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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/ _/ _/ LD (Learning Disabilities) NEWS Since 1997.9.10 _/ _/ _/ _/ LD(学習障害)ニュース   1998.02.09  # 028 _/ _/ _/ _/ 登録読者数 380 LD親の会「けやき」編集 _/ _/ _/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■■■■■■    HEAD LINES  ■■■■■■■■■ ★ 立花隆氏・講演会「人類を蝕む環境ホルモンの恐怖」1997.11.1 より ★ 岩波書店刊・雑誌「科学」編集氏への手紙 1998.2.7 より ★ 「神戸の連続小学生殺傷事件」関連記事 発達教育1997.12月号 ★ 「LD児への理解と援助のための親と教師の集い」に参加して ★ アメリカンスクールでのLD教育について 1998.2.7 ★ 「けやき」HP更新情報+編集後記のようなもの+その他 ■■■■■■■■■    HEAD LINES  ■■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 立花隆氏・講演会「人類を蝕む環境ホルモンの恐怖」1997.11.1 より −−−−−−−−−−−−−−−  アメリカ在住のLDニュース読者「輝き」さんからのお知らせで知ったの ですが、評論家の立花隆氏が、講演会で「学習障害」関連の問題に言及して いるそうです。  話題として取り上げることには、何ら異論はありませんが、少々気になる 論の進め方があるようなので、ここでご紹介し、皆様のご意見を伺いたいと 思いました。  1997年11月1日に「兵庫県立人と自然の博物館開館5周年記念講演会」に おける、立花氏の講演記録によると。。。 *参考: http://www.iijnet.or.jp/wgendai/TACHIBANA0/KOUEN971101.html -------以下引用-------(1) ダイオキシンは、偽のホルモンとして甲状腺の働きを低下させる。そのメカ ニズムについて話すと長くなりますが、その結果、脳に作用する結果、「知 能の低下」という現象を引き起こしてしまうんです。 いま、日本の小・中学校では、LDと呼ばれる新しいタイプの学習機能の障 害例がいくつも報告されています。同じことを何回くりかえしても覚えられ ない、覚えが非常に悪いといった学習障害が現れ出しているんです。これは アメリカでも同じで、アメリカ全体の知能指数が5ポイント下がったと唱え ている学者もいます。こういったことも、環境ホルモンの影響が大きいと思 われているわけです。 -------以上引用-------(1)  何か「学習障害」に対する捉え方が、違うな?という気がします。ま、こ のへんはまだいいのですが。。。 ------以下引用--------(2)  96年の11月に、父親が息子を金属バットで殴り殺した事件が東京の湯島で ありました。原因は息子の家庭内暴力でした。こうした問題が起きるたびに、 マスコミは家庭のしつけや教育の問題、受験戦争などを原因に挙げました。 でも、私はずっと釈然としなかったんです。それだけの原因で、父親に息子 殺しを決意させるような異常な家庭内暴力が起こるはずはない。だけど、環 境ホルモンが、感情障害を引き起こし、異常な暴力性を生む場合もあるとい うことをを知って、ああそうなのかと思いました。  神戸の連続小学生殺傷事件、「酒鬼薔薇聖斗」事件も、犯行当時14歳だっ た少年の精神鑑定結果には、性的異常がみられたと報道されました。どのよ うな性的異常であったかは明らかにされていませんが、環境ホルモン→性的 異常→異常殺人というのは一つのありうるリンクなのです。 ------以上引用--------(2)  ま、さすがに断言はしてませんが、この講演会全体での論の進め方から考 えると、LD(学習障害)について良く知らない人が聞いたら、「環境ホル モンの影響で生まれた、LD児は凶暴で恐ろしい子どもだ」などという、誤 った印象を与えかねないと思うのですがどうでしょうか?  確かに、アメリカなどでは犯罪や少年非行とLDとの関係について研究さ れていて、ある一定の関連性の指摘もあるようです。  しかしながら、LDに起因する問題行動が周囲の不適切な対応によって二 次的な社会的不適応などの形で助長されたものであり、適切な対応によって 未然に防げるはずのものであることを、一方において述べておかなければ、 むやみに恐怖感や不安感のみあおるだけになると思うのですが如何なもので しょうか?  なお、立花氏へは以上のような趣旨の質問メールを入れておきましたが、 2月9日現在では返事はいただいておりません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 雑誌「科学」1998.1月号 科学者の社会的責任とジャーナリズムの役割 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−  岩波書店刊・雑誌「科学」の表記特集記事中に、環境ホルモンと学習障害 との関連について言及されているとのこと。  編集者がたまたま参加しているML(メーリングリスト)で、「科学」の 編集氏の投稿がありました。それによると。。。 「化学物質汚染がもたらす学習障害の問題」を取り上げる企画があるとの ことでした。この夏ころか、その以前になるとのこと。。。  そこで、「立花講演会」と同様の懸念があることをお伝えしましたところ、 十二分に配慮していきたい旨のご回答をいただいております。 岩波書店・雑誌「科学」ホームページ http://www.iwanami.co.jp/kagaku/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「神戸の連続小学生殺傷事件」関連記事 発達教育1997.12月号より −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  朝日新聞では、昨年11月頃から「神戸の連続小学生殺傷事件」に関して 「暗い森」と題して、シリーズ記事を連載してましたが、取り上げ方に疑問 の声があがっていたようです。  今回の事件の背後に「発達障害」「注意欠陥・多動性障害」があるかのよ うな表現が、明確な裏付けもないまま掲載されていたというものです。  特に、朝日新聞東京本社版1997.11.5.付けの記事では、見出しとして「発 達障害」と掲載されました。  今回の事件については、その原因については不明な点も多く、このような 時点で「発達障害」に起因するかのような印象を読者に与えたことや、きわ めて「特異」な今回のような事件を取り上げて、「発達障害」「注意欠陥・ 多動性障害」に対して、無用の「恐怖感」「不安感」を読者に与えたという ものです。  このことに対して、精神発達指導教育協会(雑誌・発達教育発行元)は、 同会理事長名で朝日新聞社に対して質問状を送付し、訂正と謝罪文の掲載を 求めたものです。その結果、大阪版11月10日、東京版同月11日付けで、訂正 と謝罪文が掲載されました。  編集者の私見ですが、どう考えても協会側に理があるように思うのですが 皆様は如何お考えでしょうか? 参考:「発達教育」発行所:(社)精神発達障害指導教育協会 〒115 東京都北区神谷 2-17-2 TEL 03-3903-3800 FAX 03-3903-3836 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「LD児への理解と援助のための親と教師の集い」に参加して −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  LDニュース読者の「あんくるトム」氏より投稿をいただきました。。。 感謝申し上げます。 (1998.2.8受理) 「あんくるトム」ホームページ http://www.dtinet.or.jp/~miyata-k/ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− かながわLDネットワーク主催の「LD(学習障害)児への理解と援助のた めの親と教師の集い」に、参加してきました。 これは、1998年2月6日から27日までの、毎金曜日に4回行われるもので、 その1回目に参加しました。 かながわLDネットワークとは、神奈川学習障害児親の会「にじの会」と、 (社)神奈川学習障害教育研究会、ライナス教育研究所、(財)横浜YMC Aとで、構成されています。 1回目は、「家庭と学校との連携及び小グループによるディスカッション」 でした。 まず、全国親の会代表の山田さんの講演から始まりました。 LD児を育てていく上で、家庭と学校との役割分担は50対50で、応分に負う ようになる。その場合、双方が同じ基準で、物事を考えて、進めていく必要 があるそうです。 つまり、双方で見方や指導が異なると、子供は戸惑い混乱するそうです。 この為に、家庭と学校(担任の先生)とは、密に情報交換をしていく必要が あります。 具体的には、れんらく帳を作り、家庭であった事、学校であった事を、双方 で連絡し会い、情報を共有するようにする事だそうです。 親は、子供がLDとかADHDとかと言う、診断結果にとらわれる事無く、 子供の得て不得手をしっかりと把握して、その時々に合った対応のみならず、 先の先まで考えて指導していく事が望ましいそうです。 また、教師の側に対しては、担任の先生に理解がある事が望ましい事以上に、 周りの先生方の理解が無いと、担任の先生の孤立や、限界などの問題が生じ るので、学校全体でのバックアップのシステムの必要性を訴えられていまし た。 その他に、就学に関する情報や、診断機関、教育機関などの紹介がありまし た。 また、LD児の場合、不得意なものが出てくると、自己防衛意識が働き、 「やだ」「できない」などの、反抗が出始め、やがて「攻撃的な態度」に発 展する恐れもある事が、言われました。 また、父親の役割に付いても、母親のバックアップと、外部への交渉の際の 窓口などの役割を、担う必要性を訴えられました。 最後に、子供の長い人生を考え、先に去っていく親が、悔いを残さずに済む ように、自立できるように、得意な事を見つけ出して上げる努力と、社会性 を身に付けるように指導していく事の重要性を訴えられました。 特に勉強や成績に付いては、周囲との比較など止めて、あまり気にしない事。 それよりも、なによりも、社会性を育てていく事を、重視していくように言 われました。 その後、小学校低学年から高校生までの親と教育関係者で、10人ぐらいずつ のグループに分かれ、親の立場や教育側の立場で、質疑応答や今後3回の講 習会での学習のポイントなどに付いて、ディスカッションしました。 講演1時間、ディスカッション1時間の2時間でした。 あんくるトムの感想は、内容的には、親の心構えと教員の側の実態などが分 かり、役に立ちました。親の皆さんは、こういう催しには、どんどん参加さ れたほうがいいと思いました。 参加者は、定員90名に対し、7割ぐらいに見えました。親と教育関係が半々 ぐらいかな。男性は参加者の2割にはいってなかった様に見えました。 LDの問題の認知度や関心がまだまだなのかなと感じる一方、父親の関心の 低さも目立ったのかなと思いました。 まだ、今後3回ありますので、言い切るのは早いとは思いますが。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ アメリカンスクールでのLD教育について。 (投稿1998.2.7受理) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  LDニュース読者の「トトロ通信」編集者様より、投稿いただきました。 LDニュース #026 で、アメリカンスクールの先生の件をご紹介したところ 早速、英文メールで情報交換されたとのこと。。。今回、スクールの先生の 転載許諾を得て、公開させていただきます。ありがとうございました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ところで先生からの情報ですが、少しまとまったのでご報告します。 「けやき」例会でお聞きになったことと多少重複すると思いますが・・。  先生はアメリカンスクールの高校でLD学生のサポートを専門にやってい る先生です。高校の生徒数は約500名。学生はほとんどがアメリカ人で、 いわゆる帰国子女の日本人が若干名、ヨーロッパ国籍の子が数人とのことで す。この中にLDが11名、ADDが7名いるのだそうです。この学生の多 くは日本でその診断を受けたそうで、アメリカにいるときに診断を受けたと いう子は数人だとか。アメリカンスクールには週に一度スクール・サイコロ ジストが来て先生と共に仕事をするそうなのですが、このスクール・サイコ ロジストに検査をしてもらった学生が大勢いるそうです。  先生はノースキャロライナ州立大学で特殊教育の修士号をとり、アメリカ 国内の公立学校で3年間LD学生の指導を経験した後、昨年調布のアメリカ ンスクールに来られました。アメリカンスクールではLDの他にも英語を母 国語として使っていない子たちもみており、中学・小学校の方のLDサポー トも行っているそうです。高校では先生が唯一のLD担当教師だそうですが、 中学校には2人、小学校に2人のLDサポート教師がいます。  この先生方はすべてLDについて勉強されたスペシャリストだということ です。  実際にLD学生に行っている援助は、行動面、認知、人間性等様々な介入 を行っているとのこと。LDへの援助というのは子どもによって異なるので、 何が一番いいとは決められない、とおっしゃっています。  その個々への援助(IEP)はどの様にして決めるのか、と尋ねましたと ころ、アメリカンスクールは私立の学校なので法律上のIEP(個別指導プ ログラム)を作ることができない、とのこと。アメリカの法律では特殊教育 は公立の学校で行われることになっているらしいです。で、その子の状態や レベルによって違うのですが、IQテスト、学力テスト、担任の意見、学校 の記録など、学生についてできる限り多くの情報を集めて、その子の必要と している援助を決定しているとのことです。  先生のことばによれば「わたしは、自分が学ぶためにはどうすればよいの か、学生自身が知ってくれることが一番いいことだと思っています。だから、 援助を決定する段階で学生の意見をできるだけ尊重していきます。  わたしのやり方はまず「自己を知れ」というものです。そうすることによ って、学生は自分の弱点を補う様々な手段を開発することができ、その中で 一番いい方法を自分で選び取ることができると思うのです。私の信念は、ど んな援助が効果があるか、一番よく分かるのは学生自身だということです。  こうした学生達の卒業後の進路についても尋ねてみましたが、私と先生の 間に若干認識の違いがあったせいか、ちょっとあいまいなものになってしま いました。  しかし、ほとんど全員が大学に進学し、LD・ADD学生とそうでない学 生との間に大きな差はないようです。前述のように私立学校なので、重度の 障害を持った子ではないから、といった説明がありました。これが、LD・ ADDを普通に大学に行ける程度の軽度障害と考えているのか、LD・AD Dでも知的に高い子がここに来ているという意味なのかは、わかりません。 「トトロ通信」については。。。 rsakurai@jade.dti.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「けやき」HP更新情報+編集後記のようなもの+その他 ------------------------------------  ここのところ、本来の業務が多忙となり、また私用で出かける機会も多く HPの更新は、ほとんど手つかず状態です。。。(~~; すいません。 リンク先に、いくつか追加がございますのでご覧下さい。また、LDフォ ーラムもおかげさまでめっきり発言数が増え、にぎわっております。それで 従来単に「会議室」としていたものを、混乱を避けるため「LDの会議室」 と改称しました。投稿内容については、従来と変更はございませんので、お 気軽にご利用下さい。  先日、近所の書店にて「英文電子メールの書き方」なる、ハウツー本を購 入して、にわか勉強しています。というのも、最近「英文電子メール」を受 け取ることがめっきり増えてきたためです。こんなことなら、学生時代にも う少し真面目にやっとくべきだったなぁ〜(^^; 昨晩も、デンマーク在住のLDを持つ方のHP関連のご照会をいただきま した。幸い、デンマーク語ではなく英語だったので、辞書片手になんとか。 直接ご本人が、HPを作成しているようです。早速、リンクの申込みをして おきました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& LD (Learning Disabilities) NEWS &&&&&&&& LD NEWSは「まぐまぐ」http://www.mag2.com/ を利用して発行しています

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