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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/ _/ _/ LD (Learning Disabilities) NEWS Since 1997.9.10 _/ _/ _/ _/ LD(学習障害)ニュース   1998.03.09  # 032 _/ _/ _/ _/ 登録読者数 434 LD親の会「けやき」編集 _/ _/ _/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■■■■■■    HEAD LINES  ■■■■■■■■■ ★ 「LD(学習障害)児への理解と援助のための親と教師の集い」 4回目 ★ NHKフォーラムに参加して。。。。   【投稿】「メロディ」さん ★ 「風のたより」(「トトロ通信」改め)  Rsakurai@jade.dti.ne.jp ★ 「けやき」HP更新情報+編集後記 ■■■■■■■■■    HEAD LINES  ■■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「LD(学習障害)児への理解と援助のための親と教師の集い」 4回目 ----------------------  LDニュース読者の「あんくるトム」氏より前号に引き続き、投稿をい ただきました。。。感謝申し上げます。  (1998.3.4受理) 「あんくるトム」ホームページ http://www.mars.dti.ne.jp/~miyata-k/ * ホームページのURLが変更になっています。上記のものに変更を! ---------------------- 1998年2月27日(金)「LD(学習障害)児への理解と援助のための親と教師 の集い」4回目(最終回)に参加しました。 今回のテーマは、「LDのソーシャルスキルトレーニング」。講師は、(社) 神奈川学習障害教育研究会の「安住ゆう子」先生でした。 今回も、学習障害児に関して勉強中のあんくるトムが、聞き覚えた事と、感 じた事をここで紹介します。必ずしも講師の先生が伝えようとしていた事を、 正確に表現できない場合も有る事を、ご理解願います。 まず、「ソーシャルスキル」とは、社会的な技量とでも言いますか、「適切 な人と人とのつきあい方」と考えれば、よさそうです。 ソーシャルスキルトレーニングとは、そもそもはアメリカで始まった方法で、 精神障害者が、対人関係を良くしながら、社会に適応していく為のトレーニ ングを、学習障害児に適応したものだそうです。 ソーシャルスキルトレーニングの前提になるものは、次の3つだそうです。 1.親子の愛着関係  これは、お母さんと赤ちゃんの親密関係みたいなものです。 2.欲求の充足  以下に示す欲求が満たされたときに、望ましい対人関係がとれるそうです。   ・生理的欲求  たとえば、おしっこがしたいとか。   ・安全欲求   家にいると落ち着くとか。   ・社会的欲求  所属(家族の一員、学校、地域)している満足感。   ・自我欲求   自分がこうしたいなどの欲求。   ・自己実現欲求 さらに、もっとこうしてみたいという欲求。 3.基本的な生活習慣   一定の生活習慣を、守る事。 つぎに、どうして「LDはソーシャルスキルに問題を持ちやすいか」。 LD児の場合、人と人との付き合いの上で、基本的に重要だと考えられる事 が、うまくできません。具体的に言うと、  ・表情:相手の表情を見て意味を理解する事や、自分で表情豊かに会話で   きにくい  ・視線:話すときに、相手と視線を合わせるのが苦手。  ・身振り:身振り手振りを加えて、会話するのが苦手。  ・姿勢:比較的姿勢が良くないので、誤解されやすい。  ・距離:会話に適した距離を、保ちにくい。  ・身体接触:握手や、触られる事を嫌う事がある。  ・外見:程度によって、外見で誤解されやすい。  ・声の手がかり:声の抑揚を理解したり、使ったりしにくい。  ・会話の技術:会話の技術が未熟な場合が多い。  ・聞き方:聞き方が未熟な場合が多い。  ・話し始め:きっかけを掴みにくい。  ・続け方:話をうまくつないでいく技術が未熟な場合が多い。  ・切り上げ方:話をうまく切り上げる技術が未熟な場合が多い。 これらの事を総括すると、「視覚認知」「状況理解」「注意の集中」「言語 理解」に難がある為と、整理できます。 つぎに、「ソーシャルスキルの実践」ですが、次のような方法があります。 1.モデル 実際にやってみせて、行為の善悪を示して上げる。目からの情報処理が得意 な場合には、有効な方法です。 2.話し合い、ディスカッション、ディベート 相手が、理解してくれるまで、根気よく話し合ったり、討論してみる方法で す。 3.ワークシート、チェックリスト やるべき事や、取り決めなどの一覧や、チェックリスト、ごほうびシールな どを加えて目標を明確にしてみる。 4.ソーシャルスキルトレーニングを意識したゲーム 家族で参加して遊ぶ事により、順番やルールを守る意識を持たせる。 5.ロールプレイング 疑似体験を経験させたり、やってみせて上げて自分の行為を見せて上げる。 最後に、関わり方のポイント。 1.子供が出来そうな事から、取り組んでいく。 2.子供が分かりやすく、大人も伝えやすい方法で、取り組んでいく。 3.工夫と、時間が必要。 4.ユーモアのセンスを取り込んで、生活をアレンジする。 5.もし自分だったらと想像力を働かせ、イメージを育て上げる。 6.生活の中で、チャンスを見つけていく。 講習の内容は、大体こんな所です。 講習の中で、実際にソーシャルスキルのチェックリストで、チェックする時 間が有りました。 その中で、「ほぼ出来る」で選んだ中で一番を選ぶようにいわれたときは、 すぐ選べましたが(あまり無かったので)、「補助が有れば出来る」で選ん だ中の一番は、選び切れませんでした。(それが一番多かったので、その中 の一つを選べなかった)これで、4回に渡る講習会は、終わりました。 あんくるトムは、全てが勉強で、実践に移していくには、難しいところも有 るけれど、がんばるつもりです。 今回のシリーズでは、聞いている事が精一杯だったので、質問タイムに何を 聞いたら言いか、整理できずに質問できませんでした。 次の機会には、スキルをもう少し上げて、質問してみたいです。 -------------------------------- 4回にわたる連載はこれで終了します。あんくるトムさんご苦労様でした。 なお、全4回分をまとめて、「けやき」HPの「最新情報」にアップしてお きましたので、ご覧下さい(LDニュース編集人)。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ NHKフォーラムに参加して。。。。   【投稿】「メロディ」さん --------------------------------- LDニュース読者の「メロディ」さんより、先日お願いしました、アンケー トの回答をいただきました。ご了解が得られましたのでご紹介いたします。                             1998.3.4受理 --------------------------------- 最近、北関東のあるLD児の親の会に入ったばかりの者ですが、今回初めて 東京で行なわれるフォーラムに参加して、大変刺激を受けました。 まず、後援に「東京都」や「東京都教育委員会」が入っていることに驚かさ れました。教育行政のトップの方がLDのフォーラムを後援されていること に羨ましさを感じます。 福祉その他は、地方によってかなりの開きが出ますが、この意識の格差は何 とかできないものだろうかと、フォーラムに参加して歯がゆい思いです。 ギャラリーの質が、その地域の教育行政の質を左右するということを強く感 じました。やはり親から何も上がってこない地域では、変わりようがありま せん。せめて自分から行動を起こし、色々な情報を回りのお母さん方に流し ていけたらと考えています。 進んでいる東京都でも、地域によってLDの通級教室の設置状況には差があ るのですね。(最後の方に発言されたK市のお父さんの話を興味深く聞かせ ていただきました)またLDに対応するには、T・T(チーム・ティーチン グ)や通級教室などがありますが、それぞれに難しさがあることも勉強させ ていただきました。 上野一彦先生の「T・Tは、普段担任をしている先生が補助に回り、T・T に付いた先生が授業を行なうのが望ましい」という意見が新鮮でした。また 高学年になるにしたがって、通級教室を利用するにあたり「なぜ僕だけみん なから離されて個別指導を受けなければならないのか」というLD児のプラ イド傷つける怖れがある、という話も勉強になりました。 東京都の熱気あふれる三つの親の会の皆さんを目の当りにして、パワーをい ただけたように思います。今回のフォーラムで学んだことを、地元で還元し ていけたら・・・と考えています。 ありがとうございました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「風のたより」(「トトロ通信」改め) Rsakurai@jade.dti.ne.jp ------------------------ 「LDニュース」読者の、「風のたより」(「トトロ通信」改め)編集者様 の御厚意により、「風のたより」#50 1998.3発行より転載いたしました。 ------------------------  千葉市の小学校で就学検診時に行われていた知能テストが、来年度からな くなるそうです。 少子化の時代。就学検診を親として体験するのも一度か二度。けっこうハ ラハラしながら出かけて行ったのの、子供達だけが引率されて奥で検査を受 け、親は講堂で入学準備か何かのお話。後から子供にどうだったと尋ねても いっこうに要領を得ない。アレって私にとっては緊張した割に印象に残らな いイベントでした。  今回ちょっと意外だったのは、検診時に知能テストを実施している政令指 定都市が千葉市を含めて二カ所だけとのこと。「えーっ! テストするのが 当たり前だと思ってた!」と叫んだのは私だけでなく、現場の先生達もこれ には驚いたそうです。集団で行う知能テストの信頼性や、検査結果で子供の クラスを振り分けるという被差別感から、知能テストの廃止が障害者団体を 中心に強く要求されているのが最近の動向です。よそから見れば、千葉市っ て遅れてるぅ、ということだったのかもしれません。  知能テストがなくなったからといって、千葉市から特殊学級がなくなるわ けではありません。就学前に自主的に相談機関などで個別の検査を受け、そ の上で進路を決定しましょうというのが市の意向のようです。でも、各相談 機関と学校との協力体制は現在どの程度確立しているのでしょう? 入学し てくる子供に関して何の情報もなくて不安だ、と現場の先生達はとまどいを 感じていないのでしょうか。「廃止」というだけではなく、「それに代わる 体制」を早急に整えてほしいものです。 LDの親として、この問題はとても複雑な思いなのです。集団テストで明 らかになるほどLDは単純ではありません。かといって、就学前に自主的に 相談に行くLDの親は、他の障害に比べ極端に少ないのではないかと思いま す。高学年や中学生になって、二次・三次障害をおこし、こじれにこじれた 問題をかかえて初めて親の会にいらした方が、それまで何一つ検査も相談も 受けたことがなく、我が子に障害があるとはどうしても信じられない、と愕 然とされるケースをたくさん見ました。LDということばが知られるように なり、こうしたケースは以前ほど多くないかもしれませんが、それでも一見 普通に見える子供の脳の中に問題の原因がある、という事実を受け入れるの は勇気が必要なことに違いありません。  早期発見・早期療育が叫ばれながらそれがなかなか実現しないのは、そん な中途半端な親のこだわりがあることも認めます。そのうえで私は行政に対 してお願いしたい。LDの親は障害を認めたくないわけではないのです。L Dの親は誰よりも子供の問題を知っており、子供に対して不安を持っていま す。ですから、その不安にきちんと対応できる相談機関を用意していただき たいのです。障害か正常かを判定する機関ではなく、これくらいなら大丈夫 という安易な励ましではなく、様々なLDに対してどんな対応があるか、責 任を持って示してくれる相談機関がほしいのです。  入学してもやっていけるかどうか不安です。−−−−−  それなら、言葉の教室への通級はどうですか?補助教師が入るチームティ  ーチングの制度がありますよ。  越境通学になりますが、隣の学校なら少人数のクラス対応ができると思い  ます。  ここの特殊学級でしたら、この子のペースに合わせることが出きます。  今の状態では医師に相談する方がいいのでは。  −−−− こんなふうに可能な援助のバリエーションを教えてもらえない でしょうか。  そして、「お子さんのこういう問題に関して、こういう対応をすれば必ず 改善が見られますよ」と自信を持って言える相談機関になってくれないでし ょうか。方法はいっぱいある。こういう見通しがある。私達はそんな意見が 聞きたいのです。不安で孤独な親子にすべての責任をまかせないで、ときに は親と共に教育や医療の現場に介入できるような権利と技量を持った機関を 作ってください。そうでなくてはLDの親たちは相談機関に足が向かないの です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「けやき」HP更新情報+編集後記 --------------------  おかげさまで、今回も投稿していただける方が多くて、編集者としては大 変大変、楽させていただいてます。その浮いた時間をホームページの方の更 新へ振り向けたいとこですが。。。これがちょっと。。。(^^;  最新情報にいくつか追加があります。また、リンクページにも追加があり ます。ご覧下さい。  最近「けやき」HPへのアクセス数が、やや落ち込んでいるみたいです。 40/日ぐらいだったのが、30/日ぐらいになっている。。。  ま、最近更新があまりないもので、申し訳けありませんです。。。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& LD (Learning Disabilities) NEWS &&&&&&&& LD NEWSは「まぐまぐ」http://www.mag2.com/ を利用して発行しています

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