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□ LD・発達障害等関連図書 → http://ldnews2000.web.fc2.com/books/  □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #1116 2011/10/25 発行 登録(配信)読者数 3005 ■ ■ LD = Learning Disabilities LDニュース編集人発行 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD親の会「けやき」Wing主催研修会発達障害のある生徒のキャリア教育 ■ ■ 親の会「けやき」講演会「二次障害予防」/武蔵野公会堂 2011/11/26 ■ ■ 電子出版「パブー」『DAISY』河村 宏さんの呟きのまとめ 薄墨桜編集 ■ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第1回議事録 ■ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第2回議事録 ■ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第3回議事録 ■ ■ 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ (第5回) 配付資料  ■ ■ 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ第5回 西滝委員提出資料 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 00:15 2011/10/26 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  秋のワーキングメモリトレーニングお申込み受付中。コグメド・ジャパン   http://www.cogmed-japan.com/               【広告】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■□ http://ldnews2000.web.fc2.com/sample.html  ■□■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害 母たちの奮闘記 (平凡社新書) [新書] 山下 成司 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00064.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD親の会「けやき」Wing主催研修会発達障害のある生徒のキャリア教育 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://ldnews2000.web.fc2.com/pdf/20111203.pdf LD親の会「けやき」Wing主催研修会 発達障害のある生徒のキャリア教育 〜普通校でのあり方を考える〜 平成17年に発達障害者支援法が施行されて以降、発達障害の人に向けた支援は急 激に進んで来ていますですが、その一方で、本人・保護者が“障害”を受け入れ ることができなかったり、成人後の雇用・就業がなかなか進まない状況もありま す。 研修会では、特に普通校に在籍する発達障害の児童・生徒に焦点を当てながら、 親や支援者は現状をどのように理解し、本人をナビゲートするには何が必要かな どについて一緒に考えたいと思います。特別支援学校とは異なる環境にいる児童 ・生徒のキャリア教育を進めるにはどうすればよいのでしょうか。 日 時:2011年12月3日(土)13:30〜17:00     (受付開始 13:00) 会 場:新宿NSビル3階 305会議室 (地図参照) 対 象:教員・保護者・就労支援機関・区市教育委員会・大学関係者 プログラム ◆ 第1部 <13:30〜14:15> 講 演:「発達障害を持つ生徒のキャリア教育を考える」 講 師:神奈川県立保健福祉大学教授 松為 信雄 氏 休憩 <14:15〜14:30> ◆ 第2部 <14:30〜16:00> シンポジウム:「発達障害者の就労面  における現状と課題」  シンポジスト   東京都教育委員会 伏見 明氏   株式会社キユーピーあい取締役社長 湯田 正樹氏   就労支援機関 市村たづ子氏   Wing代表 新堀 和子氏  コーディネーター 松為 信雄氏 ◆ 質疑応答・まとめ <16:00〜16:30> ※ 資料代 (会員、一般とも)500円 後 援:全国LD親の会、東京都教育委員会(申請中)、田口教育研究所 この研修会は、「公益信託オラクル融資の会ボランティア基金」より助成を受け ています。  <参加申し込み先> 下記申し込みサイトから、お申し込みください。   http://kokucheese.com/event/index/17270/ ◆ 申し込み締め切り:2011年11月20日(日)必着。ただし先着順60  名まで。 ◆ 定員になりました場合のみ連絡いたします。  <交通案内> ◆ JR線・京王線・小田急線・東京メトロ丸ノ内線:新宿駅「南口・西口」より   徒歩約7分 ◆ 都営地下鉄新宿線・京王新線:新宿駅「新都心口」より徒歩約6分 ◆ 西武新宿線:西武新宿駅より徒歩約15分 ◆ 都営地下鉄大江戸線:都庁前駅「A3出口」より徒歩約3分 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 特別支援教育におけるATを活用したコミュニケーション支援 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00061.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」講演会「二次障害予防」/武蔵野公会堂 2011/11/26 ■ ------------------------------------------------------------------------ LD親の会「けやき」主催講演会『どんな大人にしたいですか』 〜家庭や学校でできる二次障害予防の心得〜 http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/KEYAKI/20111126.pdf http://kokucheese.com/event/index/16227/ LD親の会「けやき」主催講演会 『どんな大人にしたいですか』〜家庭や学校でできる二次障害予防の心得〜 講 師:小栗 正幸 氏     特別支援教育ネット代表・特別支援教育士スーパーバイザー 障害が原因で起こる失敗や挫折のくり返しから、感情や行動にゆがみが生じ、周 囲を困らせる行動をとることを二次障害といいます。 LD親の会「けやき」では、小栗正幸氏をお招きし、「家庭や学校でできる二次 障害予防の心得」と題して、下記日程にて講演会を開催いたします。 LD等発達障害のある思春期の子どもをかかえて、子育てに悩む親御さんや、支 援に携わっている教育機関等の関係者の方々におきき頂き、参考にしてほしいと 思っています。是非、多くの皆様のご参加をお願いします。 日 時:2011年11月26日(土) 13:30〜16:00                    (受付開始 13:00) 場 所:武蔵野公会堂 第1・2会議室(2F) JR中央線吉祥寺駅(南口) 定 員:100名(事前申し込みが必要です) 対 象:保護者、教育関係者、障害者支援関係者、一般(関心のある方) 申 込:名前・お立場・連絡先を明記の上、11月12日(土)までに申込 ★申込先Eメールアドレス:keyaki@box.club.ne.jp 資料代:1000円(当日受付にて申し受けます)けやき会員は無料です 主 催:LD(学習障害)親の会「けやき」 後 援:東京都教育委員会(申請中) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 感覚統合を生かしてたのしく学習−読む力・書く力を育てる 佐藤 和美 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00050.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 電子出版「パブー」『DAISY』河村 宏さんの呟きのまとめ 薄墨桜編集 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://p.booklog.jp/book/35908 この本について  みなさん、こんにちは。  この本の題名を見て、「DAISY」って、何?  そう思われた方も、きっと多いのではないでしょうか。。  「DAISY」は視覚障害者や普通の印刷物を読む事がむずかしい人のために作ら れました。日本では、点字図書館や公共図書館、ボランティアによって「DAISY 録音図書」が作られ、CD-ROMによって貸し出されていますし、視覚障害者だけで なく、学習障害、知的障害、精神障害者にも とても効果があることが分かって きています。  マルチメディア化したDAISY図書は、音声にテキストおよび画像をシンクロ (同期)させることができますので、ユーザーは音声を聞きながらハイライトさ れたテキストを読み、同じ画面上で絵をみることもできます。  この本で呟かれている河村宏さんは、twitterのプロフィールに 「@hkawa33 DAISYコンソーシアム(スイスに法人格を持つ国際非営利法人)会長。 ユニバーサルデザインを促進するオープンスタンダードの開発と普及を通じて出 版と図書館がすべての人による知識共有を実現することを夢見ています。」と書 かれています。  この河村宏さんの呟きをまとめた9つのtogetter を、さらにパブーで1冊の 電子書籍にまとめました。    本にしたいという私の申し出を、快く承諾してくださった河村宏さんに、心か らの御礼を申し上げます。  また、この本をまとめるきっかけとなり、強力な道具ともなってくれた togetterとパブー関係者の方たちに感謝いたします。    ☆2011年10月11日「EPUB3.0が公式にリリース」されました。   祝!☆おめでとうございます。        宇都宮にて  薄墨 桜 (2011.10.14) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もしかして私、大人の発達障害かもしれない!・ 田中康雄 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00068.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第1回議事録 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1312421.htm 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討 ワーキンググループ(第1回) 議事録 1.日 時 平成23年7月8日(金曜日)15時00分〜17時00分 2.場 所 文部科学省東館16F特別会議室 3.議 題   1.主査の選任等について   2.ワーキンググループにおける検討事項について   3.その他 【山岡委員】 日本発達障害ネットワークと、学習障害の団体であります全国LD 親の会からまいりました山岡と申します。よろしくお願いいたします。  私の立場は、1つは障害を持つ子どもの保護者であるというところ、それから 発達障害の団体を代表しているということの2つの立場から、この合理的配慮に ついて検討に参加させていただきたいと思っております。  合理的配慮は、障害者の権利条約の考え方の1つ大きなポイントになるところ でありまして、これについては障害者の権利条約の批准に向けてぜひ合理的配慮 の水準について、ある程度このワーキンググループで検討が進むことを期待して いるところです。  一方、その合理的配慮と、先ほど事務局の方からも御説明がありましたが、サ ービスを受ける側と提供する側、双方にとって合理的な水準というのがきっとあ るのだろうと思います。しかし、教育の場合は多くがその提供側が官のほうと言 いますか、公のところが多いところでありまして、個々人の保護者の立場からし ますと、サービスを受ける側と提供する側の力の差が大きいということがあると 思っております。  一方、発達障害の立場から言いますと、全ての障害に関して合理的配慮が必要 なわけですが、発達障害は他の障害と比較すると比較的見えにくい障害というこ とで、その合理的配慮につきましても一段と配慮が必要だと思っています。例え ば、視力は正常なのに文章が読みにくいとか、それから選択的注意集中と言いま して、例えば先生の声だけに集中できなくて、周りの声などが同じように聞こえ てしまうために、集中力を欠くとか、あるいは感覚過敏、音とか、においとか、 光とか、身体接触が嫌だとか、そういったような非常にわかりづらい困難を持っ ていて、それらについての配慮が必要だという面では、この合理的配慮の中で発 達障害についてはまた固有の配慮が必要だと考えているところです。  先ほど、事務局からも御説明がありましたが、合理的配慮につきましてはハー ド面とソフト面というものがあり、いろいろ例も出ていますが、この委員会の中 で、例えば一般的な対応とか、類型化したもの、ミニマムスタンダード、このく らいというようなことも議論を通しては必要だと思いますが、特別支援教育の考 え方に立ち帰りますと、あるいはその合理的配慮のもともとの考え方に立ち帰り ますと、その類型化したものとか、一般的な対応のほかに、おそらく個のニーズ に対応するということが求められると思います。  このワーキンググループでどこまでそこに踏み込めるかどうかわかりませんが、 一般的な対応だけではなくて、個に対する対応が必要だということをぜひ検討い ただきたいと思っています。  それからもう1つ、サービスを提供する側だけが何をするかということではな くて、おそらく周囲のお子さん方を含めて、どのような対応をしていただくよう なことができるか、あるいは保護者からしますと、保護者に対する対応とか、支 援とかいったことも視野の中に入れていただきたいというようなことも含めて、 このワーキンググループに参加させていただきたいと思っております。  以上です。 【石川オブザーバー】 こんにちは、石川です。  今、宮崎委員長からコメントをいただきましたので、私のほうから特につけ加 えることは何もないのですが、若干述べさせていただきます。  各委員からのお話を伺っていて、大変どの御意見ももっともな御意見だという ふうに拝聴いたしました。中でも特に、例えば山岡委員からあったかと思います が、合理的配慮と言ったときに、最初にすべてを、ここまでが合理的配慮であっ て、ここから先は均衡を失するとか、過度な負荷であるとかいうことを固定的に 考えるというのは、あまりよくないのではないかと思いました。もっと柔軟にそ の場で何が個々のケースにおいて、個々の子ども、あるいはその状況においてど こまでが合理的配慮としてやっていけるのかということを模索していくこと、み んなでそれを追求していくことが大事だという趣旨の御発言があったかと思いま すが、全くそのとおりだと思いました。  それから、それに関連してなのですが、均衡を失するとか、過度な負担という 言葉についてです。これらは確かに考慮しなければいけないことですが、まず、 手順としてそれぞれ、合理的配慮はどこまで、どういう合理的配慮が必要なのか ということを、できるだけ今考えられることを考えた上で、どうやって両立して いくのかを考えなければならない。ある子どもに対する合理的配慮が別の子ども に対しての教育に何かバッティングするようなケースを、どうやって二律背反に 落ち込まないようにして工夫して、両立させていくかという知恵です。そういう 工夫をしていくことがすごく大事だと思います。  そのことによって、最初はその均衡を失すると感じられたり、過度な負担と感 じられるようなことも、多くの場合は解決策が見出せるのではないかと感じてい ます。  だから、一番最後にようやく均衡とか、過度な負担というようなことが、どう にもならないときにのみ、それは考えなければいけないことという、優先度とし て一番最後に来るものではないかと感じております。  それから、このワーキンググループは主として子どもたちを支える側、専門の 教育者として、あるいは親の立場として、そういう方が中心で構成されておりま す。いわゆる統合教育を経験してきた、障害を持った子どもとして統合教育を経 験してきた委員というのは、乙武委員は今日欠席されていますが、乙武委員と、 吉松委員、ちょっと私は確認していないのでわからないのですが、西滝委員です ので、次回以降のヒアリングの際に、統合教育を経験してきた障害を持ったかつ て子どもだった人たちに、その時々の状況によっていろいろなことがあったと思 いますので。それをやはり傾聴した上で、また議論を進めていくとよいのではな いかと感じました。  以上です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ビジョントレーニング 学ぶことが大好きになる 北出 勝也 (著) ¥ 2520 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00024.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第2回議事録 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1312422.htm 1.日 時 平成23年7月22日(金曜日)13時00分〜16時00分 2.場 所 三田共用会議所大会議室 3.議 題   1.障害者本人及び保護者からのヒアリング   2.その他 【山岡委員】 発達障害の関係の団体から来ております山岡と申します。一点お 伺いしたいと思います。発達障害の中にも読字障害といって、字を読んだり、書 いたりするのが苦手なお子さんがいらっしゃって、同じような支援が必要なこと があります。今、大学でノートテイクの支援を受けていらっしゃるとおっしゃっ ていますが、これは私立か公立か分かりませんが、大学として組織的に何かそう いう支援システムみたいなものがあって、申請するとできるのか、何かたまたま ボランティアの方がいて支援を受けられるのか、どのような感じで受けていらっ しゃるのかを、教えていただけますでしょうか。 【吉田氏】 娘の大学は、聴覚障害児が入学したのは、実は初めてでした。です ので、大学が決まった時点で話し合いが持たれました。大学側でも独自に調べて いただいて、筑波技術大学でお調べいただいたと思います。大学で学生ボランテ ィアの形で募集して、学生ボランティアの方が2名、両脇についてという形で、 今までは授業についていただいています。  まだパソコンテイク等の導入の検討は、残念ながら、できていないようです。  以上です。 【山岡委員】 ありがとうございました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大人の発達障害−アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 (単行本) 備瀬 哲弘 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00030.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 特別支援教育の在り方特別委合理的配慮等環境整備検討WG 第3回議事録 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1312423.htm 1.日 時 平成23年8月18日(木曜日)13時30分〜16時30分 2.場 所 三田共用会議所講堂 3.議 題   1.障害者本人及び保護者からのヒアリング   2.その他 【山岡委員】 それでは、日本発達障害ネットワークと全国LD親の会ということ で出てきております山岡です。よろしくお願いいたします。  今回は、学習障害について、その保護者の立場でということですが、いろいろ な団体の役員もしております関係で、この日本発達障害ネットワーク、それから 全国LD親の会、日本LD学会、あるいはディスレクシアの団体であるNPO法人エッ ジ、そういった団体からも意見を聞いてまとめさせていただいております。この 意見につきましては、最終的には個人的な意見ですが、いろいろな団体の意見も 聞いてまとめさせていただきましたので、資料としては7−5を御覧いただきたい と思います。  まず、今回、学習障害を中心としまして、知的障害を伴わない発達障害の特性 ということをまずお話ししたいと思います。  知的障害を伴わない発達障害については、親部会でも出ておりましたが、発達 障害は高頻度障害でありまして、2002年の文部科学省の全国的調査でも、通常学 級の中に6.3%程度在籍するということが言われておりまして、各クラスに2人か ら3人いるということです。今回、この合理的配慮ということを考えるときに、 通常の学級において、この子どもたちにどんな配慮が必要か、何ができるかとい うことを考えるわけですが、障害のあるお子さんに対して、将来に向けてどうす るかという対応ではなくて、この知的障害を伴わない発達障害の場合は、既に通 常の学級にいるということです。ですから、将来こういう対策や配慮が必要とい うことだけではなくて、今必要だということと、発達障害のある児童生徒の大半 は、現在も多数通常の学級に在籍しているということを念頭に置いていただきた いと思います。  発達障害は、分かりづらい、分かりにくい障害です。能力にでこぼこがありま して、例えば忘れ物が多いとか、あるいは注意、集中が続かないとかいうことに ついては、怠けているとかやる気がないとかいうように思われがちで、そういう 表面的な行動に対する対応をとられると、間違った指導が行われるということで す。そのような障害の特性について理解をしていただいた上での配慮が必要だと いうことです。  ここで例として挙げていますが、読み書きは得意で、漢字も難しい漢字が書け ますが、例えば算数、計算については小学校1年生レベルのものしかできないと いうようなことです。ぱっと見たところ、そんなことあり得ないと思うので、間 違った指導や判断をしがちになります。  それから、視力は正常なのに、文字、文章を読み取ることができない。これは ディスレクシアというタイプです。ぱっと見たところ、分かりづらいですが、文 章をきちっと読んで理解することが難しいお子さんがいます。  ADHD系のお子さんもいますが、授業中に先生の声に傾聴できません。音を聞き 分ける能力がないので、いろいろな雑音とか周りの声が同じように聞こえてしま って注意、集中ができないということです。そういうときに、やる気がないとか 集中しろとか言われても、なかなかそれはできません。  また、感覚過敏もあります。自閉症の話にありましたが、接触とかにおいとか、 特に過敏なお子さんがいます。後ろから背中をたたかれることがすごく嫌なお子 さんがいます。それから、コミュニケーションに問題があるお子さんがいます。  このように、見た目ではちょっと分かりづらい障害なので、個々の特性をきち っと理解した上で配慮いただくことが必要だと思います。  その発達障害のお子さんにもいろいろなタイプのお子さんがいらっしゃって、 個々に特性が違うということです。先ほど市川先生も、自閉症だからこうだとい う話がありましたが、いろいろな特性のお子さんがいらっしゃるので、障害名だ けで判断しないで、個々の特性を見て配慮いただくことが大切なのです。先ほど も申し上げましたが、このような発達障害の特性を持つお子さんは、現に通常の 学級にたくさんいらっしゃるのだということを前提に、必要な合理的配慮とは何 かということを、今回いただいた8つのテーマに沿ってお話を差し上げます。  1つ目の子どもの成長のために学校教育に期待することです。これは、通常の 学校や学級に在籍していても、資料にお示ししたような教育・支援を受けられる ことが重要であるとしています。  内容は、「一人一人のニーズや特性に合わせたきめ細かな支援」、「将来の自 立や社会参加に向けた教育」、あるいは「社会性やコミュニケーションを身に付 けられるような教育」としておりますが、実はこれは、特別支援教育とは何かと いう理念そのものです。これが通常の学級にいても、通常の学校にいても、きち んと受けられるような体制が必要だと考えております。  2番目の早期からの教育支援についての配慮事項です。項目は一々申し上げま せんが、どこの幼稚園や保育所においても、例えば早期発見とか早期の支援、あ るいは就学に向けた早期からの相談支援や支援がきちんと受けられるような体制 の整備が必要であると思います。  3つ目の教育内容や方法についての配慮事項について、少し詳しく申し上げま す。  ここでは6点挙げさせていただいております。1つ目ですが、個々の子どもの表 面的な困難だけではなく、認知特性や行動特性をしっかり把握して、個々の特性 に合わせた支援を行うことが重要であるとしております。先ほども同じようなこ とを申し上げましたが、認知特性等の背景要因を考慮せずに、表面的な困難に対 して一般的な対処方法、例えば努力をしろとか、あるいは頑張りましょうという 対応をとると、逆効果になってしまうことが多いということです。  例えば、先ほど言いましたが、計算障害のあるお子さんですと、数の概念がつ いてないケースがありまして、1桁足す1桁の足し算について、例えば小学校の中 学年ぐらいになっても困難を持っているお子さんがいます。  健常なお子さんの場合は、繰り返し練習することによってできるようになりま すので、一生懸命頑張りなさいとか、繰り返し練習しなさいとか、5回ずつ練習 でだめなら、20回練習してこいとか、そういうことが一般的に考えられるやり方 なのですが、計算障害のある子どもは努力をしてもできないので、かえって本人 が傷ついたりします。ですから、そこのつまずいているところ、数の概念がつい ていない、あるいは短期記憶が悪いとか、そういうことの認知能力とか、そうい ったところをきちっと鑑別していただいて、工夫した指導というものが必要だと いうことです。  例えば、もう一つは行動面になりますが、音とか声に傾聴する能力に欠けるお 子さんがいます。学校の中では、授業中、先生の声に傾聴しなければいけません が、窓の外で聞こえる自動車の音だとか子どもの声とか、隣で消しゴムを落とし た音とか、そういったことに気を取られてしまって、先生の声に集中できないタ イプのお子さんがいます。  そういう特性をわかっていないと、集中力が欠けることに、あるいはよく聞い てなかったことについて、努力不足とか、一生懸命頑張っていないとかいうこと になって、努力を強いたりしますが、それも、そういった認知能力の困難が原因 だとわかっていただくと、対応が違ってくると思います。  2つ目ですが、学習障害ということで言いますと、教科学習に非常に困難を持 っているケースがあります。現在の教科課程の中ですが、例えば学習指導要領な どで一昨年の改訂において、行動面の問題については少し書き込まれたところが ありますが、教科補充とか教科の面についてはあまりうたわれてなかったと思い ます。ですから、学習面の困難は、学習障害を主訴とするお子さんだけでなく、 実はADHDのお子さんや自閉症のお子さんも学習面に困難を持っているお子さんも あります。この学習面の困難については、1つ上の項目にもありましたが、認知 特性等の特性に基づいた個々の特性に合わせた指導方法を学習指導要領等にうた っていく必要があるだろうと思います。  それから、3つ目ですが、今度は行動面、生活面の問題です。小中学校の通常 の学級において、発達障害のある児童生徒が持つ生活面、行動面の困難に対して、 個々のニーズや特性に合わせた支援をしていくことが重要ということを言ってい ます。  例えば例としましては、45分間の授業時間中、注意、集中力が続かないお子さ んがいます。15分ぐらいが限度だというお子さんが結構いたりしますが、そうい ったお子さんについて、単に45分我慢をしなさいとか、注意、集中しなかったら 罰のように廊下に立たせるとか、そういう対応をするとかえって逆効果になりま す。例えば15分たったらタイムアウトをとってあげるとか、目標、決めた時間を 達成したら御褒美シールを上げるとか、そのようなことを積み重ねることによっ て自信をつけたり、そのような指導をすることによって徐々に解決をしていく、 そういう力をつけていくということができると思いますが、そういった指導の工 夫が必要であると思います。  これも一昨年改訂された学習指導要領の中では、特別支援学校用の学習指導要 領をひもといていくと、解説編に、発達障害に関わるような中身がうたわれてい て、ひもといていくと、そこの指導方法が書かれています。ここに書き込まれた ことは実は画期的なことではあったのですが、小中学校におけるそういう面の指 導方法というのは、本来は小中学校用の学習指導要領にきちっとうたうべきだろ うと思っております。  それから、4つ目ですが、小中学校や通常学級において、個々の特性に対する 理解、配慮が行われることが望まれるとしております。感覚過敏とか集団行動が 苦手とか、急な予定変更についていけないというお子さんがいまして、これらも ちょっと目で見ると、わがままとかしつけがなってないとか我慢が足りないとと られがちです。しかし、そういう特性を持ったお子さんであるということを理解 していただいて対応していただくことが大切であると思います。  次へ行きまして、5つ目は、個別の教育支援計画や個別の指導計画をきちっと 使っていただいて、個々のニーズに合わせた計画的な指導、支援が通常の学級、 学校においても行われるべきだということを申し上げております。  それから、最後ですが、ここでICT機器等の利用について申し上げます。例え ばさっき言いましたディスレクシアのお子さんでありますとか、聴覚認知とか視 覚認知に問題のあるお子さんの場合は、パソコンその他のICT機器等を利用する と結構学習が進みやすいという例があります。例えばそういう機器を学校で使い たいと申し出ても、なかなか認められないというケースがあるとの意見が出てお りました。合理的配慮の観点から柔軟に対応いただくことが必要であると思いま す。  それから、テーマの4つ目ですが、学校における支援体制についての配慮事項 です。ここでは5つほど挙げていますが、重要な点だけ申し上げていきます。  1つ目です。通常の学級において、適切な支援ができる体制づくりが重要であ るとさせていただいております。通常の学級における支援体制につきましては、 これは平成15年ぐらいから文部科学省で特別支援教育体制の推進事業ということ で取り組んでいただいておりまして、学校の中には校内委員会ができたり、特別 支援教育コーディネーターが設置されたりということが行われております。ただ、 実態としまして、通常の学級において、これで支援体制ができているかというと、 なかなかうまくいっていないところもあると思いますが、基本的には、特別支援 教育あるいは通常の学級において、発達障害のお子さん等に支援するときには、 お1人の先生の力ではなかなか難しいところがあるので、校内でのチーム支援体 制を充実していただくことが大切であると思います。  それから、2番目に挙げていますのは、担任教員に対する支援体制ということ ですが、今は担任の先生、頑張ってくださいとなっていますが、担任の先生もお 忙しいですし、なかなか専門的な知識をお持ちでもないですし、頑張れと言われ ても、なかなか頑張れないと思います。大変お気の毒なところがあると思います。 担任の先生に対する支援体制をきちんと拡充してあげる。学校でのチーム支援体 制であり、あるいはTTの補充、拡充でもいいですし、巡回支援とか、先生が困っ たときに相談できるような体制をとるとか、教材・教具に関する情報提供を充実 するとか、そのような担任の先生方への情報提供や支援の積み重ねで、担任の先 生がお1人で頑張らなくて良い体制を作っていただきたいと思っております。  それから、学習支援員とか特別支援教育支援員、既に平成19年度からかと思い ますが、今3万人以上の方が予算としてついて活用されていますが、現状、その 質とか量の拡充ということ、研修をちゃんと受けてらっしゃるだろうかとか、あ るいはちゃんと支援ができるような資質のある方であるかというところについて、 まだばらつきがあると思いますので、これらを拡充いただきたいと思っておりま す。  それから、4つ目が非常に大事でありまして、通常の学級においてお子さん方 に支援するためには、クラスメートなどの周りの方の理解が必要です。そこがで きないために、ネックになっているケースがあります。そこで、クラスメートや 保護者の方の理解を醸成するような仕組みや取り組みを是非進めていただきたい と思っております。  時間もありますので、5番目に行きます。施設・設備についての配慮事項です。 現在、通級による指導が行われておりますが、合理的配慮という観点からします と課題かなと思うところがあります。現在、通級による指導においては、他校に 通級しているケースが比率として結構多く見られます。例えば東京でいきますと、 通級制度は、拠点校方式をとっていますので、数校に1校、通級の教室を作って、 そこに周辺の学校から通う形になっています。  最終的には、合理的配慮というからには、自校通級が望ましいわけで、他校通 級をするということは、それだけ通級をするために通学に時間をとられたり、保 護者がそこに手を取られたりすることになっております。すなわち、合理的配慮 という観点からすると、負担がかかっているところだと思いますので、是非、原 則自校通級が原則できるように取り組んでいただきたいということです。それと、 そこに行くためには、多分、特別支援教室構想とあわせて検討していかないと難 しいかと思いますが、この「特別支援教室構想」についてもきちんと検討いただ きたいと思っております。  施設や設備につきましては、教室等の構造化とか表示の工夫とか、視覚認知や 聴覚認知、あるいは感覚過敏のあるお子さんも結構ありますので、そういったこ とに対する配慮が必要だと思っております。  それから6番目は、学校外における支援体制への配慮事項についてです。発達 障害だけに限ったことではありませんが、障害のあるお子さんに対する支援は、 学校だけでできるものではありません。基本的には、学校と家庭、あるいは周り の支援機関との連携ということが必要かと思いますが、こういった連携のときに 難しいのが情報の共有化ということです。例えば個人情報保護法の関係とかでで きないとか、いろいろなことがあるかと思います。個別の教育支援計画は、医療、 福祉、労働等の関係機関との連携をもとに作るとなっていますが、この個別の教 育支援計画を制度化していただいて、きちんとした連携がとれるようにしていた だきたいと思っております。  7番目ですが、幼、小、中、高の各段階における配慮事項ということです。こ の部分は大事なところだけ申し上げますと、小学校から中学校ぐらいの年齢の発 達障害のお子さんは、二次的障害に陥るケースが結構あります。ただし、ここは きちっとケアをしていくことによって、二次的障害はかなり予防できるだろうと 私は思っています。ですから、このことが重要だということが1つです。  それから、高等学校の段階は、先ほど市川先生も高等学校のところをおっしゃ っていましたが、入試における配慮とか、取組が遅れている面がありますので、 ここを重点的に拡充していただきたいというところです。  時間も来ておりますので、ここで終わらせていただきます。どうもありがとう ございました。 【尾崎主査】 ありがとうございました。  それでは、質疑応答に入りたいと思います。  ?橋委員、お願いいたします。 【?橋委員】 山岡委員、ありがとうございました。参考にさせていただこうと 思っています。  今発表されました学習障害ですが、学校現場で見分けにくい、見つけにくいと いうことで、一番難しい問題であると思っています。生育歴その他もありますし、 児童虐待の問題もあります。それから、教員の指導力の問題もありまして、果た してこの子が学習障害(LD)なのかどうかを見分けることが難しくて、むしろ、 学校で間違った指導がなされている。家庭的にこういう問題があるから、今こう なっている、こういう状況でいるということ、その前提に立ったカウンセリング、 その他を実施しまして、今委員がおっしゃったような指導がなされてないケース が多いのですが、これを学校現場の校長先生に理解していただくこと。それから、 家庭との連携のあり方について、家庭の理解を得る、これもまた難しいことです が、良いお答えがありましたら、教えていただければと思います。よろしくお願 いします。 【尾崎主査】 よろしくお願いします。 【山岡委員】 ありがとうございます。まずは、私が答えることかどうか分かり ませんが、お子さんの状態について、先生方が気になる段階があると思います。 気になるお子さんというか、何かつまずきがあるお子さんという段階では、なか なか特性は把握できないと思います。各学校や地域においてこういうことをやら れると思うんですが、気になる段階で学校で検討いただいて、今度は専門家チー ムに投げていただいて、必要があれば、そういった診断や実態把握をきちんとし ていただくということです。発達障害のお子さんだけではないと思いますが、や る気がないお子さんや、家庭の環境の問題で勉強ができないお子さん、怠学とい うか勉強をサボってるお子さんに対する対応とは違いまして、背景に発達障害等 があるお子さんについては、きちんとした認知特性や行動特性などをとらえた診 断や鑑別をした上で、それに合わせた対応をしなければいけないと思いますので、 そういった方法をとっていただくことが大事であると思います。  それから、家庭との連携ということにつきましては、多くが保護者との間のコ ミュニケーションをきちんととっていただくことによって解決することが多いと 思います。詳しくは今述べる時間はありませんが、そういった体制をとっていた だくことによって役割分担をして、お子さんの発達の支援のために一緒に頑張っ ていただくといいますか、取り組んでいただくということが大事だと思いますの で、まずはそういった姿勢が大切であると思っております。  以上です。 【?橋委員】 ありがとうございました。 【尾崎主査】 ほかに質問等ございますか。  山中委員、お願いいたします。 【山中委員】 調和小学校の山中です。  山岡委員の発表で、4ポツの学校における支援体制についての配慮事項の最後 のところに、「必要に応じて、少人数・個別等の特別な場での支援が受けられる ことが望まれる」と書かれていますが、その下の施設・設備についての配慮事項 では、「通級による指導拡充が重要である」の2つ目のところに、「特別支援教 室構想の実現が望まれる」とあります。特別支援教室というものが今後いろいろ 出てくると思うのですが、これが4ポツの最後のところに書いてある特別な場と いうのが山岡委員の今書かれていることでいいんですが、これが特別支援教室と いうことなのか、通級による指導の拡充、通級で他校に行っている場合があって、 できれば自校にということをおっしゃっていましたが、自校通級を原則にする、 そういうことが特別支援教室なのか、もしもこの特別支援教室構想について、お 考えがあればお伺いしたいと思いました。 【山岡委員】 2つありまして、通級については、合理的配慮という観点でいき ますと、他校通級をするということは、明らかに自校通級よりも負担がかかるわ けで、障害のあることによって他校に通級しなければいけないということは合理 的配慮の観点から見ると、自校で通級できるようにしていくべきだろうというこ とです。  それから、特別支援教室については2つありまして、1つは、通級を自校通級で できるよう、各学校に通級教室を作っていくときに、特別支援学級と通級を発展 的に一緒にしていくことによって、各学校に特別支援の特別の場を作っていく考 え方が、以前の検討の中であったと思います。  それから、通級の制度は、基本的には、週に3時間から8時間の対応ですが、今 は少し柔軟性を持って対応できるようになっております。一方、特別支援学級に ついては、基本的には、週28時間、100%そこにいることが前提になっていて、 その2つの間には結構落差があるということです。もちろん、交流や共同学習な どもあるわけですが、その落差をなくして、柔軟性のある体制にしていこうとい うことが特別支援教室の1つの狙いで、その2つがあるので、このような書き方に なっています。  それから、4ポツの最後の方にある、「必要に応じて、少人数・個別等の特別 な場での支援が受けられることが望まれる」という記載は、通常の学級だけでは 発達障害のあるお子さん、あるいは学習障害のあるお子さんについて、指導が十 分にできないだろうということで、すべてが通常の学級での指導ではなくて、通 級あるいは特別支援教室などの特別の場、通常学級を離れた場における少人数あ るいは個別の支援、指導が必要であるということを書いております。  お答えになったかどうか分かりませんが、以上です。 【市川氏】 先ほどの石川委員の御質問に対する答えですが、私、医療、福祉の 考え方で発達障害があって、それが一番、今、数も多いですし、対応が難しいも のは自閉症という意識で申し上げましたが、ここは教育の場であって、文部科学 省の場ですので、数が一番多いというのは少なくとも間違いですので、その点に ついては訂正させていただきたいと思います。 【石川オブザーバー】 このワーキンググループでの議論を踏まえて、委員会で また議論することになります。明日も議論がありますので、そういった観点から 1点発言させていただきたいと思います。  前回と今回、ワーキンググループの話を聞かせていただいて、合理的配慮につ いて、いろいろな考え方、いろいろな受けとめ方があるということ、予想以上に それがあるということも分かりまして、そうであればこそ、なおさら、各障害別 に合理的配慮について、例えば優先度を決めながら、それを単にリストしていっ たりというだけでは済まなくて、やはり合理的配慮とは一体どういうことなのか ということについてきちんと整理して、それを報告書の中に生かしていく必要が あるのではないかと感じました。  例えば合理的配慮を行うことによって、かえって教育的には配慮にならない場 合があるのではないかとか、あるいは合理的配慮がないことが、教育的配慮であ る場合があるといった話にならないようにというか、つまり合理的配慮という概 念規定をきちんとして、現場でいろいろな解釈や、いろいろな見方が広がって収 拾がつかなくならないような工夫が必要ではないかと感じました。  先ほど河本委員がおっしゃったように、合理的配慮というものは、そんなに難 しいことではなくて、一人一人の子どもに対して実質的な教育の平等を提供する ということであって、例えば教育が適度な負荷を与えることだとすれば、一人一 人の子どもによってそれは違うわけで、過度な負荷を与えてしまうと、それはや っぱり壊れてしまうし、負荷が足りないと育たない。せっかく育つ可能性を持っ ているのに育たないということにもなるので、それを障害という種別だけで横断 的に、視覚の場合はこうだとか、聴覚の場合はこうだとかという話だけではなく て、個人個人で違いがあるだろうし、そういったことも含めて整理していくとい うことではないかと思います。  ですので、合理的配慮をどのようにとらえるかということについての共通の基 盤となるような考え方をワーキンググループ及び委員会の中で合意形成をして、 それでもいろいろな議論はあると思いますが、共通基盤を作っていって、その上 に合理的配慮の指針というか、ガイドラインみたいなものを作っていく必要があ るのではないかと感じました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害の人の就活ノート 石井 京子 (著) (単行本) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00069.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ (第5回) 配付資料  ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/1312430.htm 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討 ワーキンググループ(第5回) 配付資料 1.日 時 平成23年10月24日(月曜日)9時30分〜12時30分 2.場 所 経済産業省別館1028号会議室 3.議 題   1.合理的配慮について   2.配慮事項の検討について   3.その他 4.配付資料 資料1-1:平成23年度第3次補正予算(特別支援教育関係) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312489.htm 資料1-2:平成24年度概算要求事項(特別支援教育関係) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312490.htm 資料2:特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第12回)及び合理的配慮等 環境整備検討ワーキンググループ(第4回)における意見の概要 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312492.htm 資料3-1:諸外国における合理的配慮について (PDF:165KB) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/25/1312430_1.pdf 資料3-2:アメリカのIDEA(障害のある個人教育法) に規定されている合理的配慮 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312493.htm 資料4:「合理的配慮」についての本ワーキンググループにおける整理(案) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312494.htm 資料5:学校における配慮事項等について(共通事項)(案) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312495.htm 資料6:西滝委員 提出資料 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312497.htm 資料7:福島委員 提出資料(PDF:102KB) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/25/1312430_2.pdf 参考資料:合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ委員名簿 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/meibo/1308078.htm お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インクルーシブ教育の実践−すべての子どものニーズにこたえる学級づくり− http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00052.html  学苑社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ第5回 西滝委員提出資料 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1312497.htm 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討 ワーキンググループ(第5回) 配付資料 資料6:西滝委員 提出資料      合理的配慮および必要な支援について                    財団法人全日本ろうあ連盟 西滝憲彦  障害者権利条約において、締約国は教育についての障害者の権利を実現するに あたり、「個人の必要とされる合理的配慮が提供されること」(第24条2項(c)) と定めています。  また、第5条「平等及び無差別」3項においても、「平等を促進し、及び差別を 撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するためのすべ ての適当な措置をとる。」とあります。  即ち、どのような実情や制限があろうと、それぞれの障害者個人に対する合理 的配慮が施行されないのであれば、それは障害者権利条約に違反し、障害者の権 利を妨げる差別となります。  合理的配慮を提供するための措置、または、その合理的配慮が提供されなかっ た場合の「差別」に対する救済措置を講じる必要があります。本会議にて合理的 配慮とはどこからどこまでの範囲かという審議がありましたが、特別支援教育の 在り方を検討する発端となった障害者権利条約にて定められていることを原点と し、そのうえで審議することが適当であると考えます。 【インクルーシブ教育における必要な支援】 ○1 全ての障害に共通する合理的配慮および必要な支援 ・学級を構成する児童・生徒全員が参加できるよう教授方法の創意・工夫 ・試験方法の工夫、試験時間の延長、試験環境の整備および評価方法の工夫 ・点字、手話、デイジー教材(注1)等のデジタル教材等のコミュニケーション  方法および手段の確保 ・個々の障害の状態やニーズに対応した教科における配慮(例:視覚障害の図工 ・美術・体育、聴覚障害の音楽・体育・英語、肢体不自由の図工・美術・音楽・  体育等) ・バリアフリーおよびユニバーサルデザインの観点を踏まえた個々の障害の状態  やニーズに対応した適切な施設整備 ・障害の状態やニーズに対応した身体活動(行動)スペースや遊具・運動器具等  の確保 ・個々の障害やニーズに対応した教材等の確保(例:デジタル教材、ICT機器等  の利用) ・学級担当教員(担任)への負荷が集中しないための副担任の配置 ・障害の状態やニーズに対応した専門性を有する教員、カウンセラー等の配置 ・移動や日常生活の介助、情報やコミュニケーション保障及び学習面を支援する  人材の配置 ・個々の障害の状態やニーズに対応した指導方法等について指導・助言する理学  療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士等専門家等の  確保 ・カウンセラー、専門性を有する教員、支援する人材および上記専門家等の配置  や条件整備をコーデイネートするコーデネイターの配置 ○2 全ての障害に共通する条件整備 ・介助員、通訳者、カウンセラー、専門家等の人材養成、派遣、配置制度の整備 ・移動、交通バリアフリー法、著作権法、放送法、総合福祉法、情報・コミュニ  ケーション法等の法整備 ・関係機関(障害者支援センター、情報提供施設、医療機関等)との連携 ・個々の障害の状態やニーズに対応した支援や指導システムについての研修制度  の整備 ・個々の障害の状態やニーズに対応したコミュニケーションツール(点字、手話  等)の学習・研修体制整備 注1:DAISY(Digital Accessible Information System、日本では『アクセシブ ルな情報システム』と訳されている)図書は、視覚障害、学習障害、知的障害、 精神障害の児童生徒に有効であり、聴覚障害児にとっても、日本語の読み書きに ハンディを持つ場合は効果がある。デイジー図書・教材を整備するため著作権法 を改正し、デイジー図書・教材とそのための機器を整備していく事業が必要であ る。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アスペルガーですが、妻で母で社長です。 出版社:大和出版 価格:¥1、365 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00066.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『あたまと心で考えよう SSTワークシートー社会的行動編』 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00059.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 00:15 2011/10/26 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 財団法人全日本ろうあ連盟西滝憲彦氏の資料にあるように、「平等を促進し、及 び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するた めのすべての適当な措置をとる。」が正解なのであって、あまり「まじめに」考 えなくとも良いなどと言うのは、それこそ「不まじめ」な態度。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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