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□ LD・発達障害等関連図書 → http://ldnews2000.web.fc2.com/books/  □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #1149 2012/05/22 発行 登録(配信)読者数 2997 ■ ■ LD = Learning Disabilities LDニュース編集人発行 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 国際セミナー 防災のユニバーサルデザインとDAISYの役割 2012/07/07 ■ ■ 公開セミナー EPUB3/DAISYはバリアフリー読書を支援する 2012/07/05 ■ ■ 秋田LD・ADHD研究会総会講演会/ゆとり生活創造セ遊学舎 2012/05/27 ■ ■ 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 第13回 議事録 2011/11/04 ■ ■ 家庭教育支援条例案に対する緊急声明 親学推進協会理事長 高橋史朗 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 22:19 2012/05/22 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夏休みのワーキングメモリトレーニングお申込み受付中。コグメド・ジャパン http://www.cogmed-japan.com/           【広告】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■□ http://ldnews2000.web.fc2.com/sample.html  ■□■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 感覚統合を生かしてたのしく学習−読む力・書く力を育てる 佐藤 和美 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00050.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 国際セミナー 防災のユニバーサルデザインとDAISYの役割 2012/07/07 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://kokucheese.com/event/index/38444/ (趣旨) 昨年3月の東日本大震災の犠牲者の多くが、移動や情報と知識のアクセ スが困難な障害者と高齢者だったという衝撃的な事実が、その後の被災地での調 査で少しずつ明らかになっている。 更に、大災害から生き延びたすべての人々の生活と地域の再建に必要な膨大な知 識と情報のアクセスに重大な問題があることも分かってきた。 そこで、この大震災の経験に学び、高齢者と障害者もいっしょに進める地域ぐる みの防災と復興の支援に欠かせない知識と情報のアクセスのユニバーサルデザイ ンの最新動向と実践例について報告を受け、その普及促進をはかるためのセミナ ーを開催する。 セミナーでは、本年4月に東京で開催された情報通信技術(ICT)国連専門家会議 の災害特別セッションのモデレーターを務めたDAISYコンソーシアム前会長の河 村宏氏が基調講演を行う。 被災地の復興を支援しながら防災のユニバーサルデザインの観点で研究を進めて いる人と防災未来センター宇田川真之主任研究員、すべての人に災害と科学の知 識のアクセスを保障することをめざしてDAISY4とEPUB3の開発を進めているDAISY コンソーシアムとIDPF両方の技術開発責任者を兼務するマーカス・ギリング技術 主任(CTO)、また大洪水や津波の被害を受けたタイでのインクルーシブな防災 の取り組みの先頭に立っている全盲のブンタン上院議員の3人を講師とする、国 内外におけるDAISYを活用した防災のユニバーサルデザインの普及推進と被災者 支援について具体的に何ができるかを考える。 日時:2012年7月7日(土) 会場:TKP東京駅ビジネスセンター1号館 2階 ホール2A    〒103-0028    東京都中央区八重洲1-4-21 共同ビル [主催]:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 [助成]: 東京都民共済生活協同組合 全国労働者共済生活協同組合連合会 [後援]:日本DAISYコンソーシアム プログラム 13:30-13:40 開会挨拶 日本障害者リハビリテーション協会 13:40-13:55 基調講演:"防災のユニバーサルデザインとDAISYの役割"       河村 宏(DAISYコンソーシアム理事・前会長) 13:55-14:25 "東日本大震災の教訓と被災者への知識アクセス支援の課題"       防災未来センター主任研究員 宇田川真之 14:25-14:55 "DAISYとEPUBによる知識アクセス −災害知識のユニバーサルデザイン−" マーカス・ギリング (DAISYコンソーシアム・IDPF 技術主任) 14:55-15:25 "タイにおける防災の取り組みとDAISY=EPUBの活用" モンティエン・ブンタン(タイ上院議員、タイ視覚障害者協会会長) 15:25-15:40 休憩 15:40-16:30 質疑応答 定員:100名(定員になり次第締切) 情報保障:同時通訳、パソコン要約筆記あり。手話通訳・点字資料・      磁気ループが必要な方は申込みの際にご記入ください。 参加費:無料 申込方法:メール、ファックス、文書 次のページの「お申し込みはこちら」よりお申し込み頂けます。 http://kokucheese.com/event/index/38444/ ファックスでお申し込みをご希望の方は、以下のお申し込み先にご連絡ください。 参加申込先:公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター 〒160-0052東京都新宿区戸山1丁目22番1号 TEL: 03-5273-0796 FAX: 03-5273-0615 担当:長田、吉広、野村 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ことばの発達に遅れのある子のための言語指導プログラム111 −サインを逃さずタイミングよく話しかける技術− 長澤正樹 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00027.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 公開セミナ ーEPUB3/DAISYはバリアフリー読書を支援する 2012/07/05 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.ebooks-expo.jp/ja/Conference/seminar-event/seminar-event09/ *無料(当日先着受付順) 無料公開セミナー 7月5日(木) 11:00-12:00 定員60名  会場:東京ビッグサイト 無料公開セミナー会場  『EPUB3/DAISYはバリアフリー読書を支援する』 【出演】河村 宏氏(DAISYコンソーシアム理事(前会長))     マーカス・ギリング(IDPF/DAISYコンソーシアムCTO) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害 母たちの奮闘記 (平凡社新書) [新書] 山下 成司 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00064.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 秋田LD・ADHD研究会総会講演会/ゆとり生活創造セ遊学舎 2012/05/27 ■ ------------------------------------------------------------------------ 主催者からのご案内です。 日 時 2012年5月27日(日) 午前10時〜午後3時50分 日 程  9:45〜10:00 受付     10:00〜10:20 総会     10:30〜12:30 講演 演 題 「将来を見据えた特別支援教育の役割〜保護者との連携〜」 講 師 NPO法人 ラヴィータ研究所     子ども発達相談センター・リソース「和」所長 米田 和子氏 12:30〜13:00 昼食・休憩 13:00〜15:50 ワークショップ 「個別の指導計画の作成」     講師 NPO法人 ラヴィータ研究所        子ども発達相談センター・リソース「和」所長 米田 和子氏 会 場 秋田県ゆとり生活創造センター遊学舎 会議室     秋田市上北手荒巻字堺切24-2 交 通 秋田駅東口より、日赤病院・御所野方面行き(ほか)     バス停【遊学舎前】下車 徒歩1分 定 員 70名 主 催 秋田LD・ADHD研究会 共 催 秋田県自閉症治療教育研究会 参加費 3,000円 (午前中のみの方は2,000円) 申込み 当日直接会場に。参加費も当日会場でお支払いください。 秋田LD・ADHD研究会事務局 E-mail:akitald@yahoo.co.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自閉症の精神病理と治療 (杉山登志郎著作集1) [単行本] 杉山登志郎 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00070.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 第13回 議事録 2011/11/04 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/1321025.htm 特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第13回) 議事録 1.日 時 平成23年11月4日(金曜日)14時30分〜17時30分 2.場 所 三田共用会議所3F大会議室 3.議題   交流及び共同学習(副次的な学籍を含む)、特別支援教室構想について   合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループにおける審議状況について   教職員の確保及び専門性の向上について   その他 4.議事録 【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。  特別支援教室構想についてちょっとお話をさせていただきます。特別支援教室 構想ですが、もとをたどりますと平成15年3月の今後の特別支援教育の在り方に ついてで提言されておりまして、既に8年ぐらいたっています。委員の皆様の中 にも特別支援教室構想についてイメージがちょっとばらばらなところがあるかも しれませんので、お手元に基礎資料の11番、当時の提言のイメージだけ合わせて おければ議論が進むかと思うのですが、基礎資料の中の11番の15ページのところ です。ここにいらっしゃる委員の中にも何人か、その当時の中教審に御参加いた だいた先生方がおられて、そこの議論の中身も、多くの先生方が1型とか2型とか おっしゃるので、15ページのところから特別支援教室の構想について後半述べら れておりまして、16ページを開けていただきますと、一番上から4行目あたりか ら特別支援教室の1、2、3というのが出ているかと思います。お分かりになりま すか。  さっき?橋委員の方から特別支援教室ができると特別支援学級はなくなるのか とおっしゃったのですが、なくならないという案がここに出ています。ここでは 特別支援教室について三つの型で示されています。1型はほぼ特別支援学級に近 い形を運営する。2型は通級に近い形です。先ほど大南委員がおっしゃっていた 35時限以下というか、週に1時間以下とか2時間以下とか、そういうような方につ いては3型という、あるいは先生が巡回する形です。実は、これはこの報告書が 出た前の年ぐらいに、大南委員が座長をされた東京都の検討会でA、B、C型とし て提言されていた方式をまねた時に文科省で1、2、3に名前だけを変えたのです が、ほぼ同じような提言です。  この特別支援教室構想は、理想と言っているのは、例えば今回で言うインクル ーシブ教育について、論点整理の中で、委員長提案の中では、連続性のある制度 にするとありましたが、現在ある通常の学級の中の支援、それから通級における 支援、それから特別支援学級の支援という三つについて見ますと、時間数で見て も非常に落差があります。制度的にも落差があります。ここのところを連続性の ある、柔軟性のある対応にする、個々に応じた対応にするということで、時間的 にも柔軟に対応できるような制度ということで提言されたのがこの特別支援教室 構想です。その中で1、2、3型というような類型をつくって、できれば学校の中 に1、2、3型が全部あれば良いのですが、その学校の規模によってできないかも しれませんが、組み合わせによってやっていくというのが提言だったと思います。 まさにこれは、論点整理の中で出ている、連続性のある制度、インクルーシブ教 育の中で求められている個々のニーズに応じた支援、に応えられる制度だと私は 思っています。  もう一つ、この特別支援教室構想は、理想的ではあるが実施するのは難しいと いう指摘があります。おそらく、今の学校教育法や、それから教員免許のあり方、 教員配置とか標準法の考え方、あるいは学習指導要領というものがあって、一つ 一つの法律や制度の対応を考えていくと難しいです。例えば中教審でも、いろい ろな部会で細切れになって検討して、一個一個検討していると、おそらくこの話 は実現できないのではないかと思います。この特別支援教室構想は、最初に提言 されてからもう8年たっていますから、是非実現できるように検討いただきたい と思っています。これを実現していくためには、難しい点がたくさんありますが、 我々が目指しているインクルーシブ教育システムの方向に行く一つの象徴的なも のになると思っていますので、ここを是非進めていただきたいと思っています。 宮崎委員長】 ありがとうございました。様々に御意見を頂戴したのですが、今 日は3点あるものですから、私がいただいている予定時間を最初申し上げればよ かったのですが、ここで既に30分も超過をしています。すみません。たくさんの 御意見を頂戴しているのですが、これをどんなふうに整理をしていくかというこ とはなかなか難しくて、課題だらけだと思っていますが、先ほど山岡委員が基礎 資料集の11ページで特別支援教室構想のことはお話をいただいたので、ありがと うございました。御本人は、これについてはさらに具体的なお話をしていただけ ると思って期待していたのですが、そこは御遠慮なさったということでしょうか。 【山岡委員】 それでは、別の機会にお話しさせていただきます。 【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。  私の方は6番の特別支援教育支援員と8番の学校外の専門家、親の会、NPO、学 校支援ボランティア等の連携というところで、今まで意見が出ていなかったとこ ろなので申し上げます。  特別支援教育支援員、大南委員にも言っていただいたのですが、岩手県の例で 現在の主な業務が載っていますが、特別支援教育支援員には、介助のみを担当し ている方と、それから、学習面まで指導している方と大きく2種類あります。私 どもは親の会として、保護者として、学習面まで指導していただく場合には少な くとも教員免許は必要だろうと思っています。私ども全国LD親の会の方で、この 特別支援教育支援員の資質でありますとか、研修でありますとかについて調査を したことがあります。岩手県では研修が結構行われていると書いてありますが、 全く行っていないケースとか、ほんの1時間だけ等いろいろなケースがありまし た。  中村委員もおっしゃったのですが、特別支援教育支援員というのは、現状は担 任の指示のもとで、支援をするとなっています。ところが、アンケートをとると、 例えば、それをやるためには守秘義務であるとか個人情報の扱いでありますとか、 あるいは公務員としての心得でありますとか、倫理みたいなこととか、少なくと も学校の仕組み、それから担任との連携をどうしたら良いかとかについて、研修 が必要だと思うのですが、そういったものも一切行われていないという実態があ ります。  実は、全国LD親の会で、文部科学省からの委託を頂戴しまして、平成21年から 特別支援教育支援員について、研修ではどんなことを学べば良いかの体系化とか、 どんな科目内容・項目が必要かということの研究を3年間やっております。今の ところ、こんなものが必要ではないかという二十数科目の科目の体系とシラバス というのもつくっていて、試行的に養成講座をやっているのですが、是非こうい う研究を生かしていただいて、少なくともこういったような科目については研修 が必要だとか、あるいは、もう少し、半年ぐらいたったときにフォローアップの 研修が必要だということを徹底してほしいと思います。  実は、笑い話みたいなことなので、さっき中村委員がおっしゃったことにもつ ながるのですが、こういうふうに実は担任の教員のもとで支援員の方が置かれま すが、支援員の方の中には、退職された教員の方とか、実力のある方が結構おら れます。そうすると、担任の方がもっと研修を受けないと、支援員を使いこなせ ないという状態が結構あります。実力的には教員免許を持っていらっしゃるよう な支援員の方の場合、担任の指示のもとで仕事をすることにすごくフラストレー ションを抱えながらやっていらっしゃる例もあるということです。是非、この支 援員は非常に良い制度なので充実させていただくとともに、その支援員の資質 でありますとか、研修とかいうものを高めるようなことに是非取り組んでいただ きたいと思っています。  それから、学校外の専門家、親の会、NPO、学校支援ボランティアとの連携の ところですが、これ、実は、私も参加させていただいたのですが、特別支援教育 の推進に関する調査研究協力者会議というのがありまして、平成22年3月に、途 中で政権交代があったりしまして、審議経過報告という、ちょっと妙な名前のつ いた報告が出て、終わっています。その報告書の最後のところにまさにこの親の 会等との連携の部分をうたっていただきまして、当時、親の会として参加してい ましたので、大変、ありがたく思っていたところです。  一つは、前段の学校外の専門家というところです。例えば心理職でありますと か、OTとかPTとかSTとかいったことの活用ですが、おそらく特別支援教育の中で 多様なお子さん方の多様なニーズにきちんと応えていくためには、教員の方だけ では対応できないだろうということです。現在、OTとかPTとかSTとか心理職の方 が学校に入るときに、必ずしも処遇面が良くないので、必ずしもすばらしい質の 方が来ているわけではないということもあるかもしれませんが、学校の先生方か らの評判は必ずしも良くありません。実は全国LDの会で別の研究を行ったときに、 OTの先生が指導に入って、お子さんで姿勢が悪いとか字が書けないとか集中力が ないというときに、教員の方は「しっかりしなさい」「集中しなさい」とか「ち ゃんとしましょう」とか「姿勢を正しましょう」とかおっしゃる場合が多いので すが、そこにある、姿勢の保持に関わる筋力だとか、あるいは力の入れ方とかい うことの指導をすることによって、見違えるように良くなった例があります。こ れは非常に特異な例かもしれませんが、こういった専門家をきちんと使うことに よって、特別支援教育で求められているような子どもたちへの支援ができるので はないかと思いますので、ここは是非活用いただきたいと思っています。  それから、親の会とかNPOとか学校支援ボランティアですが、一つは、そうい う親の会とかNPOの中に、確かに地域ですばらしい活動をしているところがあっ て、それらと連携することが良いと思っています。そういう親の会とかNPOがた くさん出てくれば良いのですが、なかなかそんなに数多くあるわけではないとい うのも実態だと思います。それと、NPOとか親の会は、組織が脆弱なところがあ って、永続的にずっとやっていくことが難しいところもあると思います。そうい う意味でいくと、NPOとか親の会を使っていくこと、あるいは学校支援ボランテ ィアを使っていくことがなぜ大切かというと、一つは、国の財政事情とかを考え ていくと、そういった民間の力をある程度活用していかないと、これからの特別 支援教育は維持できないのではないかと思っています。そのためには、先行投資 になるのかもしれませんが、そういった親の会とかNPOとかの、組織が脆弱なと ころもありますので、支援や育成をしながら生かして使っていくということが国 とか自治体において必要だと思います。 【石川委員長代理】 すみません、石川です。  1点だけ手短に意見を述べさせていただきます。私たちは特別支援教育の専門 性についてずっと議論しています。これは非常に重要なことであるわけですが、 意識が特別支援教育の専門性に集中するとどういうことが起きる可能性があるか についても考える必要があるように思います。例えば、特に中等教育ではそうで すが、専門教科の専門性、教科の専門性が今度は弱くなってしまう心配がありま す。既にそういう現象は現状の教育学部の教育課程では出てきているのではない かという感じもしています。どういうふうにすると採用されやすいのかとか、採 用後の異動ですね、どういうふうに異動するのかということをやはり見越した上 で、障害種別フルセットで勉強しておかないといけないということになると、専 門教科を教えるための訓練を受ける時間というのが、その分だけ削られてしまう という面があるので、品川委員もおっしゃいましたし、久松委員もおっしゃいま したけれど、軽々には言えませんけれど、6年制とか、いろいろ考えないと、時 間が限られている中で何とか詰め込もうとすると、何かを重視すると何かが弱く なるということがあるので、そういう点についても議論としてはやはり必要なの ではないかと思います。以上です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ぼくはうみがみたくなりました [DVD] ひとりの自閉症の青年と、その周囲の 人々が織り成す、心温まるヒューマン・ドラマ http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00062.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 家庭教育支援条例案に対する緊急声明 親学推進協会理事長 高橋史朗 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://oyagaku.org/userfiles/files/rinnji20120508.pdf  家庭教育支援条例案に対する緊急声明  親学推進協会理事長高橋史朗 大阪維新の会の大阪市議団が議員提案を予定していた「家庭教育支援条例案」に 対して、「大阪自閉症協会」など大阪府内を中心に活動する13団体が、「学術的 根拠のない論理に基づいている」として、条例案の撤回と勉強会の開催を求め、 市議団は5月市議会での提案を見送ったと報じられています。 5月6日に大阪維新の会は、「本条例は、維新案ではありません。ある県で提出さ れた条例案を議員団総会にて所属議員に『たたき台のたたき台』として配布した ものであり、今後の議論の材料として提出したもの」であることを明らかにして います。 そのことは同条例案の前文に「本県の」と書かれていることからも明らかであり、 ある県の極めて粗雑な非公式な私案が一体なぜマスコミに流れたのか理解に苦し みますが、私に対する不当な批判も散見されますので、見解を明らかにしておき たいと思います。同条例案に「乳児期の愛着形成の不足が軽度の発達障害やそれ に似た症状を誘発する大きな要因」「伝統的子育てによって(発達障害は)予防 できる」と書かれていることに対して、「親の育て方が原因であるような表現は 医学的根拠がない」というのが、批判の最大のポイントになっています。この批 判の箇所については、私の見解とは異なる点があります。 発達障害の原因は先天的な基礎障害(impairment)ですから予防はできませんが、 斎藤万比古総編集『発達障害とその周辺の問題』(中山書店)によれば、乳幼児 期の早期に出現するとされる能力障害(disability)、さらに、学童期から思春 期にかけて出現するとされる二次障害は「個体と環境の相互作用の結果の産物」 として理解する必要があり、一つの側面として「発達障害は関係障害である」と も指摘されています。 したがって、子供たちに大きな影響を与える環境を整えることは、症状の予防や 改善につながると考えることができます。 また、文部科学省の脳科学に関する報告書も「遺伝要因と環境要因が複雑に絡み 合って発症する」と述べ、世界保健機関(WHO)は11年前に障害分類を改定し、 個人の障害を環境との関係性の中で捉え、個人因子と環境因子の相互作用を重視 する視点に転換しました。 さらに、浜松医科大学の杉山登志郎教授は、高齢出産やたばこの影響、多胎、未 熟児、生後から1歳までの環境要因の積み重ねが発達障害の要因になりうると、 指摘しています。このように子供の発達にみられる後天的、二次的障害にウェイ トを置いて発達障害に言及する科学的知見も見られます。家庭教育は子供の発達 の支援であるという立場に立てば、このような科学的知見は、特にこれから親に なる人たちに一刻も早く提供する必要があるのではないでしょうか。より早期の 対応が有効ともいわれています発達障害の予防と早期発見、早期支援に全力をあ げる「未来への投資」こそが求められているのです。 勿論、「乳幼児期の愛着形成不足」が先天的な基礎障害の「大きな要因」ではあ りません。その点では条例案は不適切です。しかし、二次障害に環境要因が関係 していることは明らかですから、二次障害については、早期発見、早期支援、療 育などによって症状を予防、改善できる可能性が高いといえます。 その意味で、発達障害児・者の親の心情に最大限の配慮をしなければなりません が、親を責め傷つけることにつながるという理由で、環境要因や育て方が二次障 害に関係するとの見解までもタブー視し、「疑似科学」と不当なレッテル貼りを してしまうことは、子供の「発達を保障」することによって得られる子供の「最 善の利益」を損ねることになるのではないでしょうか。 親の「人権侵害」だと声高に叫ぶ人たちには、子供にも発達段階に応じて親から 保護される権利があり、教育基本法第10条が「父母その他の保護者は、子の教育 について第一義的責任を有するものであって・・・・・心身の調和のとれた発達 を図るよう努めるものとする」と明記していることも忘れないでほしいと思いま す。 いずれにしても、この専門領域については未だ研究途上にあり、専門家の見解が 分かれているので、見解を異にする専門家からのヒアリングをしっかり積み重ね 「発達障害」という用語の定義を理解し、共通理解を深めたうえで、十分に論議 を尽くして再出発する必要があると思われます。 混乱を招いた一部不適切な条例案のために家庭教育支援条例の全体を葬り去るこ とは将来に禍根を残すことになります。 今後、国会議員の勉強会でも発達障害と虐待の関係(虐待の連鎖─虐待に起因す る「発達障害的症状」)、発達障害の環境要因と伝統的子育て(関わり方)など について専門家からヒアリングを行い、科学的知見に基づく情報の提供に努めて まいりたいと思います。                  平成24年5月8日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達が気になる子のサポート入門 発達障害は「オリジナル」発達 (新書) 阿部 利彦 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00039.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 22:19 2012/05/22 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 金環食は、ご覧になれたでしょうか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ LDニュースは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行してます ------------------------------------------------------------------------

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