己紹介等 10時20分から11時00分   「発達障害」概論1 11時00分から11時10分   休憩 11時10分から12時00分   「発達障害」概論2 12時00分から13時00分   昼食休憩 13時00分から14時30分   「発達障害」の理解 〜心理的疑似体験を通じて〜 14時30分から14時45分   休憩 14時45分から16時15分   「発達障害」の人への支援 〜困難の場面別支援の在り方〜 16時15分から16時30分   休憩 16時30分から17時00分   本日のまとめ・質疑応答他 10月24日(水) 10時00分から10時50分   「発達障害」の人への支援 〜ICTを活用した支援1〜 10時50分から11時00分   休憩 11時00分から12時00分   「発達障害」の人への支援 〜ICTを活用した支援2〜 12時00分から13時00分   昼食休憩 13時00分から14時30分   具体的支援方策の立案1 14時30分から14時45分   休憩 14時45分から16時15分   具体的支援方策の立案2 参加者からの発表と意見交流 16時15分から16時30分   休憩 16時30分から16時45分   本日のまとめ・質疑応答他 16時45分から17時00    事務連絡 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自閉症の精神病理と治療 (杉山登志郎著作集1) [単行本] 杉山登志郎 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00070.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ アスペルガー症候群の被告人に対する大阪地裁の判決についての声明  ■ ------------------------------------------------------------------------ http://jddnet.jp/index.files/archives2012/pdf/20120809_osakasaiban.pdf                               2012年8月8日  アスペルガー症候群の被告人に対する大阪地裁の判決についての声明          一般社団法人日本発達障害ネットワーク 理事長 市川宏伸 大阪地方裁判所において、アスペルガー症候群と精神鑑定された被告の殺人事件 で、検察官の求刑を超える懲役20年の判決が言い渡されました。この判決文を読 むと、被告人は十分な反省をしておらず、アスペルガー症候群に対応できる受け 皿が何ら用意されておらず、その見込みもないという状況のもとでは再犯のおそ れが強く心配されるので、許される限り長期間刑務所に収容することで内省を深 めさせる必要があり、そうすることが社会秩序の維持に資するとして、有期懲役 刑の上限である懲役20年に至ったとされています。この判決は、アスペルガー症 候群をはじめとする発達障害者に対する差別及び、刑罰という点で大きな問題を 抱えており、到底許されるものではありません。当事者、家族、支援団体などか らなる日本発達障害ネットワークは、この判決を見過ごすことのできないものと して、下記の問題点を指摘します。行政にはより正しい発達障害の理解の促進と 対応を、司法には正しい理解に基づく適切な判断が行われることを求めます。 1.障害を理由に罪を重くすることは差別ではないのか。 以下の2、3の点を考慮せずに被告人がアスペルガー症候群であることを以って刑 罰を重くしていることは明らかに差別的判決です。 2.発達障害を正しく理解した上での判決となっているのか。 犯行の動機の形成に関して、またその後の反省について、被告人にアスペルガー 症候群が影響していることが認められています。しかし、アスペルガー症候群へ の適切な対応や支援がなかったこと、アスペルガー症候群のような発達障害者の 特徴として、相手の感情や周囲の空気を読み取るのが苦手で、自ら深く反省する 気持ちがあってもそれを表現することがうまくできないことがあること等の発達 障害の障害特性に対する適切な検討がなされていません。 これらの点が顧慮されていない判決には重大な問題があるものと考えます。 3.受け皿が用意されていないこと、その見込みもないというのは本当か。 アスペルガー症候群をはじめとする発達障害者に対しては、法務省矯正局所管の 施設、矯正施設退所者に対する“地域生活定着支援センター”等、年々専門的な 対応が可能となってきています。また発達障害者支援センターをはじめ福祉施設 や地域の福祉サービス提供事業所の支援が受けられるなど、決して十分とは言え ませんが、罪を犯した障害者への支援は作られつつあり、その支援に何らかの形 でアクセスすることは可能であり、支援やサービスに対する認識不足があります。 以上指摘したように、我々が知り得るアスペルガー症候群についての知識と比較 しても、判決のアスペルガー症候群の認識に重大な誤りがあると言わざるを得ま せん。そもそもこの被告は育ってくる過程で、アスペルガー症候群の存在が知ら れず、適切な支援が得られぬままに、不登校、ひきこもりとなりました。社会か ら隔絶された中で犯行に及んだ上、有期懲役刑の上限に処されることは二重に不 幸だと考えます。アスペルガー症候群の存在が分からず、支援が得られぬために、 対応に苦労した家人も同様に不幸だと言わざるを得ません。 行政に対しては、アスペルガー症候群を含む発達障害者当事者及び家族への早期 支援の一段の充実を求めるとともに、不幸にして犯行に及んだ者への、充実した 受け皿の確立を求めます。 司法に対しては、「刑事事件のプロ」の目から検討するのであれば、「アスペル ガー症候群のプロ」の視点での検討も必要なことを指摘します。また、このよう な判決が判例となって誤った判決が生じないように、今後は配慮していただきた いと考えています。 なお、この判決を報道した英文紙の報道に対して、英国、米国、豪州のこの分野 の専門家は、このような判決がでること、受け皿が存在しないことに驚きと悲し みのコメントを寄せていることを付記します。 以上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達が気になる子のサポート入門 発達障害は「オリジナル」発達 (新書) 阿部 利彦 (著) http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00039.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 発達障害のある被告人による実姉刺殺事件の大阪地裁判決 日弁連談話 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120810_3.html http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/statement/data/2012/statement_120810_3.pdf http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/statement/data/2012/statement_120810_3.txt 発達障害のある被告人による実姉刺殺事件の大阪地裁判決に関する会長談話 本年7月30日、大阪地方裁判所第2刑事部において、発達障害がある男性が実 姉を刺殺した殺人被告事件において、検察官の求刑(懲役16年)を超える懲役 20年の判決が言い渡された。 本判決は、本件犯行について、「犯行動機の形成過程は通常人には理解に苦しむ ものがあり・・・被告人にアスペルガー症候群という精神障害が認められること が影響している」と認定し、かつ、被告人が未だ十分な反省に至っていないこと についても同症候群の影響があり「通常人と同様の倫理的非難を加えることはで きない」と認定しながら、「いかに精神障害の影響があるとはいえ、十分な反省 のないまま被告人が社会に復帰すれば・・・被告人が本件と同様の犯行に及ぶこ とが心配される」こと及び「社会内で被告人のアスペルガー症候群という精神障 害に対応できる受け皿が何ら用意されていないし、その見込みもない」ことを理 由として、「被告人に対しては、許される限り長期間刑務所に収容することで内 省を深めさせる必要があり、そうすることが、社会秩序の維持にも資する」とし て、有期懲役刑の上限にあたる量刑を行った。 しかし、第1に、犯行動機の形成過程及び犯行後の情状に精神障害の影響を認定 しながら、これを被告人に不利な情状として扱い、精神障害ゆえに再犯可能性が あることを理由に重い刑罰を科すことは、行為者に対する責任非難を刑罰の根拠 とする責任主義の大原則に反する。社会防衛のために許される限り長期間刑務所 に収容すべきだという考え方は、現行法上容認されない保安処分を刑罰に導入す ることにほかならない。 第2に、本判決は、発達障害であるアスペルガー症候群について十分な医学的検 討を加えることなく、これを社会的に危険視して上記のような量刑を行っており、 発達障害に対する無理解と偏見の存在を指摘せざるを得ない。発達障害に対応す る受け皿についても、発達障害者支援法による支援策など、発達障害者に対する 社会的な受け皿が徐々に整備されてきており、全ての都道府県に発達障害者支援 センターや地域生活定着支援センターが設置され、発達障害のある受刑者の社会 復帰のための支援策が取られつつある。本判決はこうした現状を看過しており、 極めて遺憾である。 第3に、刑事施設における発達障害に対する治療・改善体制や矯正プログラムの 不十分な実態からすれば、長期収容によって発達障害が改善されることは期待で きない。 当連合会は、以上のとおり本判決の量刑及び発達障害の理解について問題点を指 摘し、裁判員裁判においても鑑定手続等により量刑判断に必要な医学的・社会福 祉的情報が提供され、評議で裁判長から適切に法令の説明や解釈が行われるよう 求めるものである。                    2012年(平成24年)8月10日                    日本弁護士連合会 会長 山岸 憲司 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インクルーシブ教育の実践−すべての子どものニーズにこたえる学級づくり− http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00052.html  学苑社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 大阪地裁判決に関する緊急声明 日本児童青年精神医学会 2012/08/07 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://bit.ly/Rpxa7W   平成24年8月7日  大阪地裁判決に関する緊急声明                日本児童青年精神医学会 理事長 齊藤万比古 平成24年7月30日に大阪地方裁判所第2刑事部は、アスペルガー症候群を有する とされる42歳の男性被告人に対し、懲役16年の求刑は軽きに失するとして、殺人 罪の有期刑の上限である懲役20年を言い渡した。被告人は30年間のほとんどを自 宅で引きこもる生活を送っていたが、被告人宅に生活用品を届けていた姉を包丁 で突き刺し、死亡させたとされている。 判決要旨は、 (1)本件犯行の動機の形成に関して、アスペルガー症候群が影響していること は認められるが、量刑上大きく考慮することは相当ではないとしている。 他方で、 (2)十分な反省のないまま被告人が社会に復帰すれば同様の犯行に及ぶことが 心配される、 (3)家族が被告人との同居を明確に断り、社会の受け皿が何ら用意されていな い現状では、再犯のおそれが更に強く心配されると述べている。したがって、許 される限り長期間刑務所に収容することで内省を深めさせる必要があり、そうす ることが社会秩序の維持にも資するというのである。 しかし、この判決には少なくとも3つの問題がある。 (1)アスペルガー症候群自体は「動機」を形成することはないが、同症候群を 有する人が適切な支援がないために孤立した状況に追いつめられたならば、現実 を曲解してとらえてしまう場合はありうる。したがって、障害を有する被告人に 対しても、また被告人を取り巻く家族に対しても、まったく支援が提供されない 中で本件が惹起されたものであることに鑑みるならば、そのような支援なき状況 がもたらされた事情を剔抉し改善への方途を探ることこそが、市民感覚の反映を 旗幟に掲げる裁判員裁判の趣旨にかなうはずである。 (2)被告人が反省へ至るためには、アスペルガー症候群の特性を熟知した上で 彼を支えようとする人々との信頼関係が、まず樹立されねばならない。にもかか わらず、日本の刑事施設には、アスペルガー症候群を有する受刑者のためのスタ ッフやプログラムは存在しない。そのため、刑務所への単なる収容を長期間にわ たって続けることは、予防拘禁以外のなにものでもなくなる。 (3)近年は障害を有する出所者のために、未だ十分とはいえないにしても各地 に地域生活定着支援センターが設置されているし、発達障害者支援センターの整 備も進行している。すなわち、家族にのみ「受け皿」の役割を押しつける状況か らは脱しつつあるといいうる。したがって、上記を含む社会資源のさらなる充実 を進めることこそが重要なのであり、「受け皿」がないという認識に基づいて刑 務所への収容を主張することは、明らかな誤りだといわざるをえない。 アスペルガー症候群を含む発達障害を有する人の裁判員裁判においては、裁判員 に対する正確な医学的知見と社会福祉的情報の提供が不可欠である。当学会は、 本件判決の誤りを正確な知見・情報をもとに控訴審がただすことはもとより、不 幸にも発達障害者が被告人となったすべての裁判において、裁判員に正しい医学 的・社会福祉的情報が提供されるよう求めるものである。 以上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 教室でできる特別支援教育のアイデア 中学校・高等学校編 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00072.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 日本特殊教育学会 第50回 大会/つくば国際会議場  2012/09/28-30 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.jase.jp/taikai50/index.html 会期:2012年9月28日(金)〜30日(日) 会場:つくば国際会議場 〒305-0032 茨城県つくば市竹園2丁目20番3号 日程:以下をご参照ください 9月27日(木)    (理事会)(編集委員会) 9月28日(金) 受付 企画シンポジウム 受賞者講演 自主シンポジウム 会務総会 特別講演 企画シンポジウム 自主シンポジウム 研究発表 9月29日(土) ワークショップ 企画シンポジウム 自主シンポジウム 記念シンポジウム 企画シンポジウム 研究発表 記念レセプション 9月30日(日) 企画シンポジウム 教育研究講演 自主シンポジウム 研究発表 自主シンポジウム 自主シンポジウム 大会の企画内容(2012年3月現在) 学会50周年記念シンポジウム「日本特殊教育学会のこれまでとこれから」 学会のこれまでの歩み、学会を取り巻く現状の課題、及び今後の展望 研究者、実践者、障害当事者、海外の視点から 企画シンポジウム(テーマ) 国際化と関連課題、特別支援教育の展開、基礎研究と最新知見、社会貢献、触法、          障害学生支援、若手研究者の国際化推進、等 特別講演:Kieran Egan教授   (Simon Fraser university, British Columbia, Canada)   通常教育の改革:教科教育と特別支援教育との共通点としての認知教育 ワークショップ:「特別支援教育における指導法の研修」 教育研究講演:「知的障害研究」、「脳科学の発展」 研究発表 自主シンポジウム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ そうだったのか!発達障害 わざとじゃないモン─実録4コママンガ (単行本) 斗希 典裟 (著), 発達障害を考える会TRYアングル (編集) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00028.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための  ■ ■ 特別支援教育の推進」について〔初等中等教育局特別支援教育課〕   ■ ------------------------------------------------------------------------ 障害者の権利に関する条約(以下「条約」という。)の批准に向け、政府全体で、 障害者制度改革の検討が行われており、教育では、主に、障害のある子どもと障 害のない子どもが共に学ぶ、という条約にあるインクルーシブ教育システムの構 築が課題になっています。 文部科学省では、中央教育審議会初等中等教育分科会の下に設置された特別支援 教育の在り方に関する特別委員会において、平成22年7月から条約の理念を踏ま えた特別支援教育の在り方について審議が行われ、本年7月23日の中央教育審議 会総会において、初等中等教育分科会報告として報告されました。   本報告書では、  1.共生社会の形成に向けて  2.就学相談・就学先決定の在り方について  3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基   礎となる環境整備  4.多様な学びの場の整備と学校間連携の推進  5.特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等 について、まとめられており、このうち、「1.共生社会の形成に向けて」にお いては、 ○インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求すると ともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見 据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で 柔軟な仕組みを整備することが重要である。小・中学校における通常の学級、通 級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学 びの場」を用意しておくことが必要である。 ○特別支援教育は、共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築 のために必要不可欠なものである。そのため、以下の(1)から(3)までの考え 方に基づき、特別支援教育を発展させていくことが必要である。このような形で 特別支援教育を推進していくことは、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、 適切な指導及び必要な支援を行うものであり、この観点から教育を進めていくこ とにより、障害のある子どもにも、障害があることが周囲から認識されていない ものの学習上又は生活上の困難のある子どもにも、更には全ての子どもにとって も、良い効果をもたらすことができるものと考えられる。 (1)障害のある子どもが、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参   加することができるよう、医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、社   会全体の様々な機能を活用して、十分な教育が受けられるよう、障害のある   子どもの教育の充実を図ることが重要である。 (2)障害のある子どもが、地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊   かに生きることができるよう、地域の同世代の子どもや人々の交流等を通し   て、地域での生活基盤を形成することが求められている。このため、可能な   限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要である。 (3)特別支援教育に関連して、障害者理解を推進することにより、周囲の人々   が、障害のある人や子どもと共に学び合い生きる中で、公平性を確保しつつ   社会の構成員としての基礎を作っていくことが重要である。   次代を担う子どもに対し、学校において、これを率先して進めていくことは、  インクルーシブな社会の構築につながる。 ○基本的な方向性としては、障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだ  け同じ場で共に学ぶことを目指すべきである。その場合には、それぞれの子ど  もが、授業内容が分かり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、  充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうか、これが最  も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要である。 ○今後の進め方については、施策を短期(条約批准まで)と中長期(条約批准後  の10年間程度)に整理した上で、段階的に実施していく必要がある。    短期:就学相談・就学先決定の在り方に係る制度改革の実施、教職員の研修等     の充実、当面必要な環境整備の実施。「合理的配慮」の充実のための取     組。それらに必要な財源を確保して順次実施。  中長期:短期の施策の進捗状況を踏まえ、追加的な環境整備や教職員の専門性     向上のための方策を検討していく。最終的には、条約の理念が目指す共     生社会の形成に向けてインクルーシブ教育システムを構築していくこと     を目指す。 等について指摘されています。  今後は、本報告を踏まえ、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システ ム構築のための特別支援教育が推進されることが期待されます。  報告書の詳細については、以下のホームページを御覧ください。  (報告書概要、本文、別表、参考資料、別添へのリンク) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm (お問合せ先)初等中等教育局特別支援教育課 企画調査係        TEL:03−5253−4111(内線3193) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害 母たちの奮闘記 (平凡社新書) [新書] 山下 成司 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00064.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 障害者の高等教育に関する提言 −進学を選択できる社会に向けて−  ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1005 障害者にとって大学進学は「ぜいたく」なことなのでしょうか。実態は、高い能 力がありながら、全ての人間に平等に確保されるべき「教育参加権」が保障され ていないために、進学を諦めている障害者が少なくありません。雇用や義務教育 などと比べると、国の政策も手薄となっており、高等教育に関する障害者政策は 「忘れられた存在」となっています。 しかし、意欲と能力を持つ障害者の社会参加機会を拡大するには、障害者がもっ と高等教育機関に進学できる環境を作らなくてはなりません。 東京財団は障害者の自立支援などを展開する日本財団と連携し、障害者の進学を 妨げている3つの壁(情報不足、コスト、タテ割り)を検証し、その改善に向け て国や大学が取り組むべき課題や政策・制度を研究し、障害者が大学進学を自然 な選択肢にできる社会の実現へ向け、政策提言をまとめました。 「障害者の高等教育に関する提言−進学を選択できる社会に向けて−」の全文 (PDF:1.2MB)はこちら http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2012-04.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ぼくはうみがみたくなりました [DVD] ひとりの自閉症の青年と、その周囲の 人々が織り成す、心温まるヒューマン・ドラマ http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00062.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援学校の先生、3割は「免許なし」 !? 渡辺敦司  2012/08/09 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://benesse.jp/blog/20120809/p4.html 国公私立を問わず、高校以下の「学校」で正規の授業を行うには、その学校の種 類や教科別の免許状を持っていることが不可欠です(ただし中等教育学校は、中 学校と高校の免許状)。免許を持っていなかったり、失効してしまっていたりし た先生が授業を行っていることが発覚したら、その分の授業をもう一度やり直さ なければならないくらい厳しいものです。特別支援教育でも当然、特別支援学校 教諭免許状というものがあり、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病 弱の各領域別に免許状が授与されています。ところが特別支援学校では、免許状 保有率が7割だというのです。担当する学級と違う障害領域の免許状を持ってい る先生を加えても、75%に過ぎません。どういうことでしょうか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『あたまと心で考えようSSTワークシートー自己認知・コミュニケーションスキ ル編』 http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/books/00060.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 15:13 2012/08/13 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本発達障害ネットワークの声明では、今回の判決が「裁判員裁判」であったこ との指摘がないようだ。「裁判員制度」の問題性は今回に限らず、以前から指摘 がある。日本発達障害ネットワークにはこのあたりの認識が不足しているのでは なかろうか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ LDニュースは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行してます ------------------------------------------------------------------------

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