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□ LD・発達障害等関連図書 → http://ldnews2000.web.fc2.com/books/  □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LD(学習障害)ニュース #1100 2011/08/24 発行 登録(配信)読者数 3010 ■ ■ LD = Learning Disabilities LDニュース編集人発行 1997/09/10創刊 ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」講演会「二次障害予防」/武蔵野公会堂 2011/11/26 ■ ■ 日弁連 衆議院内集会「障害者総合福祉法制定に向けて」 2011/10/17 ■ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 中村文子氏 2011/08/18 ■ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 石塚由江氏 2011/08/18 ■ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 岩城節子氏 2011/08/18 ■ ■ 中教審合理的配慮等環境整備検討WG提出資料福島慎吾委員 2011/08/18 ■ ■ 7月28日の参議院内閣委員会での山東昭子議員の質問についての回答 ■ □ 編集後記 ------------------------------------ 01:55 2011/08/24 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夏休みのワーキングメモリトレーニングお申込み受付中。コグメド・ジャパン   http://www.cogmed-japan.com/                【広告】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■□■ この LDニュース は「等幅」フォントでお読みください ■□■□■ ■ LDニュースへ講演会等のイベント情報の掲載を希望される方へ・・・ ■ ■ 詳細は下記サイトをご覧下さい。原稿は適宜編集する場合があります。 ■ ■□■□■□ http://ldnews2000.web.fc2.com/sample.html  ■□■□■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発達障害 母たちの奮闘記 (平凡社新書) [新書] 山下 成司 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00064.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親の会「けやき」講演会「二次障害予防」/武蔵野公会堂 2011/11/26 ■ ------------------------------------------------------------------------ LD親の会「けやき」主催講演会『どんな大人にしたいですか』 〜家庭や学校でできる二次障害予防の心得〜 http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/KEYAKI/20111126.pdf LD親の会「けやき」主催講演会 『どんな大人にしたいですか』〜家庭や学校でできる二次障害予防の心得〜 講 師:小栗 正幸 氏     特別支援教育ネット代表・特別支援教育士スーパーバイザー 障害が原因で起こる失敗や挫折のくり返しから、感情や行動にゆがみが生じ、周 囲を困らせる行動をとることを二次障害といいます。 LD親の会「けやき」では、小栗正幸氏をお招きし、「家庭や学校でできる二次 障害予防の心得」と題して、下記日程にて講演会を開催いたします。 LD等発達障害のある思春期の子どもをかかえて、子育てに悩む親御さんや、支 援に携わっている教育機関等の関係者の方々におきき頂き、参考にしてほしいと 思っています。是非、多くの皆様のご参加をお願いします。 日 時:2011年11月26日(土) 13:30〜16:00                    (受付開始 13:00) 場 所:武蔵野公会堂 第1・2会議室(2F) JR中央線吉祥寺駅(南口) 定 員:100名(事前申し込みが必要です) 対 象:保護者、教育関係者、障害者支援関係者、一般(関心のある方) 申 込:名前・お立場・連絡先を明記の上、11月12日(土)までに申込 ★申込先Eメールアドレス:keyaki@box.club.ne.jp 資料代:1000円(当日受付にて申し受けます)けやき会員は無料です 主 催:LD(学習障害)親の会「けやき」 後 援:東京都教育委員会(申請中) 会場地図:http://www.musashino-culture.or.jp/koukaido/access.html JR吉祥寺駅南口から徒歩2分。井の頭公園に向かう途中にあります。 ※できるだけ徒歩もしくは電車、バスをご利用くださいますよう、お願いいたし  ます。駐車場はありません。 ※お問い合わせは、表面Eメールアドレスへお願いします。 ※小栗先生に質問がございましたら、申し込み時に一緒に、メールにお書き下さ い。または、この用紙に記入の上、当日会場の受付にてご提出ください。 質問内容:http://www.ne.jp/asahi/hp/keyaki/HTML/KEYAKI/20111126.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インクルーシブ教育の実践−すべての子どものニーズにこたえる学級づくり− http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00052.html  学苑社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 日弁連 衆議院内集会「障害者総合福祉法制定に向けて」 2011/10/17 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2011/111017.html 院内集会「障害者総合福祉法制定に向けて 〜障がい者の声を反映した新しい総合福祉法制定を期待して〜」 本年8月30日、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会第18回会議が開催さ れ、障害者総合福祉法の法案の骨格提言(以下「本提言」という。)がまとめら れる見込みです。 本提言には、障害者権利条約第19条で定められている障がい者が「地域社会で 生活する平等の権利」を具現化するための充実した制度設計や、障がい者が憲法 上保障されている基本的人権を他の国民と同様に享受することができるための制 度設計など、我が国における今後の障がい者施策の在り方について、重要な意味 を持つ内容が盛り込まれています。 本シンポジウムでは、本提言に沿った法案作成に向け、本提言の作成に関わった 方々をパネリストに迎え、本提言の内容の解説とともに、今後の障がい者施策の 在り方についても、パネルディスカッションを行う予定です。 多くの方々の御参加をお待ちしております。 日 時 2011年10月17日(月)16時〜18時30分 場 所 衆議院第2議員会館1階 多目的会議室 (会場地図)     http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm 内 容(予定) コーディネーター 辻川圭乃(日弁連人権擁護委員会委員) (1) 基調講演 佐藤久夫さん    (障がい者制度改革推進会議総合福祉部会長・日本社会事業大学教授) (2) パネルディスカッション   佐藤久夫さん   茨城尚子さん   (障がい者制度改革推進会議総合福祉部会副部会長・明治学院大学教授)   尾上浩二さん   (障がい者制度改革推進会議総合福祉部会副部会長・DPI日本会議事務局長)   大久保常明さん   (障がい者制度改革推進会議総合福祉部会・全日本手をつなぐ育成会)   東俊裕さん(障がい者制度改革推進会議担当室長) 参加費 無料 事前申込制 チラシ・申込書(PDFファイル;32KB) http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/event/data/111017.pdf 参加を希望される方は、10月11日(火)までに下記宛てに本用紙にてお申し 込みください。議員の方は、事前のお申し込みが無くても御参加いただけますの で、奮って御参加ください。 主 催 日本弁護士連合会 問合せ先 日本弁護士連合会 人権部人権第一課 TEL:03−3580−9501/FAX:03−3580−2896 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 感覚統合を生かしてたのしく学習−読む力・書く力を育てる 佐藤 和美 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00050.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 中村文子氏 2011/08/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1310101.htm 資料7-1:中村文子委員 提出資料 特別支援教育のあり方に関する特別委員会・合理的配慮等環境整備検討ワーキン ググループ 「知的障害のある児童生徒への合理的配慮」に対する意見表明      2011年8月18日 特定非営利活動法人若駒ライフサポート 中村文子 知的障害のある子どもの保護者の立場から 長男25歳(東京都療育手帳2度) 長女23歳(東京都療育手帳4度) 長男 1歳半検診にて発達の遅れの指摘を受け、3歳時に自閉症の診断を受ける。    知的障害児通園施設にて療育を受け、市立小学校の心身障害学級(現特別 支援学級)に入学。中学入学とともに都立知的障害養護学校(現特別支援学校) に入学し、同高等部を卒業。卒後は、知的障害者授産施設(現在は生活介護事業 所)に通所、ケアホームにて生活を送る。 長女 3歳児検診にて発達の遅れの指摘を受け、同時期に広汎性発達遅滞の診断    を受ける。保育園に通園しながら、医療機関にて心理指導を受け、小学校 入学まで過ごす。小学校〜中学校は市立学校の心身障害学級(現特別支援学級) に在籍。都立知的障害養護学校(現特別支援学校)高等部を経て、現在は都内特 例子会社にて清掃業務に従事。 1.子どもの成長にために学校教育に期待すること ・児童生徒一人一人のニーズに応じた教育の提供。そのためには、様々な障害特 性に対する専門性はもちろんのこと、子どもの発達段階やバランスをキチンと見 極めることができるアセスメント力を、担当教員が保持していることが、重要で あると思われる。特に、特別支援学級を中心に、発達障害のある児童生徒数は増 加の一途をたどっており、この部分に関する専門性は、必須であるといえる。 ・児童生徒一人一人の学齢期における能力の向上はもちろん大切であるが、子ど もの人生は卒業後もずっと長く続いていく。卒後に「学校時代は良かった」とい う思いにかられることの無いよう、将来を見すえた教育が提供されることが、強 く望まれる。 ・個別の指導計画・個別の教育支援計画の策定と、より一層の充実 2.早期からの教育支援についての配慮事項 ・早期発見、早期相談・支援の体制の構築が、最重要であると思われる。知的に 遅れのある子どもを持つ保護者は、薄々と発達の遅れを感じながらも、それを受 け止めることができずに、葛藤の日々を送る場合が多い。保護者の気持ちに寄り 添い、その上で子どもの成長に必要な支援のあり方を共に考えることのできる環 境を整えることは、子どもの成長にとって、欠かすことのできないことであると 考える。 ・幼児期に適切な療育を受けることで、学校入学段階の子どもの状態が良好な方 向に向かうことは、ここ十数年の新入生の状態の変化からも明白であると思われ る。しかし、一方では、療育機関から学校への情報の受け渡しの不十分さから、 入学後に適切な支援の継続が保障されない場合が多いのも、事実である。療育機 関をはじめ、就学前の関係機関との連携が強化されることにより、途切れの無い 支援が実現していくことを強く望む。 ・就学時移行支援計画・会議の策定・実施と充実 3.教育内容・方法についての配慮事項 ・知的障害教育を考える時、授業に用いる教材の充実というのは、大変重要な事 柄であると思われる。 数の認知ひとつを取っても、数字での理解に至るまでには多くのステップが必要 であり、その都度適切な教材を用意できていることが望ましい。教材開発に関す る研修の充実と、その情報を広く行き渡らせていくことが大切であると思われる。 ・教科学習の必要性は、たとえ知的障害教育であっても、変わらないものである と考える。ただし、その内容は、プリントの達成度ではなく、実生活につながり、 生かされていくものである必要がある。幼少期において積み重ねの視点は大切で あるが、成長段階や実年齢に応じて、より生活に密着した漢字の読みや電卓の利 用等、生活の幅を広げていけるものも望まれる。また、各教科の授業時間にこだ わることなく、給食配膳の時間を利用して数や重さの学習をする等、柔軟な考え 方も教員には大切であると思う。 ・前述の内容にもつながるが、知的障害のある子ども達は、学校で学んだ内容を 実生活に結びつけていく力が弱いという面がある。机上の学習のみならず、実体 験を含んだ授業形態を確保していくことは重要なことであるといえるだろう。ま た、ルール理解等の、社会性を身につけていくための教育もとても大切であり、 そのためにも、ある程度ニーズの共通した集団学習の場の確保は、必要であると 思われる。 ・特別支援学級においては、学習指導要領が定まっておらず、教育内容は担任に 一任されている状態にある。指導内容の規定を定め、在籍する学級により教育内 容の格差が生じることを防ぐ必要を、強く感じる。 ・前述の内容にも通じるが、特別支援学級においては、担当教員の専門性や感性 によって、教育内容が大きく左右されることが多い。教員の専門性の確保はもち ろん必須であるが、高い意識を持つ教員を配置することの重要性を、強く感じて いる。 4.学校における支援体制についての配慮事項 ・特別支援学級設置校においては、その学級の存在がキチンと認知され、学校の 一員であることが共通認識されていることがとても大切である。そのことは、児 童生徒の意識向上につながり、地域における障害理解の推進につながっていくも のと思う。しかし、現状を鑑みるに、学校の意識の低さから、学級が学校に設置 されているだけで、満足な交流学習も実施されていないような事例も見うけられ る。特別支援学級の存在が明確に認知され、弾力的な交流学習が実施されること により、一人一人のニーズに応じた教育が実現されることを、強く望む。 ・知的障害を持つ児童生徒にとって、医療機関とのつながりは重要なことである にもかかわらず、個人的医療機関とのつながりを、十分に持たない児童生徒は思 いの外多く存在する。養護教員を中心に、ニーズに応じて医療機関につなげる窓 口が、しっかり確保されていることが大切である。 ・校外における生活体験授業を中心に、個々のニーズに十分応えられる支援を安 全に提供できるための、適切な人的配置の確保。 5.施設・整備についての配慮事項 ・生活体験授業を可能にするための、生活体験室や作業室の確保 ・精神的に不安定になった場合に備えた、クールダウンスペースの確保 ・児童生徒数に応じた、適切な広さの教室確保 ・情報教育に必要な、IT機器の整備 6.学校外における支援体制についての配慮事項 ・最近は、放課後や長期休暇時において、児童デイサービス等の機関を利用する 児童生徒が多く見られる。その様な関係機関と連絡を密に取り、子どもに関する 共通認識を持つことにより、子ども達の生活は、一層充実したものになってくる と思われる。そのためにも、地域の関係機関とのしっかりしたネットワークの確 立が、強く望まれる。また、必要な支援の確保のために適切な支援機関を紹介で きるように、学校としてソーシャルワーク機能を確保することが大切である。 7.幼・小・中・高等学校の各段階における配慮事項 どの段階においても、途切れることの無い支援を提供していくことが重要であり、 そのためには、移行時における情報の引継ぎが絶対必要である。ここにおいても、 移行支援会議の実施としっかりした引き継ぎが強く望まれる。→引き継ぐべき情 報を、キチンと選別し保護していくことが重要。 ・幼少期や小学校段階ではボトムアップの視点、中学では自我の確立、高校では 卒後に向けたトップダウンによる社会生活スキルの取得等、ライフステージ毎の 課題を明確にしながら、個々の卒後の生活を見据えた教育を提供していって貰い たい。 8.その他の配慮事項 ・特別支援学級から通常級に、交流授業として参加する際には、交流の達成目標 とそれに対して必要な支援を、支援学級担任と交流する学級の担任双方で共通認 識しておくことが大切であると思う。交流学習には、障害のある児童生徒のこと を知って貰うというだけではなく、卒後に共に生きていく地域生活を、障害のあ る児童生徒自らが肌で感じるという重要な一面があると思う。その子どもの持つ 力を最大限に発揮しつつも、過度な負担を強いることの無い、配慮ある有意義な 交流としていって欲しいものである。 ・知的障害のある子どもに対する教育については、その知的レベルに大きな差が あり、通常級において教材工夫等の配慮を加えることで十分学習可能な子どもか ら、高等部段階においても言語によるコミュニケーションが難しい生徒まで、そ の教育ニーズは幅広いものであると言える。現実的に考えても、そのニーズに応 じるためには、特別支援学校・学級のような、知的障害のある児童生徒の集団に よる教育の形は必要であり、ある意味重要な配慮事項であると考える。 ・前述の内容にもつながるが、知的障害のある子どもに関しては、まだまだ一般 的理解は進んでおらず、その教育についても、さほどの影響力は無く、通常級で 提供される内容の低学年のもので良いと思われている節もある。しかし実際は受 けた教育の影響は大きく、本人の得意分野を伸ばしながら、生きる力を身につけ ていくことにより、安定的な生活が可能になり、十分社会に貢献する人材になる こともあれば、マイナス経験の積み重ねにより、満足に社会生活を営むことがで きなくなる場合もあるのである。教科学習のスキルアップだけでなく、丁寧に生 活体験を積ませていくことが、本人のいきる力の向上につながっていくこと、そ のために知的障害に対する専門性の高い教育が必要であることを、社会一般に理 解して貰うことの重要性を、強く感じている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アスペルガーですが、妻で母で社長です。 出版社:大和出版 価格:¥1,365 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00066.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 石塚由江氏 2011/08/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1310102.htm 資料7-2:石塚由江氏 提出資料 特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討ワーキン ググループにおけるヒアリングについて 知的障害のある児童・生徒への配慮 (主として特別支援学校における配慮)について      全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 22年度会長 石塚由江 <子どものプロフィール> 2歳8ヶ月:都内某病院小児神経科にて発達障害(精神発達遅滞)の診断を受ける。 3歳9ヶ月:私立幼稚園に入園(健常児と同様の保育) 小学校:通学区域の区立小学校に入学(通常学級にてTAサポートあり)。1年間 通学後、心障学級での教育を希望し、心障学級を設置している区立小学校に転校。 中学部〜高等部:都立知的障害特別支援学校にて教育を受ける。 現在:区立の生活介護中心の実習所に通所 社会人1年生(19歳) 愛の手帳2度(重度知的障害) 1 子どもの成長のために学校教育に期待すること ◆知的障害のある児童生徒に対しては、困っているのは知的障害のある子ども自 身と考えることが大切で、知的発達の状態だけではなく、視覚や聴覚の特徴的な 捉え方や困り感、手先の感覚や緻密性の困難さなどの理解も重要です。そのため、 一人一人の子どもの障害の特性等を正しく理解した上で、個別の教育支援計画と 個別指導計画を作成・評価し、授業などに効果的に活用していくことが必要です。 ◆知的障害のある児童生徒の将来の生活を考え、本人の能力を最大限伸長させ、 職業や生活に活用できる実際的な力を付けることができる教育を一人一人の子ど もに合った指導内容と方法で提供することが必要です。 2 早期からの教育支援についての配慮事項 ◆早期からの特別支援教育に鑑み、特別支援教育コーディネーターが幼稚園・保 育園等の就学前の相談に適切で十分な対応ができるようにするために、特別支援 学校の特別支援教育コーディネーターの専門性の向上や専任配置、加配などの配 慮が必要です。 ◆特別支援学校の小学部低学年の授業を、地域の幼稚園、保育園、小学校へ公開 し、知的障害のある子どもの能力や特性に応じた指導や教材の作成などについて、 研究し合う場の設定が必要です。 3 教育内容・方法についての配慮事項 ◆学校と保護者、関係機関間で作成した個別の教育支援計画をはじめとして、個 別指導計画を活用・検証しながら、たえず修正を図り、それを学部の引き継ぎ時 の要とし、学部移行時に受ける教育をさらに前進させるものとなるようにするこ とが必要です。 ◆一人一人の子どもの将来を見据えた教育内容を考え、その子に合った指導方法 を構築した教育ができるよう、教員の専門性をより一層向上させることが必要で す。 ◆専門性のある教育を進める上で、専門の免許を有することや専門性をさらに向 上させるための研修や研究活動が必要です。 ◆知的障害特別支援学校には、極めて多様な状態の児童生徒が在籍していること から、その多様さに応じるための種々の専門性のある教員配置が必要です。 4 学校における支援体制についての配慮事項 ◆支援体制を構築するには、校長先生方のリーダーシップが大変重要であること から、現在の在任期間を長くして、校長先生方がさまざまな目標・計画を形にし ていくことができるようにすることが必要です。 ◆発達障害(主として自閉症)を併せ有する児童生徒や、二次障害による影響が 強い児童生徒が多数在籍しており、指導上の困難さが見られることから、現在の 単一の知的障害在籍を基礎とした教員配置の基準の考え方について、児童生徒の 障害の状態等を踏まえた検討が必要です。 ◆今後も、個別の教育支援計画、個別指導計画に基づく学習指導、生活指導・進 路指導力、また、外部との連携・折衝力・組織貢献力等を身に付けた教員、マネ ージメント力を有し教育現場で発揮できる人材を数多く確保することが必要です。 5 施設・設備についての配慮事項 ◆図書室・視聴覚室・美術室、作業室等の特別教室を普通教室に転用し使用して いる学校が多く、特に、図書室の転用が多く、適切な環境で書物に触れることが できない状況です。また、高等部では将来に向けた取り組みのための作業学習用 の教室が必要不可欠にもかかわらず、普通教室への転用や併用により、作業学習 が十分に行えない学校もあることから、特別支援学校の設置規模に応じた定員制 を導入し、普通教室の確保、特別教室の整備を図れるようにすることが必要です。 ◆学校間の格差が生じないよう、適切な設置規模による普通教室の確保、特別教 室の整備を図り、教育環境を整えること、また、知的障害の特性を考慮しつつ、 ユニバーサルデザインを基本に施設・設備を整備する必要があります。 6 学校外における支援体制についての配慮事項 ◆特別支援学校は、保健所、児童相談所、教育委員会、通所施設、事業所、病院 等それぞれといつでも連携できる体制を構築し、子どもの状態、保護者の希望に 応じて個別の支援会議を開ける体制を整備しておく必要があります。 ◆地域で安心安全に暮らすために、保護者からの希望があれば、特別支援教育コ ーディネーター等は、自治会・町会・民生委員等に対して、障害のある子どもの 存在と障害特性の理解をすすめ、緊急時の協力・支援体制を計画しておくことが 必要です。 7 幼、小、中、高等学校の各段階における配慮事項 ◆幼稚部、幼稚園、保育園、発達支援センター等での幼児期には、保護者が障害 のある子どもの日常生活や療育的な指導面を相談できる支援体制が必要です。多 くの公の情報と、発達に応じたさまざまなタイプの教育の場の設定があることを 保護者が理解できるような就学前相談、情報提供も必要です。 ◆小・中学部段階では、実際の生活に生きる技術や態度などの基礎づくりが大切 であり、そのために、一人一人に応じた指導内容や指導方法の工夫が必要です。 また、教材等も一人一人に応じて作成するなどのほか、知的障害があっても、先 端技術の利用を考え、PCソフトを利用した教材を提供し、効果的な教育・指導を すすめることも必要です。 ◆高等部の生徒には、仕事をする生活に耐えられるような技術や態度の育成が期 待され、そのための一人一人に応じた指導内容や指導方法の工夫(PC活用を含む) が必要です。また、企業等での実習を十分に行い、高等部の生徒が実際の卒業後 の生活の様子が分かるようにすることが必要です。さらに、生徒の能力を信じ意 欲が湧くような導き方を配慮し、「自分にはできることがある」と、認めていけ る(自己肯定感を抱く)教育が必要です。 8 その他の配慮事項 ◆地域が一体となって子どもたちを見守り、育んでいく社会を同時に形成してい くために、学校は医療、福祉、労働関係との連携を引き続き図る必要があります。 ◆学校のある地域の幼・小・中・高との交流教育、子どもたちの居住地域での直 接的・間接的な交流である副籍がさらに発展するための支援が必要です。 ◆保護者は学齢期には将来の不安を感じている場合も多いことから、保護者支援 の取組が必要です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 障がい青年の自分づくり ─ 青年期教育と二重の移行支援 (単行本) 渡部 昭男 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00033.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 中教審 合理的配慮等環境整備検討WG提出資料 岩城節子氏 2011/08/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1310107.htm 資料7-7:岩城節子氏 提出資料 【合理的配慮等環境整備検討ワーキンググル ープ(第3回)】資料 重症心身障害児をもつ保護者の意見      平成23年8月18日 全国重症心身障害児(者)を守る会 岩城 節子 1 子どものプロフィール  強度の仮死で誕生した娘は、脳性まひの重い障害を負って今日に至りました。 現在の状態は、視力障害を併せ持ち明るさがわかる程度です。話すこともできま せん。一人では寝返りも移動もできません。食事はミキサー食です。排泄はオム ツを使用し、着替えや入浴などすべてに人の手を借りながら全介助の生活です。  ただいま娘は32歳、両親と三人在宅で暮らしています。耳が大変よく効き、音 楽、歌、話を聞くのが大好きです。人とのコミュニケーションは難しく、親やよ ほど慣れた人でも娘の快・不快がようやくわかる程度です。性格は穏やかで、い つも笑顔を見せてくれており、楽しい毎日を過ごしております。  2歳から6歳まで、都内の『あけぼの学園』に母子通園後、12年間の養護学校を 経て、重症心身障害児(者)通園事業施設の『あけぼの学園』にお世話になって います。 (1)子どもの成長のために学校教育に期待すること  重症心身障害児(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)には、 多くの場合、医療的ケアが必要な状態にあります。  この子らも、学校教育を受けることによって、社会性とともに、豊かな感性が 育まれ、自らのパーソナリテイを確立していくことができるのです。  通常学校に重症心身障害児が通学できることはありがたいことですが、医療的 ケアが必要な児童のためには、合理的配慮として、医療的ケアの体制(看護師の 配置、教員の研修)が整備される必要があります。しかし、人材確保には困難が あるので、より専門性を充実した教育、支援体制をもって対応できる特別支援学 校の機能の充実と、教育に期待しております。 (2)早期からの教育支援についての配慮事項  重症心身障害児の場合には、乳幼児期からの早期療育によって、障害の軽減や 発達の支援が行われていますが、就学にあたっては、その経験が効果を上げてい ます。  一般的には、幼児教育としての幼稚園教育(重症心身障害児には困難)は行う べきです。 (3)教育内容・方法についての配慮事項  重症心身障害児に対する教育の内容には、生命の維持(たんの吸引、摂食・経 管栄養など)、排せつ介助などの生活支援までが含まれるという特別な教育内容 であり、医療的ケアとして、「たんの吸引などの行為」が実施される必要があり ます。このため、看護師の配置と、教職員による医療的ケアの実施が安全に行わ れるように配慮されなければなりません。 (4)学校における支援体制についての配慮事項  障害に対応するため次の専門性の確保が必要です。   看護師の配置   教員の専門性向上のための研修   パラメディカル職員(理学・作業療法士等)の配置 (5)施設・設備についての配慮事項  バリアフリーは当然として、最近では、ユニバーサルデザインによる施設・設 備は整える必要があるという意見があります。  学校は、児童のためばかりではなく、社会資源として誰でも利用できる施設設 備を持つことが決して不自然ではないのです。先般の東日本大震災に見られたよ うに避難所に当てられる場合が多いことを考えれば、新しい学校施設を造る場合 には、誰にでも優しい学校設備であって欲しいと思います。  既設の学校では、どういう障害の子どもが来るかの判断もあるので、全てに合 理的配慮を施すとすれば、財源がどれほどのものになるか。にわかに整備するこ とは慎重に対応する必要があるものと思われます。 (6)学校外における支援体制についての配慮事項  重症心身障害児の場合には、通学が自力ではできないので、通学の送迎が必要 です。この役割を父兄が行うのではなく、通学バスでの送迎を配慮されることを 願っています。  また、放課後や課外活動には、ボランティアや、福祉関係者と連携しての支援 体制をとることが必要であります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 特別支援教育におけるATを活用したコミュニケーション支援 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00061.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 中教審合理的配慮等環境整備検討WG提出資料福島慎吾委員 2011/08/18 ■ ------------------------------------------------------------------------ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1310108.htm 資料8:福島慎吾委員 提出資料 学校教育で求められる合理的な配慮について もやもや病の患者と家族の会 3.教育方法・内容についての配慮事項 ○特別支援教育を推進するために配置されている各校の特別支援教育コーディネ ーターを専任として配置すること ※現在は、ほとんどが担任等と兼務のため「コーディネーター」は名前だけにな っている ○特別支援教育の推進のために国の基準として1クラス30人定員にすること ○特別支援教育の支援員は、特別な対応が必要な子ども達を支援するので専門的 な知識等の研修をきちっと行ってほしい ※支援員は必ずしも教員資格を必要としていない場合もある ※支援の必要な子どもたちは一人一人ケースが異なり、より専門的な支援を必要 としている ○特別支援教育において、発達障害の概念が根付きつつありますが、高次脳機能 障害についてもしっかり理解して対応をしてほしい ○よく子ども達の中でのいじめが問題視されるが、教師による言葉に傷つくとい う話も多く、また教師の言葉や態度をきっかけにいじめが始まったり進んだりす るケースもある 障害や病気についての理解が足りない事が原因かと思われる 4.学校における支援体制についての配慮事項 ○1校に一人心理カウンセラーの配置をし、日頃から子ども達に目を向けていて、 子どもだけでなく、教師や支援員にもその情況に応じてアドバイスが出来る様な 体制をつくってほしい 5.施設・設備についての配慮事項 ○学校施設のバリアフリー化のために全学校にエレベーターの設置を望む 8.その他の配慮事項 ○教員養成のカリキュラムの中に病弱な子ども達の理解を進める内容を入れるこ と 以上 −−−−−−−−−−− 学校教育で求められる合理的な配慮についての意見 人工呼吸器をつけた子の親の会<バクバクの会> (1)子どもの成長のために学校教育に期待すること ◆障がいを持った子もそうでない子どもも共に学べる環境づくり。 助け合う、認め合う大切さを先生が理解をもって接すること。どんなことにも理 由があることを理解して、どちらかに配慮するのではなく、みんな分け隔てなく 接する。創意・工夫をもって、皆が同じ環境で一緒に行動できるよう、考えてほ しい。 我が子の存在を知ってもらわない事には、理解もしてもらえないし、明るい未来 は見えない。是非、分け隔てる事なく、同じ教室で、同じ時間を過ごし、楽しみ 苦しみを共有共感したい。普通級に居ても、特別支援教育を受けられる体制、ま たは、支援級に在籍していても、普通級との交流を頻繁に行う事を望む。子ども の意見、保護者の意見を取り入れてほしい。 (2)早期からの教育支援についての配慮事項 ◆すべての子どもが、保護者や本人が望む地域の保育園や幼稚園に入園できるよ う促してほしい。 地域療育センターから特別支援学校への道筋が決まっているかのような現状があ る為、親も特別支援学校への入学しかないと思っている方が多い。  地域療育センターを廃止し、障害児に慣れた、療育センターの先生方は、現場 の保育士を指導する、巡回保育士のような役割として障害児のフォローをしてほ しい。  または地域療育センターは、普通保育園や幼稚園へ入園する前の母親や子ども のトレーニング(慣らし)のような場所であってほしいし、教員も普通保育園や 幼稚園に入学できるような指導を心がけてほしい。 ◆個々に応じた対応や体制、本人、保護者、主治医(校医ではなく)の意見を尊 重してほしい。 『在宅は医療ではなく、生活だ』と話をされていた医師がいます。医療的ケアが 必要でも、その状態が元気なんです。気管切開をしているから、呼吸器を使用し ているから、という理由だけで、皆が皆を同じ線引きで考えないでほしい。現に 息子は外出もしているし、ソリ遊びも体験した。主治医も了承しているトランポ リンを療育施設では禁止された。なぜ?  療育施設の保身的考えが、これから先の就学問題の壁の高さや厚さを思いしら された。 ◆医療的ケアが必要でも保育園・幼稚園に入園できるようにしてほしい。 医療的ケアがネックとなり、保育所に入所できない。今後も、同様の問題に立ち はだかると思われる。 (3)教育内容・方法についての配慮事項 ◆できないことは工夫、補助をして、学習を進めてほしい。 ◆個々に応じた対応や体制、本人、保護者、主治医(校医ではなく)の意見を尊 重してほしい。 『在宅は医療ではなく、生活だ』と話をされていた医師がいます。医療的ケアが 必要でも、その状態が元気なんです。気管切開をしているから、呼吸器を使用し ているから、という理由だけで、皆が皆を同じ線引きで考えないでほしい。 (4)学校における支援体制についての配慮事項 ◆医療的ケアの必要な場合は、看護師の配置、もしくはヘルパーの配置、学校介 助員の配置をし、親の付き添いなしで通えるような支援体制にしてほしい。 当県では、地域の学校では、医療的ケアが必要な子どもの場合、学校生活すべて に親の付き添いを求められる。そのうえ、医療的ケアのために付き添っているは ずが、結局は、医療的ケア以外の介助も親があてにされてしまい、子どもの自立 が阻害される。さらに、当県の場合、特別支援学校でさえ、気管切開をしていた り、人工呼吸器をつけている場合、本人の普段の状態や生活の様子など関係なし に、「訪問籍」に決められてしまう。 県下の特別支援学校では、気管切開をしているだけで、『訪問教育』をさせられ る傾向にある。学校へ行く事が出来る児童でも、訪問になるのはおかしいので、 通学出来る支援体制を取り入れてほしい。スクールバスに看護師を配置、学校に 看護師を多数配置、教員や看護師の医ケア(吸引、呼吸器)の理解等。 人工呼吸器を使っているから「訪問生」というのは納得できません。呼吸器管理 が出来ないとの事のようですが資格の無い親が出来るのになぜだろうと不思議で なりません。学校でも、対応できるようにしてほしい。 ◆学校の看護師だけでなく、担任やその他教員も、医療的ケアを行なえるように してほしい。 看護師の人数不足にも間に合うし、急を要する時でも看護師を呼びに行く時間が 短縮される。吸引や吸痰は、鼻水が垂れている子がいたら、鼻を拭いてやるのと 同じである。 ◆通学のための支援を確保してほしい。 通学のためにヘルパーが利用できるところもあるが、保護者が仕事をしている場 合に限るなどの条件がついていたり、通学にははじめから使えないとされている ところも多い。親が送迎できない場合は、欠席を余儀なくされる。 医療的ケアが必要な場合、当県では、地域の学校はもちろん、特別支援学校でも 親の送迎が義務付けられる。遠方からの通学者も少なくない特別支援学校でさえ、 医療的ケアが必要な生徒は、通学バスに乗せてもらえないなど、通学のための合 理的配慮は皆無である。 地元の行政市では通学にヘルパーが利用できない為、母親が送迎をしなければな りません。そこで、就学先を決める場合は、自宅から少しでも近い特別支援学校 を選択せざるを得ず、医療的ケアが必要ですが、看護師が2名しか配置されてい ない知的障害の児童が主に通う特別支援学校へ入学しました。通学バスはありま すが、看護師が同乗していないため、人工呼吸器を使っていて、医療的ケアが必 要な子どもは、利用させてもらえません。 (5)施設・設備についての配慮事項 ◆エレベーター、スロープ、車いす用のトイレの設置。 ストレッチャーでも利用可能な設備としてほしい。 車いす用トイレについては、多目的トイレのようなおむつ替えのできるスペース が必要。 (6)学校外における支援体制についての配慮事項 ◆遠足、野外活動、修学旅行など、医療的ケアがあるなしに関わらず、親の付き 添いをしなくてもよい体制を整えてほしい。 (7)幼、小、中、高等学校の各段階における配慮事項 ◆入学時の注意事項、引き継ぎの徹底、(医療的ケアの方法、人工呼吸器の注意 事項、学習における注意事項など)どの先生に代わっても、どんな場所にいても、 緊急時の対応ができるようにしてほしい。 (8)その他の配慮事項 ◆大学のカリキュラムの改善。インクルーシブな教育現場が普通だ、違和感がな いと感じることのできる教員の養成。 どんな子どもでも、どんな障害があっても、自分の生徒であるという責任感はな くてはならないということを学んでほしい。実際、障害児が入学してくると先生 が大変、どうしよう・・・といった雰囲気が圧倒的に強い。 現場の教員やこれから教員となる方々の教育課程にインクルーシブ教育の内容を 組み込んだものにしない限り、入園、入学がスムーズにいかないばかりか、入学 後も子どもと親、先生の摩擦が多くなると思われる。 インクルーシブな学校生活を送った経験を持たない人たちが教員となっているの が、今の実態。早期にインクルーシブ教育の達成を。 ◆災害時の避難や対処法の徹底。 (9)その他 意見 ●新潟の学校だけかもしれませんが、総じて言えるのは「何ができるか」という 前向きの考えではなく「これしかできない」という考え方を改めてほしいと思い ます。  我々の住んでいる妙高市教委では平成16年、17年に出された厚労省からの通達 に記載されていることしかできないと主張しています。  例えば経管栄養の速度調整はどのへんが医療行為なのか?と聞いたところ「何 かあった場合に責任取れない」と言います。頭が固いというか、公務員特有の考 え方なのでしょうか。  ストレッチャーで体がずれても保護者に直させます。吸引についても一定の研 修を受ければ可能との厚労省見解なのですが、看護師の配置とセットだとのこと。 数え上げたらキリがありません。  「合理的な配慮」というのは、リスクや子どもの成長から何を優先するかとい う構築をしていくものだと考えるのです。全てを厚労省なり上層部からの指示に よって動かすのは不可能です。考えられるリスクを保護者に伝え、お互いに納得 ずくでリスクを最小限に抑える努力をしつつ(リスクアセスメントも含め)、最 良の学校生活を送ることができるような配慮がほしいです。  そもそも「看護師」という免許が何かしてくれるわけではないと思います。看 護師免許といういわば紙一枚で何もできない人もたくさん見てきました。それよ りも学校で子どもと向き合っている先生や介助員さん(支援員)の方がよほど子 どもにとっては良き理解者であることもわかってほしいです。  現在子どもは5年生ですが、入学するときに条件として覚書を交わすことを要 求されました。時間が無かったこともあり、やむなく了解して押印したのですが、 義務教育である小学校入学時に保護者と児童に対しこのような条件と引き換えに 「入学を許可してやろう」というのは問題ないのでしょうか。私は大きな違和感 を感じます。義務教育は義務であり権利です。どこに行くかというのは話し合い の部分もありますが、保護者側がお願いしてお上に頼み込んで入学を許可してい ただくということは間違っていると思います。  このような事実をきちんと把握されているのか聞いてみたいです。 ●県の教育委員会が分離教育の考えが強いようで、県の指導により、年々、交流 教科、交流時間も減少しており分離教育の色が濃くなっているようです。  しかし、子どもたちは別で、今まで参加できていた交流授業に参加していない と、どうしていないのか?いなくて寂しいと抗議しているようです。せっかく、 今まで築いてきた関係が、大人の都合で崩されていくのではないかと不安でたま りせん。放課後やお休みの日には家に遊びに来てくれ、出先で会えば声をかけ合 い、当たり前の子ども同士のつきあいができているのは、地域の小学校に通い共 に学校生活を送っているからこその表れだと思います。  そして、「医療的ケア」が必要なため、一日中母親である私が付き添いを余儀 なくされている問題があります。教育委員会に看護師配置を希望しても、予算が ないという理由でいまだ雇ってもらえておらず、私や家族の都合で仕方なく学校 を休まなくてはならないことも多々ありました。それから、追い討ちをかけるよ うに、二年前より予算削減ということで、介助員まで半分に減らされ、私が動か なければならない状況になったので、教育委員会には不安であると相談しました が、介助員は増やせないので現場でやりくりするようにと校長先生には指示があ ったようです。子どもの障害の程度ではなく、人数に対して介助員の配置人数が 決められているので、現場では介助のやり繰りに追われ、授業にも支障を来たし ています。  先日、野外活動の郊外学習があったのですが、これまでは介助員も引率者とし ての参加が当り前でしたが、今年になり急に教育委員会より宿泊を伴う郊外学習 は介助員は引率できないと言われました。やはり日頃から関わってくれている介 助員は引率するべきだと、保護者や担任教師が校長先生に訴え、教育委員会とぎ りぎりまで粘り強く交渉しましたが、夏休みということで他の学年の教員を介助 員の代わりに引率させるということになりました。ただ、来年には修学旅行が控 えています。修学旅行は平日なので、他の学年の教員は引率できません。安全に 楽しく参加できるのか、保護者も子ども達も不安を抱えています。  これまで関わってくださる先生方とは、知恵と工夫と協力で何とか壁を打破し てきましたが、今後はますます状況が悪化し、子どもの安全が守れない事態にな るのではないかと懸念されます。  この先インクルーシブ教育を現場にしっかり浸透するように進めていってほし いと強く願っています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大人の発達障害−アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 (単行本) 備瀬 哲弘 (著) http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00030.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 7月28日の参議院内閣委員会での山東昭子議員の質問についての回答 ■ ------------------------------------------------------------------------ 公開前提と言うことだそうですので、個人名など伏せて公開致します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−ここから回答 ●●●● 様  私の参議院内閣委員会での質問をご静聴いただき感謝申し上げます。お盆をは さみまして数日事務所を不在にしており、御返答が遅れましてお詫びいたします。 今回の質問はアスペルガー症候群を含む発達障害が医療ないし科学的見地から改 善できればという思いからさせていただきました。 もちろんアスペルガー症候群が犯罪に結びついたり、突然発症したりすることは 必ずしもあり得ないということは承知しているつもりでしたが、質問の中で誤解 を与える部分があったことは福祉政策に携わる者として反省を踏まえ、対処して 参りますので今後ともよろしくお願い申し上げます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−ここから質問 山東昭子議員事務所御中 はじめまして。●●県●●市在住の●●●●と申します。 日頃より、山東議員におかれましては障害者福祉政策推進にご努力頂いておりま すこと、感謝申し上げます。 さて、さる7月28日の参議院内閣委員会での議員の以下の発言に関しまして、 何点かご質問させて頂きます。 1.議員はアスペルガー症候群などの「発達障害」と「精神障害」あるいは「精   神疾患」とを混同されていませんでしょうか。確かに改正された障害者自立   支援法や今回改正の障害者基本法での整理では、「精神障害」には「発達障   害」を含むと言うことですが、これはあくまでも従来の「知的」、「身体」、   「精神」の三障害の枠組み、そして現行の「手帳制度」枠内でのいわば便宜   的措置であると捉えていますがいかかでしょうか。 2.議員は「普通の子供が突然十七歳ぐらいになって凶暴になって事件を起こす」   とも発言されていますが、これはアスペルガー症候群の子どもをさしてその   ように述べられたのでしょうか。もしそうであれば、アスペルガー症候群と   診断された子どもを持つ親御さんや、関係者、とりわけご本人に対して不安   を植え付ける発言とも取られかねません。どのようにお考えでしょうか。 3.議員は豊川市主婦殺害事件、長崎男児誘拐事件、佐世保クラスメート殺害事   件などの具体的事例を挙げて、アスペルガー症候群と凶悪事件との関連性を   指摘していますが、これら事件の背景や経緯についてはどの程度精査された   のでしょうか。専門家の間でも異論があるように聞いていますし、国会とい   う公の場での発言でもありますので、その裏付けについてご教示頂けますと   幸いです。 以上、突然のぶしつけな問い合わせとなりましたが、よろしくご回答いただきま すようお願い申し上げます。 なお、今回のメールでのやり取りは原則公開でお願い申し上げます。私の個人情 報につきましては、住所・メールアドレス以外は公開していただいてかまいませ ん。よろしくお願い申し上げます。 −−−−−−−以下転載 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0101/177/17707280058014c.html 第177回国会 内閣委員会 第14号平成二十三年七月二十八日(木曜日) ○山東昭子君 やはり専門家の育成、教育ということ、特にこれからも力を入れ ていただきたいと思います。  さて、障害の中でも精神的なものに注目をしたいと存じます。それはアスペル ガー症候群でございます。一九四四年、オーストリアの小児科医、アスペルガー 博士が報告したこの病はアインシュタインやヒトラーなどいろいろな人が持って いたと言われておりますけれども、この病を持った人が、全てではないのですけ れども、普通の子供が突然十七歳ぐらいになって凶暴になって事件を起こすとい うようなこともあります。そうした犯罪に結び付くということ、これが非常に心 配でございます。  二〇〇〇年、愛知県の豊川市で主婦殺害、二〇〇三年、長崎での男児誘拐事件、 また二〇〇四年、同じ長崎、佐世保の小学校六年の女子がクラスメートを殺害し た。いずれもアスペルガーだったとのことでございますけれども、こうした発達 障害や心神喪失に関しての法律はできても、日本ではこのアスペルガーや発達障 害に関しての調査や研究が遅れていると思いますけれども、これに関して厚労省 の現状をお知らせいただきたいと思います。 ○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。  御指摘のように、アスペルガー症候群の方々始め、この発達障害と言われます 方々に対します法律、発達障害者支援法、これを議員立法で制定をいただきまし て、十七年から施行されております。この法律の中では、発達障害のその特性に 着目をしました支援、これを推進していくということが位置付けられているわけ でございますが、その支援のノウハウというものはまだまだ十分に確立されてい るとは言えないというふうに認識をしております。  このために、的確な早期の診断、それからそのアセスメントの手法、それから 先生御指摘のように、ライフステージ全体を通じた支援方法などについて調査研 究を進めてその成果を共有していくことが今後更に重要な課題だというふうに認 識しております。  このため、厚生労働省におきましては、これまでの研究事業等で、発達障害の 的確な早期診断、評価に関する標準的な手法の確立、また激しく自分を傷つけら れるような行為、あるいは物を壊すというような強度行動障害と言われますよう な支援の難しい困難な事例に対する支援方法の確立、また学齢期あるいは青年期 におきまして、学校でありますとか職場への不適応を起こしやすい事例に対する 支援の確立などに重点を置きまして調査研究事業を進めております。これらの成 果といたしまして、これまでも、発達障害の特性があるかどうかを早期にきちん と評価するための標準的な評価指標の開発、それから親御さん等にも分かりやす く支援の手法を理解をしていただくためのリーフレット、あるいは学校や職場の 方々にも分かっていただくためのマニュアルなどを作成してきておるところでご ざいます。  これらのものを、国の設置をしております発達障害情報センターあるいは各都 道府県で設置を進めていただいております発達障害者支援センター、こういうと ころでの研修等を通じて広く普及に努め、活用に努めてまいりたいと。また、今 の文部科学省の取組等と連携をして更に施策の充実を図ってまいりたいというふ うに考えております。 ○山東昭子君 これらに関しては、治療方法というものは何かあるんでございま しょうか。 ○政府参考人(木倉敬之君) 今までも、その障害、現れた障害に対する軽減と いいますか、動揺しない、急にパニックに陥らないための支援方法というふうな ことで、医学も含めた研究が進んできているというふうに思っております。しか しながら、根本的にそれを治療をしてということについてはまだまだ研究途上に あるんじゃないかというふうに考えております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『あたまと心で考えよう SSTワークシートー社会的行動編』 http://ldnews2000.web.fc2.com/books/00059.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 編集後記 ------------------------------------ 01:55 2011/08/24 □ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ また暑くなりそう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ LDニュースの記載内容に関する質問には原則として回答いたしかねます ■ ■ 編集に際し正確を期していますが最終保証責任は免責とさせて頂きます ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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